東京都内最大級で、現存する最も古い団地の一つだった石神井公園団地(練馬区上石神井)が解体され、半世紀の歴史に幕を下ろした。住民の多くは思い出の詰まった巨大団地との別れを惜しみつつ、建て替えでできるマンションで新たな人生を踏み出す。 7月12日、更地となった団地跡地にかつての住民たちが集まった。建て替え工事の安全を祈願する地鎮祭を見守るためだ。 約40年を団地で過ごした女性(76)は、何もなくなった跡地を感慨深そうに眺めた。「子育ての思い出がたっぷり詰まった場所。夫が亡くなり一人暮らしとなったが、またこの場所に戻りたいと思った」と話し、新たにできるマンションに入居予定という。 石神井公園団地は1967年に建てられ、5階建ての9棟に490戸がひしめいていた。団地の管理組合の理事長だった岡崎登さん(86)は、団地ができた年の分譲の募集に応募。運良く抽選で入居が決まった。「当選した時は本当にうれしかった。住民同士が仲が良いのが印象的だった」 給水塔の周りで開く夏祭りは30年以上続く団地の風物詩となった。住民手作りの縁日に、子どもみこし、練習を重ねたフラダンスなどを披露した。絵画やダンスのサークル活動も盛ん。春には桜並木のトンネルをみなで散策した。子どもたちの遊ぶ声が響き、にぎやかな日々だった。 だが、建物の老朽化と住民の… この記事は会員記事です。無料会員になると月5本までお読みいただけます。 残り:601文字/全文:1172文字 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
九州各地で観測史上最多の大雨 「出口見通せない」状況
池町川(奥)があふれて道路が冠水し、ボートで救助される住民ら=2021年8月14日午前10時39分、福岡県久留米市梅満町、吉本美奈子撮影 [PR] 九州を中心にした記録的大雨は14日も続いた。気象庁は「経験のないような大雨になっている」として、未明から早朝に長崎県と佐賀県、福岡県に大雨特別警報を発表。大雨の要因となっている前線の停滞は今後1週間程度は続く見込みで、「出口は見通せない」状況だ。 【写真まとめ】九州北部で大雨 冠水や土砂崩れ相次ぐ 大雨特別警報の対象は午前10時10分時点で、福岡県久留米市、小郡市、朝倉市、大牟田市、大川市、みやま市、大木町、長崎市、長崎県西海市、佐世保市、東彼杵町、川棚町、波佐見町、佐賀市、佐賀県多久市、小城市、鳥栖市、神埼市、吉野ケ里町、武雄市、大町町、江北町、白石町、鹿島市、嬉野市、有田町。 大雨が始まった11日以降、九州の西の東シナ海で雨雲が次々とわき、西日本へ流れ込んでいる。雨のもとになる暖かく湿った空気が停滞する前線に向かって入り続け、前線の活動を活発化させているためだ。この影響で、集中豪雨をもたらす線状降水帯も頻繁に発生している。 14日午前10時までの72… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「盛り土の流出は人災」 熱海土石流、法廷で真相究明へ
静岡県熱海市伊豆山で発生した土石流の起点付近にある盛り土をめぐり、真相解明と責任の追及をめざす被災者の団体が動き出した。被害者の会が13日、伊豆山で記者会見し、盛り土の土地の所有者らを来週にも刑事告訴する方針を表明した。9月末には損害賠償請求訴訟を提訴する準備も進めるという。 伊豆山の土石流はこれまでに死者23人が確認され、行方不明は4人。遺族や被災者ら約30人が12日、「熱海市盛り土流出事故被害者の会」を設立した。 加藤博太郎弁護士は会見で「盛り土の流出は人災ではないかと考える。まず刑事事件の手続きに入る」と表明。所有していた土地に盛り土を積み上げた業者を業務上過失致死傷、盛り土を引き継いだ現在の所有者を重過失致死傷の容疑で告訴する考えを示した。 7月3日の被災から1~2カ月で刑事告訴と民事訴訟に乗り出す理由について、加藤氏は、行政による調査は「年単位」を要する場合が多いとし、「速やかに提訴し、所有者などに資料開示を求めていく。法的措置をとりながら、並行して証拠関係を収集していく」と説明。「事件が風化する前に速やかな措置を取る」と強調した。 被害者の会の会長には、母・陽子さんが犠牲になった瀬下雄史さん(53)が就任。法廷での責任追及の目的について、「悪徳業者を排除し、被害者をこれ以上増やさないようにする。一石を投じる」と発言。「母の死を通じ、世の中を少しでも、いい方向に変えていく」と思いを語った。 被害者の会はより多くの被災者の訴訟への参加を呼びかけている。太田滋副会長は「地域コミュニティーをどうやって復活させるか考えている。被害者が集まることで、より良い地域ができると良い」と話した。 被害者の会には、業者の盛り… この記事は会員記事です。無料会員になると月5本までお読みいただけます。 残り:1018文字/全文:1744文字 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「日本の失敗の原因は満州から」 漫画家・安彦良和さん
【動画】満州国やシベリア出兵など、近現代の日本と東アジアを扱った作品について話す漫画家の安彦良和さん=関田航、長島一浩撮影 第1章「王道楽土」の裏側で インタビュー編 かつて中国東北部を大陸進出の足場とした日本。そこで人々はどのような暮らしのもと、戦禍に巻き込まれたのか。長編「虹色のトロツキー」で、1939年のノモンハン事件当時の満州国を描き、1918年に始まったシベリア出兵をテーマにした「乾(いぬい)と巽(たつみ) ザバイカル戦記」を現在連載中の漫画家、安彦良和さんに聞いた。 ――満州国やシベリア出兵など、近現代の日本と東アジアを扱った作品を多く手がけてこられました。 戦後生まれの私は、学校で親たちの世代が犯した「過ち」を教わりました。しかし、どこからが間違いで、どこまでは良かったのか。そこが分からないと、教訓を得たとは言えないのではないかという思いが強まるばかりでした。自分なりに探ってみようと思ったのが出発点です。 その時代の主人公に視点を据えて描いていくと、誤解を恐れず言えば、「満州国」という存在も、ある意味「あり得た」という感覚になってきます。1990年に「虹色のトロツキー」の連載を始める際、満州の建国大学(建大)の元学生の方々に話を聞きました。一高・東大にも入れた優秀な若者が、あえて建大を選んだ。「学費がタダだったから」という人もいましたが、新天地への期待感や一肌脱ごうという気概は当然あったはずです。荒唐無稽な話に賢明な人は運命を託しません。当時の人々が感じていたことをきちんとくみ取ることが、歴史を読み解くうえで必要です。 ――連載中の「乾と巽」は、北海道の開拓村出身の兵士とウラジオストクの日本語新聞の記者が主人公です。「ガンダム」のアムロ・レイは、宇宙植民地に暮らす日系とされる赤毛の少年でした。周縁的な人物を主人公に選んできたのはどんな理由でしょうか。 インタビューの後半では、安彦さんが日本人に決定的に欠けていた姿勢について考えを話します。満州事変から汲み取るべき教訓にも触れます。 【動画】満州のスパイ戦 謀略の傀儡国家 主流や中心から距離を置いた… この記事は有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。 残り:1823文字/全文:2577文字 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
【写真まとめ】九州北部で大雨 冠水や土砂崩れ相次ぐ
2021年8月14日 11時22分 気象庁は14日、福岡県、長崎県、佐賀県に大雨特別警報を発表しました。 「経験したことのないような大雨」で、土砂災害や浸水などの何らかの災害が発生している可能性がきわめて高いといいます。 記録的な大雨となった九州地方の様子を写真でお伝えします。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
MLB will return to ‘Field of Dreams’ in 2022
Dyersville, Iowa – The Field of Dreams game in Dyersville, Iowa, will not be a one-time event, as MLB Commissioner Rob Manfred said Thursday the league would return to the Hawkeye State next year. The Chicago White Sox earned a 9-8 victory over the New York Yankees amid the corn […]
「被爆地テレビ局の使命」 資料館の芳名録、特集を放送
広島市中区に本社を置くANN系列の「広島ホームテレビ」はこの夏、広島平和記念資料館(同区)にある「芳名録」に着目した約10分間の特集を制作した。時代を代表する世界的な著名人らが平和への思いを記してきた芳名録を、過去のアーカイブ映像を織り交ぜながら紹介した。 資料館には各国の大統領や首相らが記帳する「国家元首級の芳名禄」(1冊)とそれ以外の著名人らが記す芳名禄(70冊)があり、これまでに計2209人のメッセージが記されている。 企画を担当したのは入社3年目の長崎奈美記者(24)。今年6月ごろから朝日新聞社と共同で取材を進める中で、テレビ局内に保存されている著名人らの広島訪問時の姿を記録したアーカイブ映像(約1千本)から、特に平和への思いがこもっていると判断した著名人らの映像を数十本選んだ。 教皇ヨハネ・パウロ2世やオバマ元米大統領、キューバのフィデル・カストロ氏、ミハイル・ゴルバチョフ元ソ連大統領、マザー・テレサ、グエン・ドク氏、映画監督オリバー・ストーン氏――。特集では、万年筆を握り芳名録に記帳する様子や資料館の資料を見入る姿、観衆を前にしたスピーチなどの映像を使って、芳名録の歴史をたどるストーリーに仕立てた。 局内の上司や同僚たちと議論を重ね、ナレーションによる説明をなるべく少なくする工夫を試みた。「プロデューサーからは映像が持つ力をフルに見せるようにと何度も言われました」と長崎さん。「著名人が芳名録に平和への思いを記す時、どんな表情を浮かべていたのか、その後どんな言葉を残したのか視聴者の記憶に残るよう努めました」 広島ホームテレビは1970年に開局。「被爆の実相」「被爆体験の継承」「海外から見たヒロシマ」「被爆者の高齢化」など原爆をテーマにした特集番組を、被爆地のテレビ局として半世紀以上にわたって制作してきた。 今年は「芳名録」の物語のほかに、「核政策を知りたい広島若者有権者の会」(通称「カクワカ広島」)の活動にスポットを当てた企画も展開した。長崎記者は「核兵器禁止条約が今年1月に発効されて初めて迎える夏。被爆地・広島と世界のつながりの歴史を芳名録でたどりつつ、特に若い世代が少しでも核の問題を考えるきっかけにしてくれるような企画を届けたかったんです」と振り返る。 「広島の人にとっては忘れてはならない日」 長崎記者が若い世代にこだわったのには理由があった。今年1月、被爆者の体験を聞いて新聞づくりに取り組んでいる高校生らを取材した。関連取材で街を歩いている10~20代の若者たちにも、原爆についての基本的な事柄を聞いてみた。すると、取材に応じた半数以上が原爆投下時刻「午前8時15分」や原爆投下の年「1945年」を答えられず、中には原爆投下の日「8月6日」を知らない人もいた。 「正直、驚いた。私は広島出身で祖父は被爆者。8月6日の日は必ず原爆で犠牲になった親戚の墓参りにも行くし、広島の人にとっては忘れてはならない日なのに」。原爆に関心を持つ若者とそうでない若者の温度差を感じた。「今回の企画では少しでもその溝を埋めたかったんです」 芳名録の取材では、オリバー・ストーン監督にオンラインで直接取材する機会も得た。番組の終盤に、監督のこんな言葉を入れた。「時間は記憶をある程度消してしまいます。ある意味で文明とは記憶と忘却の戦いなのです」 街頭取材で感じたことと重なったからだ。「監督の言葉はまさに、被爆者がいらっしゃらなくなる時代が迫る中で若い世代に原爆の記憶をどう伝えていくのか突きつけてきました」という。「被爆地のテレビ局として、原爆の体験や記憶を伝え続ける使命がある。どう伝えていくのか答えは見つかっていないけれど、模索し続けたいです」 ◇ 広島ホームテレビの「『芳名録』で見るヒロシマ 記されたメッセージ」は(https://www.youtube.com/watch?v=oqPOfXVqKw4)。(比嘉太一) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
キャッチボール中に叫び声 流される男児見た大学生は
高橋孝二2021年8月14日 7時05分 大雨で増水した用水路に転落し、流されていた小学1年の男児を救助したとして、岡山市中消防署は、環太平洋大1年の三木果南実さん(18)と、河原亜優さん(19)に表彰状を贈った。2人は大学のソフトボール部に所属している。 7月7日夕、2人は大学に近い岡山市中区長岡の公園でキャッチボール中、大声で叫ぶ子どもの声に気付いた。駆けつけたところ、用水路(幅4メートル、水深0・7メートル)に男児がうつぶせで流されていた。叫んでいたのは、男児と一緒に遊んでいた子どもだった。 2人は連携して小学生を引き上げ、気を失っている男児に高校の授業で学んだ心肺蘇生を実行。「大丈夫」と呼びかけながら、横向きに寝かした男児の背中をたたいたという。 岡山中央署などによると、男児は自転車ごと誤って転落し、約65メートル流されていた。2人は近くを通りかかった女性に119番通報を求め、到着した救急隊に男児を引き渡した。 その後、保護者は搬送先の病院で医師から「救助が1、2分遅ければ生きていなかった」と言われたという。男児はその後に無事退院し、保護者は同署を通じて「迅速に救助してくれた2人には感謝してもしきれない」とお礼の言葉を寄せた。 2人は「男児が元気になってよかった」と笑顔だった。救助した時を振り返り、最初は動揺したものの「すぐに勇気を出して行動に移した」と話した。(高橋孝二) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
長崎・佐賀・福岡に特別警報 気象庁「予断許さぬ状況」
2021年8月14日 7時10分 気象庁は14日午前2時15分、長崎県と佐賀県に大雨特別警報を発表した。「経験したことのないような大雨」となっており、土砂災害や浸水などの何らかの災害がすでに発生している可能性がきわめて高いという。「命の危険が迫っているため、直ちに身の安全を確保しなければならない状況」だとして最大級の警戒を求めている。 気象庁によると、14日午前3時半時点で、大雨特別警報の対象市町村は長崎県東彼杵町、川棚町、波佐見町、佐賀県多久市、小城市、武雄市、大町町、江北町、白石町、嬉野市。 長崎県と佐賀県では、線状降水帯が発生して大雨になっている。東シナ海では発達した雨雲が連なっており、今後も猛烈な雨を伴って九州北部を中心に流れ込む恐れがある。14日未明の緊急会見で気象庁の担当者は「今後、現在発表されている地域以外にも大雨特別警報を発表する可能性はある。決してこれで大丈夫という状況ではなく、むしろ予断を許さない状況だ」と呼びかけた。 気象庁は14日午前5時50分、福岡県に大雨特別警報を発表した。同日未明には長崎県と佐賀県にも発表されており、対象地域は3県に広がった。これらの地域では「経験したことのないような大雨」となっており、何らかの災害がすでに発生している可能性がきわめて高いという。「命の危険が迫っているため、直ちに身の安全を確保しなければならない状況」だとして最大級の警戒を呼びかけている。 この日午前5時50分時点での対象市町村は福岡県久留米市、小郡市、大川市、大木町、長崎市、長崎県西海市、佐世保市、東彼杵町、川棚町、波佐見町、佐賀市、佐賀県多久市、小城市、武雄市、大町町、江北町、白石町、鹿島市、嬉野市。 これらの地域では避難所へ行くことにこだわらず、川や崖から少しでも離れた頑丈な建物の上の階などへの避難が必要となる。外へ出ることも危険な場合は、崖から離れた2階以上の部屋に移動するなど、少しでも命が助かる可能性の高い行動が求められる。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
佐賀県武雄市で六角川が氾濫 未明に豪雨一気に水位上昇
村上英樹2021年8月14日 7時50分 国土交通省武雄河川事務所(佐賀県武雄市)によると、14日午前6時半ごろ、佐賀県武雄市橘町の六角川西岸で氾濫(はんらん)が確認された。 佐賀県内は11日から激しい雨が降り続き、同事務所によると、六角川は13日午後3時20分、潮見橋水位観測所で氾濫危険水位を超えた。午後9時ごろには堤防まで1メートルほどあったが、未明に豪雨により一気に水位が上がったとみられる。 佐賀県内では11日午前6時の降り始めから、各地で記録的な雨量が観測された。佐賀市では13日午後3時24分から1時間で67・5ミリの雨量を観測。降り始めの11日午前6時から13日午後4時までの総雨量は佐賀市駅前中央で514・5ミリ、嬉野市で531・0ミリなどだった。 佐賀県によると、武雄市を含め、県内13市町に大雨特別警報が出ているが、午前7時50分現在で人的被害は出ていないという。(村上英樹) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル