コロナ禍で感染予防のため、新生児集中治療室(NICU)に入院する赤ちゃんとの面会が制限される状況が続いている。早産や低体重で生まれたり、重い病気があったりする我が子に会えず、寂しさを感じる母親たちも少なくない。そんな中、オンラインで親子をつなごうという取り組みも始まっている。 「病院に命をつないでいただいているありがたさはあります。でも、我が子なのに自由に会えないのはつらい」。関東地方に住む双子を出産したばかりの母親(36)は涙声で言った。 経産婦で経過は順調だったが、8月20日に32週1日で突然、自宅で破水し、急きょ帝王切開で出産した。早産のために双子ともに1300グラムと1700グラムと低体重で、院内のNICUに移され、気管挿管、胃へのカテーテルなどの緊急措置を受けた。 母親ですら子供との面会は制限され、様子を見に行くこともままならない。わずかな対面時間に、保育器の中に手を入れて体に触れた。自身の退院までに面会できたのは4回だけで、今もNICUに残る双子への面会は数日に1回、15分に限られる。父親は双子の誕生後、一度も面会できていないという。 出産初期にはより栄養価の高… この記事は会員記事です。残り1021文字無料会員になると月5本までお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
東日本大震災伝承施設の来館者、昨年27%減 4~5月は1割台も
岩手、宮城、福島3県にある東日本大震災の伝承施設や伝承団体に、活動の現状や課題を聞いた2020年の調査報告が、まとまった。施設の来館者数は、合計69万5千人で前年から27%減。語り部や現地案内などの震災学習プログラム参加者数は、6万5千人で59%減と、コロナ禍の影響を大きく受けている。 公益社団法人3・11みらいサポート(石巻市)が、28の伝承施設の運営団体、27の学習プログラム実施団体に聞き取りをしてまとめた。施設の一部で震災関連展示をしているところを含む。20年に新設された施設も数カ所ある。 伝承施設は震災後、各地に新設され、来館者数の合計は年々増えた。19年に95万6千人に達したが、20年3月以降は毎月前年割れが続き、特に4、5月は1割台に激減。8月以降は、7~9割程度まで回復している。昨年最も多かったのは岩手県陸前高田市の東日本大震災津波伝承館(いわてTSUNAMIメモリアル)で、約19万人が訪れた。 一方、震災学習プログラムの参加者数のピークは震災2年後の13年で、25万7千人。その後年々減っていたところに、コロナ禍が襲った。20年3~6月は前年の1割未満~1割台だったが、10、11月には8割台に回復し、12月は前年を上回った。 昨年は、修学旅行を延期し、行き先も首都圏などから近隣地に切り替えた学校が多かった。その結果、これまで少なかった冬の移動先として、被災地の語り部学習などが選ばれたようだという。 多くの団体が今後の継続に不安があるとし、国や自治体の財源を期待する声もあった。 調査では、伝承施設への改善要望も聞いた。行政の展示施設に対し、事前の防災や発災対応などの「失敗や反省の発信追加」「子ども向けの展示の工夫」を求める団体や、地域の展示施設に「地域の語り部を支援・育成する機能」「学校教育での活用」を望む団体が多かった。(石橋英昭) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
通学路85カ所にガードレールなど設置 児童5人死傷事故受けて群馬
松田果穂、角津栄一2021年9月17日 9時18分 通学路の安全対策として、群馬県は年度内に県道や国道の85カ所でガードレールの設置などを進める。6月に千葉県八街市で飲酒運転のトラックが下校中の小学生の列に突っ込み、児童5人が死傷した事故を受けたもので、同様の取り組みは県内の自治体でも始まっている。 県道路管理課によると、通学路の安全点検は県や学校関係者らで毎年行ってきたが、千葉での事故後に県や県警、学校関係者らが緊急の合同点検を実施。保護者や小学校のPTAから自治体の教育委員会へ寄せられた意見をもとに、点検項目を強化した。その結果、8月までに県内の県道や国道の85カ所で、危険な場所が見つかった。 高崎市立城東小(同市江木町)近くの信号がある県道の十字路も、その一つだ。道路の幅が狭く交通量が多いが、ガードレールはない。今回の点検でも「車の右左折時に信号待ちをしている子どもが巻き込まれる危険性が高い」と指摘された。県は応急処置として、反射材がついたラバーポールを交差点の四隅に設置。今後、ガードレールが設置される予定という。 県はガードレールを設けることに加え、運転手の注意喚起のため路面を緑色に塗る「グリーンベルト」、「横断注意」の道路標示の整備なども進め、通学路の安全を高める方針。9月の一般会計補正予算で1億円を計上するほか、今後も点検を進め、必要に応じて安全策を講じる予定だ。県の担当者は「予算が成立し次第、速やかに対策工事を行い、通学路の安全確保に努めたい」と話している。 県内ではこのほか87カ所で、横断歩道の白線が塗り替えられる。県警も、持ち運びができる速度違反自動取り締まり装置(可搬式オービス)などでの取り締まりの強化を進める。 市町村が管理する道路でも、各自治体が対策を行っている。 藤岡市は通学路の点検で危険箇所と確認された170カ所以上について、対策工事を10月から始める。市によると、路面の標示の書き直しや設置が50カ所、注意を呼びかける標識の設置20カ所、破損した側溝ふたの交換など100カ所で工事を実施。他に、路上の車道と歩行者エリアを区分する白線など総延長約40キロの書き直しや傷んだ舗装の補修をする。費用は約1億2600万円で、9月補正予算に計上した。(松田果穂、角津栄一) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
石川県で最大震度5弱、M5・2の地震 震源は石川県能登地方
2021年9月16日 19時07分 16日午後6時42分ごろ、石川県能登地方を震源とする地震があり、同県珠洲市で最大震度5弱を観測した。気象庁によると、震源の深さは13キロ、地震の規模を示すマグニチュードは5・1と推定される。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
山口組、離脱状態の山健組に復帰認める 神戸山口組との抗争に節目か
指定暴力団山口組(本部・神戸市)は16日、抗争を続けてきた神戸山口組(本部・同市)の元中核組織で、離脱状態にあった山健組の組長と配下組員らが山口組へ復帰するのを認める決定をした。捜査関係者らへの取材でわかった。 岡山県警は16日、神戸山口組の有力組織だった池田組(岡山市)も離脱し、独立団体になったと発表した。 警察庁によると、昨年末時点の組員数は山口組3800人、神戸山口組1200人。相次ぐ離脱で神戸側の弱体化は決定的になった。警察当局は抗争終結に向けた節目になる可能性があるとみて注視している。 捜査関係者らによると、山口組は16日、山健組組長の中田浩司(ひろじ)被告=山口組系組員への殺人未遂などの罪で起訴・勾留中=と配下組員らの復帰を組内に通知した。山健組の幹部らも同日、兵庫県加古川市内で会合を開き、復帰の方針を確認したという。 山健組と池田組などは2015年、山口組を離れて約3千人の勢力で神戸山口組を結成し、当時の井上邦雄・山健組組長がトップに就いた。05年に山口組トップになった篠田建市(通称・司忍)組長と、出身母体の弘道会(名古屋市)への強い反発があったとされる。 対立抗争が続いたため、兵庫、大阪など6府県の公安委員会は昨年1月、山口組、神戸山口組を特定抗争指定暴力団に指定し、その後、岡山など4県の公安委も指定していた。 捜査関係者によると、神戸山口組内では昨年夏ごろ、運営などをめぐり、井上組長らと山健組を継いだ中田被告らの対立が表面化した。池田組が離脱したほか、中田被告は「除籍」された。山健組の多数の組員は中田被告に従ったが、一部の組員は同じ山健組の名で神戸山口組に残留しているという。 中田被告は19年夏に山口組系組員を銃撃したなどの疑いで同年末に起訴された。ただ、山口組側は中田被告を「幹部」として受け入れる方向だという。 2005年7月 山健組出身の… この記事は会員記事です。残り396文字無料会員になると月5本までお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
人目ない場所選びいきなり襲撃か 容疑の大学生「誰でもよかった」
会員記事 大村久、榎本瑞希2021年9月17日 5時00分 佐賀県鳥栖市で起きた女性殺害事件で、殺人容疑で逮捕された長崎大学4年の山口鴻志(こうし)容疑者(25)が「殺せるなら誰でもよかった」という趣旨の供述をしていることが捜査関係者への取材でわかった。被害者の大塚千種さん(79)は頭部以外に目立った外傷はなく、争った形跡もないため、佐賀県警は山口容疑者がいきなり襲いかかった可能性もあるとみている。 県警によると、山口容疑者は10日午後1時ごろ、鳥栖市酒井東町の民家敷地で、大塚さんの頭を鈍器で複数回殴って殺害した疑いがある。13日昼に大分中央署(大分市)に自首し、14日未明に殺人容疑で逮捕された。 大塚さんは当時、親類宅の敷地で1人で除草作業をしていた。捜査関係者らによると、額と後頭部に傷があったが、腕などには目立った外傷はなく、奪われた所持品もなかった。山口容疑者は「現場は初めて訪れた」と話しているといい、県警は人目につかない場所を選んだとみている。 山口容疑者は9日夜、住んでいた長崎市から福岡市に移動し、宿泊。10日にタクシーで鳥栖市へ向かった。商業施設に行くよう伝えたが、運転手が場所を知らず、市役所の看板が見えたところで「この辺でいいですよ」と降りた。その後、徒歩でJR鳥栖駅方面へ向かったとみられる。 事件現場は市役所付近から直線で数キロ。山口容疑者は事件後に服を着替えたと供述しており、県警は事件前、服を購入するために商業施設に向かおうとした可能性があるとみている。 一方、長崎市の山口容疑者の自宅マンションでは事件前日の9日夜、ぼや騒ぎがあった。長崎県警が放火の疑いもあるとみて捜査している。山口容疑者の関係者からは行方不明者届が出されていたといい、両県警は共同捜査を始めた。 佐賀県警は逮捕時の発表では… この記事は会員記事です。残り453文字無料会員になると月5本までお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
性犯罪やストーカー事件の被害者ら、起訴状で匿名に 法制審が答申
性犯罪の被害者を保護するため、法制審議会は16日、被告に送られる起訴状で被害者の氏名を秘匿できるようにするなどの法整備を上川陽子法相に答申した。被害者の氏名や住所などを「個人特定事項」とし、性犯罪や児童買春・ポルノ事件を秘匿できる対象犯罪と明記する内容で、ストーカー事件や暴力団らの組織犯罪を想定した規定も盛り込んだ。 答申をもとに法務省は刑事訴訟法などの改正案をまとめ、来年の通常国会に提出する方針。 起訴状には被害者の氏名が通常記載されており、その謄本を被告に送る決まりがあるため、氏名を知られることで新たな被害に遭う恐れが指摘されてきた。昨年9月から法務省で検討が本格化し、上川法相が5月に諮問していた。 答申では、被告に送る起訴状… この記事は会員記事です。残り433文字無料会員になると月5本までお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
小田急線の乗客刺傷、容疑者を再逮捕へ 男性客への殺人未遂容疑
2021年9月17日 0時28分 東京都世田谷区内を走る小田急線の車内で乗客10人が重軽傷を負った刺傷事件で、警視庁は女性客2人への殺人未遂容疑で逮捕した無職対馬悠介容疑者(36)=川崎市多摩区=を、男性客に対する殺人未遂容疑で17日に再逮捕する方針を固めた。事件直前に万引きを繰り返したとして、窃盗容疑でも再逮捕する。捜査関係者への取材でわかった。 対馬容疑者は8月6日午後8時半ごろ、登戸(川崎市多摩区)―下北沢(東京都世田谷区)間を走行中の快速急行の車内で、30代の男性客を包丁で切りつけて殺害しようとした疑いがある。男性は右腕にけがを負った。この事件前に東京都新宿区や川崎市の店舗でお茶やビールを万引きした疑いもある。 対馬容疑者は事件の経緯について、新宿区の店で万引きをしようとして気付かれたことに不満を持ったと説明。「店に復讐(ふくしゅう)しようと思ったが、閉店していて、電車に切り替えた」といった供述をしているという。一方で「以前から大量に人を殺したかった」とも話しており、警視庁が動機の解明を進めている。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
京都・木津川で住宅火災 住民1人が軽傷、他の3人と連絡とれず
2021年9月17日 1時14分 16日午後9時40分ごろ、京都府木津川市相楽台7丁目の木造2階建て住宅から火が出ていると、近隣の住民から119番があった。府警木津署によると、午後10時45分に消防が鎮圧したが、この家に住む3人と連絡が取れなくなっているという。 同署によると現場の住宅は夫(71)と妻(66)、長男(38)、次男(35)の4人暮らしで、出火当時は全員が在宅していたという。このうち、夫婦と次男の計3人が逃げ遅れた可能性があるという。長男は軽傷を負って病院に運ばれた。同署は出火原因を調べるとともに、3人の行方を捜している。 現場は、近鉄京都線の高の原駅から東に約1キロメートルの住宅街。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
分裂抗争相手の山口組になぜ復帰 暴力団幹部らが明かす「内情」
2021年9月16日 19時30分 2015年に山口組から分裂した神戸山口組の中核組織だった山健組の組長らが、山口組に復帰することがわかった。 山健組は山口組の前組長の出身母体。山口組系の組幹部は「離脱した中で最大組織である名門・山健組が元のさやに戻ることになれば、山口組の一本化に向けた大きな転機だ。他の組が戻る動きも加速するだろう」とみる。 復帰する山健組組長の中田浩司被告は、2019年8月に山口組傘下の弘道会系組員が銃撃された事件の実行犯とみられ、殺人未遂罪などで起訴されている。 ただ山口組は、中田被告を「幹部」として受け入れる準備を進めているという。 山口組系の組幹部は「一本化を優先に考えれば、これまでの経緯も大きな障壁にならないだろう」と話す。山健組が復帰する理由については「親分(中田被告)が長期不在になるとみられる中、組員が余計なけんかをしないで済むほうがいいと考えたのだろう」と語った。 神戸山口組内では昨夏ごろ、内紛が表面化した。トップの井上邦雄組長が、中田被告を「除籍」したことが判明していた。 元山健組系組幹部は「独立した状態では資金源を確保し、組織を維持していくのが難しい。山口組から『手を出すな』と指示が出ていても、いつそれが変わるかわからないという不安もあった」と話す。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル