山口県周防大島町の大島商船高専で2016年5月、1年生の男子学生(当時15)が自殺し、いじめの有無を調べていた高専の第三者調査委員会は17日、調査報告書を公表した。男子学生に対する22件のいじめを認定し、「自殺した原因は明らかにクラスメイトからのいじめである」と結論付けた。教員の連携不足や不適切な初動対応など高専側の問題も指摘した。 男子生徒は16年5月21日未明、校舎から飛び降りて亡くなった。高専側は当初、同級生への聞き取りなどから遺族に「いじめはなかった」と説明していた。 報告書によると、男子学生は16年4月の入学直後から複数の同級生に話し方をからかわれたり、LINEで人格を否定するメッセージを大量に送りつけられたりした。自殺の直前には、わいせつ本を寮の机の引き出しに入れられ笑い物にされるいじめを受けた。 第三者委(委員長=曽我智史弁護士)は、学生個人や家庭には自殺の要因は見いだせなかったとした上で、いじめにより男子学生が「ひどい孤立感、無価値感、強い怒り、苦しみが永遠に続くという強い心理的ストレス状態に至っていた」と指摘した。 また報告書では、教員間の連絡や連携がほとんどなく「(学生の自殺後に)再発防止に向けた検証も全く行われなかった」とした。曽我委員長は会見で「調査の過程では(男子学生が受けた行為を)『いじめ』と認識していない教員もいた。認識が極めて甘い」と意識改革を強く求めた。 報告書の公表を受けて高専と… この記事は会員記事です。残り345文字無料会員になると月5本までお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
マックのバーガーから異物、女性「歯が欠けた」 調理器具の部品か
2021年9月17日 20時10分 日本マクドナルドは17日、福岡市中央区のマクドナルド天神西通り店で買ったハンバーガー「濃厚とろ~り月見」を食べた女性客から「バネのようなものが入っていて、歯が欠けた」との連絡があったことを明らかにした。店で異物を確認したところ、調理器具の部品の可能性が高いとしている。 女性客は14日午後2時ごろ、持ち帰りで商品を購入したという。日本マクドナルドは女性に返金し、全国の約2900店に調理器具を再点検するように指示した。今後、原因を詳しく調べる。広報担当者は「お客様には多大なるご迷惑をおかけし、深くおわび申し上げます。原因究明と再発防止に努めて参ります」とコメントした。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
ぐんぐん成長する魚が食卓変える? ゲノム編集で広がる品種改良
同じ量のエサを食べてもたっぷりと肉が付く。そんな魚が食卓に並ぶ日が近く訪れるかもしれない。京都大発のバイオ企業が、ゲノム編集技術でできたマダイの販売に向けて国に届け出た。効率よい食料生産につながる可能性を秘める一方、遺伝子操作した動物が食品として市場に出た例は世界的にも少ない。消費者の受け止めが注目される。 従来、数十年以上の長い時間がかかっていた魚の育種(品種改良)を2~3年に短縮できる技術が登場した。ねらった遺伝子を壊したり、新たに加えたりする「ゲノム編集技術」だ。とくに2012年に発表され、20年のノーベル化学賞を受賞した技術、「CRISPR(クリスパー)/Cas(キャス)9」は手法が簡単で、あらゆる生物に応用できる。世界中で魚の育種の試みが広がった。 ゲノム編集技術で、早く成長する、寄生虫に対して強くする、攻撃性を弱めて共食いを防ぐといった性質をもたせれば、生産性を高められる。養殖業は、たんぱく質の重要な供給源として期待されており、世界の食糧不足の解決策の一つになるかもしれない。 魚の色を変える、健康によいとされる成分を増やすなど、付加価値を付けることも可能だ。気候変動で水温が変わっても耐える魚やたとえ逃げだしても環境に影響を与えないように不妊化した魚など、さまざまな研究が進んでいる。 一方、大きな課題の一つに… この記事は会員記事です。残り809文字無料会員になると月5本までお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
パパ活の男性から1300万円の腕時計を盗んだ疑い 大学生を逮捕
角詠之2021年9月17日 20時49分 女性が男性とデートなどをする見返りに金銭を求める「パパ活」で、会社役員の男性から高級腕時計を盗んだとして、警視庁は東京都内の私立大2年の女子学生(19)=東京都港区=を窃盗容疑で逮捕し、17日発表した。男性がシャワーを浴びている隙に時計を盗んで逃げたという。 麻布署によると、女子学生は7月21日午後9時ごろ、港区六本木のホテルで、会社役員の男性(37)から腕時計1本(約1300万円相当)を盗んだ疑いがある。被害者の男性とはマッチングアプリを通じて知り合い、それまでに何度か会っていたという。容疑を認め、パパ活を利用した同様の盗みを「ほかにも何件かやりました」と話しているという。 事件をめぐっては、この時計を盗品と知りながら質屋で売ったとして、この学生の知人で20代のホストの男が盗品等処分あっせん容疑で逮捕されている。学生は、ホストの男をひいきにしていた常連客だったといい、動機について「ひいきのホストを(店内の売り上げ競争で)ナンバー1にしてあげたい、という思いが強かった」と供述。「罪悪感はありながらも、盗みを続けてしまいました」と話しているという。 都内では、6月ごろから、会社役員らが、知り合った女に腕時計を盗まれる同様の被害が約10件、総額3500万円以上確認されており、警察が関連を調べている。(角詠之) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
17歳兄、逆送せず少年院送致 大津小1死亡で家裁「育児放棄」指摘
2021年9月17日 21時00分 大津市内の自宅で小学1年生の妹(当時6)に暴力を振るい死なせたとして、兄で無職の少年(17)が傷害致死の非行内容で家裁に送致された事件で、大津家裁(横井裕美裁判官)は17日、相当長期間の矯正教育を求める勧告をつけた上で、この少年を少年院に送る決定をした。 16歳以上の少年が故意に人を死なせた場合、少年法は検察官送致(逆送)を原則としている。だが、横井裁判官は少年が家庭でネグレクト(育児放棄)状態にあり、児童相談所などの公的機関も一時保護などの措置を取らなかったと指摘。「責任を少年のみに負わせるのは酷な面がある」と述べた。 決定によると、少年は7月22日ごろから8月1日までの間、自宅で妹に対し、顔を殴ったり、腹部や背中を蹴ったりする暴行を多数回加えて内臓破裂などのけがを負わせ、1日に外傷性ショックで死亡させた。 少年は事件の数カ月前に母、妹との3人暮らしを始めた。だが、母は7月ごろから家に帰らない日が増え、8月1日までの7日間は帰宅しなかった。児童相談所もこうした状態に置かれていることを認識しながら一時保護などの措置を取らず、少年は1人で家事や妹の世話をすることを余儀なくされたという。 少年はこうした状況のなか、妹から蹴られたことをきっかけに、衝動的に暴力を振るうようになったとされる。決定は少年の生育歴に触れ、「幼少期からしつけの名目で暴力を振るわれ、言葉で分からなければ暴力もやむを得ないという価値観を持っていた。人と深い関係性を築くことが難しかった」として、「真に更生するには保護処分が適切。刑事処分以外を相当と認めるべき特段の事情がある」と判断した。 妹は8月1日、大津市内の児童公園から救急搬送されて死亡。少年は当初、「ジャングルジムから落ちた」と説明したが、滋賀県警は暴行が死因と判断し、同4日に少年を逮捕していた。兄妹はもともと県外の別々の児童養護施設に暮らしていた。事件の直前、未明にコンビニを訪れ、県警が大津・高島子ども家庭相談センター(児童相談所)に通告していたが、センターは母親と面談できていなかった。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
死刑と差別…LUNA SEAのSUGIZOさんら10月にシンポ
阿部峻介2021年9月17日 21時06分 世界死刑廃止連盟(本部・パリ)が定める世界死刑廃止デー(10月10日)にあわせたシンポジウム「響かせあおう 死刑廃止の声」が同月9日、東京都新宿区内で開かれる。人権問題に取り組むギタリストのSUGIZO(スギゾー)さんらが、パネリストとして差別と死刑をテーマに語り合う。 SUGIZOさんはロックバンド「LUNA SEA」「X JAPAN」のメンバーとして活動しながら、難民キャンプで演奏したり環境保護や被災地支援に取り組んだりしてきた。シンポでは、冤罪(えんざい)や差別問題に詳しい徳田靖之弁護士とジャーナリストの青木理さんとともに登壇し、死刑の是非を考える。 主催の市民団体「フォーラム90」とともに企画した中村千賀子さんは「人権や命というテーマに深く関わってこられたSUGIZOさんと議論を重ねることで、多くの方に司法の問題に関心をもっていただければ」と話している。 新宿区の角筈(つのはず)区民ホールで午後1時~5時。入場無料。予約は18日正午から同団体ホームページ(http://forum90.jp/)で先着100人。無料のネット中継(申し込み不要)も行う。(阿部峻介) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
指定暴力団浪川会の本部事務所、県警が撤去確認 代理訴訟で全国初
加治隼人2021年9月17日 21時15分 福岡県暴力追放運動推進センターが住民に代わって当事者になる「代理訴訟」で使用差し止めを求めていた指定暴力団浪川会の本部事務所について、福岡県警は17日、撤去を確認したと発表した。跡地は第三者が購入した後、大牟田市が取得した。代理訴訟による暴力団の本部事務所の撤去は全国初という。 撤去が確認されたのは、大牟田市上官町2丁目の住宅街にあった事務所。国家公安委員会が決定する暴力団の拠点「主たる事務所」とされていた。センターは昨年12月に代理訴訟を福岡地裁に起こし、今年7月に浪川会側が請求を受け入れて裁判が終結。建物は7月に解体されていた。 市によると、跡地は第三者が購入したのち、「暴力団の手に戻らないよう、寄付をしたい」との申し出を受けて、市が無償で譲り受けた。この日移転登記を完了したという。 代理訴訟制度は2013年施行の改正暴力団対策法に盛り込まれた。県警によると、8月時点でほかに全国で16件起きているが、「主たる事務所」の撤去は今回が初めてという。 浪川会の新たな本部事務所については、県警は「主たる拠点がなくなれば組織の活動が見えにくくなる懸念もあるが、情報収集を続け、今後の調査で特定する」としている。 大牟田市の関好孝市長は「浪川会の本部事務所は更地となっていたが、市民からは再び事務所が建設されることを不安視する声があがっていた。今回、市が跡地を取得することは暴力団のいない安心・安全なまちづくりに大きく寄与するものと考えている」とコメントした。(加治隼人) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
基地近くで高濃度のPFOS、井戸の利用一部停止 沖縄・金武町
寺本大蔵2021年9月17日 21時26分 沖縄県金武町(きんちょう)で、井戸から発がん性が疑われる有機フッ素化合物の「PFOS(ピーフォス)」などが高濃度で検出され、昨年6月から水道水への利用を一部停止していることが町への取材でわかった。町内の井戸9地点のうち3地点で国の目安を上回り、最大で8倍超だった。 PFOSなどの含有量について国が設ける地下水などの水質管理の目安(暫定目標値)は、1リットルあたり50ナノグラム以下。町は昨年6月、水道水に使う地下水の水源となる井戸9地点を調査。米海兵隊キャンプ・ハンセンから70メートルの地点で、目安の8・2倍にあたる410ナノグラムが検出された。米軍との関連は不明という。町は全ての水道水を、県が管理するダム水に切り替えることを検討している。 井戸とは別に、河川や排水路の15地点を昨年8月から今年1月にかけて町が調べたところ、4地点で目安を超えた。最大で目安の3・3倍の165ナノグラムだった。町は、検出された排水路では、基地のある上流ほど濃度が高いとして、キャンプ・ハンセンから流れ出した可能性があるとみている。 沖縄県内では米軍嘉手納基地周辺の河川などから高濃度でPFOSなどが検出され、国や県が米軍への立ち入り調査を求めたが拒まれ、原因特定に至っていない。(寺本大蔵) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
滋賀県知事「不適切だった」 元看護助手の無罪、否定書面を修正へ
鈴木洋和、安藤仙一朗2021年9月17日 21時30分 滋賀県の湖東記念病院で2003年に死亡した男性患者への殺人罪で服役後、昨年に再審無罪となった元看護助手の西山美香さん(41)による国家賠償訴訟で、県が無罪判決を否定する内容の書面を大津地裁に提出したことについて、三日月大造知事は17日、臨時会見を開いて「不適切な表現があった」と述べ、原告側に謝罪した。今後、書面の内容を修正するという。 昨年3月の再審判決は、患者が病死した可能性があり「殺害されたという事件性が証明されていない」として無罪を言い渡した。だが、県は、今月15日に地裁へ提出した書面で「(患者を)心肺停止状態にさせたのは、原告である」などと主張。無罪判決の内容を否定し、全面的に争う姿勢を示していた。 三日月知事は会見で書面の内容を把握していなかったと説明。「報道で知り、本当なのかと思った。心肺停止状態にさせたのは原告、という表現は西山さんの心を深く傷つける表現。西山さんは無罪が確定しており、極めて不適切」と述べ、「心からおわびを申し上げます」と頭を下げた。会見の前に滝沢依子・県警本部長とも協議し、「不適切な内容だった」という見解で一致したとした。 県警監察官室の担当者は「表現の一部に不十分な部分があり、関係者に不快感を与えた。今後は丁寧に主張していく」と話した。(鈴木洋和、安藤仙一朗) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「2人が愛した私らしく生きたい」 池袋暴走・判決確定、遺族が会見
東京・池袋で2019年4月、暴走した乗用車で母子が死亡、9人が重軽傷を負った事故で、車を運転した旧通産省工業技術院元院長・飯塚幸三被告(90)に東京地裁が言い渡した禁錮5年の実刑判決が確定した。検察と被告が期限の16日までに控訴しなかった。飯塚被告は近く収容されるとみられる。 妻の真菜さん(当時31)と長女の莉子ちゃん(同3)を事故で失った松永拓也さん(35)は17日に東京都内で会見し、飯塚被告から直接の謝罪はないと説明したうえで、「(被告が)罪と向き合う時間にしてほしい」と語った。 松永さんら遺族の会見の主な内容は以下のとおり。 妻子失った松永さん 「罪と向き合う時間にして」 【判決確定について】 何よりも知りたいのは、過失を認めたうえでの控訴断念なのかということ。「自分の過失だ」という一言があればどれほど救いになったか。その一言が聞けなかったのが非常に残念。だが、刑務所に入ると決めたなら、それを尊重し、罪と向き合う時間にしてくれたらと思う。 【今後について】 この事故を教訓に、未来に起こりうる事故防ぐことが大事だと思う。被告を誹謗(ひぼう)中傷し続けることは本質ではない。どうすれば事故が防げるか、みなさまと一緒に考えたい。交通社会で生きる以上、誰しも真菜と莉子のように被害者にも、私のように遺族にも、そして加害者にもなりうる。そのどれにもなってほしくない。 【飯塚被告への誹謗中傷などについて】 判決では、飯塚被告が過度な社会的制裁を受けたことが(量刑を決める際に)被告に有利な事情のひとつになった。社会で健全な議論がなされるのは大事だが、脅迫は望んでいない。私自身もネットで中傷された。被害者も加害者も中傷されない世の中になればいい。 【真菜さんと莉子ちゃんへの思い】 2人に出会えて幸せだった。心から愛していると伝えたい。交通事故を一つでも減らすことができたよ、と自分の命が尽きるときに言えるように生きたい。裁判が終わった今、やっと、争いではなく、2人の愛してくれた私らしく生きていける。2人の愛してくれた僕に戻って生きたい。 … この記事は会員記事です。残り424文字無料会員になると月5本までお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル