新屋絵理2021年12月7日 19時45分 銀行員や区役所職員を装い、還付金を受け取れるなどとうそを言って現金をだまし取ったとされる事件で、組織犯罪処罰法違反などの罪に問われた指定暴力団山口組の2次団体「中島組」(大阪市淀川区)幹部の藤井幸治被告(59)に対し、東京地裁は7日、無罪の判決を言い渡した。被告は詐欺グループメンバーに携帯電話や通帳を調達して渡していたが、野沢晃一裁判長は「その後の詐欺への関与がなく共謀は認められない」と述べた。 被告は東京都や神奈川県に住む高齢者らから2018年に2千万円超をだまし取ったとして起訴された。捜査当局は被告を詐欺グループの統括的立場とみていた。 判決は、「携帯などを何に使うか話さないようにしていた」とした詐欺グループメンバーの供述をふまえ、「詐欺に使うと被告は聞いていなかった」と認定。犯罪に使うかもしれないとの考えはあっても、「事件に関与したとはいえず証拠がない」と結論付けた。 警視庁はこの事件をめぐり、電話の「かけ子」や現金を受け取る「受け子」ら20人以上を逮捕している。(新屋絵理) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
今年発見の「レナード彗星」捉えた 熊本市内で天文愛好家が撮影
大木理恵子2021年12月7日 20時09分 今年発見された「レナード彗星(すいせい)」の撮影に7日、熊本市東区の井元義夫さん(69)が成功した。井元さんは「街中でも撮れるくらい明るい彗星。阿蘇のようにもっと空がきれいな場所だと、さらによく撮れていたと思う」と話した。 尾がはっきりと見える彗星をとらえたのは、空が白み始めた7日午前6時すぎ。うしかい座の1等星「アークトゥルス」を目印にして位置を微調整し、望遠鏡で撮影したという。 井元さんは、約50年にわたって趣味で天文写真を撮影している。熊本博物館(熊本市)ではプラネタリウムの解説員も務めている。 国立天文台によると、レナード彗星は12月中旬ごろに向けて徐々に明るさを増して地球に近づき、来年1月初旬に太陽に最接近する見込み。レナード彗星が太陽へ接近するのは事実上一度きりで、二度と戻ってこないという。(大木理恵子) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「核兵器の悲惨さ、未来永劫に」 原爆ドーム、世界遺産25年
福冨旅史、比嘉展玖2021年12月7日 20時30分 原爆ドーム(広島市中区)が7日、世界文化遺産に登録されてから25年を迎えた。登録をめざす運動に取り組んだ被爆者や市民らの12団体が同日夕、ドーム前で記念集会を開き、恒久平和と核兵器廃絶実現への努力を誓った。 広島市の松井一実市長ら約80人が参加した。10月に96歳で亡くなった広島県原爆被害者団体協議会の坪井直(すなお)・前理事長をしのんで黙禱(もくとう)した後、ドーム前の登録記念碑に花や水をささげた。 原爆ドームは広島県物産陳列館として1915年に完成。世界遺産登録を目指して93年に始まった署名運動は約165万筆を集め、96年にユネスコが世界遺産に登録した。 県被団協の箕牧(みまき)智之(としゆき)理事長(79)は「ドームの訴えは、被爆者が1人もいなくなった後も、1945年8月6日の出来事として、核兵器の怖さ、悲惨さを未来永劫(えいごう)に訴え続けてくれると思います」と述べた。 広島県廿日市市の厳島神社も7日で世界文化遺産登録から25年になった。神社の大鳥居は現在、約70年ぶりの改修工事が進んでいる。松本太郎市長は「世界に誇る自然・歴史・文化遺産を未来に継承し、将来にわたり活力あるまちづくりにつなげたい」との談話を出した。(福冨旅史、比嘉展玖) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
川辺川ダムの従来計画地に同規模で建設方針 流水型ダムめぐり国交省
昨年7月の記録的豪雨で氾濫(はんらん)した球磨(くま)川(熊本県)支流の川辺川で国が整備を検討している治水専用の流水型ダムについて、国土交通省は7日、従来の川辺川ダム計画と同じ同県相良村の予定地に、従来計画と同規模の貯水容量で建設する方針を明らかにした。 国交省九州地方整備局の藤巻浩之局長と蒲島郁夫知事が7日、従来のダム計画で一部が水没予定地となっている五木村と、相良村を訪れ、村長らに説明した。 国交省によると、検討中の案では、総貯水容量は「治水計画上の必要な洪水調節機能を確保する」として約1億3千万トンで従来計画と同規模を維持する。完成すれば治水専用ダムとしては総貯水容量は国内最大となる。多目的ダムだった従来計画で農業用水や発電の利水容量としていた2200万トンも、洪水調節容量として使用する方針。従来計画では洪水調節容量は8400万トンだった。ダム高は従来計画と同じ107・5メートルにする。従来計画は「アーチ式」だが、流水型ダムは本体のコンクリートの重量で水圧を支える「重力式」で建設する。 建設予定地は、ダム本体の工事を除き用地取得や家屋移転などがほぼ完了し、付け替え道路などの関連工事も進んでいること、本体工事に先立ち一時的に川の流れを切り替える仮排水トンネルが完成していることなどを踏まえて判断したという。 2008年に川辺川ダム計画… この記事は会員記事です。残り573文字無料会員になると月5本までお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
西宮市にサイバー攻撃 職員ID流出、なりすましメール731通送信
真常法彦2021年12月7日 20時35分 兵庫県西宮市は7日、庁内の情報共有システム「グループウェア」がサイバー攻撃にあったと発表した。職員のユーザー情報が流出し、なりすましメールが庁内外に計731件送信された。市民の個人情報はこのシステム上にはなく、無事だったという。 市によると、サイバー攻撃は5日午後3時ごろ始まったとみられ、抜き取られた管理者権限のパスワードで不正アクセスが繰り返された形跡が見つかったという。職員3人のIDとパスワードが流出し、うち1人になりすました不審メールが庁外に1件、庁内に730件送信された。 庁内に送られた不審メールは件名が「Amazonからの重要なお知らせ」で、外部サイトに誘導するURLが記載されていたという。 被害に気づいた市が6日夕から外部との接続を遮断し調査していた。(真常法彦) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
上野のシャンシャンまだ会えるよ 中国への返還 来年6月まで再延期
朝日新聞デジタルに掲載の記事・写真の無断転載を禁じます。すべての内容は日本の著作権法並びに国際条約により保護されています。Copyright © The Asahi Shimbun Company. All rights reserved. No reproduction or republication without written permission. Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
パナソニック過労自殺、妻が会見「夫は自宅ですごく苦労して仕事」
野田佑介2021年12月7日 20時50分 電機大手パナソニックで働いていた富山県の男性(当時43)が2019年、「持ち帰り残業」を含む長時間労働の末に自殺した問題で、男性の妻らが7日、富山市内で記者会見した。妻は「もう二度と同じことが起きないようにしてほしい」と、同社や社会に再発防止の徹底を訴えた。 男性は当時、富山工場(富山県砺波市宮丸)で課長代理を務めていた。パナソニックは、過大な仕事量や「持ち帰り残業」を含む長時間労働を正さずにいた結果、男性がうつ病を発症して自ら命を絶ったとして遺族に謝罪。解決金を支払うことなどで6日に和解が成立している。 会見した妻は時折、目頭を押さえながら語った。「夫は自宅ですごく苦労して仕事をしていた」と振り返り、「夫の場合は一人にかかる負担が大きかったと思う。同じことが繰り返されないためには、上司などに相談しやすい雰囲気にすることが必要だと思う」と述べた。 遺族側代理人の松丸正弁護士は「企業側が労働時間や従業員の健康状態を適正に把握することが必要。国も持ち帰り残業を時間外労働としてもっと広く認めるべきだ」と強調した。 パナソニック「個人の犠牲、徹底して排除」 一方、パナソニックは7日、今回の問題を受け、ホームページで再発防止策を公表。労働時間を正確に把握するためのシステムの導入や上司と部下がしっかりと意思疎通できるようなミーティングを導入することなどを明記し、「個人の犠牲の上に成り立つような業務運営は徹底して排除し、誰もが安心して活躍できるような職場風土の醸成に取り組んでいく」とした。(野田佑介) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
鳥インフル対応のさなか、熊本県課長が職員の野球大会参加で日程調整
屋代良樹2021年12月7日 20時57分 熊本県南関町の養鶏場で感染が確認された高病原性鳥インフルエンザへの対応をめぐり、県農林水産部の男性課長(50代)が、同時期に開催された業務外の野球大会に職員が参加できるよう、防疫作業に従事する日程の調整を関係部署に求めていた。職員20人は野球大会に参加した上で、別の日に鶏の殺処分などの防疫措置に従事した。 県によると、課長は鳥インフル感染の疑いが判明した2日午後、地域振興局の課長13人にメールを送信した。養鶏場で飼われている鶏の殺処分などで県職員の動員が想定されるなか、4日に熊本市で開催される九州各県の農業土木部門の職員が参加する親睦目的の野球大会に触れ、「参加予定者については、4日を外せるようであれば外していただけないかのお願いです」と記述した。 大会参加予定の約25人の動員について配慮を求め、熊本県の参加者が確保できない場合は野球大会の中止も検討する、とも記した。 3日未明の感染確認後、県は72時間以内の防疫措置完了に向けて職員を動員。課長を含む計20人は4日の野球大会に参加し、別の日に防疫作業にあたった。 6日に県庁に匿名の告発文が届いた。課長は取材に対し、「鳥インフル対応は当然、最優先。それを踏まえて、各県職員同士の交流も大事にしたかった」と話した。 県は職員延べ1570人で作業にあたり、5日午前まで鶏の埋却や養鶏場の消毒などすべての防疫措置を終えた。男性課長とは別の農林水産政策課の課長は取材に対し、「防疫活動に支障はなかったが、メールを出したことは軽率な行為だった」と話した。(屋代良樹) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
医師・看護師6千人派遣可能、厚労省が「計画」公表 第6波に備え
厚生労働省は7日、新型コロナウイルスの「第6波」に備えて都道府県が策定した「保健・医療提供体制確保計画」を公表し、医療が逼迫(ひっぱく)した際の人材派遣について初めて盛り込んだ。全国で約2千の医療機関が協力を表明し、医師や看護師約6千人を派遣可能だとしている。 厚労省によると、医療人材の派遣調整を一元的に行う体制は、各都道府県が構築する。全国で2258の医療機関が協力を表明し、派遣可能とされる医師数は3216人、看護師数は3073人。東京都が最多で、791施設から医師1646人、看護師623人を派遣可能とした。 今夏の「第5波」では、コロナ患者を診るスタッフ不足が医療逼迫につながり、人材確保が課題となっていた。ただ今回、「調整中」として回答を控えたところも10以上ある。派遣も都道府県内を念頭にしたものだという。厚労省は、県をまたいだ広域派遣は「お願いすればこうした人材が活用できるものと思っている」としたが、不透明だ。 第5波では保健所の業務も逼… この記事は会員記事です。残り682文字無料会員になると月5本までお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
パルナスが「モスクワの味」掲げたワケ 冷戦時代にシベリア鉄道で
なぜパルナス製菓は「モスクワの味」を名乗ったのだろうか。 創業者の古角(こかど)松夫は1923年に今の兵庫県加西(かさい)市で生まれた。姫路陸軍病院教育隊で終戦を迎え、戦後の食糧難の中、神戸で食品関係の商いを始め、52年に大阪でパルナス製菓株式会社を設立。2002年に黒字のまま会社を清算した。来年3月で設立から70年、清算から20年となる。 古角が亡くなる前年の03年春、故郷の加西市で「パルナス展&古角松夫コレクション展」が開かれた。所蔵の名画やパルナス関連グッズなど市への寄贈品は約3200点に及ぶ。開会式では「オージナ」という歌も披露された。パルナスに技術指導して「パルナスの母」と呼ばれ、ソ連の労働英雄の称号を持つ菓子職人、エフドキヤ・オージナ(1918~2006)との交流から生まれた歌だ。 同じ03年、オージナはロシ… この記事は有料会員記事です。残り940文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル