板倉大地、加治隼人2021年8月2日 11時14分 園児が送迎バスに閉じ込められて死亡する事故が起きた福岡県中間市の双葉保育園では、週明けの2日も、朝から子どもを預けに来る保護者たちの姿が見られた。「不安だけど、仕事があるから預けざるを得ない」。保護者たちは複雑な思いを漏らした。 中間市中心部に近い住宅地にある園には、午前7時を過ぎた頃から保護者たちの車が到着し始めた。子どもと手をつないだり、だっこしたりしながら、次々と園の中に入っていった。 男児を預けた保護者の女性は「事故があって不安だけど、仕事があるのでこのまま預けざるを得ない」と話す。園では7月31日に事故についての保護者説明会が開かれ、その後、夫と別の園に入れようかと話し合った。だが、待機児童の問題もあるなかで転園先が見つかるのか心配で、今度、市役所に相談するつもりだという。 別の保護者の女性も「事故があって不安なので園を替えたいが、なかなか見つからない。仕事があるので今日も預けに来た」と話した。 一方、男児を預けている保護者の30代女性は「事故があったのは残念だけど、園にはこれまで通り信頼を置いている」という。2日は普段より園児が少ない印象だったというが、「仲が良い友達もいるので、これからも通わせ続けたい」。 登園させない保護者も 登園させなかった保護者もいた。息子を通わせている30代男性は「園からは納得できる説明もなくて、安心して子どもを預けられません」。当面は家で妻が面倒を見るつもりだという。「友達もいるし、あと少しで卒園。そのまま通わせたい気持ちもあるけれど……」と悩む。 男性によると、周囲には「『登園させる親は何を考えているんだ』とネットでたたかれそうで怖い」と不安を漏らす保護者もいるという。 双葉保育園では7月29日、倉掛冬生(とうま)ちゃん(5)が登園時に乗った送迎バスの中に取り残され、熱中症で亡くなった。県警が業務上過失致死の疑いで捜査している。 ただし、急に仕事を休めない保護者もいるため、園の弁護士によると、市からは保育を継続するよう指示されているという。(板倉大地、加治隼人) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
熱海土石流 避難住民ら、盛り土めぐり賠償請求を検討
静岡県熱海市で起きた土石流の起点付近にあった盛り土をめぐり、市内のホテルに避難している住民らが2日、記者会見した。法令基準を超える盛り土が被害を甚大化させたとみられており、住民は市や県、土地の所有者などに対し、損害賠償請求を検討していることを明らかにした。 盛り土は、神奈川県小田原市の不動産会社が2007年に熱海市に届け出た計画に基づいて造成した。だが、静岡県によると、計画通りに造成されず、条例の基準の約3倍(約50メートル)の高さ、総量も計画と比べて約2倍(7万立方メートル超)になったと推定されている。排水施設や崩落防止の土堰堤(えんてい)もなかったとみられる。 県と市が事業者に指導を繰り返したものの、改善を強く求める命令は出していなかった。土地は11年2月に現所有者に売却。県や市の担当者が当時、盛り土の危険性を把握していたかどうかは「調査中」だ。 会見で被災地域の住民からは… この記事は会員記事です。無料会員になると月5本までお読みいただけます。 残り:175文字/全文:573文字 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
ドライバーの飲酒検査、業務の白ナンバー車も義務化へ
千葉県八街(やちまた)市で6月、飲酒運転のトラックにはねられた小学生5人が死傷した事故を受け、警察庁は、自分たちの荷物などを運ぶ「白ナンバー」の車を業務で使う事業者が一定の基準を満たす場合、アルコール検知器による運転者の飲酒検査を義務づける方針を固めた。 事故を起こしたのは、資材を運ぶ白ナンバーのトラックだった。現状では、飲酒していないか点呼で確認すると定められているが、その方法は事業者任せになっている。このため警察庁は、有償で人や荷物を運ぶ「緑ナンバー」と同じく、検知器の使用を義務づけ、飲酒運転対策の強化を図る。道路交通法施行規則の改正に向けて作業を進める。 義務化されるのは、白ナンバ… この記事は会員記事です。無料会員になると月5本までお読みいただけます。 残り:696文字/全文:996文字 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
薬剤師、抗がん剤窃盗容疑「転売した」 元勤務先から
2021年8月2日 14時08分 かつて勤務していた薬局から医薬品を盗んだとして、警視庁は、東京都大田区北嶺町の薬剤師野本一定容疑者(43)を建造物侵入と窃盗の疑いで逮捕し、2日発表した。容疑を認め、「転売して投資用マンションのローンの返済にあてた」と話しているという。 荏原署によると、野本容疑者は5月27日午後8時ごろ、東京都品川区の薬局から抗がん剤の「スプリセル」180錠(170万円相当)を盗んだ疑いがある。4月までの約3年間、同店に勤めており、窓口にいた知人の店員に母親の処方箋(せん)を渡し、隙を見て調剤室から薬を持ち去ったという。 野本容疑者は「昨年3月ごろから盗んだ。10回くらいやった」などと供述しているという。この薬局ではこれまでに約1500万円分の医薬品がなくなっており、署が関連を調べている。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「公道NG」電動スケボーで通勤、車と衝突 書類送検
【動画】最高時速が約45キロ 公道での走行禁止の電動スケボーで事故=藤牧幸一撮影 公道で走れない電動スケートボードで乗用車と衝突事故を起こしたとして、愛知県警は2日、名古屋市昭和区の男性会社員(32)を道路交通法違反(安全運転義務違反)の疑いで書類送検し、発表した。 男性は「公道で乗ってはいけないことはわかっていた」と容疑を認めているという。 電動スケボーの走行をめぐる検挙は県内で初めてで、全国的にも珍しいという。 中署によると、男性は昨年9月2日午後4時20分ごろ、同市中区の市道の車道を電動スケボーで走行しながら交差点に進入し、右折してきた乗用車とぶつかった。けが人はなかった。 県警は男性の電動スケボーは最高時速が約45キロで、モーターの性能などから道交法の「普通自動車」にあたり、公道走行にはミラーやライトなどの安全装置の設置が必要と判断した。 男性はインターネットで電動スケボーを購入し、事故当時は通勤中だったと説明しているという。 簡単操作で快走、危険性も 「公道NG」浸透せず 電動スケートボードは、デッキと呼ばれる板の部分にモーターがあり、デッキに置く足の位置や手元のリモコンで前進や停止をするものが一般的だ。 スポーツ用品店やインターネ… この記事は会員記事です。無料会員になると月5本までお読みいただけます。 残り:465文字/全文:962文字 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「価値観しかない」元最高裁判事が見た夫婦同姓「合憲」
夫婦が同じ姓にしないと結婚できない今の制度について、最高裁大法廷は6月、2015年に続いて再び憲法に違反していない、と判断しました。2度目の合憲判断はなぜ出たのか。15年判決で「違憲」だとする少数意見を出した元最高裁判事の櫻井龍子さんに読み解いてもらいました。 櫻井龍子・元最高裁判事 1947年生まれ。70年に旧労働省に入省し、育児休業法などを手がけた。九州大法学部客員教授などを経て、2008年9月、歴代3人目の女性の最高裁判事に。17年1月に退官。 ――また、「合憲」でした。 今回は難しいと、わかっていた でもボールの投げ方は違う 「違憲は難しいだろうという結論は、分かっていました。前回判断してからまだ5年ちょっと。一度出た判例を変更するのは、めったにあることじゃありません。私が判事として経験した判例変更による違憲判断では、最初の憲法判断からの期間が最も短いものが非嫡出(ちゃくしゅつ)子の相続分差別ですが、それでも18年かかっています。しかも、今回は15年に合憲と判断した裁判官が3人も残っていますから。前回の判断をなぞる形になると予想はしました」 ――15年と同様に、また国会で議論せよとボールを投げました。 「今回のポイントは、『ボールの投げ方』です。最高裁にあるのは『国会がつくった制度と法律が憲法に違反していないか』の審査権です。最も分かりやすいのは、選挙の定数をめぐる一票の格差訴訟です。最初は合憲が続きましたが、ある時から『違憲状態』という結論を出すようになりました。『国会が自分の裁量で決めることだけど、もうそろそろ見直さないと、違憲になりますよ』と国会に対して警告し、実際に違憲も出しました」 「これを、ある最高裁長官が『キャッチボールをしているんだ』と言ったことが印象に残っています。国会にボールを投げて、返ってきたものが違反していないか審査して、またボールを返して――。今回の決定も、同じようにボールを投げたな、と思いました」 ――ですが、15年判決でも… この記事は有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。 残り:2771文字/全文:3546文字 Think Gender 男女格差が先進7カ国で最下位の日本。生きにくさを感じているのは、女性だけではありません。だれもが「ありのままの自分」で生きられる社会をめざして。ジェンダーについて、一緒に考えませんか。[記事一覧へ] Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「公道NG」電動スケボーで通勤、車と衝突 書類送検
【動画】最高時速が約45キロ 公道での走行禁止の電動スケボーで事故=藤牧幸一撮影 公道で走れない電動スケートボードで乗用車と衝突事故を起こしたとして、愛知県警は2日、名古屋市昭和区の男性会社員(32)を道路交通法違反(安全運転義務違反)の疑いで書類送検し、発表した。 男性は「公道で乗ってはいけないことはわかっていた」と容疑を認めているという。 電動スケボーの走行をめぐる検挙は県内で初めてで、全国的にも珍しいという。 中署によると、男性は昨年9月2日午後4時20分ごろ、同市中区の市道の車道を電動スケボーで走行しながら交差点に進入し、右折してきた乗用車とぶつかった。けが人はなかった。 県警は男性の電動スケボーは最高時速が約45キロで、モーターの性能などから道交法の「普通自動車」にあたり、公道走行にはミラーやライトなどの安全装置の設置が必要と判断した。 男性はインターネットで電動スケボーを購入し、事故当時は通勤中だったと説明しているという。 簡単操作で快走、危険性も 「公道NG」浸透せず 電動スケートボードは、デッキと呼ばれる板の部分にモーターがあり、デッキに置く足の位置や手元のリモコンで前進や停止をするものが一般的だ。 スポーツ用品店やインターネ… この記事は会員記事です。無料会員になると月5本までお読みいただけます。 残り:465文字/全文:962文字 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
五輪じゃないけど世界一 望月さん、バックギャモン優勝
東京五輪以外でも、日本人が盤上で優勝――。モナコのモンテカルロで開催された第45回世界バックギャモン選手権(45TH BACKGAMMON WORLD CHAMPIONSHIP)で、日本のバックギャモンプロプレーヤー、望月正行さん(42)が1日、最終決戦でスイスのカルロス・エステンソロさんを破って優勝した。望月さんは朝日新聞の取材に「追いつかれてきた時が一番焦った。決勝戦でやはり冷静ではなかったのかも。妻と3人の子どもに報いることができた。コロナ禍で、2年ぶりに世界大会を開催できたこと自体、大きな『勝利』」と話した。 バックギャモンはチェス、トランプ、ドミノと並ぶ世界4大ゲームの一つ。同選手権は毎年モナコで開催され、昨年はコロナ禍で中止となっていたが、今年はおよそ20カ国100人余がエントリーし、7月27日から8月1日まで、2年ぶりにモナコで開催された。望月さんは現在、バックギャモンの世界ランキング1位。2009年、同選手権で日本人として初めて優勝し、今回、2度目の優勝を飾った。14年と18年に優勝したプロプレーヤーの矢澤亜希子さんは、今年は渡航と出場を断念している。 望月さんの優勝後の一問一答は次の通り。 ――2度目の優勝を手にした。 「結果的に優勝できたことには大変満足している。子どもが3人いるので、海外トーナメントに1人で出場するときは妻に大きな負担をかけていて、それに少しでも報いることができたなと」 「内容的にはよくない部分も多々あり、反省してまた精進したい」 ――今回、一番苦しかった場面は。 「決勝戦の2試合目、リードしている状況から少しずつ追いつかれてきた時が一番焦った。落ち着いて対処すればよかったが、やはり決勝戦という状況で冷静ではなかったのかもしれない」 ――コロナ禍で2年ぶりの開催となった。今回、参加できなかった日本勢もいた。 「正直、大会が開かれるかどうかもわからない中だったので、普段より少ない人数とはいえ開催されてほっとしている。ワクチンを早めに打てたので、参加することができて幸運だった」 「コロナ禍はステイホームする時間が多かったため、勉強する時間はいつもより取れた。ただ、それ以上に他のプレーヤーも勉強してレベルアップし、全体のレベルはこの2年で大きく上がったと思う」 ――いま、東京五輪の様々な競技が注目を浴びている。スポーツの分野ではないが、バックギャモンも、鈴木琢光さん、矢澤亜希子さん、望月さんを含め、この12年で5回も日本選手が優勝した。にもかかわらず国内では認知度向上が大きな課題とされる。 「バックギャモンの最大の魅力は、世界各国のプレーヤーと年齢、性別の区別なく競い合えること。今の時代はAIとインターネットがあるので、強くなるのに環境も選ばない。今回、コロナ禍でありながら、世界のプレーヤーが集まり、世界選手権を開催できたこと自体が大きな『勝利』。個人的にも、ライバルであり、友人でもあるプレーヤーたちと再び集えたことが本当にうれしい」(寺下真理加) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
五輪じゃないけど世界一 望月さん、バックギャモン優勝
東京五輪以外でも、日本人が盤上で優勝――。モナコのモンテカルロで開催された第45回世界バックギャモン選手権(45TH BACKGAMMON WORLD CHAMPIONSHIP)で、日本のバックギャモンプロプレーヤー、望月正行さん(42)が1日、最終決戦でスイスのカルロス・エステンソロさんを破って優勝した。望月さんは朝日新聞の取材に「追いつかれてきた時が一番焦った。決勝戦でやはり冷静ではなかったのかも。妻と3人の子どもに報いることができた。コロナ禍で、2年ぶりに世界大会を開催できたこと自体、大きな『勝利』」と話した。 バックギャモンはチェス、トランプ、ドミノと並ぶ世界4大ゲームの一つ。同選手権は毎年モナコで開催され、昨年はコロナ禍で中止となっていたが、今年はおよそ20カ国100人余がエントリーし、7月27日から8月1日まで、2年ぶりにモナコで開催された。望月さんは現在、バックギャモンの世界ランキング1位。2009年、同選手権で日本人として初めて優勝し、今回、2度目の優勝を飾った。14年と18年に優勝したプロプレーヤーの矢澤亜希子さんは、今年は渡航と出場を断念している。 望月さんの優勝後の一問一答は次の通り。 ――2度目の優勝を手にした。 「結果的に優勝できたことには大変満足している。子どもが3人いるので、海外トーナメントに1人で出場するときは妻に大きな負担をかけていて、それに少しでも報いることができたなと」 「内容的にはよくない部分も多々あり、反省してまた精進したい」 ――今回、一番苦しかった場面は。 「決勝戦の2試合目、リードしている状況から少しずつ追いつかれてきた時が一番焦った。落ち着いて対処すればよかったが、やはり決勝戦という状況で冷静ではなかったのかもしれない」 ――コロナ禍で2年ぶりの開催となった。今回、参加できなかった日本勢もいた。 「正直、大会が開かれるかどうかもわからない中だったので、普段より少ない人数とはいえ開催されてほっとしている。ワクチンを早めに打てたので、参加することができて幸運だった」 「コロナ禍はステイホームする時間が多かったため、勉強する時間はいつもより取れた。ただ、それ以上に他のプレーヤーも勉強してレベルアップし、全体のレベルはこの2年で大きく上がったと思う」 ――いま、東京五輪の様々な競技が注目を浴びている。スポーツの分野ではないが、バックギャモンも、鈴木琢光さん、矢澤亜希子さん、望月さんを含め、この12年で5回も日本選手が優勝した。にもかかわらず国内では認知度向上が大きな課題とされる。 「バックギャモンの最大の魅力は、世界各国のプレーヤーと年齢、性別の区別なく競い合えること。今の時代はAIとインターネットがあるので、強くなるのに環境も選ばない。今回、コロナ禍でありながら、世界のプレーヤーが集まり、世界選手権を開催できたこと自体が大きな『勝利』。個人的にも、ライバルであり、友人でもあるプレーヤーたちと再び集えたことが本当にうれしい」(寺下真理加) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
国後、利尻への海底ケーブル施設 歴史的価値に注目
戦前、北海道と国後島、利尻島の間には、通信を担う海底ケーブルが敷かれていた。当時の様子をいまに伝える施設の歴史的価値に、注目が集まっている。 国後島が終戦後に旧ソ連軍に占領され、北方領土の一部となるまで根室市との間をつないだ海底ケーブルの陸揚(りくあげ)庫は、国の登録有形文化財になることが決まった。利尻島にある陸揚庫でも調査が進み、ケーブルらしい遺物の存在も確認された。 国後島への海底ケーブルは当初、島と根室市の北にある標津町とをつなぐ形で1897(明治30)年に敷設された。さらに、同じ年に択捉島までを結んだ。 しかし、2年後の99年に標津町と国後島の間のケーブルが流氷で切断されたため、ルートを根室市と国後島との間の約38キロに変え、翌1900年に敷設し直された。 一方、利尻富士町教育委員会によると、利尻島の海底ケーブルは1899年に敷設され、稚内市の抜海地区から利尻町を経て礼文島までを結んでいた。いずれも明治期に、当時の逓信省が海底ケーブル網を全国へ広げていく過程で整備されたものだ。 北方領土への海底ケーブルは、旧ソ連軍が国後島や択捉島を占領した後の1945年9月半ばごろまで使われた。根室市の西浜地区の海岸べりにある陸揚庫は、海底ケーブルを陸に引き揚げて電信局などへ中継する業務を担った。 鉄筋コンクリート造り平屋建… この記事は会員記事です。無料会員になると月5本までお読みいただけます。 残り:1528文字/全文:2119文字 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル