グラフィック・米澤章憲 「ミソジニー(女性嫌悪)」。男性の心の奥底に潜む女性への差別意識に関連し、SNSなどで最近よく見かける言葉です。女性「嫌悪」……どういうことなのでしょうか。 「わきまえない」女性に振るわれるムチ 江原由美子さん(東京都立大学名誉教授) ミソジニーは女性嫌悪と訳されますが、女性一般への嫌悪感情とは異なります。男性の幻想を裏切って、「ノー」と言う女性へのバッシングです。 大学で授業をしていると、こんな話を聞きます。女子学生がアルバイト先の飲食店で「笑顔で」などと指示されてその通りにすると、男性客が「彼氏、いるの?」などと言ってくる。女性だから優しく相手をしてくれるだろうと思い込んでいるわけです。女性は面倒臭いと思いつつ、受け流します。もしツンケンした態度を取った場合、相手が怒り出すことは容易に想像できるからです。 江原由美子さん 私はジェンダー秩序という言葉を使いますが、女性というカテゴリーに、「気配り」「優しさ」などを読み込む。ミソジニーとは、そういう秩序に割り当てられた女性性から外れた女性、いわば「わきまえない」女性に振るわれるムチです。 ですから「女性が好き」かどうかと、ミソジニーかどうかは関係ありません。わかりやすい例が、東京五輪・パラリンピック大会組織委員会の森喜朗会長の発言でした。「(組織委員会の女性は)わきまえておられて」などと言った。「女性を蔑視する気持ちは毛頭ない」と釈明しましたが、自分にとって都合のいい女性をいくら大切にしても関係ない。女性を、自分の意をくむかどうかで分けている。その意味で、ミソジニーのメカニズムを象徴する言葉です。 記事の後半では、二村ヒトシさん(アダルトビデオ監督・著述家)が男性の根底にある意識を、木村忠正さん(立教大学教授)がネット社会で「ミソジニー」は広がっているのかを分析します。 ムチの一方でアメもあります… この記事は有料会員記事です。残り3022文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 【10/25まで】スタンダードコース(月額1,980円)が今なら2カ月間無料!詳しくはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
15歳の夏、裁判傍聴で変わった私 大学生は署名活動を始めた
15歳のあなたへ #裁判を見に行こう――。 東京都内に住む大学生が、すべての中学校で裁判を傍聴する機会を設けることを呼びかけるオンライン署名を始めた。原点にあるのが、自身が15歳の時の体験だ。 中央大学法学部の1年生、真栄田早希さん(19)は中学3年の時、初めて刑事裁判を傍聴に出かけた。夏休みの宿題で、どう裁判が行われているのか知りたいと、一人で東京地裁に向かった。 地裁のロビーに傍聴人用に備え付けてある「期日簿」(開廷表)から、傍聴する裁判を探した。テレビで詐欺被害に関する番組を見て関心があり、高齢者らに電話をかけて現金をだまし取った特殊詐欺事件を選んだ。 被告は、被害者からお金を受け取る「受け子」役の若い男性。背中を丸め、「貧しくてやってしまった」と小さな声で語った。 それまでは、報道などで「犯… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
広島の再開発計画を発表 広島市・朝日新聞社など
福冨旅史、松田史朗2021年9月29日 15時30分 建設予定の高層ビルの外観イメージ 広島市や朝日新聞社などは29日、市中心部(中区基町)に地上31階、地下1階(高さ約160メートル)の高層ビルを建てる計画を発表し、外観イメージも公表した。オフィスやホテル、店舗のほか、広島商工会議所が入り、広島で最大級のビルになる。県庁や商業施設などが並ぶ「紙屋町・八丁堀地区」の新たなビジネス拠点として、2022~23年度に着工し、27年度に完成予定だ。 広島商工会議所や店舗、駐車場などが入る低層部が南北に広がり、中層部にオフィス、高層部にはホテルが入る。外国人観光客の利用も見込んだ高級ホテルになる見通し。東西に延びる市道は残し、その上部をつなぐ形でビルを建設する。 入り口付近には、広島電鉄の路面電車が走る相生通りとつながるオープンスペースも整備。再開発地域にある老朽化した基町駐車場は廃止され、変電所棟や市営駐輪場棟も建設する。延べ床面積は約8万6600平方メートル。 原爆ドームに近い広島商工会議所が、基町駐車場と財産交換して高層ビルに入居。老朽化した商議所ビルは解体され、平和記念資料館側から原爆ドームを見た際、商議所ビルが背景に入り込む景観面の問題も解消できる。 高層ビルの建設予定地には1958年、朝日新聞広島支局(当時)が入る広島朝日ビルが開館。老朽化を理由に2010年に解体されて以降、駐車場として活用されてきた。 再開発を進めるのは広島市と本社のほかに、中国電力ネットワーク、朝日ビルディング、広島商工会議所の各地権者と都市再生機構。 原爆ドームの背景に入り、景観面の問題が指摘されてきた現在の広島商工会議所ビル(中央奥)=2021年9月23日午後1時47分、広島市中区、福冨旅史撮影 高層ビルなどに建て替えられる予定の基町駐車場=2021年9月21日午後4時39分、広島市中区基町、福冨旅史撮影 都市再生機構の広報担当者は「早期実施に向け、関係者一丸となって着実に推進していきたい」と話した。(福冨旅史、松田史朗) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
Japon : le parti au pouvoir élit un nouveau chef, Fumio Kishida, futur premier ministre
Fumio Kishida salue les militants et les cadres de son parti après avoir été élu à la présidence du Parti libéral-démocrate, à Tokyo, le 29 septembre 2021. STR / AFP Le nom du futur premier ministre japonais est désormais connu. Fumio Kishida a été choisi mercredi 29 septembre pour diriger le Parti […]
熱海土石流、危険はなぜ見過ごされた 盛り土に及ばない国の法規制
地球温暖化などで自然災害は年々激しさを増している。国は「国土強靱(きょうじん)化」を掲げて対策に巨費を投じてきたが、土を搬入して造成した「盛り土」は一律の法規制がなく、危険性が見過ごされてきた。自治体の条例による規制に限界がある中、盛り土が崩れた土石流で多くの命が奪われ、国の規制を求める声が上がる。 条例での規制に限界、罰金は20万円 「被害者をこれ以上増やさないように、一石を投じる」 静岡県熱海市で起きた土石流の犠牲者遺族が8月、土石流の起点にあった盛り土の土地所有者らを、重過失致死などの疑いで刑事告訴した。宅地造成等規制法や都市計画法などの規制が及ばない山中の盛り土について、「人災」の責任を問うためだ。 土石流では26人が亡くなり、1人が行方不明のまま。県は上流から流れ出た盛り土の量を約5万5500立方メートルと推計する。この盛り土は2007年に業者から県の条例に基づく届け出があり、造成が始まった。申請時の高さは15メートル、量は約3万6千立方メートルだったが、実際には高さ30~50メートル、量は約7万立方メートルに達していた可能性がある。 県の条例では、崩落の危険が… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
食料補給は年1回 キャベツにジャガイモ、南極で磨く野菜延命の技
南極・昭和基地への物資補給は年に1回だけ、もちろん食料品もだ。 キャベツ延命作戦。「通路棟に集合!」。床に座り込み、次々運ばれて来る箱を開けて作業を始める。 第1弾は2020年2月19日、「キャベツむきとジャガイモの芽取り」だ。キャベツは、外側のよれよれになって黒ずんだ葉をとってきれいにする。ジャガイモは芽がもやしのように、元気いっぱい伸びていた。手でくりくりもげるのでおもしろい。作業に夢中になっていると「由美ねえはさすが『若い芽を摘み取る』のが得意だね」と意味深長な言葉でからかわれた。 キャベツ延命作戦第2弾は「… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「非公開の違憲法廷で死刑」 弁護団がクラウドファンディング
新屋絵理2021年9月29日 12時14分 ハンセン病とされる男性が事実上非公開の「特別法廷」で裁かれ、無罪を訴えながら死刑となった「菊池事件」について、男性の弁護団が、再審請求の活動費を募るクラウドファンディング(CF)を始めた。特別法廷での審理は昨年に熊本地裁が違憲と判断しており、弁護団は「憲法違反の裁判の結果を是正したい」と訴えている。 当時29歳の男性は、村職員宅にダイナマイトを投げ込んだとして1952年に有罪判決を受けた後、ハンセン病療養所の菊池恵楓園(熊本県合志市)の拘置所から脱走。脱走中にこの職員を殺害したとされる罪で、隔離された園内の特別法廷で死刑判決が確定し、62年に執行された。 熊本地裁は2020年、この事件に関する国家賠償請求訴訟の判決で、特別法廷での審理は法の下の平等を定めた憲法14条などに違反すると判断。さらに裁判の公開原則に違反する疑いも指摘したが、刑事裁判の事実認定には「影響を及ぼすとはいえない」とした。 前例のない再審請求 弁護団「みなさんの支援を」 これを受け弁護団は再審請求を検討。請求権のある男性の遺族がハンセン病への差別を心配して請求に慎重だったことなどから、昨年11月、支援者ら1205人が同地裁に再審を求めた。ただ、支援者は再審を求める権利がないため、「誰でも損害の救済などを請願できる」とする憲法16条を根拠にした前例のない請求となっている。 弁護団長の徳田靖之弁護士は「再審へのハードルは高いが、多くの人に事件を知って支援してほしい」と話している。 CFは11月26日までに500万円を目標にする。詳細はCFサイト「READYFOR」(https://readyfor.jp/projects/kkch)。(新屋絵理) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
Wladimir Balentien will not return to SoftBank for 2022 season
Wladimir Balentien, who set Nippon Professional Baseball’s single-season home run record with 60 in 2013, will leave the Fukuoka SoftBank Hawks as the Pacific League team has decided not to renew his contract, a source said Wednesday. The source said the 37-year-old Curacao-born slugger has expressed a desire to continue […]
地域の外国人に教わる世界の家庭料理 レシピ本完成
大阪府豊中市のとよなか国際交流協会が、世界の家庭料理のレシピ本「世界を食べよう」を発行した。地域に住む外国人たちが教えてくれた11カ国の40品が掲載されている。コロナ禍で海外旅行はもちろん、外食すらできない中、世界の味を届けたいとの思いを込めた。 タイのオムレツ「カイ・ヂャオ・ムーサップ」、ネパールの定食「ダルバート」……。フィリピンのミートソーススパゲティは、甘いバナナケチャップを使う。ルーマニアのサラタ・デ・ヴィネテは、細かく刻んだ焼きナスにレモンや手作りマヨネーズを合わせた一品で、バゲットとの相性が抜群だ。 同協会では2014年から、地域の外国人を講師に招き、家庭料理を教えてもらう催し「世界を食べよう」を開いてきた。年に2、3回のペースで、毎回、20人ほどの市民が参加。作った料理を食べながら、国々の文化や習慣、生活のようすについて話し、交流を深めてきた。 ところが昨年、新型コロナウイルスの感染が拡大し、催しは休止せざるを得なくなってしまった。代わりに何かできることはないだろうかと考えた末に思いついたのが、6年間にわたって作ってきた料理をレシピ本にまとめることだった。 レシピを整えようと、同協会… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「捜査機関の人に考えてほしい」虐待疑われ無罪、母が語った5年
生後3カ月で負ったけがのため、長男は5歳になった今も意識が戻らない。虐待でけがを負わせたと疑われ逮捕・起訴された母親の浅野明音さん(28)は、一審に続き、控訴審でも無罪を勝ち取った。 「経った時間のすべてがつらくて、何が一番つらいのかも分からないほど。捜査機関の人にもこの気持ちを知って、考えてほしい」と話す。 28日、名古屋高裁。浅野さんは紺のジャケット姿で出廷し、背筋を伸ばして判決を聞き終えた。 隣席の弁護士から説明を受け、時折、ハンカチで涙をぬぐった。 成長楽しみにした日々、暗転 長男は2016年2月に生まれた。 体が大きく、出産した病院から家に帰ると、ミルクを飲む量が一気に増えた。 「こんな小さい体でこんなにたくさん飲めるんだってびっくりしました」 おなかいっぱいになると、笑って、おしゃべりのような声を出した。 「鳥が鳴いてるね」「天気が良いね」 成長を楽しみに声をかけていた。 同年5月24日、トイレから出ると、ソファに寝かせていた長男の泣き声がいつもより大きいことに気づいた。 急いでリビングに戻ると、長男は床に転落していた。 あやしても泣きやまない。 数分するとけいれんが始まり、意識がなくなった。 救急車の呼び方も分からないほど、パニックになった。祖母に電話をかけ、病院に連れて行くと、脳のけがで、回復の見込みがないと診断された。 1年後、突然警察が自宅を訪れた。 「病院の検査で見つかった脳… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル