北海道内36自治体の新型コロナワクチン接種のコールセンター業務を請け負う日本郵政グループの「JPツーウェイコンタクト」(大阪市)は30日、問い合わせの2割にしか対応できなかったのに、7割に応答したと発注元の自治体に虚偽の報告をしていたことを明らかにした。速水真悟社長が記者会見を開き、オペレーターを十分に確保していなかったことが原因だったとして謝罪した。 同社によると、4月26日~6月28日、計39万4918件の問い合わせの電話があったが、オペレーターが対応できたのは20・9%の8万2605件。担当者は「報告できる数値ではない」と判断。問い合わせ件数を計「19万5295件」に減らし、対応件数を「13万9427件」に水増しすることで、「71・4%」に対応したと虚偽の報告をした。4%しか対応できなかった日もあったという。 同社は当初、1日2千件程度の問い合わせを想定してオペレーター15席以上の体制で開始したが、実際には平均で3倍程度の問い合わせが殺到した。対応時間も長くなりがちで電話がつながらない状態が続き、同社は最終的に最大45席まで増やして対応した。その後、問い合わせ件数が減少し、状況が改善したという。 同社が請け負うワクチン接種の予約業務についてはシステムが異なり、正常に行われたという。(松尾一郎) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「二度と来るな!」県外ナンバー車に紙 名前も無断使用
新型コロナウイルス感染症の急速な拡大に伴い、群馬県にも緊急事態宣言が出される中、県外ナンバーの車に「二度と群馬県に来るな!」という紙が貼られていたとするツイッターへの投稿が波紋を広げている。 地元住民などへの取材によると、28日に前橋市のショッピングセンターの駐車場に男性が車を止めて買い物をし、戻ったところ、リアガラスとワイパーの間に貼り紙がしてあるのに気づいた。「コロナウイルスを都会から一生群馬県に持ち込むな!」ともあり、「ネット上にナンバープレートと車体を晒(さら)します」と続いていた。車は長野ナンバーだという。 貼り紙の一番下には「城東町三丁目自治会」と書かれていたが、自治会長の伊東研一さん(63)は「全く身に覚えがない。自治会の名前が使われ、とても憤慨している」と話した。29日朝、フェイスブック仲間から「ネット上で大変なことになっている」と連絡を受け、騒ぎを知ったという。 伊東さんは「前橋のマイナスイメージにつながる恐れがある」として29日、山本龍市長にも連絡。市長は自身のツイッターに「匿名の影に隠れ文章を書き他者を傷つけた悪意は許しがたい」と投稿した。 伊東さんは「車の持ち主も私たちもお互いに被害者。人を傷つけるような行為は二度としないでほしい」と話している。(小泉信一) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
不明の高3、山梨で遺体発見 男女を遺棄容疑で逮捕へ
2021年8月31日 3時42分 東京都墨田区の女子高校生が28日夕から行方不明になっていた事件で、警視庁は31日未明に記者会見し、生徒は私立高校3年生の鷲野花夏(かな)さん(18)で、山梨県内の家屋で遺体を発見したと発表した。警視庁は、群馬県渋川市の自称夫婦の20代男女から死体遺棄容疑で事情を聴いており、容疑が固まり次第逮捕する方針。 捜査関係者によると、男女のうち少なくともどちらかは鷲野さんと知り合いだった可能性が高いという。 捜査1課の説明では、鷲野さんは28日午後3時半ごろ、家族に「友人に会う。すぐに帰る」などと言って家を出たまま行方がわからなくなった。午後6時半になっても帰宅しないため、不審に思った家族が110番通報したという。 警視庁は周辺の防犯カメラの映像などを調べ、行方を捜索。鷲野さんが自宅近くの路上で何者かの乗用車に乗り込んだことを確認した。同庁は30日午後7時20分ごろ、この車を長野県内で発見。乗っていた男女に事情を聴いたところ、鷲野さんの遺体を山梨県内に放置したことを明かし、殺害についてもほのめかしたという。 鷲野さんの服には血のようなものが付着していた。同庁は司法解剖をして死因などを調べる。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
踏まれた側は忘れない 満蒙開拓団2世が見てきたこと
「星空の村」で有名な長野県阿智村。この山あいの村に戦前の旧満州に移住した人々の苦難を伝える満蒙開拓平和記念館がある。開拓団は国策で送り出された被害者だったが、中国侵略に加担した加害者の側面もあった。団員2世として、手弁当で同館の運営に当たる寺沢秀文さんに「不都合な真実」を直視する難しさを聞いた。 被害と加害、両方の側面 振り返りたくない過去だった 寺沢秀文さん(満蒙開拓平和記念館館長) ――記念館は公的施設ではなく、民間の運営なんですね。 「1932年に中国東北部に建国されたのが『満州国』で、日本政府が食糧増産や農村の立て直しのほか、満州防衛の一端を担わせようと展開したのが満蒙開拓団でした。記念館には、開拓団の映像や写真、証言などさまざまな展示があります。この中に、外地を管轄した大東亜省が敗戦間際に出した『居留民は出来得る限り定着の方針を執る』という文書と、敗戦後に大本営参謀名で出した『満鮮に土着する者は日本国籍を離るるも支障なきものとす』という文書があります。政府が、残された開拓団ら在外邦人を『棄民』としたことを物語るものとされる文書です。ある公設資料館の関係者がこれを見たとき、『うちではとても展示させてもらえない』と話していました」 ――それはどうしてですか。 「行政はこの問題に、総じて後ろ向きだからです。戦前、国は100万戸を移住させる計画をたてて約27万人を送り込みました。敗戦間際にソ連が侵攻してきた際、開拓団は置き去りにされ、老人や女性、子どもの逃避行は悲惨を極めました。約8万人が亡くなったとされ、置き去りにされた子どもらの中国残留邦人の問題も生まれました。満蒙開拓はこれだけ犠牲を出したのに、公的機関などもこの問題に特化した資料館をつくろうとしませんでした」 「記念館は8年前にできましたが、最初は官民共同での建設を願いました。国策として推進した国や行政、それを受け入れた国民両方にこの問題と向き合う責務があると考えたからです。しかし、当初段階では、積極的な支援は得られませんでした」 ――なぜ行政はそんなに後ろ向きなのでしょうか。 「誰にとっても、振り返りたくない過去だったのだと思います。満蒙開拓には満州国の支配やソ連国境の防衛といった軍事的な目的もありました。現地の中国人からみれば、開拓団は家や土地を奪った侵略者にほかならない。被害と加害、両方の側面があるのが、満蒙開拓団の真実なのです。被害者ならまだしも、加害者という負の側面については語りたくないというのが心情でしょう」 「外地で起きたということもあるでしょう。開拓団は裸同然で帰国しており、歴史を伝えるための資料も乏しい。帰国後も、無一文のような状態で厳しい経済状況だった人も多かった。振り返る余裕がなかったともいえます」 満州で起こったことは、自慢して話すことではない「パンドラの箱」だったと語る寺沢さん。記事後半では過去の歴史を乗り越えるには、何が必要なのかについて聞きました。 未来で大切な人を守るためには、加害の事実にも向き合うことは避けられない ――開拓団員の反応はどうだったのでしょうか。 「開館を応援してくれる人が… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「野戦病院」構想 大阪どうなる 看護師らの確保に壁
会員記事 本多由佳、添田樹紀、久保田侑暉2021年8月31日 6時00分 新型コロナウイルス向けの軽症・中等症病床の使用率が9割と逼迫(ひっぱく)するなか、大阪府と大阪市は患者の受け入れ強化策を相次いで打ち出す。「野戦病院」とも言われる、1千床規模の臨時医療施設の整備といった「重層的な対策」を目指す。医療従事者の確保などが難航する可能性もあるが、足元で進む感染急拡大への対応を急ぐ。 「病院や宿泊療養を補完するものにし、自宅療養で亡くなる方を一人でも減らしたい」。吉村洋文知事は30日、コロナ対応の特別措置法に基づく臨時の医療施設を整備する意義を強調した。 府と市は同市住之江区の国際展示場「インテックス大阪」に設置する方向で調整している。軽症か、酸素投与の必要がない「中等症Ⅰ」の患者の受け入れを想定し、重症化を防ぐ抗体カクテル療法をいずれ実施することも検討する。 吉村知事によると、吉村知事と大阪大学医学部付属病院の関係者が27日に会談。運営を指揮する感染症の専門医を派遣してもらえると決まったことが、臨時施設の整備に向けた「決定的な判断材料」になったという。 関西経済連合会も18日、「… この記事は会員記事です。無料会員になると月5本までお読みいただけます。 残り:1140文字/全文:1605文字 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
自治体にGIGA支援センター設置へ 文科省概算要求
伊藤和行2021年8月30日 18時38分 小中学校の児童生徒に1人1台の情報端末配備が進むなか、文部科学省は来年度、全国の自治体に「GIGAスクール運営支援センター」(仮称)を整備することを決めた。端末の故障時の対応や教職員のサポートなどを担う拠点として、整備する自治体に運営費の半額を補助する。30日に公表した来年度予算の概算要求に64億円を盛り込んだ。 文科省が7月末までに全国の公立小中学校に行った調査によると、全学年または一部学年で端末の活用を始めていると答えた小学校は96・1%、中学校は96・5%だった。一方、今年4月以降、端末の破損・紛失は計1万8104台(整備台数全体の約0・2%)あったという。5月に行った自治体へのアンケートでは、課題として、学校の学習指導での活用や、教員の活用指導力をあげる回答が多かった。 GIGAスクール運営支援センターは、学校現場に近い自治体に、こうした課題に即応してもらい、端末の活用を広げる狙いがある。ICT(情報通信技術)活用にノウハウがある民間事業者に業務委託してもらい、その運営費の2分の1を文科省が補助する。端末使用時のトラブルや紛失・故障などに対応するヘルプデスクの開設、ICT支援員の育成・確保などを担ってもらうことを想定している。(伊藤和行) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
衣類のみそ漬け実験に検察が反論 袴田巌さん再審請求審
新屋絵理、植松敬2021年8月30日 19時19分 静岡県で1966年にみそ製造会社の一家4人が殺害された強盗殺人事件で死刑が確定した袴田巌さん(85)=釈放=の第2次再審請求審の審理が30日、東京高裁であった。弁護側が証拠の捏造(ねつぞう)を疑う衣類の血痕について検察側が提出した意見書に対し、弁護側がさらに説明を求めた。 袴田さんの犯行着衣とされた衣類は逮捕から1年後にみそタンクから見つかり、血痕の赤みが残っていた。しかし、弁護側の実験では血痕はみそに漬けて1カ月で黒褐色に変わり、弁護側は発見直前に別人が投入した捏造証拠だと主張した。最高裁は昨年、血痕が変色する化学反応に絞って審理のやり直しを命じた。 検察側は7月末に意見書を出した際、食品衛生学などの専門家2人が「タンクのみそが淡い色だったため、化学反応はあまり進行しなかったと考えられる」などとの見解を示した報告書を提出。みそによっては長期間漬けても赤みが残りうると反論した。 弁護側はこの日、検察側が以前に行った実験でも血痕は1カ月で黒くなった点との矛盾を指摘し、さらなる説明を求めた。(新屋絵理、植松敬) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
強殺容疑で71歳男を逮捕「知人のおばあさんを刺した」
緑川夏生2021年8月31日 1時42分 新潟県警は30日深夜、新潟市中央区寄附町、自称無職丸山与次郎容疑者(71)を強盗殺人の疑いで逮捕し、発表した。容疑を認めているという。 新潟中央署によると、丸山容疑者は30日正午ごろ、同区栄町2丁目のパート従業員五十嵐ツエさん(91)宅で、五十嵐さんの首付近を包丁で突き刺して殺害し現金2082円が入った財布1個を盗んだ疑いがある。約1時間後、丸山容疑者が同区内のコンビニエンスストアの駐車場から「知人のおばあさんを包丁で刺した」と110番通報。署員が駐車場で身柄を確保した際、包丁と財布を持っていたという。 五十嵐さんは、室内で血を流して倒れている状態で見つかった。五十嵐さんは一人暮らし。県警は動機や死因を調べている。(緑川夏生) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
ヘルパーの代筆投票、二審も認めず 公選法規定は合憲
米田優人2021年8月30日 19時30分 選挙の投票用紙に自筆できない障害者らの代筆を、投票所の係員に限るとした公職選挙法の規定が憲法違反に当たるかが争われた訴訟の控訴審判決が30日、大阪高裁であった。西川知一郎裁判長(松井英隆裁判長代読)は、公選法の規定を合憲と判断し、自分が希望するヘルパーなどの代筆を認めるよう求めた原告側の訴えを退けた。 訴えたのは、大阪府豊中市の中田泰博さん(49)。中田さんは脳性まひがあり、親しい介助ヘルパーらに代筆してもらい投票してきた。だが、2013年の公選法改正で代筆は「投票所の事務に従事する者」とされたため、16年の参院選で、ヘルパーによる代筆投票が認められなかった。 中田さんは、改正された公選法の規定が投票の秘密を保障する憲法15条に違反すると主張。面識のない第三者に投票先を知られずに投票できる選択肢を設けるべきだとし、ヘルパーに代筆を頼める権利があることの確認などを求めていた。 30日の高裁判決は、規定は自筆できない人の投票の秘密を制約するが「投票所の係員には公務員としての守秘義務があり、制約を最小限度にとどめようとするものだ」と指摘。不正投票を防ぎ、選挙の公正を確保するための措置でやむを得ないとして、昨年2月の一審・大阪地裁判決と同様に、合憲だと結論づけた。 判決後に記者会見した中田さんは「非常に残念で悔しい。障害者の平等な投票は、まだまだ先が遠いと改めて思った。(最高裁で)投票における多様性について考えてもらいたい」と語り、上告する意向を示した。(米田優人) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
パラ選手村で自動運転車が運行再開へ 接近音上げる対策
三浦淳平2021年8月30日 21時24分 トヨタ自動車は30日、東京パラリンピック選手村(東京都中央区)での事故を受けて運行を取りやめていた自動運転の大型電気自動車について、大会組織委員会が31日午後3時から運行再開を決めたと発表した。車両の接近音の音量を上げるなど対策を行う。 26日に事故にあった柔道(視覚障害)男子81キロ級の北薗(きたぞの)新光選手は、28日の試合を欠場している。 トヨタによると、安全対策として、自動運転車の加速や減速、停止を車内のオペレーターが手動で行う。オペレーターの横に、安全確認を担う人員1人を配置する。接近音の音量も従来の2~3倍に上げる。組織委と協力し、選手村内の交差点の誘導員を増やす。 豊田章男社長は30日夜、自社メディア「トヨタイムズ」で、「接触された方の一日も早い回復をお祈り申しあげます。運行停止により、選手村の皆様に移動でご不便をおかけしたことを申し訳なく思います。車、歩行者、インフラが三位一体となって対策を確実に行う」とのコメントを出した。 警視庁などによると、26日午後2時ごろ、信号のない横断歩道を渡っていた北薗選手と、右折してきた大型電気自動車「eパレット」が接触。北薗選手は頭を打つなどし、大事をとって28日の試合を欠場した。 豊田社長は27日夜、トヨタイムズで陳謝。報道陣の取材に応じ、事故時の状況については「車内からは(歩行者が)死角だった」と説明し、事故の要因については「パラリンピックの会場で、目が見えないことや耳が聞こえないことへの想像力を働かせられなかった」と述べていた。(三浦淳平) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル