大分県宇佐市安心院(あじむ)町の民家で2020年2月、母子が殺害された事件で、県警は15日、大分市緑が丘1丁目の会社員、佐藤翔一容疑者(36)を強盗殺人の疑いで逮捕した。容疑を認めているかどうかは明らかにしていない。 発表によると、佐藤容疑者は20年2月2日夜、宇佐市安心院町荘の民家で、この家に住む農業、山名高子さん(当時79)と長男の郵便配達員、博之さん(同51)の首などを刃物のようなもので刺すなどして殺害。室内にあった現金約5万円を奪った疑いがある。2人とも首の傷が致命傷で、死因は失血死だった。 室内からは、男性用サンダルなど複数の土足痕が見つかっていたが、県警は容疑者が意図的につけたもので、1人で実行したとみている。 現場は、東九州道の安心院インターチェンジから約3キロにある丘陵地帯で、佐藤容疑者は車で移動した可能性があるという。佐藤容疑者は以前、宇佐市に住んだことがあるが、山名さん親子とは面識がなかったと県警はみている。 山名さん親子は翌3日午前、博之さんが出勤しないことを不審に思った同僚の110番通報で駆けつけた警察官によって発見された。玄関は施錠されていたが、1階縁側の掃き出し窓は鍵がかかっていなかった。2人が倒れていた1階ダイニングキッチンの流し台で、凶器とみられる血の付いた包丁が見つかった。 捜査関係者によると、2人の… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
死産、行政に相談したのに逮捕は早計 弁護士が香川県警に抗議
谷瞳児、多知川節子2021年10月15日 20時57分 赤ちゃんの遺体を冷蔵庫に遺棄したとして、丸亀市の夫婦が9月、香川県警に死体遺棄容疑で逮捕され、その後に不起訴になった事件をめぐり、妻の弁護人を務めた佐藤倫子弁護士が14日、県警に抗議文を提出した。「死産で行政に対応を相談しており、事実を隠していなかった。逮捕は早計」などと訴えている。 両親から依頼を受けて会見を開いた佐藤弁護士によると、妻は妊娠に気づかないまま9月21日未明に死産。かかりつけの産婦人科を受診しようとしたものの当面休診しており、診察が再開され次第、遺体を医師に見せて指示を仰ごうとしていたという。 遺体の腐敗を心配した夫が22日に冷蔵庫に保管することを提案。24日朝に1歳の子を保育所に預ける際、死産についても伝えた。 同日午前、役場の担当者から夫に電話があり、経緯や冷蔵庫に保管していることも自ら説明し、必要な手続きを尋ねたという。約3時間後には丸亀署員らが自宅を訪問。夫婦は任意同行され、夜に逮捕された。 佐藤弁護士は「死産がわかった時点で救急車を呼ぶなどできればよかったが、ベストの選択ができなかったからといって罪に問われるようなものではない」と主張。「死産はどの家庭、どの女性にも起こりうる。判断に迷う間に突然逮捕されては安心して生活できない」と訴えた。 また、逮捕時の実名報道をきっかけに、ネット上で夫婦の個人情報が拡散され、多数の誹謗(ひぼう)中傷を受けていると指摘。県警による実名発表と、報道機関による実名報道に対しても抗議した。赤ちゃんの死体遺棄事件で不起訴になった他の例も挙げながら、「流産がありえる、事件性がわからないなどの場合は慎重に判断すべきだ」としている。 県警は「抗議文の内容を確認した上で適切に対応したい」とコメントした。(谷瞳児、多知川節子) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「背中を刺された」通報、救急搬送された28歳女性死亡 兵庫・尼崎
2021年10月16日 3時50分 【動画】兵庫県尼崎市のマンション敷地内で女性が刺され死亡=読者提供、岩本修弥撮影 15日午後8時20分ごろ、兵庫県尼崎市昭和通4丁目のマンション敷地内で、「女性が背中を刺されている」と119番通報があった。兵庫県警によると、女性は、このマンションの住人で事務員の森本彩加さん(28)。救急搬送されたが、まもなく死亡が確認された。森本さんには背中に複数の刺し傷があり、県警は殺人事件とみて、刃物を持ったままオートバイに乗って逃げた男の行方を追っている。 尼崎南署によると、警察官が駆けつけると、マンション駐輪場そばの通路で、森本さんが血まみれの状態でうつぶせに倒れていた。逃げた男は黒っぽい服を着て、ヘルメットはかぶっていなかったという。 現場は、阪神尼崎駅から北西に約300メートルの繁華街。歩道脇などに規制線が張られ、複数台のパトカーが止まり、救急隊員や警察官が対応にあたっていた。 現場近くの飲食店の男性店員は、配達から店に帰る途中、マンションの駐輪場に女性が倒れているのを目撃したという。「全く動かず、普通の倒れ方ではなかった」。服装は普段着に見えたという。 近くの店にいた男性(47)は、サイレンの音を聞いて現場に行くと、血を流した女性が担架で運ばれていくのが見えた。意識はなさそうだったという。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「背中を刺された」通報、救急搬送された女性が死亡 兵庫・尼崎
2021年10月15日 23時03分 【動画】兵庫県尼崎市のマンション敷地内で女性が刺され死亡=読者提供、岩本修弥撮影 15日午後8時20分ごろ、兵庫県尼崎市昭和通4丁目のマンション敷地内で、「女性が背中を刺されている」と119番通報があった。兵庫県警によると、20代とみられる女性が救急搬送されたが、まもなく死亡が確認された。女性には背中に複数の刺し傷があり、県警は殺人事件とみて、刃物を持ったままオートバイに乗って逃げた男の行方を追っている。 尼崎南署によると、警察官が駆けつけると、マンション駐輪場そばの通路で、女性が血まみれの状態でうつぶせに倒れていた。逃げた男は黒っぽい服を着て、ヘルメットはかぶっていなかったという。 現場は、阪神尼崎駅から北西に約300メートルの繁華街。歩道脇などに規制線が張られ、複数台のパトカーが止まり、救急隊員や警察官が対応にあたっていた。 現場近くの飲食店の男性店員は、配達から店に帰る途中、マンションの駐輪場に女性が倒れているのを目撃したという。「全く動かず、普通の倒れ方ではなかった」。服装は普段着に見えたという。 近くの店にいた男性(47)は、サイレンの音を聞いて現場に行くと、血を流した女性が担架で運ばれていくのが見えた。意識はなさそうだったという。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
京都・兵庫、22日にも時短要請解除へ 大阪は最速24日にも
高井里佳子、久保田侑暉、武田遼2021年10月15日 23時30分 新型コロナウイルスの感染者の減少を受け、京都、大阪、兵庫の3府県は飲食店などへの営業時間の短縮要請を解除する方向で検討している。京都府は21日の期限を延長せず、兵庫県も同様の方向で最終調整に入った。大阪府は31日までが期限だが、早ければ24日にも解除する。 京都府は、京都市など府南部16市町村を対象にした飲食店への時短要請を22日以降はやめる。18日に新型コロナウイルス対策本部会議を開き、正式に決める。西脇隆俊知事は15日の記者会見で「営業や行動の制限は必要最小限であるべきで、(22日以降に)過度な規制をかけるには無理がある」と説明した。 大阪府の吉村洋文知事も15日、府の感染状況を示す独自基準「大阪モデル」が緑信号になれば、解除すると明らかにした。最速で20日に基準を満たし、24日以降に解除する。府内全域で飲食店への時短要請が解除されるのは、昨年11月26日以来約10カ月ぶりとなる。 吉村知事は、「(現在の時短要請の期限である)31日を待たなくても、対策本部会議で判断したい」と説明。感染状況と病床の使用率が落ち着いていることを解除の理由に挙げた。 一方、大阪市の松井一郎市長は、「(感染拡大を防いで)年末年始のかき入れ時に(営業)できるようにするため、多少の制約は必要じゃないか。全面解除すると、非常に厳しい状況につながりかねない」との懸念を示し、営業時間を午後10時や11時までに制限するべきだとの考えを示した。今の4人までという人数制限は「6人とか8人」に緩和すべきだとした。 兵庫県も感染状況が落ち着いていることから、大阪、京都と足並みをそろえる方針で、来週前半にも、対策本部会議を開いて正式に決める。(高井里佳子、久保田侑暉、武田遼) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
人気バンド「サチモス」のHSUさん死去 32歳 18年に紅白出場
定塚遼2021年10月16日 0時00分 2018年にNHK紅白歌合戦に出場した6人組バンド「Suchmos(サチモス)」のベーシスト、HSU(スー)さんが死去したと、バンドの公式ホームページ(HP)で発表された。32歳だった。発表では、死因は明らかにしていない。 神奈川県出身。13年にSuchmosを結成。ロック、ジャズ、ソウルなどをボーダーレスに融合させたサウンドで人気となった。サッカーのロシアW杯が開催された18年には、楽曲「VOLT―AGE」が同年度のNHKのサッカーテーマソングに選ばれ、年末にはNHK紅白歌合戦に出場した。今年2月にバンド活動を一時休止している。 バンドの公式HPでは、所属する事務所とレーベルの連名で、「バンドは現在活動休止中ですが、HSUは様々なアーティストをベーシストとしてサポートし、また自身のプロジェクトを立ち上げ、楽曲の制作活動を前向きに取り組んでいました。そんな中での突然の悲報に接し、メンバー、スタッフ共に、未(いま)だ現実を受け止めきれない状況で、戸惑い悲しんでおります」などとコメントを発表した。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
愛媛3人死亡、過去にトラブル相談 被害者からも容疑者からも
愛媛県新居浜市の民家で13日、住人3人が刺されて死亡した事件で、県警は15日、住所不定、無職の河野(こうの)智(さとる)容疑者(54)=銃刀法違反容疑で逮捕=を殺人容疑で再逮捕し、両容疑で松山地検へ送検した。「殺したことは事実です」と容疑を認めているという。 県警は2019年以降、住人一家と河野容疑者から、トラブルの相談を複数回受けた。河野容疑者の言動に不審な点があったため、保健所へ行って相談するよう勧めるとともに、管轄の県西条保健所(西条市)にも5回情報提供した。ただ、河野容疑者は相談に行かなかったという。 再逮捕容疑は13日午後5時45分ごろ、新居浜市垣生(はぶ)2丁目の岩田友義さん(80)方で、岩田さんを刃物で複数回刺して殺害したというもの。司法解剖の結果、遺体には胸や腹に複数の刺し傷が確認され、失血死と判明した。 事件では妻のアイ子さん(80)と三男の健一さん(51)も死亡した。2人の遺体にも複数の刺し傷などがあったといい、県警は河野容疑者が殺害したとみて裏付けを進める。 県警によると、河野容疑者は健一さんとは元同僚だった。19年9月と11月、健一さんは県警に「(河野容疑者から)電磁波攻撃をやめろと言われる」と相談したという。 一方、河野容疑者も19年7月~20年9月に計12回、「組織に狙われている」などと県警に相談した。 県警は河野容疑者が、事実とは認められない被害を訴えていることから精神障害の可能性もあるとみて、保健所への相談を勧めた。西条保健所にも「(河野容疑者に)対応することがあれば支援をお願いしたい」と伝えたという。 精神保健福祉法は、自身や他… この記事は会員記事です。残り205文字無料会員になると月5本までお読みいただけます。 【10/25まで】スタンダードコース(月額1,980円)が今なら2カ月間無料!詳しくはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
福岡の飲食店が2カ月半ぶり通常営業に 時短なしで酒提供、熊本も
新型コロナウイルス対応で福岡県が独自に続けてきた飲食店の営業時間短縮要請などがすべて解除され、15日から県全域で通常営業できるようになった。時間を気にせず酒を出せるのは2カ月半ぶり。苦境が続いた飲食店はひとまず胸をなで下ろしている。 「待っていました」。北九州市小倉北区の小倉駅近くのビアレストラン「門司港地ビール工房」は15日夕の開店から間もなく、全約30席が予約客で埋まった。10月1日からの午後9時までの時短営業を、この日から10時半までに戻した。 地元の会社の先輩2人と訪れた森元祐一さん(31)は「うまいビール屋さんに行こうと4月に誘われて、やっと来られた。みんなで飲むとやっぱりおいしい」と顔をほころばせた。 普段は、店を直営する門司区の地ビール会社のビールが売り上げの半分を占める。6月には全国地ビール品質審査会でそのうちの一つ「ヴァイツェン」が最優秀賞を受賞した。だが緊急事態宣言などで酒を店内で提供できず、テイクアウトのみの営業が続いた。営業自粛期間中、店内の換気を良くするために空調設備を整えるなど対策を徹底して、県の感染防止認証を受けた。専用容器を用意して生ビールの持ち帰り販売も始めて好評だが、十分な売り上げには遠いという。 緊急事態宣言が解除された10月1日から店内で酒の提供を再開すると、常連客らで通常以上のにぎわいを取り戻し、今週末も予約で埋まった。マネジャーの福永直也さん(41)は「これから秋冬の味覚も用意します。おいしいビールを安心して飲める店として、多くの人に来てもらいたい」と期待を込めた。 「第5波」の拡大で県全域の飲食店に午後9時までの時短営業が要請されたのは8月1日。勢いは収まらず、県は酒類提供停止、店の休業と要請を強化した。10月1日に酒の提供再開を認めてからも、提供時間の制限やカラオケ利用自粛を14日まで続けるよう飲食店に求めてきた。 福岡・中洲のスナック「Mercy けいこ」は15日、2カ月半ぶりに営業を再開した。経営して35年目になる中野恵子さん(68)は「休んでばかりだと体がおかしくなる」と店に出る日を心待ちにしてきた。「ようやく開ける。中洲に明かりがついているのが本当にうれしい」と話した。午後9時ごろに訪れた会社経営の男性(54)は「アットホームな雰囲気で迎えてくれてほっとできるお店。ようやく来られてうれしい」と笑顔で話し、恵子さんの娘で店のママ、麻美さん(41)やスタッフたちと「再開おめでとう!」と乾杯した。ただ、恵子さんは「外で飲む習慣が薄れ、足が遠のいてしまっているのではないか」とお客さんの戻りが心配だ。「第6波」が来るのではないかも気にかかる。 県の認証はすでに取得した。「中洲で飲むのが楽しいと当たり前に思える日が早くきてほしい」と話す。 中洲に近い福岡市博多区上川端町の花店には、祝いの言葉を添えた華やかなスタンド花が並んでいた。全面解除にあわせて開店や営業再開する飲食店に届ける。従業員の佐藤将光さん(36)は「出だしは順調。このまま続いてくれれば」と期待する。 緊急事態宣言中は注文や来客が減少。仕入れを減らし、値下げをしても、毎日数十本の廃棄が出てしまったという。1カ月ほどもつコチョウランも仕入れを3分の1ほどに抑えた。「ショーケースが寂しくならないようにしていたが、なかなか数が読めなかった。仕入れた花は、きれいな状態でお客さんに渡したい」 コロナ前と比べて客が半減したという福岡市のタクシー運転手の男性(77)は「いよいよ全面解除。お酒を飲んだり、終電を逃したりした客は確実に増える。このまま観光客も戻ってくれれば」と期待を膨らませる。宣言解除後に少し客足が戻ったが、以前ほどではない。天神や中洲は客がいないため、待っていれば乗ってくれるJR博多駅前に並ぶ。一方、福岡県春日市のタクシー運転手の男性(71)は「どうせまた感染者が増える。あまり人出は変わらないのでは。またすぐ緊急事態宣言が出るんじゃないか」と懸念する。コロナ前は買い物時に利用してくれる常連客が10人ほどいたが、まだ利用控えが続いているという。 県は15日、独自の観光キャンペーン「福岡の避密の旅」の割引宿泊券や、国の「Go To イート」食事券の販売を2カ月半ぶりに再開した。感染の再拡大を防ぐため、3密回避▽マスク着用▽会食は2時間以内に▽大声を出さない▽感染防止の認証店を利用する、などを引き続き呼びかけている。(吉田啓、山田佳奈、古畑航希、杉山あかり) 熊本県も、熊本市内の飲食店を対象に続けていた営業時間の短縮要請を14日で解除し、15日から県内すべての飲食店が通常営業に戻った。今後は原則として基本的な感染防止対策を呼びかける。 蒲島郁夫知事は13日の会見で、時短要請に応じた飲食店などへの感謝を述べ、今後は感染拡大を防ぎながら県民生活や地域経済の回復に取り組んでいく考えを示した。(伊藤秀樹) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「背中を刺された」通報、女性が心肺停止 兵庫・尼崎
2021年10月15日 22時01分 15日午後8時20分ごろ、兵庫県尼崎市昭和通4丁目で、「女性が背中を刺されている」と119番通報があった。尼崎市消防局によると、20代ぐらいの女性を救急搬送したが、心肺停止の状態という。 県警尼崎南署によると、警察官が駆けつけると、マンション駐輪場そばの通路で、女性が血まみれの状態でうつぶせに倒れていた。現場から、ミニバイクに乗って何者かが逃げたという目撃情報があり、緊急配備を敷くなどして捜査している。 現場は、阪神尼崎駅から北西に約300メートルの繁華街。歩道脇などに規制線が張られ、複数台のパトカーが止まり、救急隊員や警察官が対応にあたっていた。 現場近くの飲食店の男性店員は、配達から店に帰る途中、女性がマンションの駐輪場にうつぶせで倒れているのを目撃したという。「全く動かず、普通の倒れ方ではなかった」。服装は普段着だったという。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
教授になったらセクハラやんだ 尊厳傷つけ、支配する理不尽
43歳の春に「国立情報学研究所 教授」に昇進した。15年前の話だ。情報学は工学・理学などにまたがる学際的分野だが、内閣府の統計によれば、国立大学における「工学」「理学」分野の女性教授の割合は令和になってもそれぞれ2・9%、4・6%にとどまる。情報研という職場に恵まれたのだと思う。私の前後で毎年のように女性教授が誕生していた。 教授になっても給料がはね上がるわけではない。ただひとつ、「教授前と後」で激変したことがある。セクハラがぴたっとやんだのだ。 新井紀子(あらい・のりこ)さん 1962年生まれ。国立情報学研究所教授。読解力測定のためのテストを実施する「教育のための科学研究所」所長。 セクシュアルハラスメントとは、相手の意に反する性的言動によって、学んだり働いたりする上で不利益を被ったり、就学・就業環境が妨げられることを指す。「性的な言動」=エッチな話や身体接触、と考えるのは早計だ。「自分のジェンダー故に、そのような行動を取られている」と相手が不快に感じるような言動はすべてセクハラだ。 たとえば、「声が可愛いから、いつまでも話を聞いていたくなる」と講演後にささやいたら、それは褒め言葉ではない。紛れもなく侮辱でありセクハラだ。「才能ある男と結婚できたのだから家に入って支えるべきだ」は、大きなお世話でありセクハラだ。 教授になり、私の声が変わったわけでも離婚したわけでもない。セクハラがやんだのは、肩書のおかげだとしか思えない。思い返せば、大学院生や助手の頃は日常茶飯事だったセクハラが、助教授になった途端に激減した。それでも不愉快な目にあわずに過ごせた年はなかった。 弱い立場にいる人の尊厳を傷つけ支配することで、自らの優位性を確認しないといられない「残念な人間」が、この世にはいる。それが家族に向かえば虐待やドメスティックバイオレンス(DV)になり、部下に向かえばパワハラになり、性差に向かえばセクハラになる。その意味で、これらは同根だ。リベラルなジャーナリストがセクハラスキャンダルと無縁なわけではないように、輝かしい業績を誇るトップ研究者の中にもゆがんだ志向を持つ人はいる。 私がアメリカに留学した19… この記事は有料会員記事です。残り1378文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 【10/25まで】スタンダードコース(月額1,980円)が今なら2カ月間無料!詳しくはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル