高億翔、滝沢隆史2021年10月21日 19時04分 長野県軽井沢町で2016年、大学生ら15人が死亡したスキーバス転落事故で、業務上過失致死傷罪に問われた運行会社長ら2被告の初公判が21日、長野地裁(大野洋裁判長)であり、被告側は、死亡した運転手の初歩的な運転ミスが事故原因とし、「予想できなかった」と述べて無罪を主張した。 起訴されたのは、バス運行会社「イーエスピー」(東京都羽村市)社長の高橋美作被告(60)と、運行管理者だった元社員の荒井強被告(53)。事故は16年1月15日午前1時50分ごろ、軽井沢町内の国道18号で起き、スキー客らを乗せたバスが下り坂で時速96キロまで加速し、カーブを曲がりきれず崖下に転落。15人が死亡、26人が負傷した。 起訴状によると、荒井被告は、運転手(当時65)から雇用前に「大型バスの運転に不安がある」と聞きながら技量を把握せず、安全管理の義務を怠ったとされる。高橋被告は、運転手に関する必要な指導監督を怠ったとされる。運転手は事故で死亡し、地検は被疑者死亡で不起訴処分とした。 検察側は冒頭陳述で、死亡した運転手が、同社勤務前の別の会社では主に中・小型バスの運転に従事していたと指摘。荒井被告が、この運転手が大型バスの運転を4年半以上していないことを知りつつ雇用を決め、雇用後も適切な運転訓練を怠ったとした。高橋被告は、運転手の技量を把握しなかったと主張した。 同社の別の運転手の供述も明らかにし、死亡した運転手の技量不足のため、事故があった峠道は「(別の)ベテラン運転手が(運転して)越えるのが普通だと考えていた」と話していたとした。 一方、高橋被告は罪状認否の冒頭で事故について謝罪した後、死亡した運転手について「技量が未熟とは認識していなかった」と述べ、事故を起こすような運転を「予想できなかった」と起訴内容を否認。弁護側は、運転手が事故時にブレーキ操作をしていなかったとの見方を示した上で「初歩的な操作をしないことは予見できない」と主張し、荒井被告も「フットブレーキを踏まずに事故を起こすとは思わなかった」と訴えた。 閉廷後、事故の遺族らが記者会見した。遺族会の田原義則代表(56)は「憤りを感じ、受け入れがたい。『知らなかった』では済まされない。なぜ、組織として事故を防げなかったのかを直接、被告らに聞いてみたい」と述べ、被告側の主張を非難した。(高億翔、滝沢隆史) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「心から反省を」「なぜ今?」 河井元法相の実刑確定に地元・広島は
「なぜ今なのか」。買収事件で一審有罪となった元法相の河井克行被告(58)が21日、控訴を取り下げ、懲役3年の実刑判決が確定した。買収事件をめぐる政治不信が根強い地元・広島の関係者からは河井被告を突き放し、タイミングを疑問視する声が相次いだ。 「もう何も関係ない。実刑確定はしょうがない」。河井被告の元後援会長の男性は取材に淡々と応じた。衆院議員を辞職する時は事前に連絡があったが、今回は報道で知ったという。 河井被告の元秘書の男性は「保釈も認められず、実刑確定は間違いないと思っていたので驚きはない」と語った。後援会の支部長だった70代の男性は、衆院選の公示2日後の発表に「多少なりとも与党にプラスになればという思いがあったのかもしれない」と思いを巡らせる。「これまで地元の有権者に直接の謝罪はなかった。心の底から反省してほしい」と話した。 河井被告から現金計約2900万円を受け取った地元議員ら100人全員について、検察は不起訴としたが、東京検察審査会に審査が申し立てられている。受領した議員への有権者の風当たりは今も強い。200万円を受け取った奥原信也広島県議(79)は「けじめがついたのは本人だけ。私たちはこれからも続くのだから、(控訴を)やめてもやめなくても関係ない」と語り、検察審査会の判断の行方に気をもむ。 活動自粛を続けるある広島市議は、実刑確定により検審の議決が早く出ると推測し、「『犯罪者』扱いされ、生殺し状態が続いている。どういう結果になろうと、早く私も区切りをつけたい」と胸中を吐露した。 自民党本部が河井夫妻側に提供した1億5千万円をめぐる疑惑も残ったままだ。広島市の市民団体「『河井疑惑』をただす会」の黒川冨秋事務局長(68)は言う。「刑が確定しても、買収資金の原資が解明されない限り、事件は終わらない」 河井被告の地盤だった衆院広島3区では、「政治とカネ」が選挙戦の争点の一つとなっている。各陣営からは説明責任を問う声が相次いだ。 公明党は前職の斉藤鉄夫国土交通相(69)を擁立している。田川寿一県本部代表は「当然の判断だが、謝罪だけでなく、県民にしっかりとした説明をするべきだ」と語った。 立憲新顔のライアン真由美氏(58)は「衆院選での自民党の印象を良くするためなのかと感じる。(党総裁でもある)岸田首相が、国民が納得できる説明をすべきだ」と話した。 維新新顔の瀬木寛親氏(57)は「潔い決断だが幕引きにしてはいけない」。受領した議員への刑事処分の必要性を主張し「それなくして金権政治との決別にはならない」と訴えた。 広島3区には無所属新顔の大山宏氏(73)、「NHKと裁判してる党弁護士法72条違反で」新顔の矢島秀平氏(29)、無所属新顔の玉田憲勲氏(64)も立候補している。(候補者の年齢は投開票日現在) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
DV受けた母の死から3年、娘に給付金支給へ 家族間の犯罪、高い壁
大阪府公安委員会は、同居中の男性に暴行されて死亡した女性の娘2人が申請した犯罪被害者給付金について、不支給とした昨年の裁定を取り消し、支払うことを決めた。夫婦など親族間の犯罪は原則不支給だったが、DV(家庭内暴力)被害者救済の観点から近年、「関係の破綻(はたん)」を条件に支給されるようになった。裁判で継続的なDVが認められていたことなどを理由に決定が覆った形だ。 2人の母親木下恵さん(当時40)は2018年6月、兵庫県姫路市内で同居していた男(43)=傷害致死罪で服役中=から暴行を受け、死亡した。 大阪府在住の娘2人は翌年、府公安委に給付金を申請したが、被害者と加害者が内縁関係にあるとして、「不支給」の裁定が昨年7月に出た。2人は「母は継続的なDVを受け、別れを決意して転居先を探していた。関係は既に破綻していた」として、国家公安委員会に審査を請求。府公安委側は「事件の直前3カ月間は暴力を確認できない。関係が破綻していたとは認められない」と反論していた。 2人の代理人を務める養父(… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
コロナ対策に「ワクチン接種証明」 京都の日本料理店で実証実験開始
新型コロナウイルス対策の行動制限緩和に向けた飲食店での実証実験が21日、京都府内で始まった。ワクチン接種証明や陰性証明を使った「ワクチン・検査パッケージ」を試行する。 嵐山・渡月橋に近い料亭旅館「嵐山辨慶(べんけい)」(京都市右京区)には昼過ぎ、予約客6人が来店。従業員が2回目のワクチン接種から2週間過ぎていることなどを確認し、個室へ案内した。左京区の会社経営、岡野真之さん(47)は「食事に誘われることも誘うことも減っていたので、うきうきして来た。負担はなく、安心できる」と歓迎した。 磯橋輝彦社長(50)は「京都の料亭には400年以上の歴史がある店もあり、生き残りをかけた取り組み。元の経済活動になんとか戻ってほしい」と期待した。 実験は11月3日までで、京都市と宇治市の日本料理店23店が対象。店内に二酸化炭素濃度の測定器を設置し、濃度が基準値を上回った場合の換気対策などを記録するほか、来店から2週間後には客の健康状態も確認する。府の時短要請は21日で終わるが、感染拡大時に備えて運用を検証する。 大阪府も21日、大阪市の繁華街ミナミで25日から29日までの5日間、実証実験を行うと発表した。府の独自認証「ゴールドステッカー」を取得した飲食店12店が参加する。吉村洋文知事は「感染拡大防止と社会経済活動の両立を実現させるため」と狙いを説明した。 店舗を利用するには、ワクチンの接種証明書やPCR検査結果の通知を示す必要がある。持っていない人には店舗近くの会場で抗原検査を受けてもらう。利用した施設や日時が記録される「大阪コロナ追跡システム」への登録を促すことで、感染者の動向を一定程度把握できるという。(高井里佳子、浅沼愛) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
日常的に虐待、「おかしい」と言えぬ雰囲気か バス死亡事故の保育園
会員記事 神野勇人、西田慎介2021年10月21日 20時36分 男児が送迎バスに閉じ込められて死亡した保育園で、複数の職員による複数の園児への虐待行為が明らかになった。バスの事故をきっかけにした特別監査を通じて判明したが、なぜこれまで見過ごされてきたのか。保育園ならではの事情を理由に挙げる声もある。 福岡県と中間市は21日、中間市の双葉保育園で、職員らが複数の園児らの頭をたたくなど日常的な虐待があったと認定し、改善勧告を出した。職員らが2019年以降、園児らに対し、日常的にげんこつでたたいていたほか、「好かん」「ばか」などの暴言もあった。園児の全身をバスタオルで巻いた状態にしてトイレに長時間放置したり、バス事故後も園児の足をつかんで逆さに持ち上げたりしていたという。 バス事故に関する特別監査で実施した保護者へのアンケートで、園児への不適切な指導を指摘する回答があり、職員らへの聞き取り調査で認定した。 県によると、保育園に対しては年1回、県や市が監査に入っていた。しかし、虐待事案の相談は、特別監査が実施されるまで寄せられておらず、通常の監査では把握されていなかった。 県の担当者は「年1回の監査は日誌など書類の確認や園長への聞き取りで、不適切な保育については上がってきづらいのが現状」と説明する。 虐待が見過ごされてきた理由について、県の担当者は「保護者は、子どもがお世話になっている面もあり、非常に言いにくい。職員間にも声を上げにくい雰囲気があったのが要因だと思う」と話した。 県は今後、市町村と連携して、保護者らが匿名で行政に通報できる仕組み作りを進めるという。 双葉保育園がある中間市にも… この記事は会員記事です。残り324文字無料会員になると月5本までお読みいただけます。 【締め切り迫る!】スタンダードコース(月額1,980円)が今なら2カ月間無料!詳しくはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「核のごみ」示される民意 北海道寿都町長選が告示 調査の賛否問う
10万年にも及ぶと言われる「核のごみ」(原発から出る高レベル放射性廃棄物)の最終処分の問題が、人口2800人の北海道寿都町で持ち上がって1年2カ月。処分場選定に向けた全国初の文献調査が進むなか、町民の意思を初めて問う町長選が21日告示された。町民はどんな選択をするのか。結果しだいでは、国の原子力政策にも影響を与えることになる。(伊沢健司、佐野楓、鈴木剛志) 立候補したのは、文献調査の中止を掲げる前町議で新顔の越前谷由樹氏(70)と、調査推進で6選をめざす現職の片岡春雄氏(72)。4回連続無投票だった町長選が選挙戦となるのは20年ぶり。26日に投開票される。 越前谷氏は、片岡氏が文献調査への応募検討を表明した昨年8月から一貫して反対してきた。水産加工業者らでつくる反対派の町民の会などの後押しを受け、町議を辞職し立候補した。 21日午前、支援者や反対派の町議を前に「核のごみを受け入れない、町民が主役のまちづくりをスローガンに、町政を私たち町民の手に取り戻しましょう」と呼びかけた。 21日午前の片岡氏の出陣式には、賛成派の町議、町商工会長、地元選出の自民党の道議らが出席した。あいさつに立った支援者は町営の診療所の運営や、風力発電の売電収入などを片岡氏の実績として挙げた。 片岡氏は、核のごみをめぐる問題について「1、2年では解決できない。一緒に、これから落ち着いて勉強したい」と、文献調査の継続を訴えた。 両氏の「第一声」の聴衆の中には、今年3月に町内に現地事務所を置いた原子力発電環境整備機構(NUMO)の職員の姿もあった。 漁師たちの声は 町民は賛成派と反対派に割れている。立場が異なる漁師2人に思いを聞いた。 「このままでは寿都はだめになる」。50代男性は言う。「20年間で町は片岡さんのワンマン体制になってしまった。その頂点が文献調査の受け入れを独断で決めたことだ」 「昔と変わらない寿都を子孫に残したい。核のごみの施設がある町を子孫はどう思うんだろう」 核のごみの問題は漁業にも影を落とす。「寿都の魚は買いません、と言ってきた人もいる」。片岡氏を推す漁師仲間と言葉を交わしただけで、双方の支持者から疑いの目を向けられることもある。「この分断は越前谷さんが勝つことでしか解消されない」 一方、20代男性は「周りの同世代では賛成が多いですね」と話す。 妻の出産を機に、町の子育て支援策が手厚いことを知った。「長く町づくりをしてきた片岡さんのおかげ。信頼している」 片岡氏は概要調査の前の住民投票で町民の意思を確かめると強調し、「まずは勉強を」と文献調査の必要性を主張する。男性も、文献調査の後に町民の意思を示せばいいと考えている。「僕は文献調査の20億円の交付金をもらえる段階まででいいと思う。寿都には20億円で十分でしょう。町民の不安を消すためにはそこで終わりでいい」 越前谷由樹氏(無新)の第一声 核のごみは大事な争点だ。寿都は町民間の分断が大きい。町民の不安や苦しみを解消するためには文献調査を撤回するしかない。核のごみに翻弄(ほんろう)されない元気な寿都を回復させる。これはお金には代えがたい。 調査応募に先駆けて住民投票を行うべきだった。町民をおいてけぼりにしたやり方であり、民主主義の基本をなしていない。町民の信任、判断を仰ぐのが地方自治の本来の姿だ。 町の予算は大きく膨れあがっている。財政悪化を理由に核のごみの交付金を受け取るのはおかしい。身の丈に合った予算を心がけ、財政改革を行う。 町の基幹産業である漁業に重点を置き、町役場に水産課を設ける。漁業で将来の経営に夢を抱ける体制づくりが必要だ。 核のごみの問題で損なわれた近隣町村との関係を修復し、産業、都市、スポーツ文化の交流を進める。 片岡春雄氏(無現)の第一声 5期20年はあっという間だった。お金がないこの町をどうやって運営していくのか、相当悩んだ。安心した暮らし、産業振興に重点を置くにも資金が必要だ。風力発電はチャンスだった。順調にいったおかげで、私のまちづくりの思いが着々と進んだ。 しかし20年で人口は1200人減った。働く場がないからだ。6期目に向けての一番の仕事は、若い人の働く場所をつくること。サーモン養殖、農業の施設栽培に活路を見いだしたい。 町長選の争点は、核のごみだと一部で言われている。しかし、勉強しないことには判断できない。概要調査に移るときには賛成か反対か判断してもらい、私は町民の思いに従って結論を出す。 議論を全国で展開しないと日本の使用済み核燃料はどうなるのか。「みんなで議論しましょうよ」というのが一石を投じた思いだ。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
渋谷駅周辺、ハロウィーン期間は路上飲み禁止「今年も家で」呼びかけ
武田啓亮2021年10月21日 20時54分 ハロウィーンの大混雑を防ぐため、東京都渋谷区は29~31日の夜間から早朝にかけて、渋谷駅周辺の路上飲みを制限する。新型コロナウイルスの感染状況の改善を受けて、都が25日以降、飲食店での酒類の提供に関する制限を解除することなどから、「自粛が長引いた反動もあって、人出が増える可能性が高い」と警戒している。 同区が21日の記者会見で発表した。路上飲みの制限は24日と29~31日、ハチ公前広場などの駅周辺や、渋谷センター街、道玄坂や文化村通りなどの繁華街が対象エリアになる。時間は最大で午後6時~翌日午前5時。制限の根拠は、区が2019年に制定した、ハロウィーンや年末のカウントダウンの際の迷惑行為に対応するための条例に基づく。約100人の警備員を配備し、区職員のパトロールも実施する。 また、30日と31日は、近くのコンビニなど42店舗に対し、酒類の販売の自粛を要請する。コロナ禍前のハロウィーンの際に設けていた仮設トイレや着替えスペースも設置しない。 コロナ禍だった昨年のハロウィーンは、仮装を楽しむ人がいたものの、一昨年よりも大幅に人出が減った。区は昨年に続いてオンラインのイベントも企画し、「街に出ずに楽しんで」と呼びかける。長谷部健区長は記者会見で、「お祭りごとを楽しみたい気持ちを否定するつもりはないが、感染拡大を防ぐためにも自宅で過ごしてほしい」と述べた。(武田啓亮) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
週刊新潮、19歳少年の実名と顔写真掲載 甲府2人死亡火災めぐり
2021年10月21日 21時18分 甲府市の住宅が全焼し、会社員井上盛司さん(55)と妻章恵さん(50)の遺体が見つかった事件で、傷害容疑で逮捕された19歳の少年について、週刊新潮は21日発売の10月28日号で少年の実名と顔写真を報じた。山梨県弁護士会は21日、記者会見し、少年の特定につながる報道は少年法に違反すると抗議した。 記事は、少年の小学校時代なども紹介し、高校の同級生が語る学校生活の様子を報じている。同誌編集部はコメントを出し、「本件犯行により無辜(むこ)の二人の生命が奪われた。死に至る被害者の恐怖や無念は筆舌に尽くしがたく遺族の痛苦や悲憤は察するにあまりある」と指摘。結果の重大性などに触れ「容疑者が19歳の少年といえども実名・顔写真を含め、その実像に迫る報道を行うことが常識的に妥当であると判断した」としている。 県弁護士会の八巻力也会長は「実名と顔写真の掲載は断じて許容できず強く抗議する」と語った。少年の更生や社会復帰を阻害する恐れが大きいと批判。少年の弁護を担当する伏見彩弁護士も取材に「実名と顔写真で本人を特定しており少年法に違反している」としている。 今年5月成立の改正少年法は18歳、19歳を「特定少年」と位置づけ、来年4月以降に起訴されれば、実名などの報道を禁じる規定が適用されないと定めている。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
園児遺族「不信感ますます募る」 バス閉じ込め事故、改善勧告2度目
佐々木亮2021年10月21日 21時40分 福岡県中間市の双葉保育園で今年7月、送迎バスに閉じ込められて亡くなった倉掛冬生(とうま)ちゃん(当時5)の遺族は21日、県と市が園に2度目の改善勧告を行ったことについて、代理人弁護士を通じてコメントを公表した。 遺族は「当時の園に対して不信感を抱いておりましたが、今回の改善勧告で遺族も把握してなかった事実が指摘されており、大変驚くとともに園に対する不信感をますます募らせています」としている。 冬生ちゃんは7月29日、朝の送迎バスに閉じ込められ、熱中症で死亡した。バスは当時の園長が1人で運行していたが、全員の降車を十分に確認しないままバスを施錠していた。他の保育士らも冬生ちゃんが園にいないことに気づかず、保護者に欠席の確認もしていなかった。(佐々木亮) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
保釈中のGPS装着、侮辱罪の厳罰化が答申 仲裁手続き見直しも
2021年10月21日 19時17分 保釈された被告らの逃亡を防止するための方策について、法制審議会は21日、古川禎久法相に答申した。海外逃亡の恐れのある被告に全地球測位システム(GPS)端末の装着を可能にするなどの内容で、答申をもとに法務省は、早ければ来年の通常国会への提出も視野に、刑事訴訟法や刑法の改正案をまとめる。 答申などによると、GPS端末の装着は裁判所が命令し、あわせて空港や港湾施設の周辺などを「所在禁止区域」に指定。被告が区域に立ち入った場合や、義務に反し端末を外したり壊したりしたことを端末が検知すれば、裁判所に通知され警察官などが必要に応じ身柄を拘束する。いずれの場合にも1年以下の懲役の罰則も設ける。 答申には、控訴審に被告の出廷を要しないとする現行規定の見直しも盛り込まれた。禁錮以上の刑の罪で起訴され保釈中の場合は判決期日への出廷を義務づけ、実刑ならその場で収容できるようにする。また、判決の確定後も保釈されたまま逃げている被告を対象に、捜索や差し押さえなどの強制捜査を新たに可能にする。これらの方策を組み合わせ、保釈保証金により逃亡を抑止する現行の仕組みの強化を図る。 日産自動車の元会長カルロス・ゴーン被告が保釈条件を破ってレバノンへ出国するなど、保釈中の被告らの逃亡が2019年に5件相次いだ。翌20年2月の諮問を受け、6月から法制審の部会で検討が進められてきた。 21日はほかに2件の答申が行われた。1件は、公然と人を侮辱した場合に適用される侮辱罪の法定刑を引き上げる刑法改正。ネット社会の定着とともに中傷被害が深刻化していることを受けた厳罰化で、拘留(1日以上30日未満の収容)と科料(千円以上1万円未満の徴収)とする現行の規定に、1年以下の懲役・禁錮と30万円以下の罰金を追加する。これに伴い公訴時効も1年から3年に延びる。 もう1件は、商取引の紛争を解決する裁判外の「仲裁手続き」を見直す仲裁法の改正。手続きが終わるまで紛争当事者に財産の処分などを禁じる「暫定保全措置」について、現行法上はない強制力を持たせるため、違反した場合に違反金を支払わせるなどの内容だ。取引の国際化への対応の遅れが課題になっている。 法務省はいずれの改正法案も来年の通常国会までに提出したい考えだ。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル