荻野好弘、村上潤治2021年8月2日 6時30分 岐阜県笠松町の笠松競馬場で女性厩務(きゅうむ)員らにセクハラを繰り返したとして、競馬を主催する県地方競馬組合から処分を受けた男性調教師がレース参加に必要な免許を更新されなかったことが1日、分かった。免許を交付する地方競馬全国協会(NAR)は同日、ホームページでこの調教師を「引退」とした。 NARや組合によると、調教師免許は1年更新で筆記試験と面接で審査。笠松競馬の場合、7月末まで有効の免許を更新するため調教師16人が5~6月に試験を受け、この男性調教師だけが不合格になった。 この調教師をめぐっては、別の調教師と騎手らの馬券購入問題を調査していた第三者委員会に対し、複数の女性厩務員がセクハラの被害を申告。今年4月に調教停止90日の処分が科されていた。 NARは不合格の理由を公表していないが、「処分も合否判断の要素の一つ」(広報課)と取材に答えた。組合は7月31日まで笠松競馬所属の調教師としてホームページで紹介していたが、1日に抹消した。 第三者委の報告書によると、組合やNARは2018年、男性調教師にセクハラの「注意書」を交付し、調教師は二度としないとの「誓約書」を出した。だがその後も、競馬場内で女性厩務員らの体を触ったり密着したりし、ひわいな言葉も発したという。調教師はセクハラを否定したが、第三者委は「長期にわたって常態化し、悪質性は高い」と認定した。 女性厩務員の一人は「組合に被害を訴えても事実上放置され、周りにいた人にも見て見ぬふりをされた」と取材に話した。セクハラを見たという調教師は「ベテランの先輩で注意できなかった」と話した。 免許が更新されなかった調教師は取材に対し、「セクハラ行為は全くしていなかったが、NARの(不合格の)決定は受け入れる」と答えた。 笠松競馬では昨年8月と今年4月、競馬法に違反する馬券購入などを指摘された調教師と騎手の計12人が免許を更新されなかったり、取り消されたりした。(荻野好弘、村上潤治) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
秋篠宮さま、東京五輪閉会式に出席 皇室2~8日
2021年8月2日 7時00分 天皇、皇后両陛下や皇族方の予定を毎週更新します。皇室の方々は様々な行事や式典、宮中祭祀(さいし)などで多忙な日々を送っています。紙面では掲載しきれない公務も紹介します。 宮内庁は8月2~8日の予定を発表した。秋篠宮さまは8日、東京五輪閉会式に天皇陛下の名代として出席する(表記は宮内庁発表に準じます。予定は変更されることがあります)。 皇嗣家(秋篠宮ご一家) 8/2(月) 秋篠宮ご夫妻 赤坂東邸(ジブチ大使夫妻と面会) 8/5(木) 秋篠宮ご夫妻、眞子さま、佳子さま 宮邸(国土交通省水管理・国土保全局長からオンライン説明) 8/8(日) 秋篠宮さま 国立競技場(東京五輪閉会式に出席) 高円宮家 8/4(水) 久子さま 宮邸(ジブチ大使夫妻と面会) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
在日監督が描く外国人差別 日本人の「見えない加担」
森下裕介2021年8月2日 7時00分 異郷に生きる朝鮮人の暮らしや歴史を追ってきたノンフィクション作家、高賛侑(コウチャニュウ)さん(74)が、在日外国人をテーマにしたドキュメンタリー映画を制作している。技能実習生や難民らが抱える問題は在日コリアンとも共通しているといい、映画を通じて「見えない差別意識」の解消を訴える。 高さんは、大阪で生まれ育った在日コリアン2世。外国人登録法で義務づけられていた指紋押捺(おうなつ)は「不当な差別」だとして制度撤廃を訴えた在日コリアンらの取り組みや、朝鮮学校が公的助成から排除されている問題などをテーマにした著書やドキュメンタリー映画を通じて、国や自治体の施策などを追及してきた。 在日外国人をテーマにした映画を制作中の高賛侑さん=2021年6月25日午後3時17分、大阪市北区、森下裕介撮影 今回は、低賃金で長時間労働を強いられている技能実習生や、海外と比べて認定率が低い難民申請者、医療態勢が問題視されている入管施設の被収容者らに焦点をあてた。名古屋入管に収容中に亡くなったスリランカ国籍のウィシュマ・サンダマリさん(当時33)の支援者をはじめ、難民と認められず、帰国を迫られているイラン人男性らにインタビューを重ねた。 「体調不良を訴えても受診させてもらえない」「動物のように扱われた」。そんな訴えばかりだという。なぜ、なくならないのか。 高さんは、多くの日本人が無意識のうちに「差別に加担」しているように感じる。映画には「日本人が、日本で何が起きているのかを知り、声を上げないと状況は変わらない」とのメッセージを込めるという。 来年完成を目指し、200万円を目標にクラウドファンディング(CF)で制作資金を募っている。支援者には、エンドロールへの名前の掲載やDVDの贈呈、上映会への招待などを予定する。詳細は朝日新聞のCFサイト「A―port」(https://a-port.asahi.com/updates/kochanyugaikokuzin/)。(森下裕介) 国会で審議中だった出入国管理法改正案に反対する大阪市内でのデモ。法案の採決は見送られた=高賛侑さん提供 制作中の映画の一場面。東大阪市の工場で働く技能実習生が登場する=高賛侑さん提供 在日外国人をテーマにした映画を制作中の高賛侑さん=2021年6月25日午後3時23分、大阪市北区、森下裕介撮影 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
オリーブ油迎え 香ばしく ナスのグラタン
なすのグラタン=合田昌弘撮影 記事の後半で、作り方のポイントを動画でご覧いただけます ナスシリーズの最終回はイタリア料理。料理監修の有馬邦明シェフによると、今回紹介するナスとトマトソースとチーズの重ね焼きは、南イタリアでよく作られる家庭料理です。 使うのは、アメリカの品種を改良して作られた米(べい)ナス。果皮はしっかりしていて果肉が締まっているので煮崩れしにくく、焼き物にも向いています。 油を少しずつ回しかけて焼くのがポイント。スポンジ状の果肉が油を吸うと同時に、果肉に含まれる水分が油と置き換わるため、ナスは油をたくさん吸います。一度に多くの油を足すと吸いきれなかった油がべたっとしてしまうので、少しずつ足します。焼けると甘く香ばしい香りが漂います。 アレンジは、パンをパスタ代わりに使ったラザニア風。パンがミートソースの肉汁とナスの油を吸って、食べ応えがあります。やはり果肉が締まっていて焼き物向きの丸ナスを使いますが、米ナスでも作ることができます。(沼田千賀子) ナスのグラタン 材料・2人前 料理監修:有馬邦明さん(パッソアパッソ) □ 米ナス 1個 □ トマト水煮缶(果肉部分) 200g □ バジルの葉 10枚 □ おろしチーズ(粉チーズでも) 30g □ 塩・砂糖 各小さじ1/2弱 □ ニンニク 1/2片 □ オリーブ油 50~80ml 【作り方】 ①ナスのへたを切り落とし、皮をしま目にむく。厚さ1.5cmの輪切りにする。 ②フライパンにニンニクの切り口をこすりつける。中火にかけ、オリーブ油をふた回しほど入れてナスを並べる。オリーブ油を適宜、少しずつ足しながら焼く。焼き色がついたら返し、裏も焼く。熱いうちに塩少々(分量外)をふる。 ナスがあまり油を吸わなくなり、フライパンに油が残るようになったら、それ以上足さなくてもよい ③トマトの水煮(果肉)に塩と… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
近代化の「生き証人」がラストラン 大牟田の炭鉱電車
外尾誠2021年8月1日 8時00分 【動画】「炭鉱列車」ラストラン見学会=外尾誠、吉本美奈子撮影 福岡県大牟田市を中心に三井三池炭鉱の石炭運搬などに活躍し、昨年5月に廃止された「炭鉱電車」のラストラン見学会が31日、市内の専用駅周辺であった。参加した計80人の家族連れや鉄道ファンらが、日本の近代化を支えた「歴史の証人」の雄姿を心に刻んだ。 炭鉱電車は石炭を運んだ馬車鉄道がルーツで、1891(明治24)年に蒸気、1909(同42)年に電気機関車が導入され、最盛期の総延長は約150キロ。97年の炭鉱閉山後は、三井化学大牟田工場が原料運搬の専用鉄道として市内の1・8キロで昨年まで運行していた。今夏から2年がかりで関連施設を撤去予定。 見学会は「最後の雄姿を見たい」というファンの声を受けて同工場が企画。保有する5両を線路上に並べ、特徴の説明や内部の見学、走行する姿の撮影会などがあった。新型コロナ対策のために、参加者は約450人の応募者から抽選で80人にしぼられた。その1人で同県久留米市の公務員吉川寿弘さん(52)は「18歳まで過ごした大牟田の象徴。無くなるのは寂しいけど、最後に姿が見られて良かった」。この日の説明役を担ったNPO法人「炭鉱電車保存会」の藤原義弘理事長は「地域の繁栄も衰退も見てきた歴史の生き証人。動態での保存ができるように活動を進めたい」と話した。(外尾誠) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
誰にもある孤立の可能性 急増する「家族なき」人々の死
シニア生活文化研究所所長 小谷みどりさん 今年初め、死後1週間以上経って発見された女性の自宅を訪問しました。女性が倒れていた畳には、人の形に真っ黒いシミができていました。すぐ隣に親戚が住んでいますが、長らく交流がなく、女性が亡くなっているのを発見したのはケースワーカーでした。 女性は国際線のキャビンアテンダント(CA)でしたが、精神疾患を発症して退職し、その後は両親と暮らしていたようです。数年前に父が亡くなり、半月前には認知症の母が脳梗塞(こうそく)で入院し、女性はひとり暮らしになった矢先でした。母は認知機能が低下しており、娘の死を理解できません。誰にも「助けて!」と言えず、ひとりで亡くなった女性の気持ちを考えると、やりきれない思いでいっぱいです。 数カ月前には、脳梗塞を発症し、その後遺症で話ができず、半身不随になった見ず知らずの男性を助けました。日本で生まれ育った外国人で、直前まで国外に5年以上住んでいたので、私が会った時は日本での住民票は抹消されていました。貯金せず(自助)、国民健康保険に加入せず(共助)、日本にいる家族に拒否され(互助)、かつて住民登録をしていた自治体では生活保護などを受ける権利もありませんでした(公助)。自業自得かもしれませんし、実際に「そんな人を助ける必要はない」と私に言う人は何人もいました。 でも、CAの女性やこの男性… この記事は有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。 残り:1021文字/全文:1629文字 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
広島のゾウ「アイ」急死 39歳、立てないままけいれん
東郷隆2021年8月1日 9時17分 安佐動物公園(広島市安佐北区)は30日、約10年にわたり飼育した雌のサバンナゾウの「アイ」(推定39歳)が死んだと発表した。食べた草から発生したガスで胃腸が膨らみ、肺を圧迫して呼吸できなくなった可能性があるという。 同園がゾウ舎内のカメラを確認したところ、アイは29日午後6時半ごろに座り込み、立ち上がれないままけいれんを起こし、約10分後に動かなくなったという。30日朝、死んでいるのが見つかった。解剖して詳しい死因を調べるという。 アイは推定2歳の時に南アフリカから日本にやってきた。東京都多摩動物公園や群馬サファリパークなどを経て、2011年に安佐動物公園に来た。雄の「タカ」との繁殖を目指していた。担当する飼育係は「マルミミゾウのメイが鳴くと駆け寄るなど優しい一面もあった。兆候がなく、突然のことで驚いている」と話した。(東郷隆) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
五輪の風物詩「ピン交換しよう!」 感染対策もしっかり
コロナ下の東京オリンピック(五輪)は、観客や大会関係者が楽しんできた五輪の風物詩「ピンバッジ交換(ピントレーディング)」にも影を落とす。会場は無観客となり、海外の大会関係者も絞られ、交流が生まれにくいからだ。そんな中、「海外の皆さんに日本の思い出を持ち帰って欲しい」と、会場周辺で交換を呼びかける人もいる。 「ピン交換しませんか」 7月30日午後、東京・国立競技場前。ピンバッジを体中に付けた千葉県浦安市の亀山隆史さん(47)が海外メディア関係者に控えめに声をかける。口元は黒いマスクで覆われ、手には「Change Pins!」と書かれた手作りボード。 2014年のサッカーW杯ブラジル大会を現地で観戦し、バッジ交換の魅力に目覚めた。でも「海外の方が少ない。いつもより交換できる感じはない」。 「ピントレーディング」とは、五輪やサッカーW杯など大規模な大会で、各国選手団やスポンサー企業などが制作したバッジを交換し合う。バッジにはそれぞれの国旗をあしらうなど、国の特徴が出る。 一説によると、1896年の第1回アテネ五輪で選手や役員を判別するためにバッジを制作したのが始まりで、交換が普及したのは1980年代で、各国にコレクターも多い。 スポンサーであるコカ・コーラは、各大会でピン交換に力を入れ、今回も東京・渋谷の「RAYARD MIYASHITA PARK」内にピンバッジがもらえる場所を開設している。 「私のライフワーク」。ピン… この記事は会員記事です。無料会員になると月5本までお読みいただけます。 残り:369文字/全文:994文字 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
天声人語の見出し、あなたはどうつける? 編集者も悩む
朝日新聞ポッドキャスト まなび場天声人語 「天声人語」を題材に、学びを深めませんか。今回は、読解力アップにも役立つ「見出し作り」です。見出しを考えることは、文章が訴えたいことを短い言葉で表現する訓練にぴったりです。読者のみなさんの投稿から選ばれた優秀作を紹介します。 ポッドキャストでは、編集者の矢島由利子記者が、審査のポイントと見出し作りのコツを詳しく解説。読者からの質問にも答えます。 Apple PodcastやSpotifyなどで配信しています。音声プレーヤーの右上にある「i」の右上にあるボタン(購読)でリンクが表示されます。 今月の優秀作 君の声を聴かせて (隠岐絵里さん 39 大阪府) 既読スルーで心もスルー (高山千代さん 65 東京都) イルカも催促「お返事は?」 (堀口直子さん 65 神奈川県) 返事を待つ者たち (須賀康太さん 16 東京都) 今日もあなたは元気でイルカしら (芦原芳子さん 55 京都府) (編集者の見出しワンポイント)文章のテーマにとどまらずに そもそも見出しとは? 私たち編集者は新聞を作る際、記事のテーマを示すだけでなく、文章が訴えたいことを端的かつ印象的に表現しようと、毎日頭をひねっています。 今回は「シロイルカも既読ス… この記事は会員記事です。無料会員になると月5本までお読みいただけます。 残り:1853文字/全文:2261文字 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
こっそりYouTube 1人1台端末の活用、悩む学校
小中学生に1人1台の情報端末を配備する国の「GIGAスクール構想」が本格始動してから、まもなく4カ月。どのように活用するか。ネット依存やトラブルを避けるために、どこまで制限すべきか。教育現場は試行錯誤し、保護者も悩んでいる。(阿部朋美、三島あずさ、編集委員・宮坂麻子) 2016年の熊本地震の際、休校中の家庭との連絡や学習のフォローに苦労した経験から、通信機能つき端末を全ての小中学校に先行導入した熊本市。新型コロナによる昨春の長期休校では、いち早く双方向のオンライン授業ができた。 端末には最低限のフィルタリングしかかけず、アプリのダウンロード、ユーチューブへの投稿、SNSの利用以外は、ほぼ自由に使えるようにしている。 市立五福小学校では、音読を… この記事は有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。 残り:2208文字/全文:2537文字 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル