羽場正浩、高億翔2021年9月15日 7時51分 長野県松本市内のペット業者が多数の犬を劣悪な環境で飼育していたとして、同市などで動物病院を経営する獣医師が14日、記者会見し、県警に情報提供したことを明らかにした。県警が今月、この業者を動物愛護管理法違反容疑で家宅捜索した。松本市保健所も立ち入り調査した。 記者会見したのは奥原淳獣医師。奥原氏によると、この業者の元従業員から6月に情報提供があり、飼育場所を訪れるなどして調べたという。 元従業員の証言を踏まえた奥原氏の説明によると、この業者の飼育施設は市内に2カ所。フレンチブルドッグやトイプードルなど小型犬を中心に計約600頭を飼育していた。自由に身動きできないケージが多く、4~6段に積み上がったり、糞尿(ふんにょう)が垂れ流しになったりしたものもあったという。不十分な環境で犬の手術をした可能性もあると指摘した。 元従業員は昨年、県松本保健所(当時)にも相談した、と説明したという。奥原氏は「(今年4月に移管された)松本市保健所も対応が甘かった」と述べた。 県警幹部によると、県警も、この業者の市内2施設を捜索した。約1千頭の犬がいたといい、当時の飼育実態などを調べている。(羽場正浩、高億翔) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「悲しみは癒えません」8歳の息子を失った遺族 猪苗代湖ボート事故
会員記事 上田真仁、長屋護、飯島啓史2021年9月15日 8時05分 福島県会津若松市の猪苗代湖で昨年9月、男児ら3人がモーターボートに巻き込まれて死傷した事故は発生から1年が過ぎ、急展開した。モーターボートを運転していた男が14日、業務上過失致死傷の疑いで逮捕された。亡くなった千葉県野田市の豊田瑛大さん(当時8)の遺族は「逮捕されて安堵(あんど)しておりますが、失った悲しみは癒えません」とコメントした。 逮捕されたのは、いわき市内の建設会社社長、佐藤剛容疑者(44)=東京都中央区勝どき1丁目。容疑を否認しているという。 事故は昨年9月6日午前11時ごろ、猪苗代湖で水上スポーツの順番を待つため、瑛大さんと母親ら4人が湖面に浮いている最中に起きた。瑛大さんが死亡し、2人が重傷を負った。母親は両足のひざ下を失い、義足での生活を送る。 父親は以前、朝日新聞の取材に「事故が起きてから、瑛大の笑顔を毎日思い出し、そのたびに苦しめられている。加害者には事故に向き合い、罪を償ってほしい」と話していた。 佐藤容疑者の父親は14日、「(逮捕されたことが)事実ならしっかりと罪を償ってほしい……」と言葉少なだった。 佐藤容疑者の知人からは驚き… この記事は会員記事です。残り392文字無料会員になると月5本までお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
新宿で客待ち、売春容疑で2度逮捕 「借金あった」女性教諭を免職
2021年9月15日 8時14分 繁華街で客待ちをして多数の男性に売春行為をしたとして、東京都教育委員会は14日、都内の小学校勤務の女性教諭(27)を懲戒免職処分にしたと発表した。 都教委によると、教諭は2020年2~11月、新宿区内の繁華街で複数回にわたって売春目的で客待ちをして、男性から現金を渡されて性行為を行った。同年11月、売春防止法違反容疑で逮捕され、今年1月に不起訴処分(起訴猶予)となった。しかし2月に、同様の行為を行って再び逮捕されたという。 教諭は都教委の調べに「学生時代から消費者金融に最大で300万円の借金があり、返済するために行った」と話しているという。都教委の担当者は「前代未聞の事案。誠に遺憾で申し訳ない」としている。 都教委はまた、駅のエスカレーターで盗撮をしたとして、男性教諭(31)を懲戒免職処分にしたと明らかにした。免職処分となるのは4月以降5人目となる。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
町田小6自殺、文科省が市教委に指導 萩生田氏「極めて残念」
伊藤和行2021年9月14日 20時34分 東京都町田市の市立小6年の女子児童(当時12)が昨年11月、いじめを受けたという内容の遺書を残し自殺した問題をめぐり、萩生田光一文部科学相は14日の閣議後会見で、児童に配布されたタブレット端末が悪口の書き込みに使われたとされることについて、「極めて残念」と述べた。文科省は同日、市教委などに事実確認をし、「いじめはあったが自殺との因果関係は調査中」との説明を受けたという。 文科省は市教委に対し、いじめの事実確認や命に関わる「重大事態」の認定が、いじめ防止対策推進法に基づいて行われたかどうか改めて確認するよう指導し、遺族に寄り添った対応をするよう求めた。文科省によると、同校では2019年度の途中から6年生に端末が先行配備されていたが、当初はパスワードが全員同じだった。文科省は「なりすましが可能で、不適切だった」と指摘した。 女児の両親と代理人弁護士は13日に記者会見し、女児に対して端末のチャット機能で「うざい」「きもい」などの悪口が書かれていたと説明。両親は「端末がいじめの温床になった」とし、端末によるいじめ防止策の再点検と徹底を文科省に要望していた。 萩生田氏は、両親が「学校でのIDやパスワードの管理がずさんだった」と指摘していることをふまえ、「全国で活用が本格化している端末について(利用の)留意事項を示してきたが、さらにどう対応すべきか検討したい」と述べた。(伊藤和行) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
追試験の会場も全都道府県に 来年1月の大学入学共通テスト
桑原紀彦2021年9月14日 20時57分 文部科学省は14日、来年1月の大学入学共通テストの追試験会場について、本試験同様、全都道府県に設置すると発表した。本試験も追試験も、会場は年内に公表する。 来年の共通テストは1月15、16日に本試験、同29、30日に追試験が実施される。本試験は全都道府県に会場が置かれることが決まっていたが、追試験は未定だった。文科省は、コロナ禍の収束が見通せないとして、移動に伴う感染リスクや、全国高校長協会から出されていた「追試験会場も全都道府県に設置を」との要望も踏まえ、全都道府県での実施を決めた。(桑原紀彦) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
食材は半額品「普通の暮らししたい」 生活保護受給者の訴え届かず
会員記事 白見はる菜、富永鈴香2021年9月14日 21時00分 生活保護基準額の引き下げは、生存権を保障した憲法25条に違反する――。そんな訴えは、裁判所には届かなかった。14日の京都地裁判決は「厚生労働相には専門技術的かつ政策的な見地からの裁量権がある」などとして、減額決定の取り消しなどを求めた受給者らの請求を退けた。 「不当判決」。判決後、原告側弁護団が、地裁前で「不当判決」の紙を掲げると、待ち構えていた支援者らからは「ひどい」などと落胆する声が上がった。 京都市で弁護団が開いた集会で、尾藤広喜団長(73)は「厚労相の裁量を広く解釈しており、受給者の生活実態を全く見ていない」と批判した。 全国で起こされた同種訴訟のうち、受給者側の敗訴判決は名古屋、札幌、福岡の3地裁に続き4件目。原告の竹井登志郎(としろう)さん(50)=京都市山科区=は「ここもか、とがっかりした。長い間訴えた受給者の現状を見てほしかった」と肩を落とした。森絹子さん(79)=同=も「原告になるのは勇気が要った。皆が安心して生きられる世の中になってほしい」と嘆いた。 法廷で判決を聞いた原告の小松満雄さん(60)=京都市南区=は、集会で涙ながらに訴えた。「生活保護の金額で、裁判官が1、2カ月過ごしてみてほしい。そうしたら受給者の気持ちがわかるはずだ」 小松さんは手足にまひがある… この記事は会員記事です。残り810文字無料会員になると月5本までお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
みんなでほおばったチキン さよなら「とっとちゃん」、校門すぐそば
日替わり丼273円、名物のフライドチキンは1本142円。インターハイ出場を記念した部活動の色紙や、卒業式で配られた胸の花飾りが、6畳ほどの店内の壁を埋め尽くす。 札幌市豊平区にある北海道科学大高校(旧尚志学園高)のすぐ近くで、20年にわたって食べ盛りの高校生たちのおなかを満たしてきた食堂「とっとちゃん」が、今月16日で営業を終える。 閉店は、一人で店を切り盛りしてきた店主の宮崎セツ子さん(71)の体調が思わしくないのが理由だ。「もう限界と思いました。新型コロナウイルスに負けたと言いたくないので、意地で頑張ってきたけど、自分の体に負けちゃった」とさばさばと話す。 宮崎さんは北海道北部、上川地方の旧中川村(現中川町)出身。2001年に夫の幸夫さん(72)と、札幌にある北海道科学大高校の近所に「とっとちゃん」をオープンした。04年には正門からすぐそばの現在の場所に移った。 看板料理は「ひみつのスパイス」入りのフライドチキンで、店の名前をそのまま付けた「とっとちゃん」。かつては1本100円で、部活などが終わる時間には店に入りきれないほどの生徒らが集い、店の前でとっとちゃんをほおばっておしゃべりをしていた。すぐ隣には学校寮があり(現在は閉鎖)、小腹をすかせた寮生が夕食後に訪れることもしばしばだったという。 同校はスポーツ部の活動が盛んだ。宮崎さんは全国大会出場を決めた部に色紙を書いてもらう代わりに、返礼として全員分のフライドチキンを差し入れて健闘を祈ってきた。 北海道室蘭市出身の元寮生で、現在は同校の教師としてバレー部監督を務める辻克典さん(34)は「今月初め、閉店すると聞いて涙が出た。いつも温かく見守ってくれて、教師として戻ったときも『おかえり』と迎えてくれた」と振り返る。 同校は2年後の23年春に、北海道科学大学のキャンパスがある札幌市手稲区に移転する。セツ子さんは心臓などに持病があったが、幸夫さんが病気で静養するようになってからも「移転まで頑張ろう」と、一人で店に立っていた。しかし料理の仕込みや客との応対で毎日立ち作業が続き、疲労が蓄積。コロナ禍での休業要請や休校などで客足が遠のいたことも響き、今月初めに店じまいを決めた。 最近は閉店を知った生徒や卒業生らが色紙を取りに訪れ、旧交を温める毎日という。11、12日の週末は仕込んだ食材が早々になくなるほどの盛況だった。「地域の皆さんに支えられた20年でした。思い出がいっぱいすぎて」と宮崎さんは声を詰まらせる。 16日午後5時までいつも通り営業して、店を閉める。「私らしくひっそりと、最後まで務めたい」という。(戸田拓) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「街の活気を取り戻したい」歌舞伎町 飲食店員向けワクチン接種開始
歌舞伎町などの繁華街を抱える東京都新宿区では、飲食店従業員を対象とした新型コロナウイルスのワクチン接種が6日から始まっている。 接種は区役所分庁舎で行われ、区内のエッセンシャルワーカーに加え、同区で働く飲食店従業員(18歳以上)を対象としている。12月中旬まで行われ、区ホームページから予約を受け付けている。 1日300人の枠があり、7日は208人が予約し、65人の飲食店従業員がワクチンを接種した。 歌舞伎町のキャバクラ店で働く女性(28)は、店の来客数がコロナ以前の水準に戻ってきていることを懸念し、「人と接する仕事なので、お店のためにも、自分のためにも接種しにきました」と話した。 昨年の第2波では、歌舞伎町でクラスターが相次いだ。現在の第5波では、「夜の街」関連の感染者数は減少しているものの、若年層を中心に感染拡大がおさまっていないという。新宿区の担当者は「繁華街の飲食店は区の基幹産業と捉えています。ワクチン接種をすすめて、一日でも早く街の活気を取り戻せるようにしていきたい」と話す。(藤原伸雄) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
福岡市の予約なしワクチン接種 「すぐ打てていい」初日は混乱なく
福岡市は14日、予約のいらない新型コロナウイルスのワクチン接種を始めた。会場の中央ふ頭クルーズセンター(博多区)には、午前11時の受け付け開始前から20人弱が訪れたが、接種は順調に進み、大きな混乱はなかった。 市によると、午後8時までに103人が予約なしでワクチンを接種した。 東区の会社員桑原芳文さん(63)は午前10時半に会場に着いた。接種券と本人確認書類の提示など必要な手続きを済ますと、スムーズに接種でき、正午には会場を出た。「接種に行けるときにすぐ打てるのはいい」 祖母らと一緒に来た中央区の大学生木村仁美さん(20)は、副反応でアルバイトなどに支障が出ることを心配し、接種を控えてきた。祖母から「予約なしで打てる」と聞き、翌日アルバイトが休みだったこの日、急きょ接種に訪れた。思ったより簡単で「これならまだ打っていない人も打ちやすい」と話した。 福岡市は、1日3千回の接種ができるクルーズセンターの予約枠に空きがあれば予約なしでの接種を受け付ける。この日は接種券を忘れた人を除き、予約しなかった全員が接種できた。(山田佳奈、松沢拓樹) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
博多の解体現場で3人死傷のCO中毒、地下の発電機から発生し充満か
板倉大地、古畑航希2021年9月14日 21時10分 福岡市博多区の解体作業現場で男性作業員3人が死傷した事故を巡り、地下で使っていた発電機から一酸化炭素が発生し、地下に充満していた疑いのあることが14日、捜査関係者への取材で分かった。司法解剖の結果、死因は急性一酸化炭素中毒と判明。県警は業務上過失致死傷の疑いも視野に調べを進めている。 県警によると、死亡したのは博多区美野島3丁目、解体作業会社員の渡辺孝憲さん(70)で、地上に続くスロープ上で倒れていた。現場は9階建てのビルの地下1階駐車場で、当時は解体作業中だった。県警は14日、現場を実況見分した。 捜査関係者によると、事故が起きた13日午後4時45分ごろ、地下では放水用の機械を動かすために3台の発電機を使っていた。20歳と73歳の男性作業員も倒れ、病院に搬送されたが、命に別条はないという。 発電機の1台に不具合が起きて20歳男性が様子を見に行き、地下の現場と無線で連絡が取れなくなったため、ほか2人も地下に向かったという。(板倉大地、古畑航希) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル