来年1月実施の大学入学共通テストなどでの新型コロナ対応をめぐり、文部科学省は24日、オミクロン株感染者の濃厚接触者となった人は無症状でも本試験を受験させず、追試験を受けてもらうとの方針を明らかにした。それ以外の濃厚接触者は、PCR検査の陰性などの条件を満たせば、本試験を受けられる。 各大学などに示しているコロナ対応のガイドラインを改めた。これまでは無症状の濃厚接触者について、①PCR検査などで陰性②試験当日も無症状③公共交通機関を利用しない④別室で受験――の4条件を満たせば本試験の受験を認めてきた。だが、オミクロン株の濃厚接触者は自宅待機ではなく、宿泊施設での待機となったことから改定した。どの株の感染者の濃厚接触者か試験当日まで分からない場合、4条件を満たせば受験できる。大学入試センターや各大学は改定を踏まえて対応する見通し。(三浦淳) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
公明・遠山元議員ら4人、27日にも在宅起訴へ 違法な融資仲介事件
公明党の国会議員2人の事務所が日本政策金融公庫の融資仲介を無登録で繰り返していたとして、東京地検特捜部は遠山清彦・元衆院議員(52)のほか、太田昌孝・前衆院議員の元政策秘書、あっせん業者2人の計4人を貸金業法違反(無登録営業)の罪で27日にも在宅起訴する方針を固めた。 遠山氏と太田氏の元秘書はそれぞれ数十件を仲介し、いずれも約1千万円の謝礼を受け取った疑いがある。4人とも無登録営業の違法性や謝礼の授受を認めているという。 関係者によると、あっせん業者2人は社長が詐欺罪で起訴された太陽光関連会社「テクノシステム」(横浜市)の元顧問。2020年春に始まったコロナ対策の特別融資などを希望する企業を公庫に取り次ぐよう遠山事務所と太田事務所にそれぞれ依頼し、企業側から手数料を得たという。 数十件で約1千万円の謝礼か 遠山氏は数十件について、企… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「なぜ執行日を教えない」ある死刑囚の問い 平常心と恐怖心に揺れて
「廃止か存続か」の二者択一だった死刑論議。執行を直前まで本人に告知しないのは憲法違反だとの訴えが起き、執行のプロセスなど「刑の実態」に光が当たった。2年ぶりの執行を機に考えたい。 死刑の是非めぐる議論への違和感 ノンフィクション作家・斎藤充功さん 千葉県内でマブチモーター元社長宅に押し入って元社長の妻と娘を殺すなど、強盗殺人で計4人を殺害した小田島鉄男死刑囚と11年間、面会を続けました。「処刑の日まで付き合う」と約束して身元引受人になり、2017年に食道がんで死亡するまで、東京拘置所通いは131回に及びました。 同世代ということもあり、食糧難の中で育った互いの子ども時代の話をするなど、時には口論になりながらも、付き合ってきました。死刑確定後の面会は、親族以外には厳しく制限されるなかで、彼にとって身元引受人である私が、ほぼ唯一の面会相手でした。 11年間、小田島鉄男死刑囚と面会を続けた斎藤充功さんは「『死刑囚の心情は計り知れない』ということを、知ろうとすることは必要」と話します。 記事後半では、刑事学研究者の永田憲史さんが死刑確定者の恐怖や苦痛の観点から、告知は「死刑確定者が選べるようにすべきです」と話します。ドキュメンタリー映画監督の坂上香さんは、米国で死刑囚の「最後の晩餐」メニューが新聞に掲載されたことなどを例に、日米の情報公開の違いについて述べます。 「なんで死刑執行は、事前に… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「あたかも政治警察のように排除」 北海道警ヤジ訴訟の原告主張
2019年の参院選で、札幌市で街頭演説中の安倍晋三元首相にヤジを飛ばした男性(33)と女性(26)が北海道警の警察官に取り押さえられ排除された問題で、2人が憲法が保障する「表現の自由」を侵害されたとして道に慰謝料などを求めた訴訟の口頭弁論が24日、札幌地裁(広瀬孝裁判長)であり、双方の主張が平行線のまま結審した。判決は来年3月25日の予定。 争点は、排除が必要なほど切迫した危険性があったかどうかだ。 この日の弁論で、道警側は「聴衆が原告の2人に危害を加える可能性があった」などと改めて主張。原告側は「危険な事態など存在しなかった」と真っ向から否定した。 JR札幌駅前で「安倍やめろ」とヤジをとばした原告男性が排除された時の状況について、9月の証人尋問で警察官が「『おまえが帰れ』という怒号が聞こえた」と証言したことに対して、原告側は「当時の様子を撮影した動画でも怒号が聞こえず、証言は信用性を欠く」と批判。仮に怒号が上がっていたとしても「危険は抽象的なものにすぎない」と訴えた。近くで「増税反対」と叫んで排除された原告女性についても「危険はなかった」とした。 一方、道警側は、ヤジを飛ばせば周囲の自民党支持者から反発される恐れがあることを男性が認識していたと指摘。実際に男性が近くの人に拳で体を押されたとして「危険な事態だった」と主張。女性についても「絶叫していて興奮状態だった」などとして危険だったと説明した。 排除時やその後の警察官の対応についても主張がぶつかった。 原告側は、警察官が警告せずに男性を排除した点について「男性を囲んで安全を確保する方法もあり、過剰な実力行使だ」と訴えた。女性を排除後に複数の警察官が1時間以上追いかけたことについては「女性の前に立ちふさがって進行を妨げるなど、必要最低限度ではない」と主張した。 対する道警側は、警告の有無について「警告したが、男性が気づかなかった」と反論。女性を追いかけた点についても「女性が南進と北進を繰り返した」ため、安倍元首相に接近し、「危害を加える可能性を払拭(ふっしょく)できなかったから」と説明した。 原告側は、道警が問題の約7カ月後の道議会で初めて「警察官職務執行法4、5条による適法な処分」との見解を示した点について「時間をかけて言い訳を編み出したとしか考えられない」。その上で、一連の排除について「あたかも政治警察のように振る舞い、政治的表現の自由を封じ込めた」と批判した。 これに対し道警側は、排除は警職法に基づく行為で「組織的に政治的意見を排除する方針はなかった」とした。 最後の意見陳述で、男性は「警察が白昼堂々、政治的自由を奪った。厳正な判断を期待します」。女性は「肩書がない人にも政治的な表現の自由はあります。ヤジぐらい言える社会であることを判決で認めてほしい」と述べた。(平岡春人) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
家族と別れ、知人とも疎遠 ビル放火容疑者、電気もガスも通らぬ家に
大阪市北区の雑居ビル4階のクリニックが放火され、25人が死亡した事件は、患者だった谷本盛雄(もりお)容疑者(61)による計画的な犯行だった疑いが強まっている。背景に何があったのか。24日で発生から1週間。容疑者は意識不明の重体が続いている。 住所、職業はいずれも不詳――。事件から2日後の19日、大阪府警がクリニックの防犯カメラの映像などから容疑者を特定したとして、谷本容疑者の氏名を公表した。ただ、最近の暮らしぶりはわからない点が多いという。 事件直前に火災があった大阪市西淀川区の住宅を所有していたが、そこは自宅とは呼べない、ほぼ空き家のような状態だった。電気やガスの契約もなく、「どうやって暮らしていたのか」と府警幹部は言う。 突然いなくなった一家 谷本容疑者は1960年、4… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
山口県副知事が辞職 衆院選で部下を林外相後援会に勧誘、罰金命令
10月の衆院選山口3区に自民公認で立候補し、当選した林芳正外相の後援会への入会を部下に勧誘させたとして、山口区検は24日、山口県の小松一彦副知事(65)を公職選挙法違反(公務員の地位利用)の罪で山口簡裁に略式起訴し、発表した。小松副知事は起訴内容を認め、簡裁から罰金30万円の略式命令を受けて即日納付。同日、村岡嗣政知事に辞職を申し出て受理された。 起訴状などによると、小松副知事は4月下旬ごろ、副知事室で、県の部次長級職員5人に林氏の後援会の入会申込書やリーフレットを渡し、入会するよう県職員78人を勧誘させたとされる。 小松氏は24日夜、県庁で記者会見し、「県政に対する信頼を著しく失墜させてしまった」と謝罪した。動機については、自民党関係者から依頼されたためだったと述べ、「自民党からの依頼であれば引き受けた方が、行政運営がスムーズにいくだろうと判断した」と説明した。 小松氏によると、4月上~中旬ごろ、自民党関係者から「(林氏の)後援会のことをよろしく頼む」と頼まれ、副知事室に約3千枚の入会申込書とリーフレットが持ち込まれた。これらを各部局の部次長級職員らに配布。5月中旬には名前や住所が記入された申込書約1500枚を回収し、依頼してきた関係者に直接渡したという。関係者の氏名は明らかにしなかった。 また小松氏は、同様の勧誘が少なくとも10年以上前から慣習的に行われていたと明かした。自身も昨年4月の副知事就任後、ほかの選挙でも同様の勧誘を数回、行っていたという。具体的な選挙名は明らかにしなかったが、複数の県職員が朝日新聞の取材に対し、今年10月の参院山口選挙区の補欠選挙や山口市長選でも行われていたと証言している。 小松氏は「違法性の認識はな… この記事は会員記事です。残り389文字無料会員になると月5本までお読みいただけます。 【1/24まで】2つの記事読み放題コースが今なら2カ月間無料!詳しくはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
離れていった容疑者「居どころ捜したが…」 大阪ビル放火、兄語る
甲斐江里子2021年12月24日 22時30分 大阪市北区の雑居ビルで起きた放火殺人事件で、谷本盛雄容疑者(61)の兄(68)が朝日新聞の取材に応じた。「父親が亡くなってから30年以上、弟とは会っていなかった」といい、今回の事件まで「どこに住んでいたのかも知らされていなかった」と話した。 幼少期の谷本容疑者は「お母さん子やった。みんなにかわいがられた普通の子。おとなしかった」という。板金工の父親が独立すると、中学生だった容疑者も仕事を手伝った。父親は自由に遊ばせず、家を訪れた友人を追い返すこともあった。「遊びたい盛り。心の中では反発があったのかもしれん」 中学を卒業し、数年して母親が亡くなった。ちょっとずつ家族の歯車が狂っていったという。 兄も板金工だった。同じ現場に出たとき、谷本容疑者が1人だけそっぽを向いて働いているように見えた。「そんなんやったら帰れ」と注意すると、出て行ってしまった。話を聞いた父親が「ちゃんと仕事せえ」と叱ると、そのまま実家を出た。谷本容疑者が20歳のころだった。 疎遠にはなったが、結婚した谷本容疑者が家庭でトラブルを起こし、その妻から「助けて」と電話を受けて何度か駆けつけた。 父が死去したとき、家族を連れて法要にきたが、相続の話でもめ、怒って席を立った。これが容疑者と会った最後だったという。 きょうだいで協力し、居どころを捜したこともある。「『仲良うしような』とずっと言ってきたし、できる努力はしてきたけど、離れていってしまった」 事件のことが理解できない。「どうしても腹が立ち、どうしようもないんやったら、俺の方に突っかかってきてくれたらよかったのに」(甲斐江里子) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
クリスマスイブ、米兵にぎわう沖縄の街 マスク未着用、「密」の店も
光墨祥吾2021年12月24日 23時06分 クリスマスイブの24日、米海兵隊基地キャンプ・ハンセン(沖縄県金武(きん)町など)近くの歓楽街は、多くの米兵らでにぎわった。同基地では200人を超えるクラスター(感染者集団)が発生しており、玉城デニー知事は米軍に基地外への外出禁止措置を要請しているが、米兵らはマスクを着けずに街を歩いたり、路上で大声で話したりしていた。 基地ゲート近くの歓楽街「新開地」は、外国人向けの飲食店などが軒を連ねている。この日、午後7時前にはネオンがともり、バーからはクリスマスソングなど大音量の洋楽が漏れ聞こえてきた。 米兵らはゲートから出てくると、次々と飲食店に入っていった。客として訪れる住民の姿はほとんどない。午後8時ごろには、数軒のバーでカウンター席がほぼ満員となった。 ゲートから出てきた際には多くが黒色のマスクを着けていたが、飲食を終える頃には、酒に酔い、マスクを外している人も。複数人のグループが路上でマスクなしで大声を出す姿もあった。 バーの40代の男性店主は「こっちは商売だから複雑。でも、怖いかと聞かれたら、正直怖いし、まずは米軍でしっかり管理をしてもらいたい」と話した。 沖縄県内では24日までに、キャンプ・ハンセンで計240人のクラスターが発生。基地従業員ら10人がオミクロン株に感染し、県は国外から来た米軍がオミクロン株を持ち込んだ可能性があるとみている。(光墨祥吾) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
点滴を懇願したウィシュマさん、職員「死なないよ」 収容の監視映像
「担当さん、お願い」 日本語で懇願した。力の入らない手でバケツを抱え、吐いた。そしてシンハラ語で何度も訴えた。「アネー、アネー」――。 スリランカ国籍のウィシュマ・サンダマリさん(当時33)が収容中の施設で病死した問題で、亡くなる直前の様子が映った施設の監視カメラ映像が24日、衆院法務委員会と名古屋地裁で開示された。 妹のポールニマさん(27)によると、「アネー」は、深くお願いする時の言葉だという。 ポールニマさんや代理人弁護士の会見での説明から、名古屋で開示された映像の内容をたどる。 2月23日午後7時ごろ、ウィシュマさんは「担当さん、担当さん」と呼びかけた。 「うそじゃない。点滴お願いします」。ジェスチャーで示しながら職員に求めた。 だが職員は「私たちお医者さんじゃないからできない」と答えた。 トイレに連れて行こうとすると、ウィシュマさんは「あなたたちこうやってするとぶつける」と言った。 この場面について指宿昭一弁護士は「以前、トイレに連れて行かれる時にぶつけられて痛い思いをしたのでは」と推測する。 「私死ぬ」とウィシュマさんが言うと、職員は「死なないよ。あなたが死んだら困るもん。死なないで」と言った。 2月24日午前4時過ぎ、ウィシュマさんは「あー、あー、あー」というあえぎ声を上げた。 えずき、実際に吐いてもいた。 「リハビリ」のマッサージ、上がった悲鳴 駒井知会弁護士によると、ウ… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
英検値下げへネット署名3万 高3少女「当たり前と片付けられない」
実用英語技能検定(英検)の検定料が来年度、値下げされることになった。今年度は、新型コロナウイルスへの対応のため大幅に値上げされ、学生たちから不満が噴出。インターネット上の署名には、3万を超す賛同が集まっていた。 署名を呼びかけたのは、通信制高校3年生、上野英恵(はなえ)さん(18)。周囲には、アルバイトで検定料を捻出している友人もいるという。値下げについて「改善されてよかった」と語る上野さん。署名を通じて感じたことを語ってもらった。 ――来年度の検定料は値下げとなりました。 多くの受験生やご家庭にとって救いになったのではないかと思いました。私の署名活動が値下げの決め手になったかは定かではありませんが、経済状況の違いと教育機会のギャップが改善の方向に一歩近づいたことにうれしく思います。 ――なぜ署名集めを始めたのですか。 3月か4月ごろに「値上げは… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル