新型コロナウイルスの第5波で、病床が逼迫した東京都と大阪府。感染しても入院できず、自宅療養中の死亡が相次いだ教訓を第6波に向けて、どういかし、備えていくのか。自治体や政府の対応が問われている。 「感染拡大のリスクが高くなる冬に備え、入院、宿泊、自宅療養の体制を総合的に検討する必要がある」。30日にあった東京都のモニタリング会議で都医師会の猪口正孝副会長は、第6波に向け、そう訴えた。 第6波に備え、都は28日、5967床(8月末時点)確保するコロナの入院病床を6651床まで増やす方針を示した。小池百合子知事は「医療提供体制を万全なものとするために、引き続き体制の整備に取り組んでいく」とした。 だが、病床が足りずに入院で… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
普天間周辺の高濃度PFOS、放出影響か 米軍「特定できず」
国吉美香2021年9月30日 21時05分 沖縄の米軍が発がん性が疑われる有機フッ素化合物「PFOS(ピーフォス)」を含む水を普天間飛行場(宜野湾市)から下水に放出した問題で、市は29日、新たな水質調査結果を発表した。放出直後は高濃度のPFOSが検出されていたが、2週間後の調査では放出前の水準だった。市は、高濃度の検出は放出が影響した可能性があるとみている。 一方、米軍は30日、米軍独自の調査結果を踏まえ、市の調査で高濃度の値が出ていることについて「基地内で発生源の特定はできていない」との見解を示した。また、放出した水は低い濃度だったと改めて説明した。 米軍が放出したのは8月26日午前9時半ごろ。市は放出当日と9月9日の2回、飛行場内から外へ通じる下水道で採水し、水質を調査。1回目は、河川などの水質管理の目安(1リットルあたり50ナノグラム以下)を大きく上回る1リットルあたり670ナノグラムだった。しかし、9日には19ナノグラムと激減し、放出以前と同水準だったことが今回新たに判明した。 一方、米軍は30日、放出から19日後の9月14日のPFOSなどは計18ナノグラム(速報値)だったと独自調査の結果を発表。市の調査で高濃度が検出されていることには「特定のために地元をアシストしたい」とも言及した。 米軍の放水をめぐっては、飛行場内に残る水を、防衛省が約9200万円を負担し処分することを決めている。市によると、27日に作業を開始したと防衛省から連絡があった。(国吉美香) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
休職して10日、私は金髪になった 姉のLINEが世界変えてくれた
昨年9月、草野(@gorei3nomune)さんは休職した。 もともと仕事は激務だったが、テレワークになって一日中働いているような状態だった。 ビデオ通話アプリ「スカイプ」の着信音が鳴るたびに、ビクッとする日々。 深夜2時に上司から連絡が来て、説教されたことが何度もあった。 パワハラについて部長に相談したが、かえって上司の当たりはきつくなった。 自分のダメなところをリスト化するよう言われ、まとめているうちに「私は迷惑をかけているんだ」と思うように。 食事中に突然涙が止まらなくなり、ずっと耳が詰まったような感覚で病院に行ったら、突発性難聴と診断された。 出勤途中、駅の通路を歩いていると、いつも同じおじさんがぶつかってくる。 狭い歩道を歩いていると、フードデリバリーの自転車が猛スピードで突っ込んできて、舌打ちをしてよけていく。 隣の人のイヤホンから音漏れしているのに、自分に向かって罵声を浴びせてくる人もいた。 なんて生きにくい世の中なんだろう。もう何もできない、したくない。 休んで10日ほど経ったころ、姉からLINEで連絡が来た。 休職のことを知らずに「金の… この記事は有料会員記事です。残り1841文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 【10/25まで】スタンダードコース(月額1,980円)が今なら2カ月間無料!詳しくはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
新型コロナ 飲食店「第三者認証」遅れで札幌市長が道を批判
北海道内では、新型コロナウイルス対応の緊急事態宣言が9月30日までで解除される。ただ、感染リスクが高い札幌市では10月14日まで飲食店への時短や酒類提供制限の要請が続く。要請では感染対策で道の「第三者認証」を得た店の制限が緩やかになるが、道の認証交付が遅れている。札幌市の秋元克広市長は30日の会見で道を「第三者認証制度の周知がなされないままの導入になったことに苦言を呈したい」と批判した。 第三者認証制度は、道が定めた感染対策を満たした飲食店などを認証する仕組み。対策は店舗の入り口に消毒液を置くなど28項目あり、申請後に調査員が確認し認証書が交付される。 札幌市内では緊急事態宣言の解除後も、10月14日までは飲食店には午後8時までの時短(酒類提供は午後7時半まで)が要請される。ただし、認証店では午後9時までの時短(酒類提供は午後8時まで)に緩和される。 国は4月末の基本的対処方針で第三者認証制度の導入を推奨。都道府県に制度の導入検討を求めた。 しかし、道で申請受け付けが本格的に始まったのは9月24日。また、札幌市内の飲食店の申請2千件超に対し、9月29日現在で交付を終えたのは約1070件で、半分は交付されていない。さらに、札幌では時短要請の対象飲食店は約1万2千店にのぼるとみられるが、申請件数はそれより大幅に少なく、制度の周知も十分とはいえない。 30日の会見で秋元市長は… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「みなさまに感謝」松坂屋豊田店閉店 約20年の歴史に幕
根本晃2021年9月30日 21時30分 愛知県豊田市の松坂屋豊田店が30日、約20年の歴史に幕を下ろした。市中心部の「街の顔」として多くの人々に愛されてきた。駆けつけた市民らが、最後の瞬間を見届けた。 営業終了後の午後7時半ごろ、店頭で渡辺智邦店長(54)が「すばらしい街で商売をさせていただいた。みなさま本当にありがとうございました」とあいさつした。入り口のシャッターが下りると、市民らから「ありがとう」と感謝の声が飛び交った。豊田市のパート、河村綾子さん(46)は「地元密着の親しみやすい百貨店で、ちょっと人に贈り物をしたい時に来ていました。無くなるのは本当に残念です」と話した。 松坂屋豊田店は「豊田そごう」の後継として、2001年に開店した。ピーク時の07年2月期は約100億円の売り上げを誇ったが、郊外型の大型ショッピングセンターに押され、20年2月期は約69億円まで減少。20年4月に閉店が発表された。地方百貨店は苦境が続いており、松坂屋の閉店で愛知県東部の三河地方から百貨店が消えたことになる。(根本晃) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
警視庁が大麻所持容疑で男性を誤認逮捕 鑑定で成分検出されず
2021年9月30日 23時22分 警視庁は30日、大麻取締法違反(所持)の疑いで現行犯逮捕した20代男性について、逮捕後の鑑定で男性が持っていた葉片から大麻成分が検出されなかったため30日に釈放した、と発表した。 組織犯罪対策総務課によると、渋谷署員が9月26日夜、東京都渋谷区道玄坂1丁目付近の路上で男性に職務質問をした際、所持品から葉片を見つけた。別の署員がその場で試薬を使って簡易な検査をし、大麻成分が含まれることを示す色の変化を確認したという。男性は違法ではない別の葉片だと説明したが、渋谷署は男性を大麻取締法違反容疑で現行犯逮捕し、28日に送検した。 しかし、その後の科学捜査研究所の鑑定で、葉片から大麻成分は検出されなかったことが30日に判明。署は同日午後5時50分ごろ、男性を釈放したという。 組織犯罪対策総務課の藤原麻衣子課長は「試薬の色の反応だけで逮捕に踏み切るのではなく、相手の言動やにおいなどで総合的に判断する必要があった。確認が不十分だった」と説明。「再発防止に向けて、いま一度指導していきたい」とした。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「保健所、もう持たない」緊急事態宣言解除だが… 記者が見た現場
新型コロナ対応の緊急事態宣言が、期限の9月30日で解除される。だが、対応の起点となる保健所を9月中旬に訪ねると、職員が患者や濃厚接触者への電話連絡に追われるなど、依然として業務が逼迫(ひっぱく)し、「限界だ」との声が上がった。冬の「第6波」も懸念される中、職員は「第5波」の教訓を指摘する。 療養者の状況が書かれたホワイトボードの前に集まり情報共有をする枚方市保健所の職員ら=2021年9月13日午後2時9分、大阪府枚方市、柴田悠貴撮影 「保健所は、もう持たない」。大阪府北部、人口約40万人の中核市の枚方市保健所。記者が9月13日に訪ねると、白井千香所長(59)が厳しい表情でそう語った。 当時に比べると、9月末現在では新規感染者が減少傾向だが、今回の宣言解除に関し「感染者数が下がりきってはいない中での解除で、解除後は人の流れも増える。もう『第6波』が来る覚悟を決めている」と話す。 同保健所では、コロナ禍前は常勤職員約60人で難病や精神保健、動物愛護などの業務をしてきた。臨時職員らを増やして最大時は120人になったが、通常業務もある。第5波まで「波」が来るたび、超過勤務が月に約200時間になる職員もいた。24時間体制の職場ではないが夜中も患者の急変があるため、午前3時ごろまで職員が残ったり、帰宅した職員が携帯で対応したりしてきた。白井さんは「問題は、コロナ関連業務が保健所に集中していることだ」と指摘する。 記者が訪ねた際、ホワイトボードの前に、職員数人が集まった。「今日は入院121人、うち重症4人。自宅療養者279人、宿泊療養者152人になっています」。保健師の女性がホワイトボードに書かれた人数を読み上げた。2人が亡くなったことや、症状が重い自宅療養者への往診の手配状況も報告された。 療養者の人数や状況が書かれたホワイトボード=2021年9月13日午後2時9分、大阪府枚方市、柴田悠貴撮影 別の一室では、約20人が電話をかけたりパソコン入力をしたりしていた。「疫学調査」で、濃厚接触者の特定や入院の必要性の判断のため、患者に電話して職場や学校名、症状、基礎疾患、発症2日前から現在までの人との接触などを聞く。 担当の保健師女性は「人との接触が少ない人で1時間。多数と接触した人は、接触した人への説明も必要で、1件で3~4時間かかる」と疲れた様子で話した。第5波の8月下旬には、患者に初めて電話するまで3~4日かかるケースも出て、市から応援職員をもらった。 疫学調査の前には、「発生届」の入力もある。発生届は原則、医療機関が、陽性患者の氏名や症状、入院の必要性などを国のインターネット上のシステムに入力する。保健所もこの届で患者を知る。しかし、「半数の医療機関が手書きでFAXしてきて、保健所が代行入力をする。全国的に同様の問題があり、患者への連絡が遅れる」と、全国保健所長会副会長も務める白井さんは話す。 「お熱は38度ですね」。保… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
読売新聞記者を懲戒解雇 週刊誌の記者らに計11回の情報漏洩
週刊誌の記者ら3人に取材で得た情報を漏らしたとして、読売新聞グループ本社は9月30日、元東京本社社会部の男性記者(32)=人事部付=を懲戒解雇処分にすると発表した。前社会部長を出勤停止10日間、編集局総務を譴責(けんせき)の懲戒処分とする。 広報部によると、司法記者クラブに所属していた元記者は昨年8~12月、検察庁内部のセクハラ疑惑を巡って、取材で得た情報を週刊誌の女性記者に漏らしたほか、別の殺人事件に関する発表資料をSNSで送った。また、テレビ局の女性記者や写真週刊誌の男性記者にも事件の情報を伝えていた。情報の漏洩(ろうえい)は3人に対して計11回に及んだという。 元記者は、週刊誌の女性記者と少なくとも7回飲食し、不適切な関係を迫ったこともあったという。調査に対し、「『深い仲になりたい』という下心があった」と説明した。このほか、週刊誌の女性記者や家族との私的な飲食費2回分(約3万4千円)や、タクシー代23回分(約8万4千円)を不正に経費申請して使用したとして、全額返還させる方針だという。 読売新聞東京本社の前木理一… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
長野県議の妻死亡、首絞められたか 殺人容疑で捜査本部設置
高億翔、佐藤靖2021年9月30日 23時15分 長野県塩尻市塩尻町の丸山大輔県議宅で9月29日朝、妻希美さん(47)が倒れているのが見つかった。その後死亡が確認され、県警は30日、殺人事件とみて塩尻署に捜査本部を設置したと発表した。司法解剖の結果、首を絞められたことによる窒息死とみている。 県警によると、29日午前6時45分ごろ、希美さんが倒れているのを家族が見つけ、119番通報した。現場は丸山県議の経営する酒造会社「笑亀酒造」の事務所と自宅を兼ねた建物内。28日夜に同居の家族が希美さんと過ごしており、29日未明に殺害されたとみられるという。(高億翔、佐藤靖) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
高校生いじめ自殺、回避「可能だった」 高裁も学校側の責任認定
布田一樹2021年9月30日 19時01分 福岡県太宰府市の私立筑紫台高校3年の男子生徒(当時18)が2013年に自殺したのはいじめが原因だとして、遺族が同校を運営する学校法人・筑紫台学園に約9500万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が30日、福岡高裁であった。森冨義明裁判長はいじめと自殺との因果関係や学校の責任をあらためて認め、一審・福岡地裁判決が学校側に命じた約2600万円の賠償を約3千万円に増額した。 一審判決によると、生徒は1年生の2学期ごろから身体的特徴をからかう呼び方をされ、2年生になると同級生から殴られるなどの暴行を受け、13年11月に自殺した。 高裁は、生徒が以前、自殺未遂をした時にできた首のあざを担任教諭が確認したことなどから、「いじめにより自殺を図ることを具体的に予見できた」と指摘。学校がいじめ対応マニュアルに従い、さらなる情報収集や教員間の情報共有、生徒への心理的なケアといった適切な対応をしていれば「自殺を回避することが可能だった」と安全配慮義務違反を認定した。 また、生徒が高校卒業後に公務員専門学校に入学予定だったことを考慮し、生涯で得られたはずの収入の認定額を増額した。 訴訟では、遺族と加害者の元同級生とは和解が成立したが、学校側は学校の対応と自殺との因果関係を否定していた。 高裁判決後に記者会見した生徒の父親(68)は「良い判決をいただいて本当によかった。ただ、学校側からの謝罪もなく、どれだけ反省しているのか分からない。今後、この判決が学校教育でのいじめ防止に役立てばと思う」と話した。 筑紫台学園は代理人弁護士を通じて「判決を重く受け止め、引き続きいじめ防止の取り組みを進めてまいります」とコメントした。(布田一樹) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル