伊藤和行2021年9月14日 20時34分 東京都町田市の市立小6年の女子児童(当時12)が昨年11月、いじめを受けたという内容の遺書を残し自殺した問題をめぐり、萩生田光一文部科学相は14日の閣議後会見で、児童に配布されたタブレット端末が悪口の書き込みに使われたとされることについて、「極めて残念」と述べた。文科省は同日、市教委などに事実確認をし、「いじめはあったが自殺との因果関係は調査中」との説明を受けたという。 文科省は市教委に対し、いじめの事実確認や命に関わる「重大事態」の認定が、いじめ防止対策推進法に基づいて行われたかどうか改めて確認するよう指導し、遺族に寄り添った対応をするよう求めた。文科省によると、同校では2019年度の途中から6年生に端末が先行配備されていたが、当初はパスワードが全員同じだった。文科省は「なりすましが可能で、不適切だった」と指摘した。 女児の両親と代理人弁護士は13日に記者会見し、女児に対して端末のチャット機能で「うざい」「きもい」などの悪口が書かれていたと説明。両親は「端末がいじめの温床になった」とし、端末によるいじめ防止策の再点検と徹底を文科省に要望していた。 萩生田氏は、両親が「学校でのIDやパスワードの管理がずさんだった」と指摘していることをふまえ、「全国で活用が本格化している端末について(利用の)留意事項を示してきたが、さらにどう対応すべきか検討したい」と述べた。(伊藤和行) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
追試験の会場も全都道府県に 来年1月の大学入学共通テスト
桑原紀彦2021年9月14日 20時57分 文部科学省は14日、来年1月の大学入学共通テストの追試験会場について、本試験同様、全都道府県に設置すると発表した。本試験も追試験も、会場は年内に公表する。 来年の共通テストは1月15、16日に本試験、同29、30日に追試験が実施される。本試験は全都道府県に会場が置かれることが決まっていたが、追試験は未定だった。文科省は、コロナ禍の収束が見通せないとして、移動に伴う感染リスクや、全国高校長協会から出されていた「追試験会場も全都道府県に設置を」との要望も踏まえ、全都道府県での実施を決めた。(桑原紀彦) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
食材は半額品「普通の暮らししたい」 生活保護受給者の訴え届かず
会員記事 白見はる菜、富永鈴香2021年9月14日 21時00分 生活保護基準額の引き下げは、生存権を保障した憲法25条に違反する――。そんな訴えは、裁判所には届かなかった。14日の京都地裁判決は「厚生労働相には専門技術的かつ政策的な見地からの裁量権がある」などとして、減額決定の取り消しなどを求めた受給者らの請求を退けた。 「不当判決」。判決後、原告側弁護団が、地裁前で「不当判決」の紙を掲げると、待ち構えていた支援者らからは「ひどい」などと落胆する声が上がった。 京都市で弁護団が開いた集会で、尾藤広喜団長(73)は「厚労相の裁量を広く解釈しており、受給者の生活実態を全く見ていない」と批判した。 全国で起こされた同種訴訟のうち、受給者側の敗訴判決は名古屋、札幌、福岡の3地裁に続き4件目。原告の竹井登志郎(としろう)さん(50)=京都市山科区=は「ここもか、とがっかりした。長い間訴えた受給者の現状を見てほしかった」と肩を落とした。森絹子さん(79)=同=も「原告になるのは勇気が要った。皆が安心して生きられる世の中になってほしい」と嘆いた。 法廷で判決を聞いた原告の小松満雄さん(60)=京都市南区=は、集会で涙ながらに訴えた。「生活保護の金額で、裁判官が1、2カ月過ごしてみてほしい。そうしたら受給者の気持ちがわかるはずだ」 小松さんは手足にまひがある… この記事は会員記事です。残り810文字無料会員になると月5本までお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
みんなでほおばったチキン さよなら「とっとちゃん」、校門すぐそば
日替わり丼273円、名物のフライドチキンは1本142円。インターハイ出場を記念した部活動の色紙や、卒業式で配られた胸の花飾りが、6畳ほどの店内の壁を埋め尽くす。 札幌市豊平区にある北海道科学大高校(旧尚志学園高)のすぐ近くで、20年にわたって食べ盛りの高校生たちのおなかを満たしてきた食堂「とっとちゃん」が、今月16日で営業を終える。 閉店は、一人で店を切り盛りしてきた店主の宮崎セツ子さん(71)の体調が思わしくないのが理由だ。「もう限界と思いました。新型コロナウイルスに負けたと言いたくないので、意地で頑張ってきたけど、自分の体に負けちゃった」とさばさばと話す。 宮崎さんは北海道北部、上川地方の旧中川村(現中川町)出身。2001年に夫の幸夫さん(72)と、札幌にある北海道科学大高校の近所に「とっとちゃん」をオープンした。04年には正門からすぐそばの現在の場所に移った。 看板料理は「ひみつのスパイス」入りのフライドチキンで、店の名前をそのまま付けた「とっとちゃん」。かつては1本100円で、部活などが終わる時間には店に入りきれないほどの生徒らが集い、店の前でとっとちゃんをほおばっておしゃべりをしていた。すぐ隣には学校寮があり(現在は閉鎖)、小腹をすかせた寮生が夕食後に訪れることもしばしばだったという。 同校はスポーツ部の活動が盛んだ。宮崎さんは全国大会出場を決めた部に色紙を書いてもらう代わりに、返礼として全員分のフライドチキンを差し入れて健闘を祈ってきた。 北海道室蘭市出身の元寮生で、現在は同校の教師としてバレー部監督を務める辻克典さん(34)は「今月初め、閉店すると聞いて涙が出た。いつも温かく見守ってくれて、教師として戻ったときも『おかえり』と迎えてくれた」と振り返る。 同校は2年後の23年春に、北海道科学大学のキャンパスがある札幌市手稲区に移転する。セツ子さんは心臓などに持病があったが、幸夫さんが病気で静養するようになってからも「移転まで頑張ろう」と、一人で店に立っていた。しかし料理の仕込みや客との応対で毎日立ち作業が続き、疲労が蓄積。コロナ禍での休業要請や休校などで客足が遠のいたことも響き、今月初めに店じまいを決めた。 最近は閉店を知った生徒や卒業生らが色紙を取りに訪れ、旧交を温める毎日という。11、12日の週末は仕込んだ食材が早々になくなるほどの盛況だった。「地域の皆さんに支えられた20年でした。思い出がいっぱいすぎて」と宮崎さんは声を詰まらせる。 16日午後5時までいつも通り営業して、店を閉める。「私らしくひっそりと、最後まで務めたい」という。(戸田拓) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「街の活気を取り戻したい」歌舞伎町 飲食店員向けワクチン接種開始
歌舞伎町などの繁華街を抱える東京都新宿区では、飲食店従業員を対象とした新型コロナウイルスのワクチン接種が6日から始まっている。 接種は区役所分庁舎で行われ、区内のエッセンシャルワーカーに加え、同区で働く飲食店従業員(18歳以上)を対象としている。12月中旬まで行われ、区ホームページから予約を受け付けている。 1日300人の枠があり、7日は208人が予約し、65人の飲食店従業員がワクチンを接種した。 歌舞伎町のキャバクラ店で働く女性(28)は、店の来客数がコロナ以前の水準に戻ってきていることを懸念し、「人と接する仕事なので、お店のためにも、自分のためにも接種しにきました」と話した。 昨年の第2波では、歌舞伎町でクラスターが相次いだ。現在の第5波では、「夜の街」関連の感染者数は減少しているものの、若年層を中心に感染拡大がおさまっていないという。新宿区の担当者は「繁華街の飲食店は区の基幹産業と捉えています。ワクチン接種をすすめて、一日でも早く街の活気を取り戻せるようにしていきたい」と話す。(藤原伸雄) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
福岡市の予約なしワクチン接種 「すぐ打てていい」初日は混乱なく
福岡市は14日、予約のいらない新型コロナウイルスのワクチン接種を始めた。会場の中央ふ頭クルーズセンター(博多区)には、午前11時の受け付け開始前から20人弱が訪れたが、接種は順調に進み、大きな混乱はなかった。 市によると、午後8時までに103人が予約なしでワクチンを接種した。 東区の会社員桑原芳文さん(63)は午前10時半に会場に着いた。接種券と本人確認書類の提示など必要な手続きを済ますと、スムーズに接種でき、正午には会場を出た。「接種に行けるときにすぐ打てるのはいい」 祖母らと一緒に来た中央区の大学生木村仁美さん(20)は、副反応でアルバイトなどに支障が出ることを心配し、接種を控えてきた。祖母から「予約なしで打てる」と聞き、翌日アルバイトが休みだったこの日、急きょ接種に訪れた。思ったより簡単で「これならまだ打っていない人も打ちやすい」と話した。 福岡市は、1日3千回の接種ができるクルーズセンターの予約枠に空きがあれば予約なしでの接種を受け付ける。この日は接種券を忘れた人を除き、予約しなかった全員が接種できた。(山田佳奈、松沢拓樹) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
博多の解体現場で3人死傷のCO中毒、地下の発電機から発生し充満か
板倉大地、古畑航希2021年9月14日 21時10分 福岡市博多区の解体作業現場で男性作業員3人が死傷した事故を巡り、地下で使っていた発電機から一酸化炭素が発生し、地下に充満していた疑いのあることが14日、捜査関係者への取材で分かった。司法解剖の結果、死因は急性一酸化炭素中毒と判明。県警は業務上過失致死傷の疑いも視野に調べを進めている。 県警によると、死亡したのは博多区美野島3丁目、解体作業会社員の渡辺孝憲さん(70)で、地上に続くスロープ上で倒れていた。現場は9階建てのビルの地下1階駐車場で、当時は解体作業中だった。県警は14日、現場を実況見分した。 捜査関係者によると、事故が起きた13日午後4時45分ごろ、地下では放水用の機械を動かすために3台の発電機を使っていた。20歳と73歳の男性作業員も倒れ、病院に搬送されたが、命に別条はないという。 発電機の1台に不具合が起きて20歳男性が様子を見に行き、地下の現場と無線で連絡が取れなくなったため、ほか2人も地下に向かったという。(板倉大地、古畑航希) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「船員になる」と関空到着後に失踪、宮城県へ 不正入国容疑の男逮捕
2021年9月14日 21時30分 船員として働くと偽り、不正に入国したとして、大阪府警は、パキスタン国籍のアフリディ・アブドゥル・ムサウリ容疑者(31)=宮城県松島町=を出入国管理法違反(偽りその他不正の手段による上陸)の疑いで逮捕し、14日発表した。容疑を認め、「入国してすぐに逃げると決めていた。日本で働いて稼ぎたかった」と供述したという。 外事課によると、同容疑者は自国の企業を介し、船員として大阪府内の港に停泊中の船に乗る名目で4月6日に関西空港に着いた。実際は船員になる意思がないのに入国審査官に上陸許可を申請し、15日間の予定で日本に入った疑いがある。同法は外国人の船員らには、乗り換えや休養のため最長15日間の上陸を認めている。 同容疑者は関空での手続き後、行方不明になった。その後、宮城県内にいることがわかり、7月に逮捕された。大阪地検は8月、アフリディ容疑者を同罪で起訴した。 新型コロナウイルス対策で国はパキスタンからの入国を制限していた。同容疑者は「船員であればビザなしで入国できるとわかっていた」と話したという。 入国後はパキスタン国籍の知人を頼って陸路で移動し、松島町で暮らしていたとみられる。府警は生活を支援していた者がいるとみて調べている。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
79歳殺害、発生4日後の公表 佐賀県警「殺人事件と断定できず」
会員記事 大村久 高原敦、榎本瑞希、福井万穂2021年9月14日 21時59分 佐賀県鳥栖市の民家で女性を殺害したとして、佐賀県警は14日、長崎市中園町の長崎大学薬学部4年、山口鴻志(こうし)容疑者(25)を殺人容疑で逮捕し、発表した。県警の調べに対し「現場には初めて訪れた」と供述し、女性の遺族も山口容疑者について「知らない」と話しているという。 捜査1課によると、山口容疑者は10日午後1時ごろ、鳥栖市酒井東町で、無職大塚千種さん(79)の頭部を鈍器で複数回殴って殺害した疑いがある。 大塚さんは夫と2人暮らし。この日、午前中から自宅隣にある親類宅の敷地で1人で除草作業をしていたという。 10日午後1時すぎ、悲鳴を聞いたという近くの住民が119番通報。警察と消防が現場に到着すると、大塚さんは地面に座り、上半身を前のめりにした状態で倒れていたという。周囲に大塚さんが使っていたとみられるカマやバケツがあった。意識はなく、病院に搬送されたが死亡が確認された。 山口容疑者は13日正午ごろ「一軒家の民家で高齢女性の頭部を複数回殴った。死んだかもしれない。とんでもないことをしてしまった」と大分市の大分中央署に出頭。佐賀県警は自首にあたるとしたうえで、14日未明に逮捕した。 山口容疑者は「ハンマーで頭部を殴れば殺してしまうと思ったが、明確な殺意はなかった」と供述しているという。所持品のリュックサックには、柄の部分が長さ約40センチ、金属部分が幅12センチのハンマー1個が入っていた。13日の司法解剖の結果、大塚さんの死因は脳機能障害だった。県警は詳しい動機や事件前後の足取りなどを調べる。(大村久) 司法解剖の間に容疑者が大分で自首 佐賀県鳥栖市で、無職大塚千種さん(79)が殺害された事件で、佐賀県警は10日時点で変死事案として把握しながら、14日早朝の逮捕の発表まで公表しなかった。 その理由について、捜査1課… この記事は会員記事です。残り1421文字無料会員になると月5本までお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
愛知で感染者急減568人 産後1年の女性らも予約なし接種へ
愛知県は14日、568人の新型コロナウイルス感染を確認したと発表した。感染者が1千人を下回るのは4日連続となり、大幅な減少傾向が続く。 ただ、入院患者は13日夜時点で前日から24人減ったものの1016人(病床使用率57・5%)で医療体制には厳しい状況が続いている。 重症者は1人減の82人(同44・8%)。大村秀章知事は「必要な人は何とか全員入院できている」と話し、県が6日に名古屋市内に開いた一時的な処置をする酸素ステーション「愛知入院待機ステーション」は入所者ゼロのまま21日にいったん休止する。 宿泊施設療養者は785人で、15日から蒲郡市内にも施設を追加する。自宅療養者は890人減り1万3268人となった。 県独自の集計では、12歳以上の2回目のワクチン接種率は58・74%(14日時点)となったが、さらに加速するため県が若者らの接種枠拡大などを進める。 15日から、出産後1年以内の女性とパートナーへの予約なし接種を県の大規模接種会場8カ所で受け付ける。 妊婦向けの予約なし接種が落ち着いてきたことに加え、感染すれば「授乳期の大事な時期の子育てに影響を及ぼす」(大村氏)ことに配慮した。 名古屋市の繁華街・栄に開いた若者向け接種会場の予約枠がすぐに埋まることから、1日550人から600人に拡大する。 ほかの接種会場7カ所でも1日30~200人の若者優先枠(12~39歳)を設ける。「LINE」で毎週水曜午後6時から1週間分の予約を受け付ける(初回は15日)。(岡本智) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル