新谷千布美2021年11月4日 19時50分 合成麻薬のLSDが染み込んだ紙を絵画の裏に隠して密輸したなどとして、大阪府警は4日、住所不定の派遣社員、不老(ふろう)祐太朗容疑者(32)を麻薬及び向精神薬取締法違反(営利目的輸入)の疑いで逮捕、送検したと発表した。逮捕は9月14日。大阪地検は10月、同罪と関税法違反の罪で起訴した。不老容疑者は「荷物を受け取るだけで金をもらえるアルバイトだと思っていた」と話しているという。 府警薬物対策課と大阪税関によると、不老容疑者は別の人物と共謀して今年8月15日、LSD成分が染み込んだ紙(縦20センチ、横16センチ)20枚を、額縁入りの絵画(縦80センチ、横70センチ)2枚の裏側に分けて隠し、国際郵便でオランダから輸入しようとした疑いがある。 同課などによると、LSDは、染みこませた紙片を口に含んで使用されることが多いという。押収した紙には8ミリ四方の切り込みが多数入っており、計約1万回分、末端価格で約5千万円相当とみられるという。 8月17日に絵画が税関を通過した際、麻薬探知犬が反応するなどして発覚した。府警は8月24日に不老容疑者を麻薬特例法違反(規制薬物の所持)の疑いで現行犯逮捕し、その後、営利目的輸入の疑いでも逮捕した。 不老容疑者はSNSを使い、LSDの受け取りに関するやりとりをしており、府警は共犯者についても調べている。(新谷千布美) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
尼崎市議選の1票差、県選管が票の再点検へ 1枚ずつ確認
武田遼2021年11月4日 20時25分 兵庫県選挙管理委員会は4日、1票差で当落が分かれた6月の尼崎市議選(定数42)について、票を再点検すると発表した。落選した寺坂美一さん(45)の異議申し立てに基づく措置。11日に1枚ずつ確認し、結果について審議したうえで年内にも結論を公表する。 県選管によると、再点検するのは寺坂さんの得票1912票、最下位で当選した迫田敬一市議(50)の1913票、無効票2435票の計6260票。名古屋市千種区選管が不在者投票1票を送り忘れたことも明らかになったが、不受理扱いとされており、再点検の対象には含めない。 寺坂さんは落選後の6月18日、尼崎市選管に異議を申し立てたが、「開票事務は適正に執行されている」と7月下旬に棄却され、8月に改めて県選管に審査を申し立てていた。 公選法は、市町村選管の決定に不服がある場合、県選管へ申し立てができると規定。県選管の決定にも不服がある場合は高等裁判所に提起できる。(武田遼) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
飲食店で大麻所持した疑い ラッパー2人を逮捕 愛知県警
2021年11月4日 20時30分 愛知県警中署は4日、ラッパーとして活動する男2人を大麻取締法違反(営利目的所持)の疑いで逮捕し、発表した。ともに容疑を否認しているという。 逮捕されたのは、同県豊田市保見ケ丘4丁目、ブラジル国籍のロドリゲス・ラランジェイラス・ペドロ・エンリケ(23)と、名古屋市守山区川村町、森晴海(23)の両容疑者。 発表によると、2人は3月30日午前11時50分ごろ、同市中区の飲食店で乾燥大麻約36グラムと大麻リキッド約15グラムを所持した疑いがある。 ロドリゲス容疑者は「Playsson」、森容疑者は「2Marley」の名前で活動していた。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
走りながら吐き、それでも前へ…3100マイルの旅で見つけた答え
なんのために走るのか。だれかに勇気を与えるためか。違う。そんなにかっこいいものではない。それはただ、自分自身を保つためだった。 10月26日夜、瀬ノ尾敬済(たかすみ)さん(38)は米ニューヨークの住宅街で、ゴールテープを切った。52日間かけ、3100マイル(約4989キロ)の距離を完走した。日本人初の快挙だった。履きつぶしたランニングシューズは、19足になった。 「なにも考えられなかった。淡々としていた。でも、しばらくしてからこみ上げてくるものがあって、それを抑えようとしている自分もいた」 走ることが好きだった。原点は小学4年のとき、「冒険」と称し、友人と20キロ近く歩いた。「何をするでもないのに楽しかった。いまでも覚えている」。あえて大雨の日に、外に走りに出ることもあった。 「ほとんどは苦しい時間」という過酷なレース。それでも「何のために走るのか」。3100マイルの旅を経て、瀬ノ尾さんは答えを見つけた気がします。 中学ではブラスバンド部に入る。だが、練習を何度も休んでいると、夏休み明けに部員名簿から名前がなくなっていた。そこで、陸上部に入ることにした。 長距離を専門とし、中2で横… この記事は有料会員記事です。残り2457文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
神戸5人殺傷、被告に無罪判決 刑事責任能力認めない判断 神戸地裁
岩本修弥2021年11月4日 20時32分 神戸市北区の住宅地で2017年、親族や近隣住民ら3人を殺害し、2人に重傷を負わせたとして、殺人や殺人未遂などの罪に問われた無職竹島叶実(かなみ)被告(30)に対し、神戸地裁(裁判員裁判)は4日、無罪(求刑無期懲役)を言い渡した。 飯島健太郎裁判長は、犯行時の被告について「妄想などの精神症状の圧倒的影響下にあった疑いを払拭(ふっしょく)できない」と指摘し、「(刑事責任能力が認められない)心神喪失状態にあったとの合理的疑いが残る」と述べた。 刑事責任能力は善悪の判断や行動を制御する能力のこと。刑法39条は、この能力が著しく減退した「心神耗弱」なら刑を軽くし、能力がない「心神喪失」は罰しないと定めている。 公判では、被告の殺傷行為に争いはなく、検察、弁護側双方とも、被告が「哲学的ゾンビ」を殺せば知人女性と結婚できる、という妄想を抱いていたという点でも一致した。刑事責任能力が争われた。 神戸地検は起訴前に2度、被告の鑑定留置を求め、医師2人に精神鑑定を頼んだ。1人目の医師は、被告が「哲学的ゾンビ」を人ではないと思っていたため、「人を殺してはいけない」という規範に直面していなかったと分析。2人目の医師は、被告には妄想を疑う気持ちがあり、精神状態の悪化は「中等度」にとどまると判断した。 検察側は2人目の見解に基づいて被告を起訴したが、判決は1人目の医師が11回の面接を行う一方、2人目は被告が面接を拒んだため5分程度の面会が1回あるだけで、「信用性を認めることはできない」とした。 被告は17年7月16日、自宅で同居していた祖母の南部観雪(みゆき)さん(当時83)と祖父の達夫さん(同)を金属バットで殴るなどして殺害し、母親(57)にも重傷を負わせたうえ、近くの民家敷地にいた辻やゑ子さん(当時79)を包丁で刺殺。さらに近所の女性(69)にも重傷を負わせたとして起訴された。 犯罪白書によると、心神喪失を理由に一審で無罪になったのは、18年が6人、19年が2人という。(岩本修弥) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
東リの偽装請負を認定 「みなし制度」で直接雇用 大阪高裁判決
住宅建材大手の東リ(兵庫県伊丹市)の工場で建材の製造などを行っていた労働者が、「偽装請負」の状態で働かされていたと訴えた訴訟の控訴審判決が4日、大阪高裁であった。清水響裁判長は、偽装請負には当たらないとした一審・神戸地裁判決を取り消したうえで、同社と直接の雇用関係にあると認め、未払い賃金の支払いを命じた。 2015年施行の改正労働者派遣法で、偽装請負の場合、派遣を受けた企業側が労働者に直接雇用を申し込んだとみなす「みなし制度」が導入された。このみなし制度を適用した今回の判決は、企業の雇用形態について、改めて見直しを迫るものとなりそうだ。 原告は東リから業務を請け負っていた会社の社員だった5人。東リの工場で建材の製造や検査をしていた。17年に両社の契約が終わり、業務は別の人材派遣会社に引き継がれたが、5人は解雇されたため、東リと直接の雇用関係があることの確認を求め、提訴した。 清水裁判長は、東リが直接… この記事は会員記事です。残り320文字無料会員になると月5本までお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
京王電鉄「ぎりぎりの難しい判断だった」 事件受け警戒体制強化へ
磯部征紀2021年11月4日 20時51分 東京都内を走る京王線の列車内で乗客が襲われた事件の対応をめぐり、京王電鉄の都村智史・取締役は4日の決算会見で「現場はぎりぎりの難しい判断だったと思うが、しっかり検証していきたい」と述べ、今後、警戒体制を強化していく考えを示した。 事件の対応では、緊急停車した国領駅で車両ドアとホームドアの位置がずれたため、いずれも開かなかった。乗客が転落する危険を考慮し、駅員による両方のドアの開放は見送られ、窓から避難する事態になった。車内に防犯カメラはなく、非常通報装置は押されたものの、乗客からの応答がないため正確な状況把握に時間がかかっていた。 都村取締役は「状況に応じ色々なケースが想定され、きめ細かい対応が求められる。対応が万全だったかは検証して対処する必要ある」とした。今回の事件を教訓にした訓練を12月に実施するといい、「現場の対応力を強化する教育を進めたい」と述べた。(磯部征紀) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
伊方原発の運転差し止め仮処分、申し立てを却下 広島地裁
四国電力が再稼働をめざす伊方原発3号機(愛媛県伊方町)をめぐり、広島県と愛媛県の住民7人が運転差し止めを求めた仮処分について、広島地裁(吉岡茂之裁判長)は4日、「保全の必要性は認められない」として、申し立てを却下する決定を出した。住民側は、広島高裁に即時抗告する方針。 住民側が問題にしていたのは、最大の地震の揺れを示し、原発の耐震設計のもとになる「基準地震動」。四電は3号機の基準地震動を650ガルと算定しており、耐震性が十分かどうかが主な争点となった。 決定は、伊方原発の安全性について審査したのは原子力規制委員会だと指摘。想定を上回る地震動をもたらす地震が起こる危険性があるかどうかについては、四電ではなく、住民側が証明する必要があるとした。 その上で、震度6強(約830~約1500ガル)の地震でも倒壊などの危険性があるとした住民側の主張について「地盤に合わせて補正せずに数値を比較などしても、想定を上回る地震が起こる危険性があるとはいえない」と判断した。 また、保全の必要性が認められるには、①伊方原発の運転に伴って大量の放射性物質の放出が発生、継続し、住民らの生命や身体の重大な利益が侵害されていること、②想定を上回る地震発生の危険性が、訴訟の判決確定を待つ時間もなく差し迫っていること――のどちらかを証明する必要があるが「いずれも証明されているとはいえない」と結論づけた。(戸田和敬) ◇ 〈四国電力伊方原発〉 愛媛県伊方町にある四国唯一の原発。加圧水型軽水炉(PWR)の1~3号機がある。2011年の東日本大震災後、定期検査で運転を停止。1、2号機(いずれも出力56.6万キロワット)は廃炉が決まった。3号機(出力89万キロワット)は16年8月に再稼働し、19年末から定期検査で運転を停止中。20年4月に検査を終える予定だったが、テロ対策施設の設置の遅れなどから運転停止が続いている。2017年と20年、広島高裁が運転を差し止める決定を出したが、いずれもその後、取り消されている。 ◇ 〈基準地震動〉 想定される最大の地震の揺れを表し、原子力規制委員会が採用する計算式で算出される。原発の耐震設計の根幹となる。周辺の活断層のデータなどをもとに、原発ごとに設定する。規制委は今年4月、計算方式を見直す方針を決めた。新基準では、追加の耐震工事などが必要となる原発は、3年以内に規制委の許可を受けなければならない。 再稼働、四国電力「時期は未定」 四国電力は決定後、「安全性が確保されているとの主張が認められ、妥当な決定をいただいた」とのコメントを発表した。伊方3号機が安定的で安価な電力の供給に貢献していると強調し、「安全対策に不断の努力を重ねていく」とした。 一方、具体的な再稼働の日程は決まっていない。伊方3号機では今年7月、重大事故に対応する待機要員1人が宿直勤務中に無断外出し、要員数を一時満たしていなかった保安規定違反事案が発覚。10月12日に予定していた3号機の再稼働は延期になっていた。愛媛県や伊方町が審議中で、池尻久夫・原子力部副部長は「今後の運転は地元の理解が得られてからになる。現段階では時期は未定」としている。 四電は火力発電が5割超を占めており、原油価格の高騰が業績を直撃している。10月29日に発表した2022年3月期の業績予想では、純利益を4月時点の予想から65・4%減の45億円とした。停止が長引けば、さらにコストが増える懸念もある。(加茂謙吾) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
樋口元判事、広島地裁決定は「住民側に無理難題」 伊方原発仮処分
戸田和敬2021年11月4日 22時00分 四国電力が再稼働をめざす伊方原発3号機(愛媛県伊方町)をめぐり、広島県と愛媛県の住民7人が運転差し止めを求めた仮処分について、広島地裁(吉岡茂之裁判長)は4日、申し立てを却下する決定を出した。 「差し止めならず」。広島地裁前で住民側の弁護団らがそう伝える旗を掲げると、申立人らからは落胆の声が広がった。 住民側は決定後に記者会見した。代理人の河合弘之弁護士は「常識に基づき、分かりやすい問題提起をしたのに科学技術論争に持ち込まれた」と話した。 住民側は原発の技術論ではなく、原発の耐震性の面から運転停止の必要性を簡潔に訴える「樋口理論」を展開した。原発の安全確保に欠かせない「止める、冷やす、閉じ込める」という3原則を、地震などの自然災害に遭ったときに維持できるのか。電力会社が想定した地震の最大の揺れである基準地震動を基にした設計は、耐震性が十分かを問うものだ。 地裁の決定は、住民側に具体的な危険性の立証を求める内容だった。河合弁護士は「住民側に詳細な地盤特性などを調べて比較することなど不可能なことだ」と憤る。住民側の理論を考えた樋口英明さん(69)は元判事で、福井地裁の裁判長として2014年、関西電力大飯原発3、4号機の運転差し止めを命じた。「負けることは想定していなかった。住民側に無理難題を押しつけている。高裁で理論が通り、原発訴訟のパラダイムシフトになることを期待する」と話した。(戸田和敬) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
市内7カ所に光の「窓」 神戸ルミナリエ今年も中止で代替イベント
鈴木春香2021年11月4日 21時00分 新型コロナウイルスの影響で2年連続の中止が決まった光の祭典「神戸ルミナリエ」について、神戸市などでつくる神戸ルミナリエ組織委員会は4日、装飾の一部を市内7カ所に展示する代替の催しの概要を発表した。12月3~12日に開く。展示を分散させて、観客に密の回避と市内の周遊を促す。 展示するのは「ロソーネ」と呼ばれる直径3メートルほどの装飾で、イタリア語で「バラ窓」を意味する。例年会場となる東遊園地のほか、南京町、メリケンパークなどに計九つを設置して点灯する予定。例年は光の回廊「ガレリア」の最終地点に設置されているものだという。 これまでの作品やルミナリエの歴史を解説したパネルもあわせて展示し、スマートフォンアプリを使ったデジタルスタンプラリーも実施する。 神戸ルミナリエは阪神・淡路大震災の犠牲者の鎮魂や復興を願って、震災が発生した1995年から毎年12月に開催してきた。新型コロナウイルスの影響でイタリア人職人の来日が見通せないことや、来場者による「密」が避けられないことから、昨年は初めて中止になった。(鈴木春香) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル