屋代良樹2021年10月6日 18時09分 熊本市で昨年9月、熊本大学の特定事業研究員の女性(当時35)を殺害したなどとして殺人と死体遺棄の罪に問われた住所不定、無職熊谷和洋被告(68)の裁判員裁判が6日、熊本地裁(平島正道裁判長)であり、検察側は懲役20年を求刑した。判決は8日に言い渡される。 起訴状によると、熊谷被告は昨年9月6日、当時住んでいた熊本市中央区本荘3丁目の自宅の集合住宅出入り口付近で、女性の首をひものようなもので絞めて殺害し、近くの側溝に遺体を遺棄したとされる。 検察側は論告で、首を絞められた遺体の状況から「強い殺意があった」と指摘。熊谷被告が被告人質問で「口をふさごうとした」と話したことについては「口やほおにひもでしめられた痕がなかった」と反論し、これまでの熊谷被告の供述についても「不合理で信用できない点が多く、真摯(しんし)な反省が認められない。犯行に至る経緯、動機に全く同情の余地はない」と述べた。 弁護側は起訴内容について「争わない」と改めて認め、「マスクを開発して(研究室に)寄付したいので、デザインを考えてほしい」といった被告のうそが発覚したことで女性から非難されたため、「黙らせるために無我夢中で犯行に及んだのであり、人の命を軽視したわけではない」と主張。謝罪と反省をしており、「とっさの犯行」で計画性がないとして、「懲役15年が相当」と述べた。 女性の母親も被害者参加制度を利用して出廷した。女性は熊谷被告からマスク開発などの話を持ちかけられていると、家族に伝えていたという。一人娘だったといい、「小さいころからアメリカでウイルスの研究がしたいと夢見て、研究員としての道を歩み始めたというのに。なぜ殺されなければならなかったのか」「娘はこれから親孝行すると言っていました。そんな娘を返してください。犯人には死刑を望みます」と語った。 熊谷被告は閉廷まで姿勢を変えず、目を閉じていた。最終陳述で「本当に申し訳ないです。これから償っていきたいと思います」と小さな声で話した。(屋代良樹) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「摂津市の判断甘かったのでは」 3歳男児死亡で大阪府が検証部会
野崎智也、山本逸生2021年10月6日 18時20分 大阪府摂津市で新村桜利斗(おりと)ちゃん(3)が全身やけどで死亡し、母親の交際相手の松原拓海(たくみ)容疑者(24)が殺人容疑で逮捕された事件を受け、市や府児童相談所の対応を検証する府の有識者部会の初会合が6日開かれた。虐待が疑われる情報がありながら市が踏み込んだ対応をとらなかったことについて、「判断が甘かったのでは」との意見で一致したという。 府の児童虐待事例等点検・検証専門部会は元家庭裁判所調査官や精神科医、弁護士ら5人の構成で、元児相職員の才村純・東京通信大教授(児童福祉)が部会長に互選された。 議事は非公開。会合終了後の府の説明によると、府と摂津市の担当者が事件の経緯を説明した。 市と児相は2019年3月の時点で桜利斗ちゃんの母親について中度のネグレクト(育児放棄)と評価し、市が支援を続けてきた。松原容疑者が今年5月に同居を始めた後、母親の知人らが虐待を懸念する情報を市に寄せたが、市と児相は母子が在宅のまま支援する方針を変えなかった。 会合後に取材に応じた才村部会長は「市の判断が甘かったのではないかというのが委員の共通した意見だった」とした上で、「リスク評価や情報共有のあり方について、具体的に提言していきたい」と話した。会合は今後4回程度開き、来年1月に報告書をまとめる。(野崎智也、山本逸生) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
滋賀で豚2頭死ぬ、豚熱か 1400頭殺処分へ 県で2019年以来
奥平真也2021年10月6日 18時30分 滋賀県は6日、同県近江八幡市の養豚場で飼育していた豚に、豚熱(CSF)の疑いがあると発表した。農林水産省が遺伝子解析をしており、豚熱と確定すれば、県はこの養豚場が飼育している約1400頭を殺処分する。 県によると、5日午前11時15分ごろ、養豚場から「子豚2頭が死に、他の豚もやせ、元気がない」と県家畜保健衛生所に連絡があった。県がこの2頭と周囲にいた10頭の計12頭を検査すると、死亡した2頭を含む11頭が陽性だった。 殺処分した場合、豚は養豚場の隣接地に埋める予定。8日までの3日間で県職員延べ約570人を動員する。滋賀県内の養豚場での豚熱発生は2019年2月に続いて2回目。(奥平真也) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
クワガタ名人が広げる昆虫食 「へぼ」食文化の岐阜に自販機お目見え
食糧問題を解決する手段の一つとして注目される昆虫食。今月、岐阜市内にコオロギやバッタ、ゲンゴロウなどの昆虫食の自動販売機が登場した。設置した昆虫販売店経営、野平英一郎さん(57)は「岐阜の山間部では元々食べていた。自販機で身近に味わってもらい、地球環境などを考えるきっかけになれば」と話している。 野平さんは、岐阜市日野北6丁目で昆虫販売店「くわがた村」を営む。自ら採取したオオクワガタなどの昆虫を販売するほか、昆虫採集や飼い方のワークショップなどを開いている。 昆虫食を通して昆虫に関心を持ってもらおうと、長崎県佐世保市で昆虫食を生産する「はまる食品」の協力で店の前に自販機を設置した。同社によると、自販機の設置は国内で約20カ所目で、東海地方では初めてという。 コオロギやバッタ、イナゴの素揚げ、乾燥させたもの、コオロギのパウダーを10%練りこんだクッキーなど計10品を、いずれも千円(税込み)で販売。1袋には、昆虫の種類により10~20匹ほど(6~10グラム)が入っている。昆虫は主にタイなど東南アジアから冷凍で輸入し、国内で「日本人の舌に合うように」加工しているという。 1日にあった設置イベントには、ご当地タレントの2人が昆虫食を自販機から買い求め、試食した。素揚げのゲンゴロウを口にした塚本明里さん(31)は「硬めのエビフライの尻尾のよう。香ばしくておいしい」。宮木梨花さん(23)は「友だちと食べたら盛り上がりそう」と話した。 鹿児島県出身の野平さんは… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
仮面ライダーの放映開始から半世紀 記念メダルを造幣局が限定販売
徳永猛城2021年10月6日 14時30分 仮面ライダーのテレビ放映開始から50年を記念して、造幣局(大阪市)はオンラインショップなどで貨幣セットを限定販売する。6日に受け付けを始めた。 1円~500円の硬貨計6枚と、仮面ライダー新1号を描いた記念メダルのセット。銀メダル(1万4千円)と銅メダル(2700円)の2種類を作った。 計9万セット。26日まで受け付け、応募多数の場合は抽選。高倍率が予想され、引き当てるのは至難の業。悪役の「ショッカー」を倒すより難しいかも。(徳永猛城) 仮面ライダー生誕50周年貨幣セット。仮面ライダー新1号をはじめ、歴代ライダーを紹介した特製ケースに入っている 中央の銀メダルには、仮面ライダー新1号が描かれている 仮面ライダー生誕50周年貨幣セット。中央の銅メダルには、新サイクロン号に乗った仮面ライダー新1号が描かれている Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
北海道・大雪山系で初冠雪 平年より11日遅く
本田大次郎2021年10月6日 14時58分 北海道大雪山系の旭岳で初冠雪を観測したと、旭川地方気象台が6日発表した。5日から6日にかけて北海道の上空1500メートル付近に寒気が入り込み、雪となったという。旭岳の初冠雪は平年より11日遅い。 6日未明、大雪山系の黒岳でも初冠雪がみられた。ふもとの層雲峡温泉から五合目までを結ぶ黒岳ロープウェイによると、五合目から目視で確認した。同社は「紅葉は、すでにふもとの層雲峡温泉まで下りており、山に登る人は冬山の装備でしっかり準備してほしい」と話している。 五合目より上にあるリフトは、16日からスキー用に切り替える作業をして、11月13日にはスキー場がオープンする予定。(本田大次郎) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
Meet the team helping Shohei Ohtani carve his historic two-way path
Anaheim, California – Shohei Ohtani has rightfully earned accolades for his incredible 2021 season, but the Los Angeles Angels’ two-way sensation owes some of his success to a handful of helpers working tirelessly behind the scenes. Throughout the season, which is expected to culminate with Ohtani winning American League MVP, […]
「センター試験のよう」だった署名偽造作業 引き金となったある思惑
「大学受験のセンター試験のように100人くらいが長机で黙々と(署名用紙に)書いていた」 愛知県の大村秀章知事に対するリコール署名偽造事件。偽造に関わったとして地方自治法違反(署名偽造)の罪に問われた広告関連会社元社長の山口彬被告(38)の初公判で、検察側は関係者らの供述の概要を明らかにした。 佐賀市内でアルバイトらによる偽造作業を初めて見た山口被告の当時の部下は、その様子を入試にたとえ、「異様な光景」と供述していた。 この日、検察側が提出した証拠は、調書や押収したUSBメモリーの内容など約180点。リコール運動団体会長の美容外科経営・高須克弥氏や認否を留保している田中孝博被告(60)の調書はなかった。 検察側は、高須氏と関係を築き商機拡大を目指した山口被告と、約86万筆が必要なのに、提出期限が迫っても6千筆しか集まらなかった孝博被告の思惑が一致し、事件が起きたという構図を描いた。 冒頭陳述や供述調書によると、山口被告は名古屋市の広告関連会社を経営していた昨年6月、「無償でポスティングを手伝いたい」とリコール団体に申し入れ、運動に参加。昨年10月、「相談がある」と孝博被告から電話があり、「なるべく遠いところで人集めできないか。九州で署名を代筆できないか」と言われた。 「署名は自筆でないと駄目ですよね」 断ろうとしたが、孝博被告は… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
真鍋さん、同志が見た軌跡 乏しい研究環境からつかんだ渡米チャンス
地球温暖化のメカニズムに迫り、予測分野を切り開いてきた気象学者の真鍋淑郎さん(90)が5日、ノーベル物理学賞を受賞することが決まった。同賞には縁遠いとされる気象分野での受賞に、ゆかりの人々は喜びや驚きの声を上げた。 「本当に夢みたい。同級生から、こんな素晴らしい、偉い人が出るなんて」 真鍋さんが子ども時代を過ごした愛媛県の新立(しんりつ)村(現・四国中央市新宮町)で、尋常高等小学校の同級生だった大岡武重さん(89)はこう喜んだ。 当時から成績は優秀。「親戚も優秀だったが、『遊びに行っても(真鍋さんは)いつも勉強してる』と、ぼやいていた」と言う。気象への興味も強く、「『日本は台風が来ないと雨が少ない』と言っていたのを覚えている」。 2018年に真鍋さんがノーベル賞と同じスウェーデン王立科学アカデミーが運営するクラフォード賞を受賞した際は、市内の同級生数人が集まったが、すでに亡くなった人も。大岡さんは「真鍋さんが戻るのは難しいかもしれないが、地元で祝賀会が開かれれば、ぜひ出席したい」と話した。 ざっくばらん、みんなのアイドル 元気象庁長官の立平良三さん(89)は、真鍋さんと大学は違ったが、在学中に米国留学した真鍋さんの活躍を耳にしていた。その後真鍋さんと立平さんは、日本気象学会の賞を1966年度にそれぞれ受賞し、式典などで顔を合わせた。その後気象庁長官当時には真鍋さんが訪ねてきたことも。立平さんは「同時代に気象に関わる研究を続けてきた真鍋さんの受賞はうれしい」と語る。 杉正人さん(72)は、気象… この記事は会員記事です。残り741文字無料会員になると月5本までお読みいただけます。 【10/25まで】スタンダードコース(月額1,980円)が今なら2カ月間無料!詳しくはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
越冬中に前代未聞の緊急事態、隊員が急病、残された唯一の帰国手段は
61次夏隊の日本帰国も間近になった。2020年2月4日に昭和基地を離れて、観測船しらせで海洋観測をして3月下旬に豪州到着。隊員は下船して飛行機で帰国、という例年通りの予定だった。 だが、今回は違った。19年11月の日本出発後に新型コロナウイルスの感染が世界中に広がったからだ。夏隊は翌年3月19日にシドニー到着予定だったが、その直前、豪州政府は入国者の14日間の隔離や観光船の寄港禁止を発表。20日から「ロックダウン」で、外国人は入国禁止となる動きもあった。 国立極地研究所(東京都立川市)など国内関係者は、昭和基地にいる私の想像以上にピリピリしていた。豪州の地を踏まずに船から空港へ直行の形を考えていたが、「公式発表以外のことは書かないでください」と連絡が来た。私は18日、「61次夏隊と60次越冬隊の帰国が2日早まり、20日に成田空港着となります。しらせは19日豪州シドニー港へ、隊員は船からバスに乗り換えて空港へ直行!」とだけ、コロナに一切触れずにツイートした。 コロナで情勢が急変する中… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル