杉浦達朗2021年9月23日 10時16分 天皇陛下や皇族方は23日、皇居の宮中三殿で、秋季皇霊祭・神殿祭の儀に臨んだ。年内に小室圭さんと結婚する秋篠宮家の長女眞子さまも出席。眞子さまは、結婚関連の行事を全て行わない方針で、皇族として公の行事に出席するのはこれが最後となる見込みだ。 小室さんは27日夕に帰国。隔離期間を経た後、眞子さまとそろって会見する予定。 この日の朝、眞子さまは妹の佳子さまと同じ車で赤坂御用地から皇居を訪れ、門を通過する際に沿道に集まった人たちに一礼した。眞子さまが赤坂を出て、公的な活動をするのは昨年7月以来。 2017年に婚約が内定した眞子さまと小室さんは、18年2月の延期から3年半を経て、今年10月にも結婚することがわかっている。ただ、結婚式をはじめ「納采の儀」や「朝見の儀」といった関連行事は全て行わない見通し。眞子さまは婚姻届提出後に小室さんと米国で生活する方針という。(杉浦達朗) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「原発を動かせるわけがない」 相次ぐ東電の不祥事、国の政策にも影
東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)で発覚したテロ対策や安全対策工事の不備について、東電が調査結果と再発防止策を発表した。安全を最優先にするという福島第一原発事故の教訓は、なぜ生かせなかったのか。再稼働をめざす東電への不信感が強まっている。 東電の小林喜光会長は22日夕、都内で開いた記者会見で一連の問題を陳謝し、「(改善を)やり遂げることができなければ、原子力事業に携わる資格がないと烙印(らくいん)を押される。最後の機会と覚悟を持って取り組む」と述べた。 社長「正しい教育できていなかった」 なぜ外部からの侵入を検知する重要設備の故障を放置したのか――。報告書から浮かび上がるのは、現場の核物質防護に対する認識の甘さだ。 柏崎刈羽では侵入検知器が故… この記事は有料会員記事です。残り1816文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「事件性の判断困難だった」 佐賀の女性殺害で県警本部長説明
佐賀県鳥栖市で起きた女性殺害事件で、佐賀県警の松下徹本部長は22日の定例会見で、発生を把握してから4日後の容疑者逮捕まで事件を発表しなかったことについて「事件、事故の両面で捜査したが、初動捜査から得られた情報のみでは確定的な判断が困難だった」と説明した。一方、事件から3日後にずれ込んだ司法解剖については、今後はもっと早く実施できるよう改善するという。 事件は10日に発生。鳥栖市酒井東町の民家敷地で女性(79)が頭から血を流して倒れており、搬送先で死亡が確認された。県警が嘱託契約している佐賀大学病院との調整の結果、司法解剖は3日後の13日午後に行われ、県警はその間、事件と判断できなかった。他に嘱託している福岡県内の3病院とは調整していなかった。 松下本部長は「県民から地域の安全安心に不安があがっていることは承知している」と述べ、司法解剖を「迅速に行う取り組みを進め、事件の全容解明に全力を尽くす」と述べた。今後、佐賀大学病院がすぐに対応できなければ福岡県内の3病院に依頼するほか、福岡県内と長崎県内の病院と新たに契約を結ぶ調整をしているという。 佐賀県警では、2019年に福岡県太宰府市で起きた女性暴行死事件で、事件前に女性の遺族から相談を受けていたのに事件化していなかったとして批判を浴びた。県警は「ただちに危害が及ぶ可能性があるとは認められなかった」と説明している。 22日にあった佐賀県警の定例会見。報道陣からは、鳥栖市で起きた女性殺害事件での県警の初期対応に関する質問が相次いだ。事件への対応をめぐっては、2019年に福岡県太宰府市で起きた女性暴行死事件でも、事件前に女性の遺族から相談を受けていたのに事件化していなかったことが問題視されたばかり。約1時間50分にわたる会見中、鳥栖の事件に関する質問は約1時間半に及んだ。県警はこの間、報道陣に撮影を認めず、冒頭に松下徹本部長が説明。事件発生から3日後となった司法解剖については「迅速に行う体制を構築する」と述べた。その後の質問には主に中原和雄刑事部長が答えたが、回答は質問とかみ合わず、同じ説明を繰り返した。報道陣との主なやりとりは次の通り。(大村久) ――事件性を排除できない以上、迅速に司法解剖すべきだったと思うが 9月10日から事件・事故の可能性を念頭に置いて発生現場の状況確認、付近における聞き込み、遺体の確認を行った。得られた情報から判断は困難だった。 ――司法解剖は佐賀大以外と調整しなかったのか 原則として佐賀大に嘱託している。困難な場合は福岡県の三つの大学に嘱託している。日時は、嘱託している佐賀大との調整の結果、13日に実施となった。 ――なぜ事件を早く公表しなかったのか 公表は事案の概要、事件性の… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
古紙の中から1万円札192枚 東村山のリサイクル工場、従業員発見
2021年9月23日 7時56分 東京都東村山市の民間の古紙リサイクル工場で20日、古紙の中から1万円札192枚が見つかった。拾得物として届け出を受けた警視庁によると、いずれも真札とみられるという。同庁が持ち主を探している。 東村山署によると、20日午前9時ごろ、古紙を振り分けていた工場の従業員が、新聞紙やチラシの中から茶封筒1封を見つけた。1万円札192枚が入っていて、比較的新しいお札だという。帯はついていなかった。 工場には東村山市や周辺の自治体から古紙が集まるといい、署が情報提供を求めている。遺失物法では、3カ月を過ぎて持ち主が名乗り出なければ、拾い主に所有権が発生する。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
小室圭さん、27日に帰国の見通し 隔離期間後に眞子さまと会見へ
2021年9月22日 19時46分 秋篠宮家の長女眞子さま(29)と婚約が内定している小室圭さん(29)が27日にも米国から帰国することが、関係者への取材でわかった。帰国後は隔離期間を経て、眞子さまと記者会見する予定。10月中に婚姻届を提出後、米国へ移って新生活を始める見通し。 関係者によると、小室さんは26日に米ニューヨーク州を飛行機で発ち、27日午後にも帰国する予定。帰国後は、14日間の隔離期間を都内で過ごす。その後、宮内庁はお二人が心境を述べる会見などの場を設ける準備を進めている。 お二人は婚姻届の提出や会見を終えた後、10月中に米国へ向かう方針。日程は10月23日の眞子さまの30歳の誕生日などの日程を視野に調整が進んでいる。 眞子さまと小室さんをめぐっては、2017年の婚約内定後、小室さんの母と元婚約者の間の「金銭トラブル」が報じられ、18年2月に結婚が延期に。3年半を経て、今年10月に結婚へと進む。ただ、結婚式をはじめ「納采の儀」や「朝見の儀」といった結婚関連行事は全て行わず、皇籍離脱する際に支出される「一時金」も眞子さまは受け取らない意向を示している。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
衝突被害軽減ブレーキ、作動対象を自転車に拡大へ 国交省が方針
国土交通省は、乗用車などに搭載されている衝突被害軽減ブレーキ(自動ブレーキ)の作動対象について、現行の車両と歩行者に加えて自転車にも拡大する方針を固めた。今月末に保安基準の関係規定を改正する。 自動ブレーキは、車載カメラや車体前方に設置したレーダーで車や人を検知し、衝突しそうになると警報を鳴らし、自動でブレーキをかけるシステム。11月から乗用車で段階的に搭載が義務化されるが、その要件は自動車、横断中の歩行者と一定条件下で衝突しないこととされ、自転車は対象外となっていた。 現行では、乗用車の場合、時速40キロで走行中に静止中の自動車に追突しない▽時速60キロで走行中に時速20キロで走る自動車に追突しない▽時速40キロで走行中に時速5キロで横断する歩行者に衝突しないことなどが条件とされている。 改正される規定は、9人乗り以下の乗用車と3・5トン以下の貨物自動車が対象。乗用車では時速38キロで走行中、時速15キロで横断してきた自転車に衝突しないことが新たに求められる。ブレーキがかかる前までに運転者に警報を鳴らすことも条件だ。 2024年7月以降の新型乗用車から義務化される。継続生産されるモデルについては、26年7月から対象になる。検知技術の向上が改正を可能にしたが、メーカー側は機材や制御プログラムの改修などが必要な場合もありうるという。 同省によると、新車への自動… この記事は会員記事です。残り852文字無料会員になると月5本までお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
伊藤詩織さんが訴えた事件、なぜ逮捕見送り 警察庁長官との一問一答
22日に就任した中村格(いたる)・警察庁長官が、東京・霞が関の警察庁で記者会見した。主なやりとりは次のとおり。 ◇ ――長官就任にあたって抱負を。 「警察は第一線警察活動が基本であるとの認識に立ち、令和の時代にふさわしい警察はなんであるのかを常に自問自答し、組織で議論を積み重ね、あるべき将来像を思い描きながら組織運営にあたっていきたい」 「新型コロナウイルス感染症の拡大をはじめとして、さまざまな分野において、地球スケールで物事が起こっている、そういう時代だと認識している。国内では少子高齢化が進み、人材確保や財政面において将来懸念が生じるのではないかということにも思いを致す必要がある。そういった認識のもとで、国民生活の安全安心をより高い水準で確保するために警察の組織運営はいかにあるべきかについて、先見性、発想力と創造性をフルに発揮し、組織体制づくりや警察力の最適な配分を可能とするための業務の合理化、AIなど先端技術を積極的に取り入れた業務の高度化で業務運営を行いたい」 ――特殊詐欺の被害が依然として深刻だ。被害防止や検挙はどう進めるか。 「特殊詐欺は、依然として高齢者を中心に高い水準で被害が発生し、深刻な情勢といわざるを得ない。ほぼ全ての事件の背後に暴力団や準暴力団が介在している実態がある。その認識に基づき、今年4月から特殊詐欺の捜査の事務を組織犯罪対策部門に移管し、特殊詐欺を組織犯罪対策の側面でアプローチし、しっかり抑えていくことにした。取り締まりと被害防止の両面でしっかり施策を展開していきたい。具体的には、犯行グループやその背後にいるとみられる暴力団、準暴力団を徹底して取り締まる、犯行拠点をできるだけ迅速に摘発する、職務質問を行い、受け子らの検挙の積極化を図る、さらに悪質な犯行ツールを提供する事業者の摘発もやっていく」 「捜査面では多角的、戦略的に進めたい。被害防止の観点では、杉良太郎・警察庁特別防犯対策監をはじめ、幅広い層に発信力のある方々とともに全国警察一丸となって関係の団体、事業者とも協力し、新たな手口を国民の皆さんに注意喚起をする広報啓発も含め、社会全体で被害防止のための対策を図っていきたい」 サイバーの脅威への対応 ――サイバーの脅威への対応について。警察庁は来年度、サイバー局を新設し、捜査するサイバー隊も設置が見込まれる。組織改編の狙いや今後の対策は。 「新型コロナウイルス感染の拡大を背景として社会経済活動全体でデジタル化が進展しているなか、サイバー被害が潜在化していくリスクがあるのではないかと懸念している。今年も米国で大きな事案が起こったが、(データを暗号化して身代金を要求する)ランサムウェアをはじめとする悪質なマルウェアを用いたサイバーテロ、そういった攻撃手法の拡散が懸念される。国家を背景としたサイバー攻撃も発生し、依然深刻な状況は続いている」 「深刻な脅威にどうするのか。まずは民間をはじめとした関係する団体、機関、公的機関も含め、オールジャパンでしっかりと実効的な対策を講じることが必要だ。警察は捜査権をもっている。対処、技術解析をする能力、経験、実績を積み重ねてきた。また、諸外国の捜査機関、情報機関ともパイプが非常に太く、重要な役割を果たしていかなければいけない」 「サイバー局、サイバー隊を設置し、サイバー事案の解明や対策の強化をめざしたい。サイバー局では、サイバー事案に関する情報の集約や対策の一元化で、効果的、効率的な対策を講じていきたい。サイバー隊は警察庁が自ら捜査を行うが、都道府県警の捜査の補充や調整を行う側面もある。画期的なのは、諸外国の捜査機関の共同オペレーションに参画して、国境を越えたサイバー事案に対処できるようにすることだ。組織改正構想を早期に実現し、国全体でのサイバーセキュリティー対策に警察として貢献できればと考えている」 次世代モビリティーや自動運転について ――小型の次世代モビリティーや自動運転について。人手不足の解消に役立つ可能性があるが、今後の法改正への考えなどは。 「新たなモビリティーの発展や自動運転の実現は今後のわが国の経済成長の大きな鍵の一つになるのだろうと認識している。他方で、交通の安全の調和を図っていかなければいけないという課題もある。新たなモビリティー、自動運転の交通ルールのあり方については有識者を交えた議論が進められ、報告書も示され、さらに議論が重ねられている。警察庁としても今後の交通ルールのあり方の方向性について検討しているところだ。実証実験の結果もふまえ、関係省庁の協力も得ながら、安全で快適な交通環境を実現すべく、道路交通法の改正も含め、必要な制度整備の検討を進めたい」 「小型電動モビリティーの一つである電動キックボードでは、交通違反や事故が発生している。国民の皆さんに交通ルールを周知し、悪質、危険な違反は厳正に取り締まるよう都道府県警察を指導していきたい」 テロの脅威への対応 ――東京五輪・パラリンピックはテロはなく、警備を終えたが、今後もテロの脅威が続く。どう対応していくか。 「警察ではテロの未然防止やテロへの対処能力の強化に取り組むために、外国の治安情報機関との緊密な連携による情報収集、分析の強化、関係機関と連携した水際対策の強化、テロなどが発生した時の事態対処能力の強化といったテロ対策を推進してきた。こうした取り組みにより、2020東京大会ではテロなどの重大事案の発生を抑止でき、大会の安全で円滑な運営に寄与することもできた」 「これまで国内外で邦人がテロの犠牲になる事案も発生し、ISIL(過激派組織の「イスラム国」=IS)をはじめとするテロ組織に、わが国や邦人がテロの標的として名指しされており、わが国へのテロの脅威は継続している。さらに、昨今のアフガニスタンの情勢は流動化し、予断を許さない状況で、テロ情勢にどのような影響を及ぼすのか十分に注視をしていかなければいけない。警察は情勢の変化にしっかり適応しながら、引き続き各種のテロ対策を推進していく」 災害への対応 ――各地で地震や水害などの災害が発生している。今後も大規模な災害が起き得るが、どう対応するか。 「豪雨などの自然災害がここ最近は激甚化、頻発化している。今後発生が懸念される南海トラフ地震、首都直下地震、火山噴火などの大規模な災害に十分備えをしていく必要がある。最悪を想定して十分な備えをしていかなければいけない。具体的には、救出・救助活動に必要な車両、救命ボートなどの装備資機材を充実強化していく。警察ヘリを災害対応の機動力の中核として新たに位置づけ、各都道府県警の航空隊は警備部門に移管することにした。さらに、災害発生時の指揮機能を強化するため、警察庁指定広域技能指導官らによる災害対応指揮支援チーム(通称D―SUT)を設置し、災害対処能力の向上を図ってきた。今後も実践的な訓練を重ね、広域緊急援助隊などの対処能力の向上に取り組むほか、ドローンも含む先端技術をしっかり活用し、情報収集、災害対応能力の向上に努めたい」 高齢ドライバーの交通事故対策 ――高齢運転者による悲惨な交通事故が後を絶たない。高齢ドライバーによる交通事故対策について。 「高齢運転者による交通事故の情勢では、免許人口あたりの死亡事故件数が他の年齢層と比較して高い。依然として厳しく、高齢運転者対策は喫緊の課題と認識している。こうした情勢をふまえ、20年の道路交通法の改正で75歳以上の、一定の違反歴のある高齢運転者に対する運転技能検査、安全運転サポート車限定免許を導入し、来年6月までに施行される予定だ。施行に向けた準備を着実に進めていきたい。このほか、高齢運転者講習の円滑な実施、安全運転相談窓口の充実強化、運転に不安を抱える方が自主返納しやすい環境の整備など、引き続き高齢運転者による交通事故の防止に向けた総合的な対策を進めていきたい」 伊藤詩織さんが訴えた性被害の捜査 ――ジャーナリストの伊藤詩織さんが元TBS社員による性被害を訴えた事件について。警視庁の署が逮捕状の発付を受けたが執行されなかったと言われている。事件当時は警視庁の刑事部長だった。この事件についてどう判断、対応したのか。また、この件などに絡んで、今回の長官就任についてはネット上などでは疑問視するような声も一部で出ている。その点についてもどう考えるか。 「まず、最後に人事の話があったが、自分自身の人事についてなにかコメントする立場ではないので、ご理解いただきたいと思う」 「また、いまお尋ねのあった捜査の関係だが、これは、私が過去の職で関係した個別の事件捜査に関するお尋ねで、その件は警視庁において告訴を受理し、法と証拠に基づいて、組織として捜査を尽くした上で検察庁に送致し、その後検察庁において不起訴処分がなされ、さらにその後の検察審査会においても不起訴相当の議決がなされたといった経緯をたどったものであることから、その捜査の過程について具体的に言及するのは控えるべきと考えている。その上で、私は様々なポストで数多くの事件捜査、捜査指揮にあたってきたし、その経験がある。そのような中で、捜査指揮にあたっては常に法と証拠に基づいて適切に判断をしてきたと考えている。その姿勢を貫いてきた。法と証拠以外の他事を考慮して、何らかの捜査上の判断をしたということは一度もない。もとより、現行のわが国の刑罰法規に抵触しないということであれば立件ができないのは当然であり、また、適正捜査を進めて収集した証拠を十分吟味して、強制捜査への移行というのは(移行する際には)十分慎重を期すべきであることもまた当然であると考えている」(田内康介、編集委員・吉田伸八) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
山口敬之氏の逮捕見送り「組織として捜査尽くした」 中村警察庁長官
22日に就任した中村格(いたる)・警察庁長官が、東京・霞が関の警察庁で記者会見した。サイバー攻撃やサイバー犯罪などの脅威が深刻だとして、「民間をはじめとする関係団体、公的機関を含めオールジャパンで実効的な対策を講じる必要がある」と述べた。 警察庁は来年度、サイバー局とともに同庁が直接捜査するサイバー隊を新設する計画だ。中村氏は、これにより外国の捜査機関との共同捜査などが進む利点がある、と説明した。 高齢運転者による交通事故への対策は「喫緊の課題」と指摘。改正道路交通法で、75歳以上の一定の違反歴がある人を対象にした運転技能検査などが来年6月までに導入されることになっており、「施行にむけ準備を着実に進めていきたい」と話した。 「常に法と証拠に基づき適切に判断してきた」 中村氏は、2015年にジャーナリストの伊藤詩織氏が元TBS記者の山口敬之氏から性被害を受けたと訴えて警視庁が捜査した当時、同庁刑事部長だった。 捜査関係者らへの取材によると、担当した警察署が準強姦(ごうかん)容疑で山口氏の逮捕状を得たものの、執行されなかった。警視庁ではこの後、本部捜査1課が捜査。東京地検は16年に嫌疑不十分で山口氏を不起訴処分とし、17年に検察審査会が「不起訴相当」と議決した。 この件について会見で問われた中村氏は「組織として捜査を尽くした上で検察に送致した。捜査の過程について具体的に言及するのは控える」とした上で、「私は数多くの捜査指揮にあたってきたが、常に法と証拠に基づき適切に判断してきたし、その姿勢を貫いてきた。法と証拠以外の他事を考慮して何らかの捜査上の判断をしたことは一度もない」と述べた。 さらに、「刑罰法規に抵触しないのであれば立件できないのは当然だし、適正捜査を進めて収集した証拠を十分吟味し、強制捜査へ移行する際には慎重を期すべきなのも当然だ」と語った。一般論として述べたが、逮捕を見送ったのは証拠を精査した上での判断からだ、との考えを事実上示したものだ。 捜査とは別に、伊藤氏は山口氏に損害賠償を求める民事訴訟を起こし、東京地裁は19年、山口氏に330万円の賠償を命じる判決を出した。山口氏は判決を不服として東京高裁に控訴している。 中村氏は1986年に警察庁に入った。刑事畑が長く、特に贈収賄事件などの知能犯を担当する捜査2課の経験が豊富だ。旧民主党政権から自民党の第2次安倍政権にかけ、約5年半にわたり官房長官秘書官を務めた。その後、警視庁刑事部長や警察庁組織犯罪対策部長、長官官房長、次長を歴任した。(編集委員・吉田伸八、田内康介) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
難民認定の裁判前に強制送還は違憲 原告弁護団「裁判所が鉄槌」
難民不認定の処分を通知された翌日に強制送還されたため、処分取り消しを求める訴訟が起こせなかったとして、スリランカ国籍の男性2人が1千万円の賠償を国に求めた訴訟の控訴審判決が22日、東京高裁(平田豊裁判長)であった。判決は出入国在留管理庁側の対応について「司法審査の機会を奪った。憲法32条で保障する裁判を受ける権利を侵害した」と認め、計60万円の支払いを命じた。 原告側によると、外国人の送還手続きをめぐり違憲判断が出るのは初めて。一審・東京地裁判決は2人の請求を棄却しており、原告の逆転勝訴となった。 難民不認定の処分に対しては、国に異議(審査)を申し立てることが可能で、申し立て中は送還されない。申し立てが棄却されても司法の判断を求めて訴訟を起こすことができる。 判決によると、2人は2014年12月、収容を一時停止する「仮放免」の継続を東京入国管理局に求めたが、認められずに収容。難民不認定への異議申し立てが棄却されたと知らされ、提訴に向け弁護士に連絡したいなどと訴えたが、翌日に強制送還された。 「司法審査の機会、奪うことは許されない」 判決は、国が定めた「難民異議申立事務取扱要領」では、申し立て結果は速やかに知らせることになっていると指摘。今回の棄却決定は2人に知らせる40日以上前に出たことをふまえ、「訴訟の提起前に送還するため、意図的に棄却の告知を送還直前まで遅らせた」と認めた。一審判決は「原告の提訴を妨害する不当な目的はない」としていた。 また高裁判決は、事前に知らせると逃亡され送還が妨害される可能性があるとの国の主張に対し、「抽象的な可能性にとどまる。送還直前の告知に合理性はない」と説明。原告の難民認定手続きが濫用(らんよう)的だとする国の訴えについても、「申請が濫用的か否かも含めて司法審査の対象とされるべきだ」と退けた。 そのうえで、「訴訟を起こすことを検討する時間的猶予を与えなかった。司法審査の機会を実質的に奪うことは許されない」と入管の対応を批判した。 名古屋高裁では1月、スリランカ国籍の別の男性に難民認定の裁判を起こす機会を与えずに送還した入管の対応について違法性を認めたが、違憲とは判断しなかった。 入管庁は判決後「判決内容を精査し対応したい」とコメントした。(村上友里) 働く外国人の権利「保障する法律必要」 「日本は難民申請者に対して極めて残酷な扱いをしてきた。裁判所が違憲だという鉄槌(てっつい)を下したことに大きな意味がある」 原告弁護団の駒井知会(ちえ)弁護士は会見で、判決をこう評価した。難民不認定に対する異議申し立ての棄却が告知された直後に送還されたケースは、原告以外の難民申請者にも多くあるという。 指宿昭一弁護士も「入管の対応をめぐる訴訟で憲法違反に踏み込んだ判決は極めて少ない」と指摘。「入管の考え方がおかしいと判断された。同様の実務は今後できなくなり、強制送還に影響を与える」と話した。 スリランカに送還された原告の男性(50)は政治的な理由で迫害を受け、身を隠して転々とする生活を余儀なくされているという。弁護団を通じ、「今までとても苦しく大変だった。とてもうれしい」と述べた。 外国人政策に詳しい国士舘大の鈴木江理子教授は「難民申請を認められなかった人の権利侵害まで踏み込んだ画期的な判決だ」と話す。今回の判決は、難民不認定の異議申し立ての棄却を告知された翌日に強制送還されたスリランカ人の男性2人について、憲法が保障する裁判を受ける権利を侵害したと判断した。 「過去の同様の訴訟では入管行政にお墨付きを与える判決ばかりだった。そういう意味で今回は司法の独立性を示したまっとうな判決だと言える」と評価した。 入管行政については「在留資… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
米軍輸送機オスプレイ、仙台空港に緊急着陸 防衛省が職員を派遣
2021年9月23日 0時41分 22日午後9時半ごろ、米軍の輸送機オスプレイ1機が宮城県の仙台空港に緊急着陸した。防衛省によると、機体はすでに空港に隣接する陸上自衛隊岩沼訓練場に移動した。けが人の情報はないという。同省は職員を派遣し、状況を確認している。 名取市消防本部によると、22日午後9時15分ごろ仙台空港から「何かしらのトラブルで着陸予定」と連絡があり、空港の敷地内にオスプレイ1機が着陸しているのを確認した。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル