年間7千頭の馬が殺処分されるなか、働きを終えた馬が余生を過ごす養老牧場は全国的にも少ない。新潟県胎内市の「松原ステーブルス」は16年前から殺処分される競走馬などを引き取り、その最期をみとってきた。今年からNPO法人化し、馬との触れ合いを通じ子どもたちに現状を知ってもらう取り組みを始めた。 松原ステーブルスの厩舎(きゅうしゃ)では16頭の馬が余生を過ごす。多くはけがが原因でレースに出られなくなったサラブレッドだが、ミニチュアホースや日本の在来種など様々な馬がいる。馬に触れ、身近に接してもらおうと、厩舎(きゅうしゃ)の見学は無料だ。前日までに予約すれば500円から体験乗馬もできる。ただ、馬の健康が最優先、気温が30度を超えれば体験乗馬は休みだ。 牧場は、元騎手・調教師の松原正文さん(60)が2005年に始めた。馬との触れあいを子どもの教育に生かそうと明星(あけぼし)泰崇さん(42)が運営を継ぎ、今年4月、NPO法人としての活動を始めた。 松原さんは馬の産地として知られる北海道日高町出身。父は道産子(どさんこ)の馬とともに切り出した木材を山から運び出す「馬車追い」だった。幼い頃から馬が身近だった松原さんにとって「馬は人と同等の存在」だ。 牧場を偶然訪れていた新潟県競馬の調教師にスカウトされ、16歳で競馬界へ飛び込んだ。騎手として過ごす日々のなか、「けがや能力が無いばかりに殺処分される馬がいると知った」。厩務(きゅうむ)員、調教師などを経て牧場を立ち上げた。「現役時代に救えなかった馬を1頭でも救いたい」との思いだった。 これまで15頭をみとった。体調が悪い馬がいれば昼夜を問わず付き添う。手間がかかる割にはお金にならないため、馬の最期をみとる養老牧場は全国的にもまだ少ない。松原さんは「競走馬が優勝すれば騎手や調教師には名誉が、馬券の購入者にはお金が入る。馬は人間に夢をくれる動物なのに使い捨てになっている」。 明星さんは、5年ほど前から粟島浦村で子どもたちに馬術を教えるNPO法人で活動していた。その中で役目を終えた馬たちと一人で向き合う松原さんを知り、馬の殺処分に疑問を持つようになった。「人間のエゴのために馬は殺されているのではないか」。 昨年9月、活動に本格的に加わるか悩んでいたころ、けがで走れなくなったサラブレッドを引き取ってほしいとの依頼が馬主からきた。どうするか迷っていたところ、松原さんから「命を救いたいなら覚悟を決めろ」と言われた。その場で馬を引き取ることを決めた。以来、松原さんとともに、殺処分されそうな馬を救う活動に取り組んでいる。今年4月、持続可能な活動にするため、NPO法人化し自ら代表に就き、専属のスタッフも雇った。 牧場近くの空き家を借り、馬と暮らす「うま友留学」も今年から始めた。牧場スタッフとともに馬の飼育をすることで、将来馬に関わる職に就きたい人が飼育や馬との接し方などを学べる。料金は1泊3千円程度。牧場にはキャンプ用の敷地もあり、1団体2千円からテントを設置できる。 明星さんは「馬との触れあいを通して子どもたちに思いやりの心を学んでほしい」と話す。牧場だけでなく、保育園や幼稚園へも出張する。馬の現状を知ることで、いつか状況を変えるような子どもたちが育つことを期待している。 連絡先は松原ステーブルス(https://matsubarastables.webnode.jp/)へ。(友永翔大) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
甲府火災の2遺体、住人の夫婦と判明 逮捕の少年、殺人容疑でも捜査
2021年10月16日 16時36分 甲府市で全焼した住宅の焼け跡から見つかった2遺体の身元について、山梨県警は16日、この家に住んでいた会社員の井上盛司さん(55)、妻でパート従業員の井上章恵さん(50)と確認されたと発表した。 死因は司法解剖でともに失血死と判明している。捜査関係者によると、いずれも多数の外傷があり、大半が刃物によるとみられる傷だったという。県警は、井上さんの次女に対する傷害容疑で逮捕した少年(19)について、殺人や現住建造物等放火の疑いでも調べている。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
日大理事、設計費を差し替えか 見積もり提出後に2.4億円増額
日本大学付属病院の建て替え工事をめぐって2億2千万円の日大資金が外部に流出したとされる事件で、背任容疑で逮捕された日大理事が東京都内の設計事務所に対し、提出済みの見積額を約2億4千万円増やした金額に差し替えさせた疑いがあることがわかった。東京地検特捜部は理事がその後、評価点を改ざんして同事務所を選定したとみており、見積額の増額は流出させる資金などを確保するためだった疑いがある。 特捜部は田中英寿理事長(74)にも不透明な金が流れた可能性があるとみて田中氏の自宅の捜索や任意聴取を行い、さらに実態解明を進めている。 逮捕されたのは田中氏側近の日大理事・井ノ口忠男容疑者(64)=大阪市=と、同市の医療法人「錦秀会(きんしゅうかい)」前理事長の籔本雅巳容疑者(61)。 流出資金、確保する目的か 日大は2019年12月、医学部付属板橋病院(東京都板橋区)の建て替え工事について、設計・監理業者を選ぶ「プロポーザル」(提案型の審査)実施と選定業者との値引き交渉を、完全子会社「日本大学事業部」(世田谷区)に委託した。井ノ口容疑者は同社の営業を統括する取締役として業務を取り仕切った。 複数の関係者によると、プロポーザルには4社が参加し、20年1月30日の期限までに企画提案書を提出した。都内の事務所は設計費17億3700万円、監理費6億8123万円の計24億1823万円と見積もった提案書を出した。 井ノ口容疑者は期限後の翌2月上旬、同事務所の副社長らに設計費の引き上げを要求。設計費を2億4300万円増額した19億8千万円に差し替えさせ、監理費と合わせた総額を26億6123万円にしたという。 評価点改ざんで2位→1位に 国土交通省は設計業者が請求できる報酬基準を定めており、建物の構造に応じた業務量に人件費を乗じるなどして算定する。差し替え後の約26億6千万円は、日大側が想定する報酬の上限に近かったとみられる。 そのうえで行われた審査は日大や事業部の幹部7人が審査員を務め、評価点の合計で同事務所は2位だった。井ノ口容疑者は同月中旬、同事務所の評価が低かった医学部長(当時)の点数を水増しするよう事業部の社長に指示し、1位に引き上げて選定した疑いが持たれている。 別の設計事務所とは1.7億円のコンサル契約 実体のない「コンサルタント料」名目で、不正に流出したとされる2億2千万円。これとは別に都内の設計事務所が、大阪府内の設計事務所とも1億7千万円のコンサルタント料を払う契約を結び、日大が支払った着手金から1億円を送金していたことも新たにわかった。 複数の関係者によると、府内… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「俺は日本人や」 外見で区別されるモヤモヤ描く映画「WHOLE」
「WHOLE/ホール」に主演する川添ウスマンさん(左)とサンディー海さん=東京都内、佐藤美鈴撮影 複数のルーツを持つ若者たちの日常の経験やアイデンティティーをめぐる葛藤を、実体験を交えて描いた映画「WHOLE/ホール」が公開されている。主人公2人を演じた川添ウスマンさん(26)とサンディー海さん(25)は「映画を会話の種にして」と口をそろえる。 映画は44分。ウスマンさんが脚本を手掛け、兄の川添ビイラルさんが監督を務めた。 留学先の大学から居場所を求めて日本に帰国した春樹(サンディー)は、好奇や偏見の目でジロジロと見られることにうんざりしていた。団地で母と暮らす建設作業員の誠(ウスマン)は一見うまくやり過ごしているが、実は出自や父の存在に向き合えずにいた。異なる環境で生きる2人が関わり合うことで、一歩を踏み出していく物語だ。 「WHOLE/ホール」 (C)078 ウスマンさんは母は日本人、父はインド、パキスタン、サウジアラビアにルーツを持ち、サンディーさんは母は日本人、父はアメリカ人。2人とも生まれも育ちも日本だが、外見で「区別」されてきたという。 ウスマンさんは「自分のルーツを探るタイミングでもあり、今まで感じていたことを整理したい気持ちがあった。日本人として受け入れてもらえないしんどさといった思いをひたすら詰め込みました」と話す。 演じる誠の「俺は日本人や」… この記事は会員記事です。残り850文字無料会員になると月5本までお読みいただけます。 【10/25まで】スタンダードコース(月額1,980円)が今なら2カ月間無料!詳しくはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
爆走の一瞬、レンズ越しも熱戦 鈴鹿サーキット
会員記事 文・石橋達平、写真・白井伸洋2021年10月16日 17時00分 アスファルトの白い数字。遊園地の駐車場ではない。ここで繰り広げられる熱い戦いを写真に収めようと、愛好家たちがしのぎを削っている。 丘陵地の起伏をはうように延びるアスファルト。色鮮やかなレーシングカーが爆音を上げて次々と走り抜ける。コースの外で、アマチュア写真家たちがシャッターチャンスを狙っていた。 鈴鹿サーキット(三重県鈴鹿市)で9月にあった「スーパー耐久」。市販車ベースの車のレースだ。例年、十数回は各地でレースを撮影するという東京都八王子市の団体職員、大房哲也さん(51)は「天気も良く、伊勢湾まで見えた。夕日を受けたマシンのシルエットをうまく撮れた」。 思い思いにレースカーを撮影する人々=2021年9月18日午後、三重県鈴鹿市、白井伸洋撮影 「躍動感を表現したい」「見たことのない構図を狙いたい」。コース外で熱い戦いを繰り広げる愛好家の最高の舞台は、毎年秋に鈴鹿で開かれてきたF1世界選手権の日本グランプリ(GP)だ。「F1は格段に速く、高度な撮影技術が要求される」と大房さん。 そんな愛好家向けに、日本GPでは2010年から「カメラマンエリアチケット」を販売。コースと観客席を隔てる金網を目立たないよう黒く塗るなど、配慮されている。ほかの観客の邪魔にならずに撮影に集中できるため、毎年約1千枚がほぼ完売するそうだ。 記事後半では、地元で人気のグルメスポット紹介や会員登録すると応募できるプレゼントもあります。 チケット販売に合わせ、写真… この記事は会員記事です。残り746文字無料会員になると月5本までお読みいただけます。 【10/25まで】スタンダードコース(月額1,980円)が今なら2カ月間無料!詳しくはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
兵庫・尼崎の刺殺事件、被害者の元夫を殺人容疑で逮捕
2021年10月16日 23時20分 兵庫県尼崎市昭和通4丁目のマンション敷地内で15日夜、女性が刺されて死亡した事件で、兵庫県警は16日、女性の元夫で会社員の森本恭平容疑者(33)=同県西宮市甲子園八番町=を殺人の疑いで逮捕し、発表した。「殺すつもりで刺しました」と容疑を認めているという。 捜査1課によると、逮捕容疑は15日午後8時20分ごろ、住人で医療系事務員の森本彩加さん(28)をマンション駐輪場で刃物で刺し、殺害したというもの。彩加さんは駐輪場そばの通路でうつぶせに倒れており、背中に複数の刺し傷があった。 マンションを訪れた宅配業者が、通路へ入ったところで男が女性を刺しているのを目撃して通報した。 県警が付近の防犯カメラ映像を確認したところ、通報時間の前後に、黒っぽい上下の服を着た男がマンションの方へ出入りする様子が映っていた。男はマンション前に止めてあったバイクで、国道2号を西の方向へ走り去ったという。 特徴がよく似ているバイクが恭平容疑者の自宅近くで見つかり、車体には血が付いていた。恭平容疑者がふだん乗っているバイクと同じタイプだった。 現場付近の防犯カメラに映った男の特徴が恭平容疑者に似ていることなども踏まえ、県警は事件に関わった疑いが強まったと判断。16日午後4時半過ぎ、西宮市内の自宅で任意同行を求めた。 その後、捜査本部のある尼崎南署で事情聴取し、容疑が固まったため逮捕に踏み切った。恭平容疑者の自宅から血の付いた包丁を押収したという。 恭平容疑者が住むマンションの住民男性によると、恭平容疑者とみられる住人は半年ほど前に引っ越してきたという。他の人の出入りはなく一人暮らしとみられ、尼崎市ナンバーのバイクに乗って毎朝出かけていたという。男性は「おとなしい印象だった」と話した。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
結婚報道、週刊誌が小室家追う理由 「公人性高い」「国民の関心事」
秋篠宮家の眞子さまと小室圭さんの結婚をめぐって週刊誌の報道が過熱している。小室家の私生活に踏み込み、バッシングととれる報道もあった。なぜ過熱したのか。問題は無いのか。(赤田康和、杉浦達朗、貞国聖子) 2人の交際が明らかになった2017年春以降、女性週刊誌3誌は関連記事を数多く掲載してきた。 同年12月、「週刊女性」が「秋篠宮家激震! 結婚に“黄信号”」と題して小室さんの母・佳代さんが元婚約者から受け取った計400万円をめぐって対立が生じていると報道。その後、各誌で、この金銭トラブルの報道のほか、小室さん親子の私生活の暴露や親子への非難ともとれる報道が目立つようになった。 「女性セブン」は19年4月、当時、米国留学中だった小室さんの「金銭面の不安」を指摘し、「セレブニート生活」と報道。「女性自身」は20年1月、佳代さんの指輪やクリスマスイブの行動を報じ、「金満潜伏を支える『恋人の存在』」と見出しに掲げた。「週刊女性」は今年4月、小室さんが公表した金銭トラブルの説明文書を「マザコン白書」と酷評した。 一般週刊誌では発行部数が多い4誌の中で「週刊新潮」と「週刊文春」が小室さん関連の記事を多く載せてきた。「週刊新潮」は今年9月、「小室圭さん虚飾の全記録」と特集。「週刊文春」は20年12月、小室さんがインターナショナルスクール時代に同級生の女子をいじめていたと、女子の証言を元に報じた。 各誌はなぜ力を入れるのか。「週刊新潮」の宮本太一編集長は取材に「お二人のご結婚は注目される国民的イベント。タブーなしに国民の関心事に切り込むのは我々、週刊誌ジャーナリズムの重要な仕事」と強調。眞子さまの弟悠仁さまが将来の皇位継承者であることを踏まえ、「小室さんが将来の天皇の義理の兄としてふさわしい方なのか、読者には懸念を抱く人が多く、我々の報道に対しても批判より賛同の声が多い」と話す。 「週刊文春」の加藤晃彦編集長も「小室さんは公人性が極めて高く、どんな方なのか、伝える意義は大きい」と指摘。「不利益な過去の問題を報じる際も、当事者の証言や証拠となる音声やメールなど、あくまでも事実に基づいて報道している」と話した。 また、加藤氏は「昭和から平成、令和へと時代が移るにつれて、皇室や皇族にとっても『公』の領域が小さくなり『私』の領域が大きくなっている。特に、眞子さまたち若い世代にとって、結婚そのものが『私』の領域、プライベートな事柄に属すると考えておられるのだと思う」と分析する。 その上で「一方、国民の中には、皇族の結婚は、税金が投入される可能性があることや皇室のあり方に関わることから、まさに『公』の問題だと考えている人も少なくない。国民の中で、皇族の『公』『私』の線引きをめぐる考え方に分断が生まれている」と指摘し、「どこまでが報じる価値のある『公』の領域といえるのか、日々悩みながら誌面を作っている」とも話した。 女性誌3誌は取材に応じなかった。 過熱する報道「批判的な記事、よく売れる」 なぜここまで報道が過熱したのか。ある週刊誌の編集者は「小室さん親子に関する特集を載せた号はよく売れる。特に『疑惑』など批判的な記事が載った号はいい」と話す。別の記者も編集会議でお二人に関わる記事を常に求められると明かした。 宮内庁の対応も影響したとみる向きがある。同庁は皇室報道で虚偽や誤認があると判断した場合、出版社への抗議や公式サイトで問題点の指摘をしてきたが、小室さん親子に関する報道は事実上静観してきた。「民間人であり、報道内容について宮内庁が真偽を調べることは難しく、コメントする立場にない」(関係者)というスタンスだ。 18年5月には「眞子内親王殿下に関する最近の週刊誌報道について」と題した見解を発表したが、その際も、問題視したのは上皇ご夫妻に関する報道で、小室さん親子に関する報道には言及しなかった。 週刊誌の記事はヤフーニュースに転載され、コメント欄に投稿が集まった。目立つのは結婚への反対や、結婚時に支給される予定だった一時金など税金が使われることへの批判だ。同庁は今月1日、眞子さまが複雑性PTSD(心的外傷後ストレス障害)と診断されたと公表。記者会見に同席した医師は「誹謗(ひぼう)中傷と感じる出来事」に「週刊誌報道」と「ネット上のコメント」が含まれると述べた。 過熱する報道をめぐって皇室には苦い経験がある。1993年、皇后美智子さま(当時)は自身へのバッシング報道が週刊誌などで続く中で倒れ、声が出なくなった。美智子さまは当時、「事実でない報道には大きな悲しみと戸惑いを覚えます。批判の許されない社会であってはなりませんが、事実に基づかない批判が繰り返し許される社会であって欲しくはありません」とコメントした。 当時を知る関係者は「週刊誌の大きな見出しとともに報じられることで根拠不明の情報が確定した事実のように大量に流通し、目にした人から批判の声が届くのは当時と同じ構図だ。今はSNSなどで拡散されて誤認が広まりやすい分、より危機的だ」と話す。 朝日新聞出版は 朝日新聞出版の週刊誌なども報じてきた。編集方針はどうだったのか。 「週刊朝日」は小室さんについて女性を魅了する「ヤバめの男」の空気があると評し、理由を考察するフリージャーナリストの記事などを掲載した。小室さんが金銭問題を説明する28枚の文書を公表したことについて「執拗(しつよう)ともいえる自己主張と、繰り広げられる正義」と論評した。渡部薫編集長は「皇族の結婚相手とその家族については国民の関心が高く、詳しく報じる必要があると考えている。ヒートアップする『疑惑』で読者をミスリードしないよう冷静な報道を心がけている。真実を伝えるという公益性と、報道される側の人権の保護の両方を検討し、私人につきまとったりメディアスクラムに加担したりしないよう配慮している」とした。 「AERA」は「(小室さんの公表)文書から透けて見えるのは昭和的な野望と高いプライド、そして強い自己主張」とする記事などを掲載。片桐圭子編集長は「親子についてあまり報じないのは、皇族の結婚相手と家族であっても一般市民でプライバシーへの配慮が必要との考え方を重視しているため」とした。 2誌の記事と独自記事を掲載するサイト「AERA dot.(アエラドット)」は結婚についてネット上でアンケートをし、何度でも回答できる形で約3万5千件を集計。「祝福する気持ちがない」が大半を占めたとし、「国民に対して説明責任を放棄しているから」といった意見も紹介した。小室さんの経済力を懸念する記事も掲載した。佳代さんが元婚約者にメールでトイレットペーパーの購入を依頼したとする記事では「小室さん親子のズレた金銭感覚」という見出しを掲げた。 森下香枝編集長は「アンケート記事では祝福の声を多く紹介し、バランスを十分にとっている。小室さん親子に対しても節度をもって取材している。眞子さまと小室さんの結婚は社会の関心が高く、皇族の結婚という公益性のあるテーマゆえに多様な意見があることから、誹謗(ひぼう)中傷ではない宮内庁OBや官邸関係者、識者の意見や感想は紹介している」と説明した。 曽我部真裕・京都大教授(憲法・情報法)の話 皇族の結婚相手に一定の条件が求められると考える国民がいることは否定できない。小室さん親子の金銭トラブルなど過去の問題は、この条件に関わるテーマで、報じることに一定の公共性があるといわざるをえない。 ただ、一連の報道には、小室さんを「ジゴロ」「世間が嫌悪を催した青年」「髪結いの亭主」、佳代さんを「姑息(こそく)」「噓(うそ)と見栄(みえ)」と評するなど悪意があるとしか思えない表現が散見される。公共性のあるテーマに関する記事でも限度を超えた論評は違法となりえる。 小室さんが訴訟を起こせばかえって世間の反発を呼ぶ恐れがあり、批判的な報道は相手が反論できない中でされている面がある。その点に大きな問題がある。 国民のやじ馬的関心に際限なく応えていけば、公共性を逸脱していくことになる。報道機関には自らを律する倫理が求められる。 眞子さまと小室圭さんの結婚をめぐる経緯 2017年9月 2人が婚約内定の記者会見 12月 週刊誌が小室さんの母佳代さんと元婚約者の「金銭トラブル」を報じる 18年2月 宮内庁が結納にあたる「納采(のうさい)の儀」と結婚式の延期を発表 11月 秋篠宮さまが会見で「多くの人が納得し、喜んでくれる状況にならなければ納采の儀を行うことはできない」「それ相応の対応をするべきだ」と問題解決を求める発言 19年1月 小室さんが「(金銭問題は)解決済みの事柄と理解していた」とする文書を公表 20年11月 宮内庁、眞子さまが記した「お気持ち」を文書で公表 21年4月 小室さんが金銭トラブルの経緯を説明する28枚の文書を公表 10月 宮内庁が2人の結婚を発表。眞子さまが複雑性PTSDと診断されていたと明かす Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「強く胸に刻む」震災後初の成人式に46人の笑顔 福島県大熊町
飯島啓史2021年10月16日 21時44分 東京電力福島第一原発事故の避難指示が2年前に一部で解除された福島県大熊町で16日、震災後初となる町内での成人式が行われた。当時、小学4年生だった新成人46人が全国各地から故郷に集まり、再会を喜んだ。 震災後、町の成人式は町外で行い、今年も1月に町外で開催予定だった。しかし、コロナ禍で2度延期され、今回は建設中だった町の新たな交流施設の完成に合わせ、10年ぶりに地元で開催した。 新成人代表の新潟大3年の遠藤瞭さん(21)は「10年前の震災と現在のコロナ禍で、私たちの日常生活は当たり前ではないと2度も実感した。大人の仲間入りをする私たちも、当たり前の生活のため役割を果たせるよう、強く胸に刻んでいきたい」とあいさつした。将来は福島第一原発の廃炉問題に取り組みたいという。(飯島啓史) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
2年ぶりの都合唱コンクール 大学職場一般、4団体が全国決める
第76回東京都合唱コンクール(都合唱連盟、朝日新聞社主催)の大学職場一般部門が16日、北区の北とぴあであった。四つの部門に計32団体が出場、11月に岡山市のシンフォニーホールで開かれる全国大会に出場する4団体が決まった。4団体の他に、一昨年の全国大会で文部科学大臣賞を受賞したCombinir di Coristaがシードで出場する。 コンクールは2年ぶり。出場者は久しぶりにステージを楽しむように、歌声を響かせた。結果は次の通り(◎は都代表で、都合唱連盟理事長賞も受賞)。 【室内】金賞 ◎女声合唱団… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
アレフ施設に放火しようとした男、警察官に暴行容疑で逮捕
2021年10月16日 17時30分 警察官に抵抗してけがを負わせたとして、警視庁は16日、東京都江戸川区が拠点の右翼団体顧問で土建業大舘守容疑者(55)=同区大杉5丁目=を公務執行妨害の疑いで現行犯逮捕し、発表した。容疑を認めているという。 同容疑者はオウム真理教の後継団体「アレフ」の施設に放火しようとして、警戒中の警察官に取り押さえられたという。「金に困って死のうと思ったが、死ぬくらいなら逮捕されようと思った。逮捕されるなら世直しのため火を付けようと思った」などと説明しているという。 公安部によると、逮捕容疑は16日午前8時ごろ、東京都足立区入谷9丁目のアレフの道場が入るビルの前で、大舘容疑者が新聞紙にライターで火を付けようとするのを見つけて制止した50代の警察官に対して、両腕を振り払うなどして暴行を加えたというもの。警察官は指を擦りむくなどのけがを負った。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル