戸田拓2021年9月18日 20時55分 第72回北海道合唱コンクール(全日本合唱連盟道支部、朝日新聞社など主催)が18日、開幕した。この日は高校部門が札幌市教育文化会館であり、8人以上32人以下の「Aグループ」(15団体出場)で帯広三条、33人以上の「Bグループ」(4団体出場)で北海道科学大が北海道代表に選ばれた。両校は10月30日に大分市で開かれる第74回全日本合唱コンクールに出場する。帯広三条は通算20回目、北海道科学大は初出場。Bグループで一昨年まで8大会連続全国大会出場の札幌旭丘は選にもれた。 コロナ禍に見舞われた昨年は中止され2年ぶりの開催。感染防止対策が徹底され、歌唱は不織布マスクの着用を義務づけられた。観客数の上限は会場の定員の50%とした。 金、銀、銅の各賞は次の通り(◎は全国大会出場)。 【高校A】金賞=◎帯広三条、旭川東、札幌藻岩、登別明日▽銀賞=札幌山の手、札幌稲雲、釧路湖陵▽銅賞=中標津、札幌南、札幌手稲 【高校B】金賞=◎北海道科学大、札幌旭丘、札幌北、札幌第一(戸田拓) 名指導者に導かれ、初の全国大会へ 北海道科学大高(札幌市豊平区)の阿部和佳代教諭(65)の指導が、6年目にして初の全国大会出場に結実した。札幌市立中で合唱部顧問を長年務め、率いた3校すべてを全国大会に導いた名指導者。2016年に定年を迎えた阿部教諭を、同校の山下卓教頭(48)が「本校に新しい文化を根付かせたい」と招いた。 創部時12人だった部員は「阿部先生の指揮で歌いたい」という生徒も入学するようになり、47人に増えた。部から留学したりボランティアをしたりする生徒が輩出し、学校に新風を吹き込んだ。「人のために心を込めて歌う合唱を通じて、一生懸命取り組むことの価値が広まった」と山下教頭。 今回、「攻め」の選曲でコンクールに挑んだ。課題曲は無調・変拍子で難度の高い新作を選んだ。自由曲ではスペイン内戦で散った作家ロルカの詩による「ギター」を歌った。幅広い表現力が求められる難曲だが、部員たちはスペインの苛烈(かれつ)な日差しに思いをいたしながら、ア・カペラで楽器の擬音を交えた豊かな響きを生み出した。 演奏前、部員に「コンクールは挑戦に意味がある。伝統校は聴き手に先入観がある分、有利なので、私たちは目からうろこが落ちる演奏をしないと勝てない」と語りかけた阿部教諭。閉会式で結果が発表されると、驚きのあまり両手で頭を押さえた。ロビーで目を赤くした生徒らと抱き合って喜びを分かち合った。(戸田拓) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
スーパーソニック静かに幕開け 無言で手拍子 会場外に歓声響かず
千葉市のZOZOマリンスタジアムで18日午前、音楽フェス「スーパーソニック」が始まった。名称変更前のサマーソニックは例年延べ10万人以上が参加する一大フェスで、今年も1日当たり1万枚以上のチケットが事前販売されていたが、千葉市によると、18日正午時点の入場者数は約2500人という。 開幕から約1時間、入場客は2500人止まり 開始1時間前の午前9時50分ごろ、開場を待つ参加者が1・5メートル程度の間隔を空け、長い列を作っていた。雨をしのぐため、レインコート姿が目立つ。足もとには「こちらでお待ちください」と記されたマーク。スタッフが「距離を保ったままお進みください」「詰めすぎないようにご注意ください」と声をかけて回った。酒を飲みながら並んだ人もいたが、入り口手前でスタッフに止められていた。 列にいた東京都内の女性(19)は、中学時代から好きだった海外アーティストを目当てに参加した。「前々から楽しみにしていた。開催できたことはよかったけど、自分の中でも(参加して)いいのかなという気持ちは今もある」と心境は複雑だ。 会場の外、聞こえてきたのは フェスが始まると、会場外にも音楽や歌声が漏れ聞こえたが、歓声は聞こえなかった。 会場に入った都内の男性(23)によると、観客はまばらで、無言で手拍子をしながら演奏を聴いていたという。男性は「感染対策はしっかりできていたと思う」と話した。男性は入場時、布マスクを着用していたが、不織布製のマスクを手渡されたほか、飲みかけのペットボトルも持ち込めないと言われ、すべて飲みきって捨てたという。 参加した都内の男性(21)は「声を出せなかったが、それでも十分楽しめることがわかった」と満足そうだった。 フェスに関わった女性アーティストは、「お客さんが声は出せなくても体を動かしてのってくれた。安心してできたのでよかった」と振り返った。普段は主にダンスミュージックが流れるクラブで活動しているが、コロナ禍でライブの機会は激減した。「音楽を仕事にしている人にとっての生活もある。感染対策をしながら楽しめる場があってもいいと思う」と訴えた。 同スタジアムを所有する千葉… この記事は会員記事です。残り692文字無料会員になると月5本までお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
共立女子、豊島岡女子など5団体が全国へ 東京都合唱コンクール
2021年9月18日 21時17分 第76回東京都合唱コンクール(都合唱連盟、朝日新聞社主催)の小学校、中学校、高校の3部門が18日、府中市の府中の森芸術劇場であり、全国大会に出場する5団体が決まった。全国大会は、小学校が11月6日に埼玉県所沢市で、中学校、高校が10月30、31日に大分市で開かれる。 コンクール開催は2年ぶり。都合唱連盟の清水敬一理事長は「会場で生の空気を共有し、審査員に聴いてもらえるのは何物にも代えがたい喜びです」とあいさつ。コロナ禍の中、全員がマスク姿の団体もあったが、それぞれがステージから美しい歌声を響かせた。 結果は以下の通り(◎は都代表で都教育委員会賞も受賞)。 【小学校】◎日野・旭が丘 【中学混声】金賞 ◎府中四、鶴川二▽銀賞 東村山五▽銅賞 杉並和泉 【中学同声】金賞 ◎大妻中野、豊島岡女子▽銅賞 昭島・清泉、大田・志茂田、頌栄女子 【高校A(8人以上32人以下)】金賞 ◎共立女子、早稲田実▽銀賞 杉並学院、頌栄女子、共立女子第二▽銅賞 早大学院、江戸川女子、八王子東 【高校B(33人以上)】金賞 ◎豊島岡女子、大妻中野▽銀賞 府中西 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
松山女子高など6校が全日本へ 関東合唱コンクール、高校部門
2021年9月18日 21時21分 第76回関東合唱コンクール(全日本合唱連盟関東支部、朝日新聞社主催)が18日、さいたま市文化センターで始まった。この日は高校部門があり、茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、神奈川、新潟、山梨、静岡の9県の代表計35団体が参加。9団体は音源審査だった。入れ替え制で有観客で開催した。審査の結果、高校A(8人以上32人以下)は清泉女学院高(神奈川)、真岡女子高(栃木)、高校B(33人以上)は松山女子高(埼玉)、叡明高(埼玉)、幕張総合高(千葉)、星野高(埼玉)が10月30日に大分市で行われる全日本合唱コンクールの関東代表に選ばれた。高校部門の最優秀賞にあたる関東支部長賞は松山女子高に贈られた。 結果は以下の通り(◎は関東代表)。 【高校A】 《金賞》◎清泉女学院(神奈川)、◎真岡女子(栃木)、足利女子(栃木)、国府台女子学院(千葉)、川越(埼玉)、敬和学園(新潟) 《銀賞》宇都宮南、日本女子大付属(神奈川)、大田原女子(栃木)、渋川女子(群馬)、船橋(千葉)、相模原弥栄(神奈川) 《銅賞》吉田(山梨)、日川・甲府城西、藤枝順心中・高(静岡)、山梨英和、水戸二、浜松市立 【高校B】 《金賞》◎松山女子(埼玉)、◎叡明(埼玉)、◎幕張総合(千葉)、◎星野(埼玉)、埼玉栄、市川・青洲(山梨) 《銀賞》湘南(神奈川)、大宮(埼玉)、千葉女子、高崎女子(群馬)、宇都宮女子、川越女子(埼玉)、茨城キリスト教学園 《銅賞》前橋女子、桐光学園(神奈川)、大宮光陵(埼玉)、新潟中央 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
リニア問題でJR東海と大井川流域首長が意見交換 「対話の第一歩」
JR東海は18日、リニア中央新幹線静岡工区の工事で大井川への影響を不安視する流域の首長と、金子慎社長らとの初の意見交換会を静岡市のホテルで開いた。早期着工をめざす同社に対し、首長からは懸念の声もあったが、ともに「対話の第一歩」と前向きに受け止める姿勢も見せた。 静岡工区をめぐっては、大井川の流量減少を懸念する静岡県とJR東海との折り合いがついていない。昨年6月には川勝平太知事と金子社長によるトップ会談が開かれたが、結論は出ず、着工に至らなかった。 18日はJR東海の幹部7人と、急きょ欠席した焼津市長を除く9市町長が参加。冒頭のあいさつで、金子社長は「流域のみなさんのご心配、ご懸念をそのままにして、工事を進めてはならないと考えている」と述べた。 意見交換会の後、金子社長は報道陣の取材に「1回お会いして、(議論の)スタートがきれた。さらに意見を聞かせていただいて、お話をしていきたい」と述べた。 染谷絹代・島田市長は、「JRには安心して大丈夫と思える説明を尽くしていただかなければならない。きょうは対話の第一歩として流域の思いが伝わったなら、やってよかったと思う」。北村正平・藤枝市長は「以前から金子社長には本当に地元の心配や懸念を把握し、理解したうえで、発言してほしいと思っていた。リニア建設ありきで進んでいる(JRと地元の)ギャップを感じてくれたと思う」と話した。 流域10市町は今年3月、工… この記事は会員記事です。残り211文字無料会員になると月5本までお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
人影まばらなシルバーウィーク 手探りで進む「ワクチン接種割」
秋の連休「シルバーウィーク」が18日、始まった。コロナ禍で迎える2度目の行楽の秋を前に、観光業界では、ワクチン接種済みの客への割引など優遇商品が相次いで登場。感染対策と旅行を両立させる狙いで、未接種者への差別にならぬよう工夫もしている。 大阪から車で約3時間、「関西の奥座敷」と呼ばれる山代温泉(石川県加賀市)。列島を台風が横断した18日、チェックインの始まる午後3時ごろになっても、旅館街の人影はまばらだった。宿泊客の到着に備えて立つ従業員たちは小雨の中で傘を差し、手持ちぶさたの様子だった。 石川県や山代温泉観光協会によると、2015年に北陸新幹線が金沢まで開業して以来、同温泉の宿泊者数は年間70万人超で推移していたが、新型コロナウイルスの影響を受けた20年は46万人に減少。21年はさらに減ると見込んでいる。 宿泊客の約7割が三大都市圏から。観光協会の安念(あんねん)義浩事務局長(66)は「緊急事態宣言の延長など、観光事業者にとってプラスの要因は何もない。がっかりというか、本当につらい状況」と話す。 シルバーウィークに入ったが、緊急事態宣言が19都道府県に出ている。大阪府の吉村洋文知事は16日、「感染は減少傾向にあるが、これを確実なものにする必要がある。シルバーウィークの期間中、不要不急の外出を控えて欲しい」と呼びかけた。 コロナ禍の旅行需要を少しでも取り込もうと、山代温泉の旅館「瑠璃光(るりこう)」は4月から、ワクチン接種証明書の提示で1千円割り引く宿泊プランなどを実施している。今年のシルバーウィークの予約はコロナ前の6割ほどにとどまるが、客の3~4割はワクチン割引を利用するという。高見真志予約部長(44)は「10月以降の問い合わせは増えている。宣言解除と秋の行楽シーズンとで、回復に期待したい」と話す。(岡純太郎) 手応えと未接種者への配慮と ワクチン接種が進む中、接種… この記事は会員記事です。残り1039文字無料会員になると月5本までお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
ジョニデ主演「MINAMATA」地元で先行上映 メッセージも披露
世界に水俣病の実態を伝えた米国人写真家ユージン・スミス(1918~78)を俳優ジョニー・デップが演じる映画「MINAMATA―ミナマタ―」の先行上映会が18日、熊本県水俣市で開かれた。23日の全国公開に先駆けた上映会(2回公演)で、計約1千人が来場した。上映後、デップが「この作品に刺激を受け、感動してもらえればうれしいです」と語るメッセージ映像も披露された。 映画は、ユージンと元妻のアイリーン・美緒子・スミスさん(71)が出した写真集「MINAMATA」(75年)に基づく物語。2人は水銀の被害を受けて苦しむ患者と家族が原因企業チッソに初めて勝訴した水俣病第1次訴訟判決(73年)前後の3年間、患者多発地域で暮らしながら、胎児性患者の上村智子さん(77年に21歳で死去)や坂本しのぶさん(65)らを撮影した。 デップは、第2次世界大戦末期の激戦地を踏んで心身に傷を抱えながら、次第に水俣での撮影に没頭していくユージンを演じた。被害者救済に尽力した故・川本輝夫さんを思わせる「闘士」を真田広之、患者の家族を浅野忠信らが演じた。 上映会は、地元有志らが今年… この記事は会員記事です。残り267文字無料会員になると月5本までお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
青森で76人感染確認 ブレークスルー感染の可能性
2021年9月18日 20時10分 青森県は18日、76人の新型コロナウイルス感染を確認したと発表した。41人は八戸市の医療機関の職員と入院患者で、既に感染が判明していた2人と合わせて、県はクラスター(感染者集団)が発生したと判断した。青森市の入所型高齢者施設でも50~80代以上の11人の感染が確認され、これまでの1人と合わせてクラスターとなった。 医療機関、施設とも感染者はほとんどがワクチン接種を2回終えていたといい、県はブレークスルー感染の可能性があるとみている。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
幕で目隠し、観覧自粛呼びかけ 岸和田だんじり祭、市民に不安の声も
「岸和田だんじり祭(まつり)」(大阪府岸和田市)が18日午前、同市中心部で始まった。コロナ禍で昨年は75年ぶりに事実上の中止となり、2年ぶりにだんじりの引き回しがあった。感染防止のため、運営団体と市が「無観客」として観覧自粛を呼びかけた。緊急事態宣言下での開催に市民らから不安の声も上がるなか、一部の町が引き回しの自粛を決定。異例の祭りとなった。 「そーりゃ、そーりゃ」。18日早朝、台風14号の影響で雨が降る中、だんじりの引き回しが始まった。南海電鉄岸和田駅前では、勢いよく走ってきただんじりが引き手とともに角を一気に回る「やりまわし」が行われた。周囲は、関係者以外の立ち入りを制限。さらに、観覧できないよう目隠しのための幕が張られ、観覧自粛を呼びかける紙も掲示された。沿道には地元の人らの姿があり、70代女性は「この時期に祭りがないと寂しい」と話した。 江戸時代から約300年の歴史があるとされる伝統の祭り。2年前は約40万人の観光客らが集まった。しかし、昨年は引き回しをせず、一部神事のみとした。 祭りは、各町から選出された… この記事は有料会員記事です。残り967文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
仰いで極楽・カシャして極楽、天井絵巻に魅せられる 南海高野線
会員記事 文・西江拓矢、写真・小川智2021年9月18日 17時00分 天井に縁起物が描かれているのは聖域へと向かうケーブルカー。山深い標高530メートル余りにある駅は俗世と聖域の境界線だ。 電車は、市街地から緑深い山の中へと進んでいく。ふもとの南海電鉄橋本駅(和歌山県橋本市)から約20キロ。24のトンネルを抜け、急勾配を上り、標高535メートルにある極楽橋駅(同県高野町)へ到着した。周りは緑と清流。電車から降りると、ホームを涼やかな風が抜けていく。 駅に入り上を見ると、天井絵巻が目に飛び込む。スイレンやシャクナゲ、梅、鶴。そして、ひときわ色鮮やかな鳥。極楽鳥だ。高野山ゆかりの動植物や縁起物など50種類の絵が描かれているという。白と黒の犬は、弘法大師を高野山に導いたとされる。よく見ると、カマキリやカエル、カニもいて楽しい。乗客たちも足を止め、スマートフォンを構えていた。 駅のリニューアルオープンは昨夏。近くにあり、駅名の由来となった極楽橋が、俗世と聖域を分ける境界との言い伝えがあることにちなみ、電車側を俗世、乗り換えのケーブルカー側を聖域に見立てた。コンセプトは「はじまりの聖地、極楽橋。」で、「SNS映え」する空間に。シンボルの極楽鳥も随所に登場する。 記事後半では、地元で人気のグルメスポット紹介や会員登録すると応募できるプレゼントもあります。 高野山ゆかりのシャクナゲなど「いのちのはじまり」を表現した「はじまりの天井絵巻」=和歌山県高野町 寺院が立ち並ぶ高野山中心部… この記事は会員記事です。残り860文字無料会員になると月5本までお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル