茂木克信2021年11月30日 10時05分 神奈川県藤沢市立中学校の40代の女性教諭が、中間試験の問題と解答の一部を複数の生徒に漏らしていた問題で、県教育委員会は29日、この教諭を停職6カ月の懲戒処分にしたと発表した。教諭は同日付で依願退職した。 県教委によると、教諭は今月3~4日、3年生の英語の中間試験の問題に解答を書き込んだうえで、インスタグラムで生徒3人に送信。そのうち2人に別の生徒にも送るよう指示し、計6人に漏らした。他にも、8日にリスニングテストの解答を中間試験を送信した3人に事前に漏らすなどしていたという。 教諭は臨時的任用職員として2年前から同校に勤務し、6人とは1年生の時から関わっていた。教諭は「頼られているうちに保護者のような心情になり、少しでもいい点数を取らせてあげたくなった」と認めているという。(茂木克信) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
熊本地震の震災遺構、崩落した旧阿蘇大橋を保存工事へ 被害を後世に
伊藤秀樹2021年11月30日 10時20分 2016年の熊本地震で崩落した旧阿蘇大橋(熊本県南阿蘇村)の橋桁を震災遺構として保存する工事について、県は22日、工事費や設計費に3500万円を計上する予算案を発表した。工事は22年度の完成を予定している。 旧阿蘇大橋は黒川に架かる長さ206メートルのアーチ型の国道で、1971年に開通。16年4月16日未明の本震で崩落した。橋桁の一部(18メートル)が崖に残り、村は「遺構としてのインパクトが強い」と現状のままの保存を希望している。県は今春、地震の被害を後世に伝える震災遺構として残すことを決めた。 工事は、崖に斜めに引っかかった状態の橋桁の上部をワイヤで固定。下部はコンクリートで固めて「ずれ」を防ぐ。詳細設計の後、着工する。 県は「旧阿蘇大橋は地震の規模や被害の程度を人々の心に響かせ、できる限りありのままの姿で保存することができる貴重な存在だ」と説明している。(伊藤秀樹) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
雑誌やネットでの誹謗中傷「許容できない」 秋篠宮さまの会見全文
【動画】56歳の誕生日を迎え、赤坂御用地を散策する秋篠宮さまと次女佳子さま、長男悠仁さま=宮内庁提供 秋篠宮さまは30日、56歳の誕生日を迎え、これに先立って記者会見に応じた。全文は次の通り。 「負担になったことには間違いない」 (問1)長女の眞子さんと小室圭さんの結婚は、皇室の儀式が行われず、一時金が支給されない極めて異例な形となりました。殿下は感想で、「皇室としては類例を見ない結婚となりました」、「皇室への影響も少なからずありました」とつづられました。「皇室への影響」とはどのようなことを指し、今回の結婚が今後の皇室にどのような影響があると思われますか。皇族としての「公」と一個人としての「私」など皇室そのもののあるべき姿が議論されましたが、殿下はどのようにお考えでしょうか。複雑性PTSD(心的外傷後ストレス障害)と診断された眞子さんの体調に影響を与えたと考えられる週刊誌報道やインターネット上の書き込みについて、どのように受け止めておられますか。 殿下 それでは最初に、私たちが10月26日に出しました感想に記した皇室への影響ということからお話をしたいと思います。いろいろあったと思いますけれども、私が感じるのは、主に二つです。その一つは、今回の長女の結婚が公になって以降、様々な媒体で、私たちの家、秋篠宮家以外の皇室にも影響が出たということを感じたからです。例えばそのことによって、天皇皇后両陛下がどういうふうに感じているとか、細かいことは私も記憶しておりませんけれどもありましたし、それからもっとはっきりしているのは、この娘の結婚に対して、上皇后陛下がいろいろ言われたとか、こういう考えを持っているというのが週刊誌に出たりもしました。このことは宮内庁のホームページでも二度か三度にわたってそういうことはなかった、実際に私もそういうことを聞いたことは一度もないわけですが、なかったということを説明しているのですけれども、それでもその後も続いたということがあり、やはり負担になったことには間違いないと考えています。それが、一つです。 もう一つは、結婚に当たって普通であれば行われている三つの行事ですね。納采の儀と告期の儀と入第の儀、この三つの行事を行わなかったことで、これは私の判断で行わなかったわけですけれども、これは元々は、皇室親族令にあるものです。今はもうそれはありませんので、絶対にしなければいけないというものではないわけですけれども、慣習的に行われているものであり、私は本来であればそれは行うのが適当であると考えています。しかし、それを行わなかったそのことによって皇室の行事、そういう儀式というものが非常に軽いものだという印象を与えたということが考えられます。本来であれば、その三つを行うのが繰り返しますけれども良かったと思っております。それが、あそこに書いた影響ということであり、その後に迷惑をかけた方々に対して申し訳なく思っているというのもそこにつながります。その次は何でしたか。 記者 公と私。 殿下 公と私ですね。公と私、そして皇室の。 記者 はい、あるべき姿。 殿下 あるべき姿。 記者 はい。 殿下 皇室のあるべき姿、これは上皇陛下が言われていた国民と苦楽を共にし、そして国民の幸せを願いつつ務めを果たしていく、これが基本にあると私は思います。そして、それとともにやはりこう時代というのは変わっていきますので、その変化にも即した皇室であることが大切ではないかと思っております。その上で、公と私を考えますと、これは私は公は常に私に優先されるべきものだと思います。もちろん、例外は存在すると考えますけれども、公は私に優先されるべきものでありましょう。 一方、それでは今の一連の御質問にあった、娘の結婚のことと、この公と私のことを合わせて考えてみますと、これはどうなんでしょう、公と私というものにうまく当てはまるものなのか、どうかという気もいたします。彼女は結婚するまでの間、皇族でいる間、公的なものと私的なものとの場合には、常に公的なものを優先してきていると私は思います。これは海外の訪問も含めてですね。論調の中の一部に娘が公よりも私を優先させたというのがありましたけれども、仮に、もし結婚するという、これは私的なことだとは思いますけれども、これを優先させたとしても結婚することを公にしてから既に4年経っているわけですね。もし、それを優先させた、優先させているということになれば、10年経っても20年経っても結婚はできないということになるかと思います。そのようなことから直接的に公と私という二つの概念に当てはまるのかというのは少し疑問に思いました。もう一つありましたよね。 記者 PTSD。 殿下 はい。 記者 複雑性PTSDと診断された眞子さんの体調に影響を与えられたと考えられる週刊誌報道やインターネット上の書き込みについてどのように思われますでしょうか。 週刊誌報道やインターネット上の書き込みについて、秋篠宮さまが思いを語りました。この「問1」のほか、眞子さんとの思い出など4つの質問と、関連する3つの質問にも答えました。 「週刊誌、作り話が掲載されていることもある」 殿下 そうですね、週刊誌こ… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
秋篠宮さま、あえて発言された「一定の基準」 皇室バッシングを憂慮
【動画】56歳の誕生日を迎え、赤坂御用地を散策する秋篠宮さまと次女佳子さま、長男悠仁さま=宮内庁提供 事実と異なる報道に反論するためには「一定の基準」作りが必要では――。これまで報道に反論しない姿勢を示してきただけに、秋篠宮さまの発言は「方針転換」ともとれる。関係者によると、バッシングとも言える報道が続くなかで、この方針は宮内庁も同調しているという。関係者は「ここ数年の報道が皇室全体にも及んだことを憂慮し、殿下はあえて発言された」とみている。 会見は、秋篠宮さまがまず、事前に宮内記者会から提出された質問5問にこたえ、その後、記者がその場で自由に質問する流れで進められた。「基準」作りの発言は、この関連質問のなかでの質疑だ。 秋篠宮さまは、報道に個別に対応してこなかった理由として、ある記事の記述を指摘すると、指摘しなかった「ほかのことは全て正確なのか」となりかねない点をあげた。どれが正確で、どこが違うのか。説明するのは「大変な労力を費やす」と難しさを語った。 宮内庁「どういう在り方がふさわしいか研究していく」 皇室をめぐっては、事実誤認の内容や誹謗(ひぼう)中傷ともとれる報道やネット上の攻撃が繰り返されてきた。特に問題となったのが、1993年の皇室バッシングだ。一部の雑誌を中心に、美智子さまを批判する報道が相次ぎ、美智子さまは誕生日の文書回答で「事実でない報道には大きな悲しみと戸惑いを覚えます。批判の許されない社会であってはなりませんが、事実に基づかない批判が、繰り返し許される社会であって欲しくはありません」と指摘。その直後に倒れ、一時言葉が出なくなった。 宮内庁はマスコミ対応を重視… この記事は有料会員記事です。残り1104文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
冬目前に丸亀うちわ工房が活況 「うれしい悲鳴」 刀剣乱舞とコラボ
湯川うらら2021年11月30日 7時00分 うちわ生産で全国一のシェアを誇る香川県丸亀市。夏の風物詩「丸亀うちわ」として全国的に有名だが、ある工房は冬を目前にしても生産に追われている。人気オンラインゲーム「刀剣乱舞-ONLINE-」とのコラボうちわが好評で、職人たちはうれしい悲鳴を上げている。 市内の「うちわ工房竹」では18日、職人たちが竹を削ったり、木づちで形を整えたりして、一本一本丁寧にうちわを作っていた。うちわの和紙には、丸亀藩京極家が家宝とした日本刀「ニッカリ青江」がモチーフのキャラクターが描かれている。 市観光協会が、10月に市立資料館でニッカリ青江を約2年ぶりに特別展示するのに合わせ、コラボ商品を企画。展示期間中は、多くのファンが工房にも訪れた。 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、工房はかき入れ時の8、9月に臨時休業。職人歴約20年の女性(77)は「この時期にこんなに忙しいのは初めて。コロナ禍で今夏は売れなかった分、ありがたい」。工房代表の星川弘さん(85)は「全国から若い人たちが来てくれて、丸亀うちわを知ってもらうきっかけになった」と喜ぶ。 今後、通販サイト(https://marugamekankou.stores.jp)でも販売を始める予定だ。1本2千円(税込み)。問い合わせは、市観光協会(0877・85・5852)へ。(湯川うらら) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
日大生「お金あるなら学費下げて」 理事長逮捕、学内から憤りの声
日本大学板橋病院をめぐる背任事件は、同大学の田中英寿理事長が逮捕される事態に発展した。日大の学生や関係者らからは、憤りの声が上がった。 「背任事件に続いて今度は脱税事件。ふざけるなと言いたい」。日大文理学部4年の男子学生(22)は怒りをあらわにする。 アルバイトで学費を稼いでいた友人の日大生のことが気がかりだ。コロナ禍でキャンパスが閉まり、会えなくなったが、苦しい生活を送っていることは想像に難くない。一方、今回の事件をめぐっては、多額の金の授受疑惑がとりざたされている。「そうしたお金があるのなら、学費を安くするなど学生のために少しでも回してほしい」 日大の広田照幸教授(教育社会学)によると、卒業生からは「同窓会を開くなど『日大』の名前を出して何かをするのが、はばかられるようになった」といった嘆きも聞くという。「真面目で良心的な多くの教職員が非常に迷惑している。学生も保護者も卒業生も同様だ。首脳陣は総退陣し、体制を刷新してほしい。自浄の努力を世間に示すしか信頼回復の道はない」 日大は、早稲田大や慶応義塾… この記事は会員記事です。残り917文字無料会員になると月5本までお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
男子は2年ぶり「蓮」、女子は初の「紬」 子どもの名前ランキング
明治安田生命保険は29日、2021年に生まれた子どもの名前ランキングを発表した。男の子は「蓮(れん)」(前年2位)で2年ぶり7回目、女の子は「紬(つむぎ)」(前年8位)で初めて、それぞれ1位になった。かっこ内は主な読み方。 明治安田の保険の契約者のうち、21年1~9月に生まれた約1万7千人が対象。男の子は2位が「陽翔(はると、ひなた、ひなと)」、前年トップだった「蒼(あおい、あお、そう)」と「湊(みなと、そう)」が同率で3位だった。女の子は前年トップの「陽葵(ひまり、ひなた、ひな)」が2位、「凛(りん)」が3位となった。 読み方別のトップ3は男の子は「はると」「みなと」「りく」、女の子が「めい」「みお」「つむぎ」の順だった。 今夏の東京五輪の影響で人気が高まったとみられる名前もあった。男の子の「大輝」が前年281位から72位に急上昇。体操の橋本大輝選手から取ったとみられる。読み方も、卓球の水谷隼選手の「じゅん」が前年223位から170位に、サーフィンの五十嵐カノア選手の「かのあ」が前年ランク外から220位に順位を大幅に上げた。(小出大貴) 21年生まれの名前ランキング 【男の子】 【女の子】 1 蓮〈れん〉 1 紬〈つむぎ〉 2 陽翔〈はると〉 2 陽葵〈ひまり〉 3 蒼〈あおい〉 3 凛〈りん〉 3 湊〈みなと〉 4 澪〈みお〉 5 樹〈いつき〉 5 芽依〈めい〉 6 朝陽〈あさひ〉 6 結愛〈ゆあ〉 7 大和〈やまと〉 7 陽菜〈ひな〉 7 悠真〈ゆうま〉 8 杏〈あん〉 9 颯真〈そうま〉 8 紬希〈つむぎ〉 10 陽向〈ひなた〉 10 莉子〈りこ〉 10 花〈はな〉 ※明治安田生命調べ。〈〉内は主な読み方 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
函館で水揚げ急増のイワシどう生かす 子どもたちが料理に挑戦
【動画】函館産のイワシを使った料理に挑戦する小学生と保護者たち=三木一哉撮影 北海道函館市や北海道南部の食材を生かした料理を、親子がシェフから学ぶ「リトルシェフ養成講座」が27日、函館市の函館短大付設調理製菓専門学校であった。同校と市の共催。小学生と保護者8組19人が参加した。 この日のテーマは「函館でいっぱいとれているイワシをメインにして」。冒頭、函館近海で近年、イワシの漁獲量が急増している一方、なじみが薄いためにあまり活用されていない現状が紹介された。 ホテルのレストランで料理長の経験がある同校の吉田徹教頭が講師を務めた。子どもたちは、イワシを腹から開いて背骨を取り、香辛料やチーズをまぜたパン粉を付けて焼き上げるイタリア風のイワシフライや、七飯町産の洋野菜ポロネギを使ったスープの作り方を教わった。 参加した三浦結花さん(5年… この記事は会員記事です。残り303文字無料会員になると月5本までお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「運営費見積もり甘い」「東京五輪の検証を」 札幌五輪計画を聞く
2030年冬季五輪招致に向け、札幌市は29日、経費を削減した開催概要案を公表した。新型コロナウイルスの感染拡大下で、ほぼ無観客で行われた東京五輪の経費がふくらみ、五輪のあり方への疑問もあるなか、五輪招致の機運がどこまで高まるのか。今回の計画について識者に聞いた。 鈴木知幸・国士舘大客員教授(スポーツ政策学) 元東京都職員で五輪招致に関わった鈴木知幸・国士舘大客員教授(スポーツ政策学)の話 大会運営費の見積もりが甘く、実際には支出がさらに膨らむ可能性がある。既存施設を五輪用に改修するには多額の経費がかかり、会場周辺の道路整備も必要となる場合が多いが、それも盛り込まれていないと考えられる。 今回示されたのは札幌市の負担分のみで、国や道の負担分が具体的に示されていない。会場を借りる長野県の負担割合も示されていない。東京五輪では開催決定後に費用負担をめぐり、東京都と国でもめる形になった。あらかじめ負担を明確にしてから道民に意向調査をすべきだ。 新たな感染症や災害などで開催が難しくなった場合に備え、IOCとの契約内容も説明すべきだ。五輪の開催都市はいわば「場所貸し」で、開催の最終的な決定権はない。東京五輪の反省を踏まえ、招致した場合のリスクも国民に示すべきだ。 舛本直文・東京都立大客員教授(五輪論) オリンピックに関する研究で知られる舛本直文・東京都立大客員教授(五輪論)の話 これまでの五輪でも、計画段階の予算を低く見積もり、最終的な経費が4倍近く膨れ上がることがあった。終わったばかりの東京五輪の検証も十分なされておらず、世界的にはコロナ禍も収束していない。この時期の計画案の発表は、五輪に対する国民の違和感につながる可能性がある。 また、今回示された大会ビジョンでは「スポーツ・健康」「経済・まちづくり」「社会」「環境」が挙げられているが、オリンピズムの根幹である「平和」が抜け落ちている。 五輪招致には世界各国やIOCから賛同を得やすいテーマ設定が必須だ。インフラ整備やインバウンド効果による観光経済成長などは、結果的に付随するメリットであり、招致の目的として前面に押し出すべきではない。コロナで分断された世界への貢献方法などを明確に示し、東京五輪との違いを打ち出すべきだ。(聞き手・榧場勇太、佐野楓) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
新幹線延伸、観光客増… 五輪に期待する札幌市 市民の機運は
2030年冬季五輪・パラリンピック招致に向け札幌市が29日に公表した大会概要案には、既存施設の活用などのさまざまな経費削減策が盛り込まれた。市は今後、市民との対話や道民への意向調査を行うが、計画通り招致へ進めるかどうかは住民の理解と機運醸成にかかっている。 札幌では日本経済が右肩上がりだった1972年に冬季五輪が開催され、メダルラッシュが起き、インフラ整備も進んだ。今回は2030年度末に北海道新幹線の札幌延伸が計画され、五輪と合わせたまちづくりや観光客増を狙う。ただ、人口減で市財政も厳しいなか、市民に理解が得られるのか。新型コロナウイルスの感染拡大下で、ほぼ無観客で行われた東京五輪の経費がふくらみ、五輪のあり方への疑問もあるなか、五輪招致の機運がどこまで高まるかは未知数だ。 市が示した大会概要案では、2千億~2200億円と試算した大会運営費は国際オリンピック委員会(IOC)の負担金やスポンサー収入などでまかない、原則税金を投入しないとする。市負担となる施設整備費は既存施設の改修や建て替えを前提とし、従来案の800億~1400億円から最低限の800億円に抑える。市の実質負担額は400億~600億から450億円と試算した。 主な施設整備費は、アイスホッケー会場となる月寒体育館(豊平区)の建て替えで365億円(うち市負担は214億円)。現施設を札幌ドーム周辺に移転し、新たな施設をつくる。大会時は新旧両施設の活用を検討し、大会後は旧施設を取り壊すという。秋元克広市長は会見で「老朽化しており、大会のあるなしにかかわらず建て替えが必要。新設にはあたらない」と説明した。 スキーのジャンプ競技では、ラージヒルの大倉山ジャンプ競技場(中央区)にノーマルヒルを併設することで会場を一本化(整備費は市負担で78億円)する。選手村は、更新時期を迎える月寒地区の市営住宅を集約して建て替える計画と連動させ、一部を大会時の選手村として活用する(同157億円、うち市負担86億円)ほか、民間ホテルへの分散も進めるとしている。 概要案には会場配置の変更点も盛り込まれた。従来はニセコのみで行う計画だったアルペンスキーは、気象条件や競技日程の関係で札幌市のサッポロテイネスキー場も活用することなども検討している。 今後は新たな概要案が市民の理解を得られるかが鍵になる。市は、来年1月中旬~2月中旬にシンポジウムやワークショップなどを開いて市民対話を実施、3月までに市民だけでなく道民を対象にした意向調査を行う。意向調査の結果は「今後の進め方の参考」とし、招致を進めるかどうかは「総合的に判断する」(秋元市長)という。 市は動画やSNSなども活用し、子どもや若者も含めた幅広い世代への説明機会を設けたいとしている。秋元市長は「オリンピック・パラリンピックは、将来の札幌が市民に愛され、暮らしやすく、多くの人を魅了し、輝き続けるための持続可能なまちづくりを進めるプロジェクト。一人でも多くの方にこのプロジェクトに共感いただけるよう尽力していきたい」と語った。(中野龍三、佐藤亜季、能田英二) 秋元・札幌市長会見の一問一答 秋元市長の記者会見での主な一問一答は以下の通り。 ――経費削減の方法は。 「既存施設を最大限活用し… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル