2021年11月10日 9時09分 解錠作業のクーリングオフを求めた客の部屋のドアの鍵穴に接着剤を注入して壊したとして、大阪府警は9日、鍵修理会社「キセキ」の社長、佐野精希(せいき)容疑者(26)=住所不定=を器物損壊容疑で逮捕した。佐野容疑者は黙秘しているという。 生活経済課によると、佐野容疑者は4月21日午後、キセキの男性社員(43)と共謀し、大阪市城東区の集合住宅の20代男性が住む一室の玄関ドアの鍵穴に接着剤を入れて壊した疑いがある。 男性の府警への説明では、1月に男性が鍵を紛失し、キセキが解錠。当初、キセキ側は料金を8千円としていたが、作業後に約10万円を請求した。男性はクレジットカードで支払い手続きをしたが、高額に感じ、クーリングオフをしようと契約解除通知をキセキ側に送付。返送されたため、カードの決済を止めたという。 社員の男は府警に対し、佐野容疑者から代金の回収を命じられ、男性に拒否されると鍵を使えなくするよう命じられたと話しているという。府警は、佐野容疑者が支払いを拒まれた腹いせに接着剤を入れた可能性があるとみている。壊された鍵は、別の業者が約1万3千円で直したという。 佐野容疑者は9月、虚偽の会社住所が記載された書類を客に渡したとして特定商取引法違反の疑いで従業員らとともに逮捕され、その後処分保留で釈放されていた。府警には昨年7月~今年3月、キセキに高額請求されたため、クーリングオフをしようと契約解除通知を送っても届かないという相談が数十件寄せられていた。府警によると、偽の住所を伝えられていたためという。 その後、国から雇用調整助成金約2千万円をだまし取ったとして、佐野容疑者は詐欺の疑いで再逮捕、起訴された。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
広島駅西側の建物密集地で火災、2人搬送 近所の人「恐ろしい」
2021年11月10日 9時34分 10日午前5時35分ごろ、広島市南区大須賀町のJR広島駅西側の建物密集地から出火し、複数の建物に燃え広がった。広島南署や市消防局によると、60代の男性と80代の女性の計2人が煙を吸うなどして病院に搬送された。意識はあるという。約30棟に被害が出ている。 現場は広島駅西側で飲食店が立ち並ぶ「エキニシ」と呼ばれる一角。2018年1月にも1人が亡くなる火災が起きた。町内に持ち家がある60代の男性は「前回の火事のことを思い出した。この付近は建物が密集しており、今回も消火にしばらく時間がかかりそうで不安」と語った。 近くの70代の女性は「消防車のサイレンで目が覚めた。3時間くらいずっとみているが、まだおさまらない。火の気が広がるのが恐ろしい」と話した。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
高1「指導死」、道教委と平行線続く 母親「真摯に向き合って」
札幌市で2013年、道立高校1年の男子生徒(当時16)が自ら命を絶ったことをめぐり、母親(54)と北海道教育委員会の話し合いが平行線のままだ。教員の不適切な指導による「指導死」を訴えて第三者委員会による調査・検証を求める母親に対し、道教委は応じない考えを崩さない。専門家は第三者の検証を再発防止につなげる必要性を説く。 「司法で指導が不適切だったという認定が出ても、道教委にはなかなか向き合ってもらえないと感じた。このままでは悠太に報告ができない」 母親は9月、初めて実現した道教委との話し合いのあと、声を詰まらせながら話した。 記事の後半では、教育評論家の武田さち子さんが、子どもの心と命を守ることを第一にする重要性について語ります。 昨年11月、悠太さんの自殺をめぐり母親が道に損害賠償を求めた「指導死訴訟」の控訴審の札幌高裁判決は、自殺前日の吹奏楽部顧問の教諭の指導について「適切とはいえない」と認めた。ただ、「それ自体で自殺の結果を招くような強い心理的負荷を与える危険な指導方法とまではいえない」と指摘。自殺は予見できなかったとして道の責任を否定した。母親、道ともに上告せず、判決は確定した。 母親は7月、道教委に対し、第三者委による調査・検証や具体的な再発防止策の策定を求める要望書を提出。面談して話し合うことも求めていたが、道教委は応じていなかった。9月上旬の道議会文教委員会でこの問題の道教委の対応について大越農子議員(自民党・道民会議)が質問したことがきっかけで、9月24日にようやく実現した。 母親はこれまで行政文書の開示請求をしたり、教員の指導にまつわる文部科学省の通知や他の自治体で起きた事例を調べたり、「指導死」について考える集会に出かけたりしてきた。集めた資料は分厚いファイル30冊以上にもなった。 道教委との2度目の面談が行われた10月29日、母親は道監査委員に対し、悠太さんの自殺後に全校生徒に行ったアンケートの原本を学校が破棄したことへの110万円の賠償は、道の公金ではなく、当時の校長など責任ある者が補塡(ほてん)すべきだとして、知事に勧告を求めた。責任の所在をはっきりさせたいという思いからだ。 母親は言う。「判決が出て終わりなのではなく、ここが出発点。道教委には、悠太のようなことが再び起きないように真摯(しんし)に向き合い、一緒に考えてほしい」(芳垣文子) 教育評論家の武田さち子さん… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
インスタ投稿の豊胸サプリに「根拠無し」 消費者庁が措置命令
川見能人2021年11月9日 19時48分 インスタグラムなどに投稿された、飲むと胸が大きくなるというサプリメントの表示には根拠がないとして、消費者庁は9日、景品表示法違反(優良誤認)で、ともに東京都豊島区の「アクガレージ」と「アシスト」の2社に対し、表示の停止などを求める措置命令を出した。インスタの投稿が景表法違反の対象になるのは初めてという。 同庁によると、2社は2018年以降、連携してカプセル型の「ジュエルアップ」と粉末型の「モテアンジュ」の2種類のサプリメントを販売。商品を無償提供する代わりに、少なくとも15人のインスタグラマーに「#バストアップ」「#胸大きく」などハッシュタグ付きのキーワードを商品の写真とともに投稿するよう指示していた。同庁が両社に豊胸効果を示す根拠の提示を求めたが、示されなかったという。 同庁によると、両社のサプリに関連して、全国の消費生活センターに2018年5月~今年9月、「効果がない」などの苦情や相談が約1800件寄せられた。健康被害などの報告は把握していないという。両社は同庁に対し、「措置命令を真摯(しんし)に受け止め、今後は表示の改善に努めていく」と説明したという。(川見能人) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
計5400万円脱税容疑、洋服輸入卸2社を告発 名古屋国税局
村上潤治2021年11月10日 6時00分 女性服の取引で得た法人所得を申告せず、計約5400万円を脱税したとして、名古屋国税局が輸入卸会社「リベルタ」と「アマンダ」(ともに名古屋市中区、解散)、両社の岩田高明・元実質経営者(52)=名古屋市名東区=を法人税法違反の疑いで名古屋地検に告発したことがわかった。 関係者によると、両社は2017年~19年、計約2億3千万円の所得を申告せず、脱税した疑いがある。 岩田元経営者は自身が代表を務めるレディースアパレル会社と同じ住所に17年にリベルタを、翌18年にアマンダを設立し、実質的に経営。両社は中国から女性服を仕入れ、アパレル会社に卸していた。アパレル会社が卸した先のブランドは20~40代の女性を中心に人気で業績が急伸したという。 両社は税務申告をせず、設立から約1年半で解散しており、国税局は意図的な税逃れと判断した模様だ。 岩田元経営者は取材に「忙しさのあまり、申告をしていなかった。申し訳なく思い、反省し、納税した」とコメントした。(村上潤治) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
核のごみ争点の寿都町長選無効申し立て 「障害者に違法な代理投票」
伊沢健司2021年11月10日 7時00分 「核のごみ」(原発から出る高レベル放射性廃棄物)の最終処分場の選定に向けた全国初の文献調査の継続か中止かが争われた北海道寿都町長選で、障害者らの代理投票が違法な方法で行われたなどとして、町民ら5人が9日、公職選挙法に基づき町選挙管理委員会に対し町長選の無効を求める申し立てをした。 10月26日投開票の町長選では、調査を推進する現職の片岡春雄氏(72)が、中止を訴えた新顔の越前谷由樹氏(70)を235票差で破り6選を果たした。町長選の無効を求める申し立てをしたのは越前谷氏の後援会長の吉野寿彦さんら。「違法の結果が及ぶ票数は、得票数の差(235票)を上回る」と訴えている。 公職選挙法では障害者が投票用紙に代筆してもらう代理投票の方法を規定。投票の事務を担う「投票管理者」が、補助する2人を決め、1人が代筆、1人が立ち会うことになっている。 申し立てによると、複数の投票所でこの方法が実施されなかったと主張。さらに障害者施設の入居者が投票する際、付き添った施設職員が投票内容を見られる状況だったとして「投票の秘密が損なわれ、自由な意思による投票は期待できなかった」としている。 町選管が申し立てを棄却した場合、道選管に審査を申し立てることができる。さらに棄却された場合は、札幌高裁に提訴できる。(伊沢健司) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
関電元役員ら不起訴、告発者「ありえない」 地元は沈黙
関西電力の元役員らが福井県高浜町の元助役(故人)から金品を受け取っていた問題で、大阪地検特捜部は関電の元役員ら9人全員を不起訴処分にした。元役員らを会社法の特別背任などの疑いで刑事告発した市民団体「関電の原発マネー不正還流を告発する会」代理人の河合弘之弁護士は9日、オンラインで記者会見を開き、「まことに遺憾。巨悪を眠らせないという公益の守護者としての検察の権威を著しく失墜させた。戦後最大の公的経済犯罪を見逃すことはありえない」と、大阪地検の判断を批判した。 河合弁護士は金品受領や報酬補塡(ほてん)などの告発内容について、「(地検が家宅捜索などの)強制捜査で証拠資料を入手すれば起訴につながったはずだ」「国税も問題にしており、違法性は明らかだ」などと述べた。 今後は速やかに検察審査会に審査を申し立てる方針。河合弁護士は「検察審査会で市民の感覚で裁いてもらい、不起訴決定を覆し、強制起訴にこぎつけたい。地検の手ぬるい捜査で見逃されていたものを引きずり出し、歴史の判断にゆだねたい」と話した。 関電の筆頭株主である大阪市… この記事は会員記事です。残り402文字無料会員になると月5本までお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「子ども殺す目的」供述 刃物持ち保育施設に侵入容疑で逮捕 宮城
三井新2021年11月9日 20時20分 認定こども園に無断で立ち入ったとして、宮城県警は9日、同県登米市豊里町迫の無職、大槻渉容疑者(31)を建造物侵入容疑で現行犯逮捕し、発表した。大槻容疑者は包丁を所持しており、「子どもを殺す目的で侵入した」と供述しているという。園児や職員にけがはなかった。 捜査1課などによると、大槻容疑者は9日午前10時40分ごろ、同市豊里町小口前の認定こども園「豊里こども園」の敷地に侵入した疑いがある。 当時、園児計約200人と職員約40人が園にいた。職員が敷地の周囲をうろつく大槻容疑者を不審に思い、園庭で遊んでいた園児約70人を建物に避難するよう誘導。その後職員が大槻容疑者に声をかけたところ、無言で高さ約1メートルの柵を乗り越えてきたという。その際、刃渡り約12センチの包丁で切りかかろうとしたため、複数の職員で取り押さえた。(三井新) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「主文後回し」を予告、判決まで30分間 患者連続死、被告の様子は
会員記事 大宮慎次朗 黒田陸離2021年11月9日 20時29分 患者3人の命を絶ち、死刑を求刑された元看護師に言い渡されたのは、無期懲役判決だった。横浜市の旧大口病院で2016年に起きた連続中毒死事件。裁判員らは苦悩の末、結論にたどり着いたと明かした。被害者遺族は「納得がいかない」と、検察に控訴するよう求めた。 「無期懲役に処する」 横浜地裁の家令(かれい)和典裁判長が主文を読み上げる際、証言台に座っていた久保木愛弓(あゆみ)被告(34)は、ずっと前を見続けた。家令裁判長が「わかりましたか?」と問うと、小さく「はい」と答えた。 10月22日に裁判が結審した際、家令裁判長は厳粛な法廷で判決を宣告したいとの理由で、結論に関わらず主文を後回しにするとしていた。そして、判決当日、「裁判員のみなさんと真剣に議論した結論」と前置きした上で約30分かけて判決を言い渡した後、こう説いた。 「あなたが本日までに至った… この記事は会員記事です。残り1290文字無料会員になると月5本までお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
会見は9分40秒 「雲隠れ」4カ月の木下都議、事故詳細は語らず
会員記事 関口佳代子、釆沢嘉高2021年11月9日 20時30分 7月の都議選期間中に無免許運転で事故を起こした疑いで書類送検された木下富美子都議(55)が9日、4カ月ぶりに公の場に姿を見せ記者会見を開いた。ただ、説明と質疑の時間は、わずか9分40秒。議員を続ける考えを示した一方、自身が起こした人身事故については口を閉ざした。 「二度と繰り返すことのないよう車の運転はいたしません。本当に本当に申し訳ございませんでした」 正午過ぎに議会棟の通路で記者団の取材に応じた木下都議は冒頭、そう言って深々と頭を下げた。 木下都議は、大きく息をしながら、伏し目がちに自身の「心身の不調」の内容や、それが議会の欠席理由だったことを説明。すでに振り込まれた3カ月分の議員報酬計約192万円をNPO法人などに寄付したことや、政務活動費計150万円は請求しない考えを明らかにした。 後半は木下都議と記者の一問一答を掲載しています。 今回の人身事故については… この記事は会員記事です。残り582文字無料会員になると月5本までお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル