堀越理菜2021年9月30日 10時00分 熊本市は29日、担任する児童に対する体罰や暴言があったとして、市立小学校の男性教諭(48)を停職3カ月の懲戒処分、当時の校長を文書訓告とし、発表した。 市教育委員会によると、教諭は2019~20年度、担任していた学級の児童延べ26人に対し、計11件の体罰や暴言などを行った。 体罰は、長縄跳びの練習中、教諭の指導に「それはやりすぎではないですか」と意見した児童を押して転倒させたものなど2件。児童の顔の特徴を捉えて「目つきが悪い」「私をにらまないで」と言ったり、ボタンをとめ忘れていた女子児童に「セクシーだね」と言ったりした暴言も5件あった。成績が悪かった児童の漢字テストの点数をほかの児童の前で公表する▽女子児童に抱きつこうとするふりをする――など4件の不適切な言動もあったという。 教諭は現在は別の小学校に勤務しており、指導に熱くなってしまったなどと理由を説明し、「たくさんの子どもたちを傷つけて大変申し訳ない」と述べているという。市教委の担当者は「教育に対する期待と信頼を裏切る結果となった」と謝罪した。(堀越理菜) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
上野の双子パンダもうすぐ命名 19万件の応募、黒柳徹子さんら検討
本間ほのみ2021年9月30日 10時18分 上野動物園(東京都台東区)で6月に生まれた双子のジャイアントパンダの名前の候補を決める「名前候補選考員会」が29日、オンラインで開かれた。全国から応募のあった名前の中から委員会で候補を絞るなどして検討し、都が名前を決める。双子の名前は10月中旬以降に発表される予定だ。 2頭の名前は「カタカナ9文字以内」を条件に8月に募集したところ、計19万2712件の応募があった。この日は、寄せられた名前の中から、日本パンダ保護協会の名誉会長を務める黒柳徹子さんら計6人の選考委員が名前候補を検討した。双子であることや、2頭の「お姉さん」にあたるシャンシャンとのつながりなどを考えながら議論したという。 9月28日に園が公開したオスとメスの双子の様子によると、2頭とも体重は5・5キロに。動きは活発で、メスは前脚で上半身を支えながらおなかも持ち上げられるようになり、行動範囲が広がった。園が撮影した動画では離れたところにいる母親のシンシンのもとへハイハイで向かっていた。2頭の公開時期は未定だが、公開に向けて人の声や物音に慣れさせようと、保育室ではラジオを流しているという。(本間ほのみ) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
眼科開業医を逮捕 前の勤務先の患者情報、不正にコピーした疑い
土居恭子、小寺陽一郎2021年9月30日 10時32分 勤務先の眼科医院から数千人分の患者情報を不正に入手したとして、神奈川県警は30日、医師の中原将光容疑者(43)=横浜市=と、この医院に勤めていた女(42)=同=を不正競争防止法違反(営業秘密の領得)の疑いで逮捕した。中原容疑者は医院を退職後に別の眼科医院を開業しており、県警は、入手した情報を新規の患者を増やすために使った可能性があるとみて調べている。 捜査関係者によると、2人は共謀し、横浜市内の眼科医院に勤務していた2018年11月ごろ、不正の利益を得る目的で、この医院の営業秘密にあたる数千人分の患者の氏名や住所などの情報を、記録媒体に不正にコピーした疑いがある。 中原容疑者は退職後の21年春ごろ、東京都町田市で眼科医院を開業。ウェブサイトでは「院長からご挨拶(あいさつ)」として、全国の眼科医院で累計2万8千件以上の手術経験があると説明している。県警が、中原容疑者が勤務していた横浜市の眼科医院から相談を受け、捜査していた。(土居恭子、小寺陽一郎) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
死因は脳挫傷 転んで頭を打ちつけた可能性 福井県議死亡で県警
柳川迅2021年9月29日 20時00分 頭にけがを負った状態で見つかり、その後死亡した福井県の辻一憲県議(当時56)について、同県警は29日、司法解剖の結果、死因は脳挫傷などだったことを明らかにした。依然として事故、事件いずれの可能性もあるとし、情報提供を呼びかけた。 捜査1課によると、死因は左の頭頂部から後頭部にかけて打撲を負ったことによる外傷性くも膜下出血と脳挫傷。頭の骨が折れていたほか、左の肩とひじに打撲があったという。頭は硬い平面にぶつけたと考えられ、転んで路面に打ちつけた可能性もある、とした。 発見前、座り込み、立ちすくむ姿 同課は発見までの経過も説明した。19日午後、辻県議は越前市長選の立候補予定者の事務所開きに出席した後、越前市宮谷町の自宅に戻った。その後、自宅周辺の住宅地で自身の政策ビラを配布しており、午後3時15分ごろに会話した住民がいた。同4時半ごろから同8時ごろにかけて、何カ所かで座り込んだり、立ちすくんだりしている様子が目撃されたという。話しかけた住民もいるが、うなずくだけで会話はなかったという。辻県議が目撃された場所のうち2カ所では血痕らしきものが見つかった。同じ時間帯に、言い争う声などは確認されていないという。 辻県議は19日午後9時50分ごろ、越前市上真柄町の住宅の植え込みに座りこんでいるところを帰宅した住民が見つけ119番通報。市内の病院で手術を受けたが、意識不明のまま26日夜に死亡した。 情報提供は越前署(0778・24・0110)へ。(柳川迅) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「強制不妊手術」独自の救済条例案を否決 明石市議会「国の問題」
天野剛志2021年9月30日 5時00分 旧優生保護法(1948~96年)で障害などを理由に不妊や中絶の手術を強いられた市民とその配偶者に各300万円を支給する兵庫県明石市の条例案について、市議会は29日、賛成少数で否決した。自治体による支援金支給は全国でも異例で、泉房穂市長は30日にも修正案を提出する考えを示した。 国の一時金支給法は、不妊手術を受けた本人を対象に一律320万円を支払う。市の条例案は、同法の対象外である中絶手術を受けた人や配偶者も含める内容。だが市議会本会議では「甚大な人権被害を受けた被害者を支援するべきだ」との意見がある一方、「本来は国の問題で裁判でも係争中。その中で、なぜ明石市民の税金を使うのか。対象人数も未確定で何人まで増えるのか不明だ」との意見も出た。採決では議長や棄権した6人らを除く21人のうち賛成は9人にとどまった。「反対ではないが、市民や第三者の声を聞く手順を踏んでおらず、市長が独断専行している」と棄権した議員もいた。 条例案は泉市長が「国の対応は不備があり、市としてできることをしたい」と市議会に提案していた。 議場には強制不妊手術を巡る国家賠償訴訟の原告で、同市内に住む聴覚障害者の小林宝二さん(89)と喜美子さん(89)夫妻の姿もあった。宝二さんは「まだまだ私たちのことを理解してもらえる段階ではないと思った。市長が再チャレンジすると言ってくれたので、私も分かって頂けるまで頑張りたい」と手話を使って語った。 各地の訴訟では、旧法は憲法違反と判断する一方、手術から20年の除斥期間が過ぎたとして賠償請求を退ける判決が相次ぐ。優生保護法被害兵庫弁護団の藤原精吾団長は「条例案は、国の一時金支給法の不十分さを示すだけでなく、期限を設けていない点で、国の責任を免除した判決の誤りも示すものだった。意味は大きかっただけに、否決は極めて残念だ」と話した。(天野剛志) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
吉祥寺の有名時計店でカルティエなど盗んだ疑い 栃木の男逮捕
【動画】時計店での犯行の様子 東京・吉祥寺の時計店で5月、高級時計が盗まれる事件があり、警視庁が栃木県に住む無職の男(26)を、窃盗と建造物侵入の疑いで逮捕した。捜査関係者への取材で29日分かった。 この店は、1980年以前のビンテージやアンティークを専門に扱っている有名店。被害が報じられた際には、全国のファンから励ましの声が届いていた。 捜査関係者によると、男は5月18日午前0時半過ぎ、東京都武蔵野市の「江口洋品店・江口時計店」に窓ガラスを割って侵入。「カルティエ」などの腕時計二十数点(計約1230万円相当)を盗んだ疑いがある。おおむね容疑を認めているという。 警視庁は防犯カメラの映像などから男を特定した。事件後、別の詐欺事件に関与したとして同庁に逮捕されていたという。同庁は共犯者がいるとみて調べている。 「頑張って」「やめないで」の声に励まされ 被害に遭った江口洋品店・江… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
安田菜津紀さん、ルーツ探る旅 父が語らなかった祖父母は……
海水浴に行った幼き日の安田菜津紀さんと父=安田さん提供 フォトジャーナリストの安田菜津紀さん(34)が自身のルーツを探る旅を続けている。高校時代に亡き父が韓国籍だったと知ったことや、最近になって朝鮮半島出身の祖父母についての情報を得たことを今月18日、大阪府東大阪市内で語った。 対談で話をする安田菜津紀さん=2021年9月18日、大阪府東大阪市岩田町4丁目、宮崎亮撮影 東大阪朝鮮初級学校(同市)の創立75周年を記念する対談企画で、ジャーナリストの中村一成(イルソン)さん(51)と登壇した。企画は同校オモニ会などが主催した。 安田さんは幼き日の忘れがたい記憶から語り始めた。飲食店を営む父が早く帰宅し、絵本の読み聞かせに熱心な母に代わり自分をひざに乗せ、ページをめくった。だが読み方がおぼつかなく何度もつっかえる。安田さんは「もういい」と絵本を突き返し言った。 「お父さん、日本人じゃないみたい」 いつも穏やかな父は笑っていたが、目の奥が悲しげだった。 高2の時、戸籍を見た 父の欄に「韓国籍」 中2の時に亡くなった父の出自を安田さんが知ったのは、高2の時。NPOのプログラムでカンボジアに渡ることになり、パスポート取得のため戸籍を取ると、父の欄に「韓国籍」とあった。 父はなぜ生前にルーツを語らなかったのか。取材の旅を続ける中で、安田菜津紀さんはその理由に思いをはせるようになります。会ったことのない祖父母の名前も初めて知ることになりました。 驚きのあまり身が固まった。同時に、あの日の父の表情や、父が何かを隠しているのではという家庭内での「小さな違和感」の答えを見つけた気がした。母からは不安定な生活のため十分な教育を受けられなかったようだと聞いた。 小学校入学前の安田菜津紀さんと父=安田さん提供 誰かに話したかったが、ネット上で朝鮮半島への中傷を目にすると躊躇(ちゅうちょ)した。日本人として育った自身の「加害性」と向き合わざるを得なくなった。隣国を揶揄(やゆ)するような報じ方をするテレビ番組を無批判に聞き流していなかったか。在日コリアンへの差別事件には「背を向け、知らなくても生きていけていた」。 祖母は32歳で早世、祖父はプロボクサーだった その後はカメラを手に国内外を巡り、貧困地域の子どもや難民、被災者らに寄り添うジャーナリストとなった。ただ父が生前に語らなかったルーツの詳細は不明のまま。新たな情報を得たのはつい昨年のことだ。 亡くなった外国人の情報が記されている「外国人登録原票」の写しを国に請求できると知り、父と祖父母について請求したものが交付された。 祖母の名は「金玉子(キムオッチャ)」。11歳で釜山から来日し、いまの自分より若い32歳で亡くなっていた。祖父は「金命坤(キムミョンゴン)(一部記載は金明根)」。最近になり本人を知る人からプロボクサーだったと教えてもらった。最初に記載されていた日本の住所は父の出生地の京都市伏見区だった。 この地を案内したのが対談相手の中村さんだ。京都朝鮮第一初級学校(当時)周辺でのヘイトスピーチ事件の著作がある。自身の母が在日2世で、日本人の父から民族差別の言葉を投げかけられる姿を見て育った。母も祖母もルーツを隠していた。「安田さんが、自分がしようと思ってもできなかったルーツの探訪を続けているのがうれしかった」 中村一成さん=2021年9月18日、大阪府東大阪市岩田町4丁目、宮崎亮撮影 安田さんは事件当時の同校の保護者だった在日2世の男性に話を聞いた。男性は通名で日本の公立校に通い、民族差別を受けた経験から、あえて娘を朝鮮学校に通わせたという。「ルーツを肯定的に捉えてのびのび暮らせる環境に身を置かせたかった」と安田さんに語った。 ヘイト事件の映像はいまもネ… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
原発避難「国に責任」 ふるさと喪失慰謝料など賠償上積み 高松高裁
谷瞳児2021年9月29日 20時30分 東京電力福島第一原発事故で愛媛県に避難した10世帯23人が、国と東電に損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が29日、高松高裁であった。神山隆一裁判長は一審・松山地裁判決に続いて国と東電の責任を認め、約4600万円の賠償を命じた。賠償額は、避難指示の対象になった原告について「ふるさと喪失慰謝料」を認めるなど、一審の約2700万円から上積みした。 原発事故による避難者が国と東電を訴えた集団訴訟の控訴審判決は、今回が4件目。うち国の賠償責任を認めたのは、昨年9月の仙台高裁、今年2月の東京高裁に続き3件目となった。 神山裁判長は、政府の「地震調査研究推進本部」が2002年7月末に公表した地震予測「長期評価」について「専門家集団が科学的な知見に基づいて取りまとめた。相応の科学的信頼性がある」と評価した。 国が東電に対し、長期評価に基づくシミュレーションを指示していれば、津波が到来する危険性を認識できたと認定。福島第一原発を所定の技術基準に適合させるための措置を講じることができたのに、国が規制権限を行使しなかったことは「許容される限度を逸脱して著しく合理性を欠く」とし、国の責任を認めた。 また、原発事故は国の規制権限不行使と、東電の原発運転などが相まって起きたとし、国と東電には同等の責任があるとした。 その上で、賠償額について検討。原告らは避難生活を長期間続けざるをえなくなったとし、避難継続の相当期間について、最大で月12万円の慰謝料を認めた。避難指示の対象となった原告については、家庭や学校、職場など地域社会との関わりも相当程度に失い、「実質的に故郷を失ったのと同視できる」とし、原告1人あたり100万円の「ふるさと喪失慰謝料」を認めた。 判決後、高松市内で記者会見を開いた原告団の代表の渡部寛志さん(42)は「国の責任を明確に認めてもらい、ホッとしている」と話した。野垣康之弁護士も「今後の同様の裁判に大きな影響を与えていくと思う」と期待をにじませた。 原子力規制委員会は「新規制基準への適合性審査を厳格に進めていくことにより、適切な判断を行って参りたい」とコメントした。(谷瞳児) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
冬到来早い北海道、感染再拡大を警戒 鈴木知事「今後見据えて対策」
北海道などに出されている新型コロナウイルス対応の緊急事態宣言が9月30日で解除される。これを前に、道は29日の対策本部会議で10月1日からの独自対策を決定。「秋の再拡大防止特別対策」として、10月31日まで全道で感染対策の徹底を求める。札幌市では他地域より強い対策として、飲食店への時短要請を酒類提供を認めた上で14日まで続ける。 29日現在の1週間の人口10万人あたりの新規感染者数は、道が6・6人、札幌市が10・1人。28日現在の病床使用率は道が9・7%、札幌市が13・3%で、いずれも「まん延防止等重点措置」の目安となる国のステージ3の基準を下回る。 そうした中で実施する「特別対策」は、段階的な行動緩和のための方策だ。緊急事態宣言解除後の秋の行楽シーズンでの人出の急増を抑え、感染再拡大を防ぐ狙いがある。鈴木直道知事は対策本部会議で「北海道は他地域より早く冬が到来し、冬の再拡大の懸念も指摘される。感染者が減少している今こそ、今後を見据えた取り組みが重要だ」と述べた。 全道での対策として、混雑し… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
情報商材販売後に「キャッシュバック」 ヤミ金疑いで逮捕 北海道警
平岡春人2021年9月29日 21時00分 情報の売買を装って金を貸し付ける手口でヤミ金融を営んだとして、北海道警は29日、自称投資家の塚田真志容疑者(46)=千葉県浦安市高洲8丁目=ら4人の男を貸金業法違反(無登録営業)の疑いで逮捕し、発表した。4人の認否を明らかにしていない。 生活経済課によると、4人は昨年10~12月、貸金業の登録がないのに道内の男性2人に計8万円を貸し付けた疑いがある。SNSの簡単な使い方などを「情報商材」として販売しているように装い、「キャッシュバック」と称して客に現金を貸し付ける手口で、後日金利を上乗せした金額を「商品代金」の名目で返済させていたという。 情報の売買を利用した「後払い現金化」をヤミ金融として摘発した事例は全国で2例目という。道警はグループが同様の手口で昨年5月ごろ~今年1月に全国の延べ約4700人に貸し付け、約1億円の利益を得ていたとみて出資法違反容疑も視野に捜査を進めている。(平岡春人) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル