磯部征紀、小川崇2021年11月3日 8時10分 京王線の電車内で乗客17人が重軽傷を負った事件を受けて、国土交通省は2日、異常が発生して緊急停車した駅でホームドアと電車のドアがずれた場合、両方のドアを開けて避難誘導することを基本とするよう鉄道会社に指示した。 JRや私鉄など32社の安全責任者が参加する会議で各社の意見を踏まえて決定した。今後、再発防止対策や開扉に関する具体的な運用方針を作成するよう求めている。 このほか国交省は、車内の非常通報装置の使用について、危険が差し迫っている場合は乗客との通話は困難だと指摘。複数の装置が押された場合などは、通話なしでも緊急事態と認識して周辺の他の電車の停止を行うことも指示した。 今回の事件では、事件発生後、車内の非常通報装置が複数箇所で押された。乗務員と通話できるタイプだったが乗客からの応答はなく、乗務員はこの段階では状況を把握できなかった。 電車はその後、国領駅に緊急停止する際、所定の停止位置に止まれず、電車のドアとホームドアの位置がずれた。車掌は乗客転落の危険を考慮して双方のドアを開けず、乗客が窓から避難する事態になった。 京王電鉄の担当者は会議後、「ドアを開けなかった判断は結果的に正しかったが、もっと正しい答えはあると思う。より乗客が安全に避難できるよう規定を見直したい」と述べた。(磯部征紀、小川崇) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
小池百合子都知事が退院 週内は自宅静養、その後2週間はテレワーク
2021年11月2日 18時09分 東京都は2日、「過度の疲労」により入院していた小池百合子知事(69)が退院したと発表した。医師の判断により、今週は自宅で静養を続け、その後2週間程度はテレワークをしながら公務に復帰するという。 小池知事は10月27日に入院すると発表し、約1週間入院した。小池知事は6月下旬にも約1週間、過労により入院した。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
放火容疑で19歳を再逮捕、現場にライター用オイル缶 甲府2人死亡
甲府市で住宅が全焼して夫妻の遺体が見つかった事件で、市内の少年(19)=傷害容疑で逮捕=について、山梨県警は2日、現住建造物等放火容疑で再逮捕し、発表した。容疑を認めているという。現場でライター用のオイル缶が見つかったことから、県警は計画的な事件とみている。 発表によると、少年は10月12日午前3時50分ごろ、甲府市の会社員井上盛司さん(当時55)方に火を付け、2階建て住宅を全焼させた疑いがある。焼け跡からは激しく焼けたライター用のオイル缶が複数見つかり、ライターのオイルとみられる成分が検出されているという。 捜査関係者によると、焼け跡から見つかった井上さんと妻章恵さん(同50)の遺体には、刃物によるとみられる多数の傷が確認されており、少年は殺害についても関与を認め、「後悔している」などと話しているという。 少年は「1階の部屋のガラス… この記事は会員記事です。残り501文字無料会員になると月5本までお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
サケ釣りのゴムボートから3人が海中転落 1人が死亡 北海道網走沖
神村正史2021年11月2日 19時00分 2日午前10時15分ごろ、北海道網走市の二ツ岩付近の海岸で釣りをしていた男性から「ゴムボートから男3人が海に落ちて漂流している」と北海道警網走署に通報があった。1人は自力で岸まで泳ぎ着き、残る2人は網走海上保安署から連絡を受けた漁船などが約1時間後に救助し、救急搬送されたが、1人が死亡した。 網走海保によると、亡くなったのは札幌市の会社員武者寛之さん(53)。3人は札幌市などからサケ釣りに来ていた。3人は、船外機付きゴムボート(3・8メートル)を二ツ岩の浜に下ろし、そこから南東約3キロの網走港帽子岩付近に行って釣りをし、戻る途中に二ツ岩の沖約100メートルで波を受けてボートが転覆、海に投げ出されたとみられる。 3人ともライフジャケットを着ていたが、事故当時、波の高さが1メートルほどあり、南寄りの5メートルの風が吹いていた。自力で泳ぎ着いた男性は朝日新聞の取材に「午前6時ごろにボートを出した時は風も波もなかった。風が強まってきたので戻り始めたが、あと少しというところで、白波を受けて転覆した。海中は非常に寒かった」と話した。 帽子岩付近は道内有数のサケ釣りポイント。小さなボートで釣りをする人が多く、網走海保は「海中転落の通報はこれまでにもある。気象状況をしっかり見極めることが大切だ。天気が変わるような時は、釣りをやめたり、ボートを出さないという判断をしたりして欲しい」と注意を呼びかけている。(神村正史) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「ファスト映画」投稿で懲役2年求刑 著作権法違反罪の初公判
2021年11月2日 19時29分 映画を短く無断編集した「ファスト映画」をネットに投稿したとして、著作権法違反の罪に問われた無職高瀬拳也被告(25)=札幌市東区=ら3人の初公判が2日、仙台地裁(大川隆男裁判長)であった。いずれも起訴内容を認めた。検察は主犯とされる高瀬被告に懲役2年、罰金200万円を求刑して結審した。弁護側は執行猶予付きの判決を求めた。判決は16日。 起訴状によると、高瀬被告らは共謀して昨年6月6日~7月21日ごろ、映画5作品の映像を無断で編集してナレーションなどを入れ、ユーチューブで公開したとされる。 検察側は冒頭陳述で、高瀬被告らが映画の著作権者から警告を受けていたにもかかわらず、ネット上に別のチャンネルを開設するなどして投稿を続け、昨年4月~今年4月に計約700万円の広告収入を得たと指摘した。高瀬被告は被告人質問で「生活費を稼ぐためだった」と話した。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「好条件で定期口座」とウソ 元信託銀行員、3500万円詐取容疑
2021年11月2日 20時54分 資産運用をめぐって顧客にうその説明をし、3500万円をだまし取ったとして、警視庁は2日、三井住友信託銀行の元行員、松本裕一容疑者(36)=東京都足立区佐野2丁目=を詐欺容疑で逮捕し発表した。容疑を認めているという。 同庁は、松本容疑者が2018年5月~20年12月、顧客十数人から計約7億6千万円を詐取したことを確認したと説明。このうち約3億6千万円をギャンブルなどに使ったとみている。 捜査2課によると、松本容疑者は同行新百合ケ丘支店(川崎市麻生区)の財務相談課長だった20年7月中旬、同市の70代女性に「普通預金から出金し、キャンペーン中の好条件で定期預金を作りましょう」などと持ちかけ、現金計3500万円を詐取した疑いがある。実際には定期預金の口座を作らず、私的に流用していたという。 同課は、松本容疑者がほかの顧客からも同様の方法で現金を詐取していたとみている。発覚を免れるため、だまし取った現金を別の顧客の口座に入れる自転車操業を続けていたという。不正の発覚を受け、同行は20年12月に松本容疑者を懲戒解雇にした。 三井住友信託銀行広報室は2日、「日頃から当社を信頼し、取引いただいているお客さま、並びに株主のみなさまに心よりおわび申し上げます」とのコメントを出した。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
劇団わらび座、負債総額は14億円超 民事再生手続き開始決定
増田洋一2021年11月2日 21時02分 秋田県仙北市に本拠を置き、国内外で活動してきた劇団「わらび座」が2日、秋田地裁から民事再生手続きの開始決定を受けた。コロナ禍の長期化に伴う経営悪化が原因で負債総額は14億4600万円。今後は、新しい非営利法人「わらび座」が、35人の役者を含む社員や、事業を承継し、再生を図りながら活動を続ける。システムソフト社(東京都)の支援も受ける。 再生のために今後、企業に寄付金を募るほか、施設の命名権、冠作品、広告への協賛、法人年間シート契約などを要請する。クラウドファンディングも12月に設ける予定だ。 わらび座は1951年に東京で前身が創設され、その後、秋田に移り、わらび座となった。民話などをテーマに、コロナ禍前は全国公演が年間約800回に及んだ。地方を拠点にした本格的な演劇活動は全国的にも珍しく、評価を受けてきた。仙北市にある劇場の隣で宿泊施設も営み、中学校を中心に年間約150校の生徒を観劇、宿泊に受け入れていた。 企業に協賛を呼びかける新法人の支援組織もあり、会長の三浦廣巳氏(秋田商工会議所会頭)は「わらび座の70年間の活動は秋田の財産であり宝である」と、存続の必要性を強調した。(増田洋一) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「巨大津波、予見できた」と検察官役 東電強制起訴の控訴審始まる
新屋絵理2021年11月2日 21時36分 2011年の東京電力福島第一原発事故で、津波対策を怠ったとして業務上過失致死傷罪で強制起訴された旧経営陣3人の控訴審が2日、東京高裁(細田啓介裁判長)で始まった。検察官役の指定弁護士は、3人を無罪とした一審判決の破棄を求め「国の地震予測で津波襲来は予見できた」と訴えた。旧経営陣の弁護側は改めて無罪を主張した。 東電の勝俣恒久・元会長(81)、武黒一郎・元副社長(75)、武藤栄・元副社長(71)の3被告は津波を予測できたのに対策せず事故を招き、避難を余儀なくされた双葉病院(福島県大熊町)の患者ら44人を死亡させたなどの罪に問われた。不起訴になったが、検察審査会の議決で強制起訴されていた。 同罪の成立を争う裁判の争点は①津波発生を予測できたか(結果予見の可能性)②防止策は講じられたか(結果回避の義務)。 旧経営陣の弁護側 国の地震予測を疑問視 「津波の危険性認識できず」 19年の一審・東京地裁判決は、国の地震予測「長期評価」に基づく巨大津波予測は3人に伝えられたと指摘。だが、長期評価の信頼性を否定して「原発の運転を停止するほどの予見可能性はなかった」と説明し、①②いずれも否定した。 指定弁護士はこの日、長期評価について「我が国唯一の公式見解で科学的根拠がある」と強調し、一審が①を否定したのは「重大な誤り」と主張。②について一審が防止策を運転停止に限った点は「防潮堤建設など別の対策まで広げて判断すべきだ」と訴え、裁判官らによる原発の現場検証を求めた。 これに対し弁護側は、長期評価は信頼性に疑いがあり、津波の危険性は認識できなかったと反論した。3被告のうち勝俣元会長は出廷しなかった。 高裁は来年2月の公判で、長期評価の策定に関わった元気象庁幹部の証人尋問の必要性などを判断する見通し。(新屋絵理) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
小川洋・前福岡県知事が死去 肺腺がんで3期目半ばで辞任
松沢拓樹、山田佳奈2021年11月2日 22時24分 福岡県知事を3期目半ばで辞職した小川洋(おがわ・ひろし)さんが2日、死去した。72歳だった。葬儀は遺族で営む予定で、喪主は非公表。今年2月に肺腺がんが判明し、翌月に辞職して療養中だった。 福岡市出身。1973年に旧通商産業省に入り、特許庁長官などを歴任し、退官後の2007年11月に内閣広報官に就任。11年に麻生渡・福岡県知事(当時)の後継として立候補して初当選を果たし、15年の知事選で再選した。 しかし、2期目途中、これまで支援を受けていた麻生太郎・副総理兼財務相(同)や自民党県連との関係が悪化。19年の知事選では、麻生氏を中心に擁立した元厚生労働官僚に党本部が推薦を出し、小川さんには県選出の一部の自民国会議員らが付いて自民の分裂選挙になったが、前回を上回る得票で3選した。 公の場で、「福岡は元気になっている」と繰り返し強調。県内人口は増加傾向を続け、県内総生産(名目)は国の平均を上回るペースで成長した。環境関連企業を集める「グリーンアジア国際戦略総合特区」では約1800人の新規雇用も生んだ。 副知事として支えた服部誠太郎知事は2日、報道陣に「豪雨災害などで自ら現地に赴き、復旧や被災地の復興について陣頭指揮を執って取り組まれた。この姿が非常に印象に残っている」と悼んだ。 新型コロナウイルスの発生当初から対策に奮闘したが、政府と足並みが乱れることもあった。今年1月に2度目の緊急事態宣言が出る直前、経済への打撃も懸念し、政府に対して「現時点で医療提供体制は逼迫(ひっぱく)していない」と伝えたが、押し切られた。 高校時代の同級生で、県の新型コロナ感染症調整本部長を務める上野道雄医師は「県内に感染者が出る前から『これは尋常では終わらん。きちんと対処して県民の役に立つことをしないといけない』と話していた」と振り返る。 小川さんは入院中、見舞いに訪れた上野医師に「県民の信任に応えられなかった。元気になってきちんと謝りたい」と語り、最期までがんの治療やリハビリに取り組んでいたという。(松沢拓樹、山田佳奈) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
立憲・枝野代表辞意表明に驚きと残念がる声 落選陣営には恨み節も
渡辺純子、松岡大将、奥村智司2021年11月2日 22時33分 立憲民主党の枝野幸男氏が代表辞任を表明した2日、衆院選を共に戦った候補者たちからは驚き、残念がる声が上がった。落選した候補者の関係者からは、恨み節も聞かれた。 福岡5区で、閣僚経験がある自民のベテラン候補との一騎打ちを制し、初当選した元県議の堤かなめ氏。4月の立候補表明会見のときは枝野氏も同席していた。堤氏は「辞任と聞いて驚いた。枝野氏が結党し、たくさんの支援者を集めてここまできた。功績は大変大きい」とねぎらった。初当選直後にいきなり代表の辞意が重なったが、「党内には有能な人材がいっぱいいる。新しい人が代表になり、党勢を拡大する機会だと前向きに受けとめたい。代表を退かれても党の中心部にいると思うので、今後もご指導いただきたい」と話した。 佐賀1区の原口一博氏も自民候補との一騎打ちの末、わずか133票差で競り勝った。 枝野氏とは旧民主党時代の2009年、共に政権交代を経験しており、「盟友で、家族ぐるみのつきあい」という。現在、立憲の副代表を務める原口氏は、盟友の決断に「比例の票が伸びなかった。辞任という形になって残念。代表自身の判断なので、重く受け止める。今後は野党第1党として、他党にも目配りしながら大きなかたまりをつくっていきたい」と語った。 政調会長代行として衆院選のマニフェスト作成に携わった鹿児島1区の川内博史氏は、自民候補との一騎打ちに敗れた。枝野氏の辞意について「私たちがもっと頑張るべきだった。申し訳ない。(結党以来)4年間の獅子奮迅の活躍に敬意を表する」と言葉少なだった。 小選挙区で敗れたとはいえ、比例区での復活当選を左右する惜敗率は90%近く、九州ブロックでは6番目に高かった。しかし立憲の獲得議席数は4で、8だった自民の半分にとどまり、復活もかなわなかった。陣営関係者は「取るべき票は取ったが、比例票の不振が痛かった。党低迷の責任は、与党への対立軸を明確にできなかった枝野氏にある」と漏らした。(渡辺純子、松岡大将、奥村智司) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル