西田慎介、加治隼人2021年8月5日 11時38分 福岡県中間市の双葉保育園で倉掛冬生(とうま)ちゃん(5)が送迎バスに閉じ込められ死亡した事故で、福岡県警は5日午前、車内の温度が当時どれくらい上昇したかを調べる再現実験を園の駐車場で始めた。午後までデータの収集を続ける。 冬生ちゃんを乗せたバスは7月29日午前8時35分ごろに園の駐車場に到着。冬生ちゃんはバス内に約9時間にわたって閉じ込められたとみられる。死亡推定時刻は午後1時ごろで、死因は熱中症だった。県警は業務上過失致死の疑いで調べている。 気象庁によると、事故当日は、中間市に隣接する北九州市八幡西区の観測地点で午前11時に33・1度の最高気温を観測。実験が行われた5日も、朝から強い日差しが照りつけ、園の駐車場に日陰はほとんどなかった。駐車場の一角に止められたバスの周りには警察車両が止められ、目隠しのブルーシートが張られた。 実験は事故当日と同様の気象条件のもと、ドアが施錠され、窓が閉められていた当時の状況を再現。車内の温度がどう変化するかを調べる。(西田慎介、加治隼人) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
多様性失った自民党、夫婦別姓議論はどうすれば進展する
夫婦別姓、決めるのは国会か司法か… 夫婦の姓を同じにしなければ結婚できない今の制度について、最高裁大法廷は2015年に続いて再び、憲法に違反しないと判断した。決定は「制度のあり方を考えるのは国会だ」としてボールを国会側に投げた。決めるのは国会か、それとも司法か。ボールはどこにあるのか。 元厚生労働相・舛添要一さん「やっぱり選挙 野党は公約掲げて争点化を」 ――選択的夫婦別姓をめぐる司法の合憲判断は、国会や行政にはどんな影響を与えるでしょうか。厚労相時代に薬害C型肝炎訴訟の和解合意などに携わった立場から、どうみえますか。 「C型肝炎訴訟は、大阪高裁の和解勧告により救済法の成立に至りました。また、同じく私が厚労相だった時には、国が敗訴を重ね、最終的に国が原告の『全員救済』に踏み切った原爆症認定集団訴訟もありました。これら二つについては司法の判断は大きかったといえます」 「二つの訴訟では、司法が証拠をよく研究して科学的なデータをもとに判断を下しています。これに対して、国会も行政も司法が間違っているとはなかなか言えません。肝炎の賠償額にしても、原爆症の認定範囲にしてもまず裁判所が土俵をつくり、被告である国側と原告ですりあわせていった。司法が調整役を担っていたのです」 「ただ、今回は、私が担当した訴訟とは違います。科学的なデータはありませんし、求められているのは基本的な仕組みづくりですから」 ――どういうことでしょう。 「たとえば、選択的夫婦別姓を導入すれば、姓の違う夫婦のもとで育つ子どもに悪影響を与えるという指摘がありますが、実際に影響があるのかも含めて検討し、それを防ぐための仕組みづくりまで司法がやるのでしょうか。こうしたことは、唯一の立法機関である国会がやるべきことでしょう」 ――司法の判断を待っているのではなく、国会が動くべきケースだということですか。 「2017年に内閣府が行った世論調査では、選択的な夫婦別姓を導入してもよいと答えた人が半数近くを占めました。世の中の流れは変わっており、国際的に見ても、夫婦同姓制を採用しているのは日本だけだと上川陽子法相が明らかにしています。国がつくった制度で不利益を被ることがあるのなら、制度を改めなければなりません」 「それに、今回の判断は国会に対する『最後通告』のような形で出されたと私は感じました。違憲とした判事は、国会で選択的夫婦別姓の具体的な検討をしてこなかったと批判しています。合憲とした判事も、同姓制で不利益を被る人がいることは認め、『立法機関である国会が不断に目を配り、対応すべきだ』としている。国会の怠慢という点では一致しています」 ――13年の違憲判決を受けて法改正された婚外子の相続差別訴訟などがそうですが、国会は司法が違憲と判断するまで動かない印象があります。 「婚外子の差別問題では、選挙で票にならないという意識が長く、国会議員の側にあったのでしょう。問題が注目されておらず、当事者も少ない段階では、国会で取り上げても当選できるほどの票の獲得は期待できません。全国各地で裁判が起こされ、メディアも報道し、違憲判断が出て、となってようやく動くものです」 司法からボールが投げられ、別姓に前向きな政党もあるのにどうして国会は動かないのか。記事後半で、舛添さんは自民党内に流れる空気感を理由に挙げます。また、元最高裁判事の櫻井龍子さんは、今回は司法から国会へのボールの投げ方が違ったと指摘します。そして、あと数年すれば「違う判断が出るはずです」と語ります。 ――野党や公明党は、選択的夫婦別姓の導入に前向きです。 「そうですね。それでも議論… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
容疑者の有力情報を今年入手 11年前の神戸の高2刺殺
神戸市北区の路上で2010年10月、近くの私立神戸弘陵高校2年の堤将太さん(当時16)が刺殺された事件で、兵庫県警が今年に入り、事件当時17歳だった愛知県のパート従業員の男(28)=殺人容疑で逮捕=が事件に関与していたことをうかがわせる有力な情報を入手していたことが捜査関係者への取材でわかった。 男は当時、現場近くに住んでいたとみられ、県警は堤さんとの接点を詳しく調べている。 男は10年10月4日午後10時45分ごろ、北区筑紫が丘4丁目の路上で、堤さんの体を刃物のようなもので複数回刺すなどして殺害した疑いがあるとして4日に逮捕された。県警は男の認否は明らかにしていない。 警察庁は12年12月、容疑者逮捕につながる情報提供者に最高300万円を払う捜査特別報奨金の対象とした。県警は目撃証言から作った似顔絵を公表して情報を募ってきた。それ以降、約920件の情報が県警に寄せられていたという。 捜査関係者によると、今年以降に入手した情報に、容疑者特定につながる有力な内容が含まれていた。県警は男が住む愛知県に捜査員を派遣して裏付け捜査を進めてきた。4日午前に男の自宅を訪れて任意同行を求め、愛知県警小牧署で逮捕した。 兵庫県警によると、堤さんは事件当時、中学生だった女性と自動販売機の前に座って話していた。約10メートル離れていたところで座っていた男が近づいてきて突然刃物で襲われたという。 堤さんは女性に逃げるよう指示した。その後、堤さんは約70メートル離れた横断歩道上で倒れている状態で見つかった。女性は当時、「知らない男だった」と話していたという。 「明るくて元気な将太さんへ」 現場で人々が祈り 神戸市北区の路上で2010年10月、私立神戸弘陵高校2年の堤将太さん(当時16)が刺殺された事件で、当時17歳だった愛知県のパート従業員の男(28)が4日、殺人容疑で逮捕された。事件現場には5日にかけて多くの人が訪れ、堤さんを改めて悼んだ。 事件現場では殺害された堤将太さんを悼み、手を合わせる人の姿があった=2021年8月5日午前8時15分、神戸市北区筑紫が丘4丁目、井岡諒撮影 容疑者逮捕が報じられた4日夜以降、神戸市北区の事件現場には花や飲み物などが次々と供えられた。 近くの主婦、高尾祥枝さん(… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
けがした消防署員、119番介さず救急車 近くの病院へ
会員記事 上保晃平 佐々木健2021年8月5日 8時55分 千葉県習志野市消防本部の中央消防署で6月、勤務中に指にけがを負った当直責任者の男性消防司令(49)が、救急車を使って、署に近い病院まで搬送されていたことがわかった。 市消防総務課によると、消防司令は同月20日午前11時ごろ、清掃作業中に手の指を切る軽傷を負った。応急処置をしたが止血が出来ず、けがをしてから約40分後に119番を介さず救急車を利用。中央署から徒歩5分以内の習志野第一病院に救急搬送し、縫合処置などを受けた。治療中待機させていた時間を含め、救急車を使用したのは約36分間にわたったという。 同月28日に牟田弘署長がこの消防司令に対し「署員の救急車利用は、市民から私的利用との誤解を招きかねない」と注意をしたという。同課は取材に対して救急車の利用は適正だったとの認識を示したうえで、「出動要請には近隣署の救急車で対応出来るため、市民への影響はない」と説明した。 総務省消防庁は、出動回数の増加や救急車不足から、タクシー代わりの不適切使用や不要不急の利用を控えるよう呼びかけている。県内では2月、市原市内で昨年8月に救急車や公用車を私的に使用したなどとして、市消防局長を停職1カ月の懲戒処分にしている。(上保晃平) 病院まで歩ける距離なのに 「影響ない」で済ませて良いのか 《解説》中央署の署長は「署員の救急車利用は、市民から私的利用との誤解を招きかねない」と注意したという。しかし、署員でも市民でも緊急性があるのであれば、救急車を利用することはなんら問題はない。この注意で重要なのは、「この程度で」という問題意識があったかどうかだ。 救急隊員は応急処置のプロ… この記事は会員記事です。無料会員になると月5本までお読みいただけます。 残り:314文字/全文:1007文字 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
再び祭りなき夏に 作りかけのねぶた師、それぞれの決断
【動画】青森ねぶた祭の中止が決定した中で悩みながら制作するねぶた師たち=吉備彩日、林義則撮影 国内外から280万人の客が訪れ、国内屈指の規模を誇る夏祭り・青森ねぶた祭。今年はコロナ禍の下でも当初は開催が予定され、例年より少ないものの16団体が大型ねぶたの制作を進めていた。しかし、6月中旬になって中止が決定。コロナ禍に翻弄(ほんろう)され、さまざまな思いを抱えながらねぶたに向き合うねぶた師たちの姿を追った。 7月25日、ねぶた祭に出陣する大型ねぶたを制作する小屋が並ぶ青森市内の「ねぶたラッセランド」。強い日差しが降り注ぐ中、「せーの!」と数十人の男性たちの威勢のよいかけ声が響いた。完成したねぶたを持ち上げて台車に載せる「台上げ」だ。 青天のもと台上げが行われた「に組・東芝」の「水滸伝~黒旋風(こくせんぷう)李逵(りき)」=2021年7月25日午前9時17分、青森市、吉備彩日撮影 例年、祭り直前のこの時期は、あちこちの運行団体の小屋の前で台上げが行われ、大型ねぶたが次々と出陣の準備を整える。昨年は小屋を建てる前に中止が決まり、大型ねぶたが作られることもなかった。 だから、台上げがあるのは2… この記事は会員記事です。無料会員になると月5本までお読みいただけます。 残り:1618文字/全文:2001文字 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
増水した川で流されたふり容疑 自称ユーチューバー送検
魚住あかり2021年8月5日 9時40分 増水した川で流されたふりをして警察や消防を出動させたとして、静岡中央署は4日、静岡市葵区の自称ユーチューバーの男(34)を軽犯罪法違反(業務妨害)の疑いで静岡区検に書類送検し、発表した。男は「テレビ局などのカメラに映り込み、その映像をユーチューブにあげて再生回数をかせごうとした」と容疑を認めているという。 署によると、男は先月3日午前11時30分ごろ、藁科川に入って流されたふりをした疑いがある。通行人が110番通報し、警察と消防約40人が出動したが、男は、流れの速さに身の危険を感じ、警察などが到着する前に自力で岸に上がっていたという。 同日、静岡県内は各地で大雨に見舞われ、熱海市では大規模な土石流が発生していた。(魚住あかり) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「妻は性暴行され殺された」 公表した夫、2年後の決意
普段と変わらない休日だった。「ハンバーガーを買って帰るね」。いつも通りの妻の声。それが最後の会話になるなんて、思いもよらなかった。 福岡県内に住む会社役員の男性(48)はいま、毎日中学生の息子のために料理を作る。それでも仕事が忙しくて、夕飯に弁当を買うこともある。 そんなとき、息子に少し申し訳ない。と同時に、妻は家事や育児をよくやってくれていたんだなあ、とあらためて思う。 夏。あの日の記憶が、どうしても頭をよぎる。 2019年7月6日。あの日も暑かった。 「ハンバーガー買うね」が最後の電話に 妻(当時38)も自分も仕事が休みで、夕方に一緒にショッピングセンターに行った。自転車を買い、自分は先に車で帰り、妻は新品の自転車に乗って自宅に戻ることにした。 午後9時半すぎ、帰り道にファストフード店に寄る、と妻から電話があった。 「何食べる? 買って帰るね」 それが、妻の声を聞いた最後… この記事は有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。 残り:2147文字/全文:2550文字 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
JO de Tokyo-Bilan J12 : les volleyeuses sud-coréennes en demi-finales, l'équipe de baseball …
Plus tard dans la journée, à Yokohama, au sud de la capitale japonaise, … Dans un match tendu, le Japon a brisé l'égalité 2-2 à la fin de la huitième … La Corée du Sud n'a pas réussi à remporter de médaille dans ce sport pour les … Pour en savoir […]
園児死亡から1週間 気づけなかった二つの「危険の種」
福岡県中間市の保育園で、園児が炎天下のバスに閉じ込められて死亡した事故から5日で1週間が経つ。これまでの取材から、過失の重なりが、取り返しのつかない悲劇を生んでしまった実態が見えてきた。(板倉大地、城真弓、島崎周) 事故は7月29日に起きた。県警や市、園側、保護者らへの取材によると、中間市の双葉保育園に通う倉掛冬生(とうま)ちゃん(5)は午前8時ごろ、迎えに来たバスに乗り込んだ。運転していたのは園長の40代女性。「よろしくお願いします」とあいさつし、母親に手を振った。 バスは1歳児4人を含む7人の園児を乗せ、午前8時35分ごろ園の駐車場に到着した。園長は出迎えた職員とともに子どもたちをバスから降ろした。 だが、1人の女児がぐずった。園側によると、園長はバスの入り口付近で女児をあやしながら車内を見回したが、冬生ちゃんがいた後方の座席に姿が見えなかったという。園長と職員は冬生ちゃんも降りたと思い込み、バスを施錠し、駐車場から離れた。 冬生ちゃんが見つかったのはその約9時間後。帰りのバスに冬生ちゃんが乗っていないことに母親が気づき、連絡を受けた園長が午後5時15分ごろ、そのまま駐車場にとめられていた行きのバスの中で見つけた。 死因は熱中症で、死亡推定時刻は午後1時ごろ。この日、隣接する北九州市八幡西区の最高気温は33・1度だった。 園はなぜ、閉じ込めに気づかなかったのか。 バスに閉じ込められ、亡くなった冬生ちゃん。事故から1週間、幼い命を失わずにすむはずだった機会が見過ごされていたことがわかりました。記事の終盤では専門家とともに考えます。 第1の過失は、降車後の車内確認だ。 本来は忘れ物などの確認のた… この記事は有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。 残り:1530文字/全文:2163文字 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
誕生日にミシュラン外食、自粛訴えた知事「自宅の延長」
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、県民に「できるだけ自宅で過ごして」と呼びかけた週末に、福井県の杉本達治知事が、妻とレストランに行っていたとして謝罪した。 県内で感染者が増加していた7月30日、知事は会見で、「今週末は最大限の注意を」「外出をお考えの場合も日程変更ができないか検討いただいて、慎重に判断を」など、強いメッセージを出した。 だが翌31日、知事は59歳の誕生日を迎え、妻と2人でレストランへ。本人のツイッターに「今夜はミシュラン星のお店で家内とお誕生日会です」と投稿した。個室を利用し、「マスク会食」だったという。 3日の会見で知事は「自宅の延長のつもりだった」などと釈明。「県民の皆さんに混乱を与えたということについては申し訳なく思っていて、謝罪を申し上げます」と述べた。 自粛は県民に伝わるか? 問われた知事の言い分 この日は、県内でも過去最多… この記事は会員記事です。無料会員になると月5本までお読みいただけます。 残り:218文字/全文:605文字 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル