ガタンゴトン、ガタンゴトン……。シャボン玉石けん(北九州市)の本社工場では、固形せっけんが次々と流れ、機械で袋詰めされていた。1分間に最大約80個をつくる。ラインでは従業員が一つひとつ手にとって、商品に傷や汚れがないか確かめていた。 少量多品種に対応するため従業員による手作業の工程は多い。一方で、カメラが所々で目を光らせ、自動で不具合のある商品を取り除くといったデジタル化にも取り組んでいる。 新型コロナウイルスの感染が拡大した昨春、工場は増産対応に追われた。稼働時間を通常の6時間から12時間に増やし、社員にも交代制を敷いた。工場長の藤島聡さん(48)は「商品が出せないのはつらい。とにかく急いで作ろうと必死だった」と振り返る。 感染症対策としてせっけんや… この記事は会員記事です。残り499文字無料会員になると月5本までお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
激甚化する災害 事前防災から復興まで、一元対応する組織がない日本
会員記事 山本孝興、吉沢英将2021年10月25日 20時00分 近年の自然災害は、気候変動に伴って激甚化と広域化が進む。ただ、国には事前防災や発生対応、復興まで一元管理する組織がない。対応の最前線に立つ自治体や被災者からは、知見不足や復旧のスピード感のなさに不満の声が上がる。 2年前の台風19号で、千曲川の堤防が決壊した長野市長沼地区。氾濫(はんらん)した水は濁流となり、住宅を押し流した。水が引いても大量の土砂やがれきが残った。 「復旧に不安を抱えた多くの住民が街を離れた。コミュニティーはボロボロになった」。住民自治協議会長だった柳見沢宏さん(69)はこう話す。自宅は全壊判定を受け、小学校の体育館などで避難生活を送った。いまは修理を終えた自宅に戻り暮らしている。 被災後、長野市の災害公営住宅政策は混乱した。 昨年3月の住民アンケートで、長沼地区での建設要望が複数あり、当初、市は前向きだった。その後、浸水想定区域の区内での建設には2・5メートルの盛り土が必要になった。戸建てにするのか。そもそも建てていいのか。時間がかかるうちに住民は移住し、希望者は減っていった。 市は被災から2年となる今月6日、長沼地区での建設を断念すると表明した。住民と行政の橋渡し役だった柳見沢さんは「行政は復興に時間をかけ過ぎた」と振り返る。 建設が決まった隣接の豊野地区でも住民が離れていった。当初、建設戸数を超える110世帯の希望者がいたが、今年7月の本申込時には68世帯に減っていた。「災害公営住宅の経験がなく、判断に時間がかかった。ここまで希望者が減るとは思わず、住民の心の動きを読めなかった」。市の担当者はこう述べた。 自治体が運営する災害公営住… この記事は会員記事です。残り1470文字無料会員になると月5本までお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
警視庁保管の証拠データ破損 覚醒剤事件、逮捕日のカメラ動画
独自 新屋絵理2021年10月26日 5時00分 覚醒剤取締法違反の罪に問われた男の公判前整理手続きで、東京地検が証拠品として開示したDVD内の動画データが破損して逮捕日の動画が見られない状態になっていることがわかった。逮捕当時の男や警視庁の警察官の行動が、11月1日に始まる公判の争点になっている。 破損したのは、2020年1月8日に男の自宅前を秘匿カメラで撮影した動画データ。この日、車で帰宅した男を警察官が取り押さえ、同法違反(所持)の疑いで逮捕した。男は使用の罪で起訴された。 弁護側は東京地裁での非公開の公判前整理手続きで、男が逮捕直前、男の車にあったペットボトルの水を警察官から渡されて飲み、その中に知人が使った覚醒剤が混じっていたと主張。故意には摂取していないと無罪を訴えた。検察側はペットボトルは未開封だと反論した。 動画の存在、弁護側の証拠開示請求で判明 弁護側は、客観的に主張の真偽を確かめるため、逮捕時の様子を撮影した動画を証拠として開示するよう要求。検察側は当初「撮影していない」と否定したが、秘匿カメラの存在を弁護側に指摘されると、8日間分ある動画のうち逮捕日の映像のみが「破損して見られない」と答えた。撮影したのは男を確保する直前までで、その後は撮影していないとも主張した。 これを受け地裁は今年6月、捜査主任だった警部補に対する異例の証人尋問を公判前整理手続きで実施した。警部補は、確保した様子を撮影しなかった理由について「男を確保するため捜査車両のエンジンを切って車を降りたら、車内の映像受信機の電源が切れた」と証言したという。 検察側、「データの書き込みで閲覧できなくなった可能性」 検察側は9月、地裁や弁護側に、愛宕署内で保管中に行われたデータの書き込みで閲覧できなくなった可能性があると説明。破損データを解析したところ「(データの書き込みを可能にする)『フォーマット』がされた記録」があったとした。この書き込みと破損の関係はわかっていないが、破損の原因は今後も調べるという。 弁護側は、故意に証拠が隠滅された可能性があるとして警察側を告発する方針。警視庁は朝日新聞の取材に「公判中のためコメントは控える」としている。(新屋絵理) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
義父と実母に懲役13年求刑 3歳児虐待死、実母は一部無罪を主張
吉田啓2021年10月25日 20時00分 3歳の長男を虐待死させたとして傷害致死などの罪に問われた、いずれも無職で義父の末益涼雅(りょうが)被告(24)=福岡県中間市=と、実母の歩被告(23)=同県八女市=の裁判員裁判が25日、福岡地裁小倉支部で結審した。検察側は両被告に懲役13年を求刑した。 検察側は、両被告は結婚してから間もない昨年6月ごろから、長男の愛翔(まなと)ちゃん(当時3)が言うことをきかないときは暴力を加えるという共通認識があった、と指摘。けがや死亡はどちらの暴力が原因かはっきりしないが、SNSでのやり取りなどで互いの暴力を容認、助長しており、共謀が成立すると主張した。 涼雅被告側は共謀の成立を認める一方、被告が反省の態度を示し、社会的な制裁も受けているなどとして懲役7年を求めた。 歩被告側は、事件当時、歩被告は涼雅被告から外出や他者との交流をSNSなどで監視、制限される精神的ドメスティックバイオレンス(DV)を受けていたと主張。愛翔ちゃんの恥骨が折れるなどした傷害事件で暴力を振るったのは涼雅被告で、暴力の容認はDVの影響で半ば強制されたもので共犯は成立しないと訴えた。また、愛翔ちゃんが致命傷を負った際には寝ていて関与しておらず、傷害致死罪について成立しないとして無罪を主張。愛翔ちゃんの口にペット用のトイレ砂を入れるなどした暴行罪についてのみ執行猶予付き判決が相当とした。(吉田啓) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
時短解除の大阪、新世界の串カツ店も盛況 通天閣は緑にライトアップ
大阪や東京など5都府県で25日、飲食店に対する営業時間の短縮要請が解除された。大阪府内全域での解除は11カ月ぶり。府内各地の飲食店は深夜までにぎわった一方、「第6波」を見据えた実証実験もスタート。コロナとの共存を模索する日々が始まった。 25日夜、大阪市の通天閣は、大阪府の感染状況を示す独自基準「大阪モデル」で警戒解除を意味する緑色にライトアップされた。 近くの串カツ店「新世界おやじの串や」は、ひっきりなしに客が訪れていた。前日まで府の時短要請に従って午後9時で閉店してきたが、この日から午後11時までの通常営業に。男性従業員(55)は、「今までは会社帰りの人が『これから』という時間にラストオーダーだった。今日はあいにくの雨だけど、明日から上向くかな」と喜んだ。 25日の府内の新規感染者は26人で、ピークだった9月1日の3004人から激減した。25日時点の病床使用率も6・2%、うち重症病床の使用率も9・1%まで減少した。 感染の「第6波」が来ても、日常生活を続けていくための試みも始まった。 大阪・ミナミの道頓堀周辺の飲食店12店が参加し、政府の「ワクチン・検査パッケージ」の実証実験がスタート。ワクチン接種証明や陰性証明を持つなど感染リスクの少ない人に入店してもらい、休業や時短営業といった制限を緩和する狙いがある。 実験に参加した「串かつだるま 道頓堀店」では従業員が来店客に協力を呼びかけていた。ミナミの飲食店など約500店が参加する「コロナからミナミを復興する商人の会」代表でオーナーの上山勝也さんは「コロナをいち早く収束するための実験になるなら、時間がかかるために客足が減るリスクを背負ってでも協力する」と話した。 実験では、感染者の動向を一定程度把握し、他の利用者に周知するための「大阪コロナ追跡システム」も利用する。店ごとのQRコードをスマホで読み込み、メールアドレスを登録すると、利用施設と日時が記録される仕組みだ。入店者の名簿をつくる代わりにすることで来店者や店側の手間を減らすという。 ワクチン接種証明を持っていない人も利用できるよう、府は店舗の近くに臨時の抗原検査場も設置した。5分程度の検査を受け、陰性なら店を利用できる。実験に参加するたこ焼き店を利用するために検査を受けた名古屋市の40代の会社員女性は、「感染がわかるならと思い検査を受けに来た。手間でも、安心して入店できるならいいと思う」と話していた。実験に協力した人には、企業が提供した50枚入りのマスクがプレゼントされた。 実証実験は29日まで。府の担当者は、「第6波が来ても感染対策と経済活動を両立するため、どれだけ手間や時間がかかるか、課題を確認したい」と話す。(浅沼愛) 25日からの大阪府の主な要請内容 【飲食店(ゴールドステッカー認証店)】 午後9時までの時短営業(酒類提供は午後8時30分まで)→いずれも解除 同一グループ4人以内→1テーブル4人以内に分ければ5人以上も可 カラオケの利用自粛→解除 【飲食店(非認証店)】 午後8時までの時短営業(酒類提供は終日自粛)→いずれも解除 同一グループ4人以内→継続 カラオケの利用自粛→解除 【百貨店、大規模商業施設】 午後9時までの時短営業(法に基づかない働きかけ)→解除 【映画館、劇場、運動施設】 午後9時までの時短営業(法に基づかない働きかけ)→解除 人数制限→継続(11月1日以降は上限緩和) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
東武東上線が一時運転見合わせ、午前1時再開 下赤塚駅で人身事故
2021年10月26日 1時38分 【東武鉄道発表】東武東上線は25日午後10時27分ごろ、下赤塚駅で発生した人身事故の影響により、池袋―和光市駅間と森林公園―小川町駅間の上下線で運転を見合わせていたが、26日午前1時2分ごろ、運転を再開した。影響人員は、約1万3千人。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
20年前に主婦殺害した疑い、67歳逮捕 「記憶にない」否認 広島
広島県福山市明王台5丁目の主婦(当時35)が2001年に自宅で殺害された事件で、広島県警は25日、福山市西新涯町1丁目、無職竹森幸三容疑者(67)を殺人容疑で逮捕し、発表した。「記憶にない」と容疑を否認しているという。 逮捕容疑は、01年2月6日午後0時45分ごろ、大石朝美さん宅で、大石さんの腹部を果物ナイフで突き刺すなどして殺害したというもの。 福山西署捜査本部によると、2人は面識がなかったとみられるという。今月上旬に竹森容疑者が捜査線上に浮かび、現場に残された物的証拠が逮捕の決め手になったという。事件当時、竹森容疑者は福山市内で造園業を営んでいたとの情報があるという。捜査本部は、果物ナイフは容疑者が持参したとみている。 主婦は夫と2人の子どもの4人家族だった。事件当時は、自宅に9カ月の長女と2人でいた。01年2月6日午後1時ごろ、自宅の非常警報装置が作動し、警備会社からの110番通報で駆けつけた警察官らが、玄関近くの階段で倒れている主婦を見つけた。左脇腹には果物ナイフ(刃渡り約10センチ)が刺さっていた。現場には、犯人が履いていたとみられるテニスシューズ(28センチ)の足跡や犯人のものとみられる血痕などもあった。 捜査本部によると、これまでに捜査員延べ18万人を投入し、162件の情報が寄せられていた。 県警「近年の公開捜査で多数の情報」 広島県福山市の主婦(当時35)が2001年に自宅で殺害された事件は25日、67歳の無職の男が殺人容疑で逮捕され急展開した。 広島県警は午後8時から捜査本部がある福山西署で記者会見を開いた。発生から20年後の容疑者逮捕について、上新宏一・刑事部長は「有力な手がかりが得られなかったが、近年の公開捜査で多数の情報が得られた」と述べ、情報提供に感謝を述べた。 会見が開かれた署の道場には… この記事は会員記事です。残り766文字無料会員になると月5本までお読みいただけます。 【締め切り迫る!】スタンダードコース(月額1,980円)が今なら2カ月間無料!詳しくはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
阿蘇山、再び噴火の恐れ 「20日と同程度」、気象台が警戒呼びかけ
2021年10月25日 21時30分 福岡管区気象台は25日、今月20日に噴火した熊本県の阿蘇山・中岳第1火口について、再び同程度の噴火が起きる可能性があると発表した。火口から約2キロ以内で噴火に伴う大きな噴石や火砕流への警戒を呼びかけている。 気象台によると、24日夜から25日未明にかけて火山性微動の振幅が急激に増大。25日昼からは中岳第1火口を震源とする火山性地震が増えているという。 阿蘇山は20日の噴火で噴火警戒レベルが3(入山規制)に引き上げられ、火口から約2キロ以内への立ち入りが規制されている。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
コロナ協力金「違約金」督促する偽弁護士 事務所に電話すると…
コロナ禍で時短営業などの要請に応じた飲食店に支給される東京都の感染防止対策協力金をめぐり、新たな詐欺の手口が確認された。都の担当部局や弁護士を装って店主に「不正受給」を指摘、違約金を振り込ませようとするものだ。都は注意を呼びかけている。連絡先となっている「弁護士」を、記者が電話で直撃した。 東京・新橋のスナックに21日、文書が届いた。「東京都」と印字された封筒にはA4判の「督促状」が5枚入っていた。 文書は「『東京都感染拡大防止協力金』の不正営業に関する都の対応について」という題。「『営業時間の短縮と21時以降の酒類の提供を取りやめた』と偽って協力金を請求した。違約金を支払わなければ、協力金は支給しない」と書かれていた。18日付で、送り主は都産業労働局から委任されたという「重田有都弁護士」、宛先はスナックの店名だった。 都が時短要請などを緩和した10月の「リバウンド防止期間」の深夜に酒類を提供したとして、違約金18万円を求めていた。「拒否すれば協力金は支給せず、応じれば店名を公表せずに厳重注意にとどめる」といった記載もあった。振込先の口座番号や「弁護士事務所」の電話番号があり、「相談窓口」として都産業労働局の偽の電話番号が書き添えてあった。押印もあった。 ただ、店はこの期間は休業していた。店側が「弁護士事務所」に問い合わせると、電話口の男は「不正に営業した証拠がある」と話し、違約金を「至急振り込むように」と迫った。 弁護士会などに確認し、「重田有都」という弁護士が実在しないとわかった。店長の30代女性は「身に覚えのない請求だが、本物かと思った。切手や消印がなく、犯人が店まで投函(とうかん)しに来たと思うと怖い」と話す。後日、警察に相談したという。 都産業労働局はこうした督促状を発行していないといい、担当者は「詐欺の手口。不審に思ったら連絡してほしい」と話した。実際に被害が出ているかは確認できていないという。問い合わせ先は感染拡大防止協力金等コールセンター(0570・0567・92)。 実在しない「弁護士」の言い分は 飲食店に届いた文書の送り主という「弁護士」の事務所にはウェブサイトがあり、所属弁護士だとする男女の写真や経歴が並ぶ。 記者が日本弁護士連合会に確認したところ、弁護士は実在しなかった。事務所の所在地も偽りだった。 巧妙な手口を仕掛けているのは何者なのか。問い合わせ先に電話すると、弁護士を名乗る男が出た。男は記者の問いに次のように答えた。 ――重田弁護士ですか… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
20年前の主婦殺害事件、容疑者を逮捕 広島県警
2021年10月25日 19時12分 広島県福山市明王台5丁目の主婦(当時35)が2001年に自宅で殺害された事件に関与したとして、広島県警が容疑者を逮捕したことが捜査関係者への取材でわかった。捜査本部は25日午後8時から記者会見を開き、発表する。 事件は01年2月6日に発生。同日午後1時ごろ、女性宅の非常警報装置が作動し、警備会社からの110番通報で駆けつけた警察官が、玄関近くの階段で死亡していた女性を見つけた。左脇腹には刃渡り約10センチの果物ナイフが刺さっていた。現場には容疑者が履いていたとみられるダンロップ製の靴(28センチ)の足跡もあった。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル