石井力2021年11月14日 11時48分 黒い牛をシマウマのようなゼブラ柄に塗装し、アブなどの吸血昆虫の被害を少なくしようという山形県置賜総合支庁農業振興課の実験が小国町の畜産農家であった。黒く温かい所を好むというアブの習性を利用。ゼブラ柄にするとアブが近寄らなくなることが確認できたという。 実験は、愛知県農業総合試験場が導入し、効果が報告されている「ゼブラ柄塗装による吸血昆虫対策技術」を試したもの。同県のホームページによると、吸血昆虫は牛にストレスを与えて生産性を低下させるほか、吸血で病気が媒介される危険性があることが放牧時の課題の一つになっている。 このため、畜産農家は放牧時、「アブトラップ」という黒色の農機具を使い、アブをできるだけ駆除するなど試行錯誤を重ねる。 実験では、小国町の遠藤畜産で繁殖牛3頭をスプレーでゼブラ柄に塗装した。吸血昆虫が近寄ると、牛は尻尾を振ったり、頭や耳を動かしたりする忌避行動を取るとされ、その動きについて調べた。8、9月の実験でゼブラ柄の牛は、通常の牛よりアブを嫌う忌避行動が4~8割少なかった。 遠藤畜産の遠藤寛寿さん(35)は「効果はあったと思う。ただ、1週間くらいで塗装が落ちてしまう」と話した。 10月には、ほかの農家に対する説明会が遠藤畜産であり、「見た目の違うゼブラ柄の牛が、ほかの牛から攻撃されてしまうことはないのか」などの質問が出た。県置賜総合支庁の担当者は、課題として認識しているという。 同支庁は省力化やえさ代軽減のため、休耕田などを活用した「簡易放牧」を広めようとしている。牛を怖がり猿などが畑に近寄らない効果も期待され、吸血昆虫対策を通じて簡易放牧の取り組みを進める考えだ。(石井力) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
ペットボトルで夫殴り重傷負わせた疑い、70歳妻を逮捕 夫は死亡
2021年11月14日 11時55分 ペットボトルで夫を殴り重傷を負わせたとして、警視庁は職業不詳の太田みち子容疑者(70)=東京都渋谷区幡ケ谷2丁目=を傷害容疑で逮捕し、14日発表した。夫は殴られた翌日に死亡した。「日頃の介護の疲れがたまって、かっとなってしまった」と容疑を認めているという。 代々木署によると、太田容疑者は13日午前8時半ごろ、自宅アパートの寝室で、同居する夫で無職の龍一さん(69)の顔や背中などを水約1リットルが入ったペットボトルで複数回殴り、肋骨(ろっこつ)が折れるなどの重傷を負わせた疑いがある。 この後に太田容疑者は外出。約5時間後に自宅に戻ると、龍一さんが意識がもうろうとした状態で倒れていたため119番通報したという。龍一さんは病院に搬送されたが、14日未明に死亡した。 署によると、夫婦は2人暮らし。龍一さんは腰を痛めていて要介護1の認定を受けていた。事件当日はデイサービスに向かう予定だったが、龍一さんが「背中が痛くて行きたくない」などと話し、太田容疑者と口論になったとみられるという。 署は、傷害致死容疑も視野に、暴行と龍一さんの死亡との因果関係を調べる。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
日本海そばの「母」の墓、あの歌手は手を合わせた 名曲「岸壁の母」
モデルとなった端野いせのお墓がある浄土真宗・万福寺。今でも時々、曲を知る人たちが訪れるという=2021年11月1日午後0時58分、石川県志賀町西海風無、小島弘之撮影 戦争で消息を絶った息子への母の思いを歌った名曲「岸壁の母」で、そのモデルとなった女性は、能登半島の日本海のそばにある墓地に眠っている。曲を歌い継ぐことになった歌手は10年ほど前、歌をヒットさせた師と共に、ひそかに墓を訪れ、手を合わせていた。 モデルとなったのは端野(はしの)いせ(1899―1981)。太平洋戦争で消息を絶った息子の帰りを戦後、引き揚げ船が到着する港の一つ、舞鶴港(京都府舞鶴市)で待ち続けた。没後40年を迎えた今年、記者はゆかりの人や土地を訪ねた。 ♪母は来ました/今日も来た/この岸壁に/今日も来た/とどかぬ願いと知りながら…… 「岸壁の母」(作詞・藤田まさと/作曲・平川浪竜)は、戦争に翻弄(ほんろう)される女性の心情を切々と歌い上げた情念の曲だ。1954年に最初に発表され、72年に二葉百合子(90)が浪曲調で歌って大ヒットした。 石川県志賀町の海沿いの静かな集落にある浄土真宗・万福寺。9月に訪ねると、同町出身の端野家の墓は墓地の一角でひっそりたたずんでいた。最近、誰か来たのか、花が供えられていた。寺の住職によると、今でもこの曲を知る人が訪れるそうだ。 名曲ゆかりの地。10年ほど前の初夏に、二葉はここに、ある一人の弟子を連れてきた。 歌手、坂本冬美(54)だった。 歌手の坂本冬美。「二葉先生の中には常に端野いせさんがいらっしゃって、私がまた、その思いを受け継いでいる」と話す=2019年1月10日、東京都渋谷区神宮前、関口達朗撮影 名曲「岸壁の母」を歌い継いだ坂本冬美は、モデルとなった女性の墓前で、ある誓いを立てていました。傍らには師がいました。歌い継ぐことを悩んだ時期もあった坂本の背中を押す出来事も、その後起こりました。 … この記事は有料会員記事です。残り1587文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
手間いらずで人気 バーチャルママパパ交流会、広がる
長引くコロナ禍で対面でのやりとりが難しいなか、子育て中の親たちのバーチャル空間での交流が盛んだ。自らのアバター(分身)で会話したり、場所を問わずに参加できたり。外出の支度も不要で、気軽に参加できると利用者からは好評という。 黒猫やロボット、少女姿――。様々なアバターが集い、会話している。「子どもがトイレに行かない。イヤイヤ期はどう対応したか」「子どもから『将来ユーチューバーになりたい』と言われた」。内容は自分の子どもの様子や、育児の悩み相談。身ぶり手ぶりも交え、はたから見ればアニメのキャラクターが動いているかのようだ。 毎週火曜日の午後10時に開かれている、「子育てママパパゆるふわ交流会」の一場面だ。利用者が専用のゴーグルをかぶると、目の前にバーチャル空間が登場。両手に持ったコントローラーを動かし、アバターを操作する。ゴーグルを通して音声での会話も可能だ。 参加した愛知県の会社員伊藤友助さん(31)は、2歳10カ月と3カ月の子ども2人を育てている。周囲にパパ友がいないが、交流会なら気軽に話を聞けるという。「VR(仮想現実)なら対面で話している感じがある。他の親の話を聞いて『なんだかんだ大丈夫』と安心できた」 主催するのは、7歳の子どもを育てる母親の「みとちょん」さん。我が子が2歳になるくらいまで、家族以外の大人と話す機会が少なく、孤独だった。「いまはコロナで人と会いにくい状態。子育て中の親同士で話せる機会をつくれたら」と6月に交流会を始めた。 VRは4万円弱のゴーグル… この記事は会員記事です。残り959文字無料会員になると月5本までお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
ヘビの抜け殻にゴキブリバッグ… 来場者減の生物園、グッズに活路
ヘビの抜け殻やホンドフクロウの羽。ゴキブリのイラスト入りのトートバッグや缶バッジ――。東京都足立区の区生物園が、ちょっと変わったグッズを販売し、話題を集めている。コロナ禍で休園や入場制限が続き、来場者が落ち込む中で、オリジナル商品で新たなファンの獲得をめざす。 同園は区立の元渕江公園内にあり、チンチラやオオカンガルー、シバヤギなどの哺乳類のほか、爬虫類(はちゅうるい)や昆虫、魚類など約500種を飼育。家族連れに人気で、2018年度は約22万人が訪れた。 だが、新型コロナウイルスの拡大で、昨年度は計約5カ月間、今年度も約2カ月間、それぞれ休園した。再開後も入場制限をしながらの営業が続き、昨年度の来場者数は約8万人に落ち込んだ。 そんな中、活路を見いだした… この記事は会員記事です。残り1024文字無料会員になると月5本までお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
小室眞子さんと圭さん夫妻、米NYに到着 報道陣に会釈し車へ
秋篠宮家の長女、小室眞子さん(30)と夫の圭さん(30)が14日、米ニューヨークに到着した。圭さんはニューヨーク州の法律事務所に就職しており、同州で新生活を始める。 夫妻が乗った全日空便は14日午前8時36分(日本時間午後10時36分)、ジョン・F・ケネディ空港に着陸した。2人は飛行機を降りた後、一般の乗客とは違うルートを通り、午前9時4分、ターミナル出口で待っていた報道陣の前に姿を現した。問いかけに対しては何度か会釈をしたが、立ち止まって答えることはなかった。ニューヨーク市警などが警備するなか、待機していた車に乗り込み、空港を後にした。 夫妻は10月26日に結婚し、眞子さんは皇室を離れた。圭さんは7月に受験した同州の弁護士試験に不合格だったが、法律事務員として働きながら、次回試験での合格を目指しているという。(ニューヨーク=中井大助) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
長崎名物「カギ尻尾」の猫、どこから来た? そのルーツを探った
鉤(かぎ)に似たその形から、幸運をひっかけてくるといわれる「カギ尻尾」の猫。国内では長崎で特に多く見られます。なぜなのでしょうか。ルーツを探ってきました。 長崎では全国の「2倍」の割合 日が傾き始め、路地に影がのびてくると、1匹、2匹と猫が姿を現す。人の姿があっても気にせず、ゆうゆうと歩いていく。 長崎市の中心部、眼鏡橋にほど近い寺町通りや中通り商店街で何匹もの後ろ姿を見送っていると、独特の形をした尻尾が多いのに気付く。途中で折れ曲がっていたり、先端が丸く縮まって短かったり。ものをひっかけるのに使う鉤に似た形から「幸運をひっかけてくる」と言われる、いわゆる「カギ尻尾」の猫たちだ。 1975年から数十年にわたって日本中の猫を調べた学者がいる。京都大学教授などを歴任した故・野澤謙氏(集団遺伝学)。生涯で観察した猫は5万匹を超える。野澤氏は、尾が曲がっていたり短かったりする「尾曲がり」の遺伝的骨格奇形を持つ猫が偏在していることを突きとめた。全国平均ではおよそ40%が尾曲がりだったのに対し、最も多い長崎ではその2倍、79%に達する。 なぜ長崎なのか。尾曲がり猫たちのルーツを探るため、長崎の歴史に詳しい木村直樹・長崎大学教授(日本近世史)を訪ねた。「港湾都市としての歴史と大いに関係があります」と言う木村教授の話は、戦国時代末期にさかのぼる。 織田信長による比叡山焼き打ちなどが起きた1571(元亀2)年、長崎港に初めてポルトガル船が来航した。キリシタン大名である大村氏の領地内で、喫水の深い船が停泊できる水深を持ち、当時の航海技術でもたどり着きやすいという「政治的、地理的、技術的条件を満たしていた」(木村教授)のが長崎だった。 歴史の「生き証人」 江戸時代に入ると徳川幕府は、貿易や外交を管理下に置くため「出島」の建設を始める。並行して、日本各地で貿易をしていた唐船(とうせん)についても、入港地を長崎に集約。一方、島原の乱を受けてポルトガル船を追放。かわりに1641(寛永18)年、平戸からオランダ東インド会社の商館を出島に移設する。こうして国内で長崎にだけ、オランダ船と唐船が来航するようになる。 実はこれらの船、多くが東南… この記事は会員記事です。残り3492文字無料会員になると月5本までお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
オンライン授業中、認知症の祖母が外に「あっ、まただ」 生徒の不安
新型コロナウイルスの感染拡大により、各地でオンライン授業が実施された。岐阜県の学校に通う高校1年の女子生徒(16)も、「第5波」の影響で、学校が実施する8月の夏期講習や9月からの2学期の授業をオンラインで受けることになった。 9月中旬、女子生徒は自宅の部屋からタブレットをつないで授業を受けていると、祖母がいる隣の部屋の窓が開く音に気づいた。 「あ、まただ」。急いで隣に行くと、祖母が窓を開け、ベランダから外に出ようとしていた。祖母には認知症がある。「おばあちゃん、1人で出かけると心配だから家にいよう」と声をかけ、祖母は部屋に戻った。ただ、止められたことを忘れて、また外に出ようとすることもある。 授業中、祖母の様子を見にいっていた時に先生から指されて、先生やクラスメートに席をはずしていたことを気づかれたこともある。注意はされなかったが、「さぼっているのではと思われて、成績にも影響するのではと不安でした」 母に心配かけられず「なんとかなってる」 祖母は認知症の症状が進み… この記事は有料会員記事です。残り1265文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
広島知事選、現職の湯崎氏が4選確実 「ネット選挙」を展開
東郷隆2021年11月14日 21時07分 広島県知事選は14日投開票され、無所属現職の湯崎英彦氏(56)が、共産新顔で党県委員会常任委員の中村孝江氏(35)と無所属新顔で金属リサイクル業の樽谷昌年氏(70)を破り、4回目の当選を確実にした。県政史上、知事を4期務めるのは前任の故・藤田雄山氏に次いで2人目となる。 湯崎氏は「3密」回避などの新型コロナウイルス対策として街頭演説はせず、選挙カーも走らせない異例の選挙戦を展開。県内の市町ごとに連日オンライン集会を開いたり、政策を説明する動画を投稿したりするなど、自身のユーチューブチャンネルなどを使った発信に注力した。新型コロナ対策を最重要課題と位置づけ、「県政の継続が必要だ。経済的にも社会的にも発展的回復を図る」と訴え、支持を広げた。 湯崎氏は、旧通産省(現・経済産業省)や通信ベンチャー企業の副社長を経て、2009年の知事選で初当選。13年と17年の知事選は、いずれも共産推薦の無所属新顔との一騎打ちとなり、大差で勝利した。前回は自民、公明、民進(当時)から推薦を受けたが、今回は政党推薦を求めなかった。(東郷隆) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
パワハラ耐えた地獄の2年 「たかが知れている」陰で言い放った上司
30代女性、就職6年目です。 新卒で入って2年間、配属された部署で管理職と先輩からパワハラを受けていました。業務上のメールや情報から締め出されたり、自分だけ使われていない倉庫の片づけをさせられたり、面談であなたは浮いているから要らない、異動届を出してほしいと言われたりなどです。歯を食いしばって耐えました。これは誰にでもできる仕事ではない、いじめてくる女性の先輩たちが若い頃はもっと厳しい状況だったのだと奮い立たせて。 その後、部署異動を経て上司や環境に恵まれて仕事をしています。元々興味があった仕事内容ではないのですが、突き詰めてみると面白く、今はこの分野で頑張ろうと思っています。 そんな折、今の上司と部門長が私の話をしているのをたまたま聞いてしまいました。前の部署での状況を知っている今の上司は、私のことを強い人間だ、辞めずに残ってくれてよかったと言ってくれたのに対し、部門長はあの部署のいじめはたかが知れている、気にすることはないと話をしていました。私が経験した2年間をたかが知れていると言い放った部門長が信じられなくなりました。 終わったことなのに苦しかった気持ちがよみがえり、涙が出てきます。部門長の言葉をどう解釈したら苦しくなくなるでしょうか。お願いです、教えてください。 回答者 文筆業・清田隆之さん 入社したばかりでは仕事の要… この記事は有料会員記事です。残り980文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル