2021年8月26日 20時20分 1994年に当時中学2年だった次男がいじめを苦に自殺し、その後、いじめをなくそうと講演活動などを続けてきた愛知県西尾市の大河内祥晴(おおこうち・よしはる)さんが24日、膵臓(すいぞう)がんで亡くなった。75歳だった。葬儀は26日に営まれた。 大河内さんは各地の学校などで講演を続け、いのちを大事にすることやいじめをなくすことなどを訴えてきた。2019年7月に岐阜市立中学3年の男子生徒がいじめを苦に自殺した問題では、対策委員会の副委員長を務めた。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
勇気ある怒りの校長「僕は大阪市長よりも自分に怒った」
今年5月、「公教育はどうあるべきか真剣に考える時が来ている」という文章から始まる、ある提言がSNSで全国に広がった。書いたのは、大阪市立木川南小学校の久保敬校長。今月、市教育委員会から文書訓告を受けた。教員生活37年のベテランがなぜ、なにに怒ったのか。それは「勇気がなかった自分への怒り」だったという。 ――松井一郎市長宛てに、実名で提言を出そう、と考えたきっかけは何だったのですか。 「新型コロナで、子どもたちの権利が軽視されていると感じたことです。昨年は、一斉休校の遅れを取り戻すために夏休みが短縮されました。感染予防のために学校生活を制約されながらも、詰め込まれたカリキュラムを必死にこなしているけなげな子どもから、これ以上余裕を奪ってはいけない、と僕は思っていました」 「そこに今年4月、市長が突然、オンライン学習へ切り替えるという方針を出した。通信環境や保護者のサポートの差など課題が多いのは明らかでした。『市民の声』という制度で意見も出しましたが、何も変わらない。憤りに背中を押される思いで、子どもを生きづらくしているいまの社会や教育への批判も含めて文書を書き、市長に直接、郵送しました。先輩3人に『こんなん送りました』とメールしたのがきっかけで、SNSにあげる人も出てきて、全国的に知られることになりました」 ――ひとりの校長の発言が、なぜここまで広がったのでしょう。 「できもしない方針を出す市の態度に、多くの保護者や市民が疑問を抱いたことが一番の要因だったのではないでしょうか。政治のやり方を批判すると『反日教育』と言われかねない怖さを感じている教員も少なくない。そういう人が自分の気持ちを代弁してくれた、と受け止めたのかもしれません。全国どこでも、教育の独立性が損なわれていることの表れとも感じます」 文句は「退職まではやめとこ」と思っていたが ――「市長への怒りの提言」だと話題になりました。 「ええ。でも、僕が怒っていた相手は市長ではなくて、自分だったんです」 ――どういうことですか。 記事後半では、久保校長の提言は「理想論では?」と問いかける記者に対し、教育者として忘れられない一つの出来事を答えられます。クラスで頼りにしていたしっかり者の女の子からの「えこひいきや」という痛烈な一言がありました。また、大阪市教委から文書訓告を受けたことへの思い、松井市長からの「提言は社会の現場を知らない」という反発についても語られます。 「なんだか学校がおかしいこ… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
懐かしの硬券切符はいかが? 北海道拓殖バスが限定販売
2021年8月26日 17時30分 北海道・十勝地方を中心に運行している北海道拓殖バス(音更町)が、創立60周年記念乗車券の販売を始めた。かつて幅広く使われていた昔懐かしい厚紙の「硬券乗車券(切符)」を再現。限定100枚で販売している。 同バスでは下車時に料金を支払う一般的な方式のほかにも、帯広駅前バスターミナルなど3カ所で、比較的長距離区間の支払いに便利なように、一般路線バスの切符も販売している。1990年代初めごろまでは硬券切符を使用していたが、道内のメーカーが製造をやめたことなどに伴い、現在は、薄い紙の切符になっている。 今回、創立60周年を機に、「懐かしくて、記念として残るものを」と硬券切符の再現を企画した。 記念乗車券は、帯広駅から観光地の然別湖(鹿追町)行きで、1650円。本州で現在も硬券切符を作るメーカーを探し出し、地紋が並ぶ往時のイメージをそのまま再現。昭和時代と同じ活版で印刷するなど細部にもこだわった。名刺サイズ二つ折りの台紙には、同社の60年のあゆみや路線図などが掲載されている。 販売は、帯広駅前バスターミナルのみで、100枚限定。実際に使用することも出来る。同社営業課は「昔を知っている方には懐かしく、若い方にはこういう時代があったことを感じてもらえれば」と話している。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
コロナで結婚式キャンセル、解約料の支払いどうなる?
コロナ禍を理由にした結婚式のキャンセルで式場の解約料は発生するのか、しないのか――。式場側と夫婦の間で、この点を争う民事訴訟が東京地裁で起きている。「キャンセルは誰のせいでもない。解約料の支払いは納得できない」とする夫婦側に対し、式場側は「一律に無償でキャンセルを認めると経営破綻(はたん)する」と訴えている。 訴状などによると、関東地方で暮らす20代の妻と30代の夫は2020年2月、東京都内の式場での結婚式をブライダル会社に申し込んだ。式は同6月の予定で、見積金は約230万円だった。 だが夫婦は、コロナの感染拡大で政府が同4月に初の緊急事態宣言を出したタイミングで、式の参加者に医療従事者や地方居住者がいることなどから式場側にキャンセルを申し出た。 ■式場側、キャンセルは「自己… この記事は有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。 残り:806文字/全文:1151文字 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
工藤会トップの法廷発言、弁護団が説明「脅す意図ない」
4件の市民襲撃事件で殺人罪などに問われ、福岡地裁で死刑を言い渡された特定危険指定暴力団・工藤会(北九州市)のトップで総裁の野村悟被告(74)が閉廷後に「生涯後悔するぞ」などと裁判長に発言したことについて、弁護団が26日、「報復や脅しの意図はなかった」との見解を報道機関に説明した。 弁護団によると、野村被告は24日の判決公判の閉廷後、足立勉裁判長に向かって「推認、推認」「公正な裁判をお願いしていたのに、全然公正じゃない」「生涯後悔する」などと発言した。 弁護団は24日夜と26日に… この記事は会員記事です。無料会員になると月5本までお読みいただけます。 残り:356文字/全文:600文字 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
大阪維新・前副代表が府議を辞職 週刊誌報道を受けて
久保田侑暉2021年8月26日 14時42分 大阪維新の会副代表を務めていた今井豊府議(貝塚市)は26日、府議を辞職した。所属していた維新会派の幹部を通じて辞職願を提出し、府議会の鈴木憲議長が許可した。今井氏をめぐっては、ニュースサイト「デイリー新潮」が女性問題や政治資金の問題を報じていた。 今井氏は25日付で大阪維新と国政政党・日本維新の会を離党していた。維新会派の森和臣代表によると、辞職の理由は「一身上の理由」だという。府選挙管理委員会によると、議長が提出した欠員通知を選管が受理してから50日以内に補選が行われる。 今井氏は、橋下徹・元大阪府知事や松井一郎・大阪市長とともに、2010年に結成された地域政党「大阪維新の会」の創設者の一人で、昨年11月まで党幹事長を務めていた。 今井氏と同じ創設メンバーの1人でもある鈴木議長は報道陣に「色々万感の思いはある。大変残念だ」と話した。今井氏本人から連絡は受けていないという。(久保田侑暉) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
五輪「名誉のため」には懐疑的? 「否定」薄れた理由は
世論調査では開催直前になっても反対の声が根強かった東京五輪。SNSでは日本勢の活躍などで盛り上がる一方、期間中に新型コロナウイルスの感染者が急増したこともあり、その評価は日々、ポジティブとネガティブの間を揺れ動いた。 五輪への受け止めは、結局どうだったのか。 定点調査の結果を見ると、スポーツの楽しさを味わったことで五輪への否定的な感情は次第に和らいだものの、「名誉のため」といった大義には懐疑的な人が多かったことがうかがえる。 五輪反対、7割→5割に 大阪大の三浦麻子教授(社会心理学)と香港城市大の小林哲郎准教授(同)は、五輪に対する世論の移り変わりを探ろうと、5月下旬から全国の1千人を対象に調査を始めた。答えてくれた人に次回の協力を依頼する形で調査を続け、閉幕後の8月10、11日にあった10回目では789人から回答を得た。 開催への賛否を聞くと、1回… この記事は会員記事です。無料会員になると月5本までお読みいただけます。 残り:1258文字/全文:1644文字 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
免許取得直後の「無謀かつ危険な運転」 同乗者に後遺症
2019年10月に東広島市の市道で車を横転させ、同乗者の大学生の女性(21)らに重傷を負わせたとして、危険運転致傷罪に問われた元少年の被告(20)の判決公判が25日、広島地裁であった。藤丸貴久裁判官は「無謀かつ危険な運転だ」として、懲役2年8カ月(求刑懲役4年)を言い渡した。 判決などによると、当時18歳だった被告は19年10月10日夜、東広島市高屋町稲木の市道で乗用車を運転し、時速104キロで右折カーブに進入。曲がりきれずに車が横転し、後部座席の女性と助手席の男性(21)に重傷を負わせた。車外に投げ出された女性は、四肢まひの後遺症が残った。 検察側は、被告が法定速度が時速60キロの市道を一時150キロで走行し、100キロ近くまで減速してカーブに進入したと指摘。「気分の高揚から高速度の運転を見せつけようとした」と述べた。これに対し、被告は公判で起訴内容を否認。「曲がり切れると思った」として危険運転致傷罪は成立しないと主張した。 藤丸裁判官は判決で、被告はカーブ手前で減速しており、「制御が困難な高速度だと認識していた」として同罪は成立するとした。被告は当時、免許を取得して約1カ月で、同乗の男性が「やめろ」と何度も注意したにもかかわらず、「自身の運転技能や車の性能を過信し、自慢しようとした。あまりにも浅はかだ」と述べた。「被害者は重度の障害を一生背負う。結果は極めて重大」とした。 「被告は全くわかっていない」法廷での意見陳述 事故で重い障害が残った女性の将来は暗転した。2年近く経った今も自宅で療養を続けている。 名古屋市から公判に通った女… この記事は有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。 残り:525文字/全文:1210文字 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
米軍、普天間からPFOS含む水放出 県「即刻中止を」
国吉美香2021年8月26日 11時55分 米軍は26日、沖縄県宜野湾市の普天間飛行場から、発がん性が疑われる有機フッ素化合物PFOS(ピーフォス)を含む水の下水道への放出を開始したと発表した。県によると、午前9時すぎに「30分後に放出する」と連絡があった。県はすぐに中止するよう求めた。 県によると、米側からPFOSを含む汚染水の放出の意向が示され、県は水の安全性が確認できるまでは放出しないことを求めていた。放出量や場所は不明という。米軍は発表文で、適切に処理し、汚染はほぼ除去できていると説明した。 米軍の対応を受けて、宜野湾市の松川正則市長は防衛省沖縄防衛局と外務省沖縄事務所を通じて米側に抗議。玉城デニー知事は26日正午前にも臨時記者会見を開く。 放出計画は、米側が日本側に打診していることを地元紙などが報じ、沖縄県は防衛局に問い合わせて内容を確認。米側は日本側に「汚染水は業者に委託し処分してきたが財政負担が大きい」「飲料水レベルまで下げて下水道に流す」などと説明していた。 県によると、県の下水道処理施設ではPFOSなどの濃度は軽減されないため、放出されれば海に流れる可能性が高い。一方、県や市には該当する条例などがなく、制限は難しいという。専門家からは、放出量によって環境への影響が変わってくることなどから、米側の情報開示の重要性を強調する意見が上がっていた。(国吉美香) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「週末農家」いかがですか SNS発信、仲間とつながる
「アニメで見たおいしそうな野菜が食べたい」「コロナ禍のなか、子どもと外で体を動かしたい」。平日は会社勤めをしながら、週末は畑で農作業をする「週末農家」が関西で広がっている。農の楽しさをSNSなどで発信し、仲間とつながる楽しさもある。一方、副業先として農業を選ぶ企業もあり、農の担い手が多様化している。 8月22日、大阪府八尾市の畑。ハウスの中ではナスが実をつけ、ハウスの横にはサツマイモや里芋の葉が茂っていた。育てているのは、大阪市の会社員、渡辺博文さん(27)。昨年春から週末に畑に通って作業をしている。 愛知県出身、学生時代はラグビー、社会人になってサーフィンに打ち込んだスポーツマンだが、農業には縁がなかった。広告会社の営業職で、転勤で大阪へ。農業に関心を持ったきっかけは、農業高校を舞台にしたアニメに登場した、新鮮な野菜を食べるシーンだった。「取れたての野菜が食べたい」。農家の知り合いは全くいなかったが、即、行動に移した。インスタグラムで大阪の農家を検索し、メッセージを送った。そこで、「とりあえず話聞こうか」と興味を持ってくれたのが、大阪府東大阪市の花農家、清水信行さん(44)。渡辺さんは直接会いに行き、八尾市の清水さんの畑で農業を始めた。 最初に育てたのは、生で食べ… この記事は有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。 残り:2081文字/全文:2626文字 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル