10月なのに、秋の気配があまり感じられない――。それもそのはず、10月上旬の平均気温は西日本を中心に平年を大きく上まわり、10月の歴代最高記録の更新も各地で相次いでいる。 東京都心は10月に入り、上旬の10日間で8日が最高気温25度以上の夏日となった。11日も暑かった。真夏日には届かなかったが、午後1時過ぎに29・3度を記録した。昨年10月の11日までの夏日は3日間だけだった。この日は午後4時現在、全国120地点で真夏日になるなど、10月としては記録的な暑さが続く。 気象庁によると、10月上旬の平均気温は平年と比べ、北日本で1・9度、東日本で2・8度、西日本で3・0度高いという。 大分県日田市は3日に猛暑日となる35・7度を記録。10月の過去最高にあと0・3度まで迫り、全国歴代2位だった。暑さは北日本にも及ぶ。札幌市では4日に27・3度を記録して10月の過去最高になった。4日の青森市の30・3度は、歴代で最も遅い真夏日だ。 暑さをもたらしたのは、太平洋高気圧だ。気象庁によると、10月に入って日本列島全体を覆う日が続き、「おおむね夏と同じ大気の状態」と担当者。この時期に寒気をもたらす偏西風が北に寄り、高気圧が張り出しやすい状態という。 ただ、暑さは今週末以降、和らぐ見通しだ。大陸側から涼しく乾いた風が吹き込むため、列島に秋の空気をもたらすという。気象庁は今後、気温の変化が大きくなるとして体調管理に注意を呼びかけている。(吉沢英将) 10月に気温30度以上の真夏日になった観測地点数 1日…103 2日…105 ※東京都心で真夏日 3日…150 ※大分県日田市で10月全国歴代2位の35・7度 4日…166 ※札幌市で10月最高の27・3度を記録。青森市で史上最も遅い真夏日 5日…134 ※岡山県新見市など計5地点で10月の最高に 6日…110 ※愛知県蒲郡市など計7地点で10月の最高を記録 7日…78 8日…129 ※群馬県みなかみ町で10月最高を更新 9日…134 ※山口市で10月最高の31・5度を記録。計4地点で10月最高に 10日…177 ※福岡県宗像市など19地点で10月の最高に 11日…120(午後4時現在) ※全国919地点。気象庁による Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
モノ言う女性がたたかれない社会に 安全なオンライン空間を求めて
女性たちが安心してオンラインで声を上げられる社会に変えていこう――。そんな願いを込めた社会運動が「国際ガールズデー」の11日、旗揚げした。オンライン上での女性を狙ったバッシングやヘイト表現の深刻化を受け、法整備や被害者の孤立防止と支援を求め、今後署名活動を展開していくという。 運動の名称は「オンライン・セーフティー・フォー・シスターズ」。呼びかけ人は、ライターの石川優実さん(34)、市民運動家の菱山南帆子さん(32)、コラムニストの伊是名夏子さん(39)。同日、記者会見を開いた。 職場での女性へのヒールやパンプスの強要反対を訴えてきた石川さんは「これは女性差別だと表明した途端に批判が急増した。『死ね』と言われ続け、死なないと止まらない、という気持ちになった」と語り、声を上げる女性を黙らせるために狙いを定めて攻撃していると指摘。「誰かを自殺に追いやる前に法整備を進めてほしい」と訴えた。 菱山さんは8月にあった小田急線車内での刺傷事件に関連し、女性であることを理由にした殺人を意味する「フェミサイド」を許さないと発言したところ、「よく切れますよ」との言葉を添えた牛刀の写真が送られてきたという。 菱山さんは「こんな仕打ちに耐えられる人だけが声を上げられる社会はおかしい。表現の自由の制限を求めているのではなく、自由に安心して発言できる社会にするための取り組みだ」と訴えた。 車いすユーザーの伊是名さんは今年4月、JRの無人駅で降りたいと申し出たら、乗車拒否されたやりとりをブログでつづると、「醜い生き方」「うそつき」といった誹謗(ひぼう)中傷だけでなく、不正受給をしているといったデマにさらされたという。家族の勤務先や自宅にも嫌がらせがあり、「生活がずたずたになった」と話した。 こうした書き込みを「見なければいい」「気にしない方がいい」という風潮について、伊是名さんは「学校でのいじめの被害者に『学校を休んだら』と提案するのと同じ。問題解決にならない。私がSNSをやめても新たな標的が攻撃を受けることになる」と指摘した。 同席した尾林芳匡弁護士によると、こうした攻撃は、刑法の名誉毀損(きそん)や侮辱、脅迫罪にあたる可能性があるが、数が多く、対処されないまま繰り返されているという。バッシングはツイッターのほか、ヤフーのコメント欄やアマゾンの書籍のレビュー欄などにも及ぶ。 石川さんは「SNS事業者に対処を義務づける法整備が必要。被害者を孤立させないために支援者の育成にも取り組んでほしい。衆院選を前に、各政党に要望していく」と話す。 現在、ホームページでアンケートを実施している(https://onlinesafetyforsisters.com)。今後は署名活動を検討していくという。(机美鈴) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「おっちゃん政治から脱却を」大阪自民が女性政治塾、意見交換の場も
自民 増田勇介2021年10月11日 19時30分 自民党大阪府連は10日、女性活躍を進めるための組織「watashiba(わたしば)」を設立した。仕事や子育てといった身近な課題を話し合う場を設けて政策づくりにいかすとともに、女性の地方議員を養成する政治塾も立ち上げて、2023年の統一地方選での擁立をめざす。 世界経済フォーラムがまとめたジェンダーギャップ指数ランキングで、日本は世界156カ国中120位(2021年)と低迷。評価の対象となる経済、政治、教育、健康の4分野のうち、特に政治は147位と低い。自民党大阪府連によると、府連所属の国会議員や地方議員約200人のうち女性議員は国会議員4人と地方議員16人の計20人にとどまっている。 現状を変えようと、わたしばとして、一般の女性も参加する意見交換の場「キヅキテラス」と、女性向けの政治塾「女政のチカラ」を設ける。意見交換の場で政治を通じた問題解決ができると感じてもらうことで、政治参加へのハードルを下げ、政治塾への参加も促す。府連によると、全国の自民党の都道府県連では初めての試みだという。 10日には、「トイレから見た女性問題」として参加した地方議員と一般の参加者ら約50人が議論。災害時のトイレ問題の講義を聞いた後に、4人一組になって議論を交わした。 わたしば本部長の松川るい参議院議員は、外務省職員時代に初代の女性参画推進室長を務めた。「グローバルスタンダードを意識したい。国際会議や商談では、相手の国は半分は女性なのに、こっちはなぜかみなブラックスーツ。女性がポテンシャルを発揮できたら、女性だけではなく男性も若い方も高齢者も障害のある方も活躍できる幸福度の高い社会になるのでは」と話し、「大阪自民に新しい風を吹かせます。口は悪いかもしれませんが、いわゆる『おっちゃん政治』から脱却します」と決意を語った。(増田勇介) Think Gender 男女格差が先進7カ国で最下位の日本。生きにくさを感じているのは、女性だけではありません。だれもが「ありのままの自分」で生きられる社会をめざして。ジェンダーについて、一緒に考えませんか。[記事一覧へ] Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
同性カップルの法廷での訴えは「余計なもの」 署名提出後に一転実現
同性同士の結婚が認められないのは「婚姻の自由」を保障した憲法24条などに反するとして、同性カップルらが国に賠償を求めた訴訟で7人の原告の本人尋問が11日、東京地裁であった。「(婚姻に相当する関係であると証明する)パートナーシップ制度はお守りみたいなもので法的効力はない。男女の結婚と同じ権利がほしい」と訴えた。 同性カップル3組を含む原告らは、同性パートナーとの婚姻届を提出したが同性であることを理由に受理されず、同性婚を認めない民法などは違憲だとして2019年に提訴した。 パートナーの病状、説明受けられず この日の本人尋問で、東京都の40代の会社員女性は、パートナーの50代女性が16年に乳がんを患った際の体験を語った。闘病でパートナーの収入が減っても所得税の配偶者控除が認められず、「法的な婚姻関係と違う不平等を感じた」。仮にパートナーが亡くなった場合、パートナーと元夫との子どもを育てる親権がないことも不安だったといい、「法的に結婚できずつらい思いをする人は、私で終わりにしたい」と訴えた。 東京都の50代の会社員男性は、ともに原告となったパートナーの男性(当時61)を今年1月に病気で失った。病院では「付き添いだ」と話したが、医師から血縁者を呼ぶように言われ、パートナーの病名や病状の説明を直接受けられなかった。 ただ、亡くなる直前に「ずっとそばにいるよ」と伝えることだけはできた。「法的に結婚していないと(関係性が)認められず悔しかった」と、言葉をつまらせながら説明した。 本人尋問は、原告ら本人が法廷に立ち、被告側や裁判官の尋問に答えることで事実を証明する方法だ。原告の弁護側によると、19年の裁判中の進行協議で田中寛明裁判長が、原告の個別事情は「夾雑物(きょうざつぶつ)(余計なもの)」と述べ、本人尋問を認めない判断を示したという。 そこで原告らは今年2月、「本人の言葉を聞いて判断してほしい」と尋問を求める約1万8千筆の署名を地裁に提出。4月に新しく代わった池原桃子裁判長が本人尋問の実施を決めた。 同性婚をめぐる集団訴訟は全国五つの地裁、高裁で係争中だ。今年3月、同性婚を認めない民法などの規定は「法の下の平等」を定めた憲法14条に反すると判断した札幌地裁でも、原告5人の本人尋問が行われた。(村上友里) パートナーシップ制度、110自治体に 国が認めていない同性カップルの「婚姻関係」を、自治体が独自に認める動きが全国で広がっている。 婚姻に相当すると証明する「… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
低レベル廃棄物を認可外「仮置き」 福島第一原発、保管場所に移さず
東京電力福島第一原発の廃炉に伴って出る低レベル放射性廃棄物について、東電は11日、少なくとも約5万7千立方メートル(9月末時点)を、法令に基づいて国が認可した場所ではなく、敷地内の148カ所に仮置きしていることを明らかにした。仮置きは今年に入って急増しており、原子力規制委員会は早期の解消を求めている。東電は、正規の保管場所に移すなどの対応には約1年半かかるとしている。 原子炉等規制法に基づいて規制委が認可した東電の計画では、がれきなどの放射性廃棄物は、決められた屋外の保管場所に運ぶことになっている。現在の保管量は約30万立方メートルに上る。これとは別に、東電は作業の都合ですぐに運び込めない場合もあるとして、認可外の仮置き場を設置。ここに廃棄物を仮置きし、速やかに正規の保管場所へ移すとしていた。 東電は同日の規制委の会合で、仮置き場は9月末時点で148カ所あると説明。そのうち17カ所は保管容量1千立方メートル以上の大規模なもので、昨年11月時点の2カ所から大幅に増えた。この17カ所だけで計約5万7千立方メートルの廃棄物が置かれているという。 なぜ、こうした仮置きが横行… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
食糧危機救う救世主? うどん麺に100匹分練り込んだその味は
2021年10月11日 20時00分 コオロギ約100匹分の粉末を練り込んだカップ麺「コオロギうどん」が販売されている。見た目はそばのようで、「エビのように香ばしい」。810円。 昆虫食専門店を運営する日本サプリメントフーズ(福岡市)が開発。原形のままだと敬遠されがちな昆虫食を、抵抗なく食べられるよう工夫した。 世界的な食糧危機の解決に、国連食糧農業機関も昆虫食を推奨している。フーズ社の担当は「コオロギが身を粉にしてくれました。ぜひお試しを」。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
頭のこぶ「自らぶつけた」と推測、保護に踏み込まず 大阪3歳児死亡
会員記事 野崎智也、山本逸生2021年10月11日 21時00分 大阪府摂津市で8月、新村桜利斗(おりと)ちゃん(3)が死亡し、母親の交際相手の松原拓海(たくみ)容疑者(24)が殺人容疑で逮捕された事件で、4月に桜利斗ちゃんの頭にたんこぶが見つかり、マニュアル上は暴行を疑うべきなのに、市が推測で自分でぶつけた傷と判定していたことがわかった。5月には耳付近にあざも確認され、併せれば子への保護を強める措置が必要なケースに該当したとみられ、府の有識者部会は検証を進める。 市によると、職員による虐待のリスク判断には、府のアセスメントシートを用いる。 子どもの状況についての評価にあたっては「顔面・頭部への強い攻撃」「衰弱が起きている」「情緒的な問題が顕著である」など52項目から該当するものを選ぶ。それぞれの項目は内容によって「最重度」「重度」「中度」「軽度」のリスクに分類されている。 市などによると、今年4月28日、保育所の職員が桜利斗ちゃんの頭頂部にたんこぶを見つけた。市は母親に尋ねたが、「原因はわからない」との回答だったという。5月6日には母親から「松原容疑者が桜利斗ちゃんをたたいた」と相談があり、保育所が同11日に左耳付近にあざを確認した。 府のアセスメントシートの記入要領によると、たんこぶのような「原因不明の打撲傷」は、身体的虐待の疑いもありうるとみて、「重症度を判断」とされている。また「首から上における複数の打撲傷」は「最重度に該当する」との注記もある。 ただ、市は府と5月21日に開いた会議で、たんこぶについては「養育者の監護が不十分なため、けがが多い」とし、桜利斗ちゃんが自らぶつけたとの評価案を示し、府も了承した。あざもたんこぶとは関係がない単発のけがととらえ、「第三者からの身体的虐待の放置」と位置づけたという。 市幹部は取材に、昨年1月にも保育所が桜利斗ちゃんの頭にたんこぶを見つけ、母親が「目を離したすきに転んだと思う」と答えたことを踏まえたとし、「桜利斗ちゃんが自分でどこかにぶつけたのだろうと推測した」と説明した。 あざについては確認した翌日に市の担当者が松原容疑者と会い、暴力を振るわないよう指導したほか、母親が松原容疑者との同居を否定したことから、「児童虐待防止法上の保護者にあたらないと考え、保護者である母親のネグレクトと評価した」という。 こうした市の判断に対し、府… この記事は会員記事です。残り300文字無料会員になると月5本までお読みいただけます。 【10/25まで】スタンダードコース(月額1,980円)が今なら2カ月間無料!詳しくはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
魅力度最下位、茨城知事「痛くもかゆくもない」 県民へ「誇りを」
藤田大道2021年10月11日 21時07分 民間調査会社による47都道府県の「魅力度ランキング」で茨城県が最下位だったことをめぐり、大井川和彦知事は11日、「魅力はいろいろなとらえ方があり、それぞれがオンリーワン」と話した。 ランキングは9日に発表された。大井川知事は「公式には、真摯(しんし)に受け止めて、魅力向上に努めたい」とコメント。前年に7年連続最下位を脱出して42位に上がり、再び最下位に戻ったことについては「(調査会社が)そういうシナリオを描いてくると思っていた。一番面白いから」と推測した。 国営ひたち海浜公園(ひたちなか市)など観光地のにぎわいや県内の転入者の増加などの魅力をPRしたうえで、「最下位は我々にとって痛くもかゆくもない」とも語った。県民には「誇りを持って自分たちの県は素晴らしいと主張してほしい」と呼びかけた。(藤田大道) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
大阪で49人感染確認、死亡はゼロ 50人未満は6月下旬以来
大阪府は11日、府内で新たに49人が新型コロナウイルスに感染していることを確認したと発表した。新規感染者数が50人を下回ったのは6月28日以来。新たな死者の判明はなかった。府内の感染者はのべ20万1270人、死者は3005人になった。 入院中の重症患者は前日より3人減の75人で、府が確保する重症病床(605床)の使用率は12・4%だった。一方、軽症中等症患者は前日よりも23人増えて470人に。対象病症(2818床)の使用率は16・7%になった。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「政策議論は公開で」黒川清さん 科学者の知見生かし世界と情報共有
黒川清さんに聞く 日本学術会議会長や内閣特別顧問、国会の福島原発事故調査委員会委員長など、科学者と政府の間に立つ役割を長く担ってきました。 中央省庁は「縦割り」行政で、横の連携がうまくできていないと感じます。一方、科学者のコミュニティーは国や政府に関係なく、国境を越えてつながっています。世界各国の仲間と常に情報共有して協力することが日常です。科学者とは、日本の考え方や政策を世界へ発信し、さらに世界の知見を日本に紹介できる、その役割を担うべき存在だと私は考えています。 新型コロナウイルスや気候変動など様々な課題に各国が連携して直面する時代です。科学的知見がますます重要になる中、科学者がタイムリーに、できれば英訳も添えて発信する構想や提言が政策に生かされることは政府にも国民にとってもより意義深いことです。 衆院選が19日に公示される。前回選挙から4年、私たちの暮らしは、社会は何が変わり、何が変わっていないのか。それぞれの立場から発信を続ける人たちに、政治や選挙への思いを聞く。 信頼される政策作りには、公… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル