木下広大2021年12月16日 20時30分 香川県議の政務活動費に違法な支出があったとして、市民オンブズ香川が県議らに返還させるよう浜田恵造知事に求めた訴訟の控訴審について、県は16日、一審判決を受け入れ、控訴を取り下げると発表した。同様の政活費支出をめぐっては、公職選挙法に抵触するとして告発状も提出されており、県議ら29人が一審が求める返還額と告発分の政活費支出合わせて約2千万円を返還する意向も示した。 県議会の約半数の議員らが、民事訴訟で支出の正当性を訴え続けていたが、一転して一斉返還するという異例の展開となった。 高松地裁は4月の判決で、県議・元県議23人の2013年度分の政活費支出970万円分を違法と認定して返還を命じた。違法とされたのは、「意見交換会」などの名目で地域の自治会などに払っていた費用。地裁は県議らに返還させるよう知事に命じたが、県側がこれを不服として控訴していた。 十河直議長は16日、「すでに疑念を持たれたものについて、このままにしておくことは、関係者にご迷惑をおかけすることになるとともに、今後の議会や議員の活動などにも支障が出る恐れがある」などとして、「一審判決を受け入れることとした」とする議長声明を発表した。 浜田知事も「(県議が政活費を返還するのなら)訴訟を継続する意味が無くなりますので、控訴を取り下げざるを得ない」とのコメントを出した。 一方、市民オンブズ香川は6月にも県議ら21人が会合や祭りで有権者に寄付を繰り返したとして、公職選挙法違反(選挙区内での寄付)の疑いで高松地検に告発状を提出。選挙区内での会合や祭りの際に「意見交換会会費」などの名目で現金を繰り返し渡したのは寄付行為だと主張してきた。 これについても十河議長は「条例やマニュアルに基づく適正な支出と考え、公職選挙法に抵触するとの認識は一切無かっただけに誠に遺憾」としながらも、「疑義が生じるのを避けるため」と返還する意向を示した。議会事務局によると、告発された総額1626万円(18年7月~19年度分)のうち、政務活動費から支出された約1千万円を返還するという。 議長声明によれば、県議らは今後、意見交換会などの費用について、会費制の場合を除き支払いを控えるとしている。(木下広大) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
浄水場の地下24メートル、男性閉じ込め トンネル入り口から1キロ
2021年12月16日 16時48分 【動画】浄水場の水道管に作業中の作業員1人が取り残される=朝日放送テレビ撮影 16日午前10時35分ごろ、大阪府守口市佐太中町2丁目の大庭浄水場から、「トンネル掘削中に作業員3人が取り残された」と119番通報があった。大阪府警などによると、地下24メートル地点にあるトンネル内に地下水が流入したとみられ、午後3時現在、男性作業員(25)の安否が不明という。 他の男性作業員2人は自力で脱出し、病院に搬送されたが、大きなけがはないという。 浄水場を管理する大阪広域水道企業団や府警守口署によると、同浄水場と約1キロ離れた庭窪浄水場を地下の水道管でつなぐために、トンネルを掘削する工事中だった。安否不明の男性は、大庭浄水場の入り口から約960メートル地点のトンネルの先端部で作業をしていたとみられる。 トンネルは直径は1・1メートルで、地下約24メートル地点にある。淀川に沿うように延伸していたという。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
言葉が衝突、相手が悪魔的に見える 「聞く」秘密とは 東畑開人さん
自分の言葉は、どうしてあの人に届かないだろう。そう思うこと、ありませんか。最近「聞く力」という言葉を頻繁に目にするようになりました。臨床心理士の東畑開人さんは、相手の話を聞くためには、まず自分の話が聞かれないといけない、と指摘します。言葉の行き交いにヒリヒリする感覚が伴うとき、そこには何が起きているのでしょうか。東畑さんが考えます。 このコラムは、11月25日に開催されたイベント「記者サロン×耕論 東畑開人さんに聞く 心に響く言葉の語り方」で、読者から寄せられた質問などを踏まえて書かれました。当日のイベントの動画は、記事の後半で見られます。 東畑開人さんの「社会季評」 対話が大事、と至るところで語られている社会とは、対話が難しくなった社会にほかならない。 社会を二分するイシューを思い浮かべてみてほしい。憲法や歴史認識でも、子育て給付金でも、皇族の結婚でも、あるいはコロナ禍における忘年会の是非でも、なんでもいい。社会にはヒリヒリした問題がたくさんあり、立場の異なる者同士が、膨大な言葉を交わしあっている。 エビデンスやファクト、ロジックや物語が行き交う。だけど、言葉は両者を余計にヒリヒリさせるだけで、全然伝わらない。すると、より強く主張せねばと互いに思うから、声は大きくなり、言葉は硬くなる。トゲが生える。かくして切っ先鋭くなった言葉たちは対話を深めるのではなく、対立を深めてしまう。 新聞や雑誌でも両論併記が難しくなっていると聞く。異なる立場の意見を同じ場所に置いておくと、紙面も読者もヒリヒリしすぎてしまい、伝わるべきことまで伝わらなくなってしまうのだと思う。 伝え方の問題だろうか。いや、「聞く」が不全に陥っている方が問題だ。両論併記の紙面を眺めるように、難しくなった対話を外から見ていると、お互いに相手の言葉を誤解し続けているように見えるからだ。というのは、第三者による気楽な戯言(ざれごと)なのだろう。当人たちは相手の話を必死に聞こうとしているからだ。だとすると、何が起きているのか。 たとえば、古い友人と再会し… この記事は有料会員記事です。残り1544文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
アニメ「ぐんまちゃん」、「不適切」指摘で差し替えに知事「残念」
松田果穂2021年12月16日 17時15分 群馬県のマスコットキャラクター「ぐんまちゃん」を主人公にした県制作のテレビアニメで、今月12日に放映予定だった最新話が群馬テレビ(群テレ)で放送されなかったことについて、山本一太知事は16日の定例会見で「県が自信を持って作ったアニメを県民にだけ届けられなかったのは残念」と述べた。 最新話は、ぐんまちゃんが競艇場で「ハニワボートレース」を見るという内容。10月の放送で、ぐんまちゃんが競輪場で車券の買い方を教わるシーンが登場したことに対し、県内の視聴者から放送倫理・番組向上機構(BPO)に「子ども向けアニメで公営ギャンブルを扱うのは不適切」という趣旨の意見が寄せられた。そのため、群テレは公営ギャンブルを扱う最新話の放映を見送っていた。 群テレの対応について、山本知事は公営ギャンブル場がある前橋市、みどり市、桐生市の各市長と意見交換をしたとし、「収益は教育や市民に必要なインフラ整備などに活用されている。3市長も(放送が見送られたことに)違和感を持っていた」と説明。「競輪選手や競技場で雇用を得ている人に、自分の仕事は子どもに見せてはいけないものかのような印象を与えたら残念だ」などと、自身の考えを語った。(松田果穂) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
通学中の小4女児、トレーラーにはねられ死亡 親族「明るい子で…」
16日午前7時35分ごろ、徳島県小松島市和田島町松田新田の県道交差点で、近くに住む小学校4年、藤井潤美(うるみ)さん(10)が大型トレーラーにはねられ、頭を強く打って死亡した。県警によると、数人の児童と登校中だったという。 県警は、大型トレーラーを運転していた同県鳴門市大麻町市場の運送会社員、福井暁生(あきお)容疑者(53)を自動車運転死傷処罰法違反(過失運転致死)の疑いで現行犯逮捕し、発表した。容疑を認めているという。 小松島署によると、現場は信号機や横断歩道のある交差点。藤井さんは小松島市立和田島小に向かい、数人の児童と交差点を渡っていたところだったという。署は、交差点を左折しようとしたトレーラーにはねられたとみて、詳しく原因を調べている。 現場はJR牟岐線の阿波赤石… この記事は会員記事です。残り522文字無料会員になると月5本までお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
機能性×ファッション 釣り具ブランドがアパレル事業で存在感
アウトドア業界から参入したアパレルブランドが、機能性とファッション性をあわせ持つ服を追求し、存在感を示している。コロナ禍で加速したアウトドアブームも追い風のようだ。 釣りざおやリールなど、釣り具ブランド「ダイワ」を展開する「グローブライド」(東京都東久留米市)。1958年創業、フィッシング業界を牽引(けんいん)する企業で、ゴルフやテニス用品も手がけている。 創業50周年を前に、クリエーティブディレクターの佐藤可士和(かしわ)とブランドイメージの刷新に取りかかり、社名も、ダイワブランドのロゴも新しくした。釣り人以外にも知名度を広げるため、アパレル事業の強化を決めたものの、本格的なファッション事業は手探りだった。 アパレルマーケティングを担当する小林謙一執行役員は「当時の社長は『やるならファッションの王道にチャレンジを』という考えで、他業界から入るからには思い切ったことをやらなければだめだと」。 つてをたどってデザイナーを探すところから始め、2017年3月に「ディーベック」をスタートした。東京コレクションや、イタリアで開かれる世界最大級の紳士服展示会ピッティ・ウオモに出展し、本気の取り組みをアピールした。 東京・渋谷で9月にあった22年春夏のファッションショーでは、軽やかな青いドレスのアクセントに、ライフジャケットを組み合わせた。胸まであるサロペット、ポケットのたくさんついたベストなど、釣りでなじみのあるウェアを、モード感たっぷりの街着として見せた。 デザイン全体を監修するクリ… この記事は会員記事です。残り826文字無料会員になると月5本までお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
生活保護引き下げ訴訟、原告側の請求を退ける 神戸地裁判決
岩本修弥、小野大輔2021年12月16日 14時07分 国が生活保護基準額を引き下げたのは生存権を保障する憲法25条に違反するとして、兵庫県内の受給者24人が減額の取り消しを求めた訴訟の判決が16日、神戸地裁であった。小池明善裁判長は、原告側の請求を退けた。 原告弁護団によると、同様の訴訟は全国29地裁で起こされ、地裁判決は7件目。名古屋、札幌、福岡、京都、金沢の5地裁判決は原告側の訴えを退けたが、今年2月の大阪地裁判決は減額決定を取り消しており、判断が分かれている。 国は「2008~11年に4・78%の物価下落があった」とする厚労省の算定をもとに13~15年、生活保護費のうち、衣食や光熱費など日常生活に必要な費用にあたる「生活扶助」の基準額を3回に分けて引き下げた。総額670億円、平均の削減幅は6・5%で、いずれも戦後最大だった。 訴訟の争点は、こうした引き下げが、厚生労働相の裁量の範囲内といえるかどうかだった。 原告側は、原油価格の高騰による物価が一時的に上がっていた08年を起点としたのは「恣意(しい)的」と指摘。引き下げ後の基準額は、「健康で文化的な最低限度の生活」を保障した憲法25条や「最低限度の生活の需要を満たすに十分なもの」と定めた生活保護法に違反する水準であり、裁量権の逸脱にあたると主張した。 一方、被告側は、同年9月のリーマン・ショックで物価が下落したのに、基準額は据え置かれていたと反論。基準額の引き下げはその是正であり、裁量権の範囲内だとし、原告側の請求を退けるよう求めていた。(岩本修弥、小野大輔) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
薬物捜査で家宅捜索、事件とは無関係の人の家だった 原宿署が謝罪
2021年12月16日 10時15分 警視庁原宿署の捜査員が薬物事件の捜査で事件とは無関係の人の自宅を家宅捜索していたことが、署への取材でわかった。署によると、大麻取締法違反(所持)の疑いで個人宅を捜索し、この家の住人に家宅捜索当日に任意同行を求めたが、署で詳しく事情を聴いたところ、事件とは無関係だったと判断。その日のうちに謝罪したという。 吉田直人署長は「多大なご迷惑をおかけし、心よりおわび申し上げる。再発防止策を徹底します」などとするコメントを出した。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
市教委「身体的接触の励まし」、裁判所は体罰認定 不登校で賠償命令
埼玉県川口市立中学校で元男子生徒(19)が不登校になったのは、学校や市教育委員会の対応が不適切だったからだとして、市に550万円の慰謝料などを求めた訴訟の判決が15日、さいたま地裁(岡部純子裁判長)であった。認められた慰謝料などは55万円だったが、元生徒側の主な主張は認められ、市教委側に厳しい内容になった。(堤恭太) いじめ防止対策推進法や市の方針では、いじめが発生したら「重大事態」として調査に入ることを求めている。だが、市教委は同校教諭らの聴取から「いじめはなかった」と判断。調査が遅れたことに裁量の逸脱や乱用はないと主張した。 判決は、元生徒の母親からの連絡や教諭らの報告でいじめは把握できたとして「重大事態の発生を認知すべきときに認知しない裁量があるとは解せない」と結論づけた。 不登校の一部について市教委は、元生徒の母親の森田志歩さんに問題があったと主張した。岡部裁判長は、校長らの「いじめはなかった」との発言で事態の早期沈静化が妨げられ、問題が長期・複雑化して不登校になったとし、市教委側の主張を退けた。 元生徒は2015年の入学後、サッカー部でいじめを受け、中2の5月に、不登校になった。復帰したが部の顧問から体罰を受け、9月から翌春まで再び不登校になり、自傷行為もした。母親はいじめ防止法の重大事態にあたるとして、学校側に第三者委員会での調査などを求めたが、状況は改善されず、その後も断続的に不登校になった。 市教委は、サッカー部の顧問教諭が元生徒の頭をたたいた行為などを体罰として処分したが、裁判では一転して「身体的接触による励まし」と主張。元生徒がその行為を喜んでいたとも述べた。しかし、判決では法廷での顧問教諭の再現や証言などから「有形力を行使した」「喜ぶとはかんがえにくい」として体罰と認定した。 また元生徒の自傷行為についても市教委は存在を否定したが、主治医への受診時の様子から自傷行為があったと認めた。 「まず息子に謝って」会見で母親、市教委に 判決言い渡し後、元生徒の母… この記事は会員記事です。残り1251文字無料会員になると月5本までお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
将棋の森内俊之九段、親子でバックギャモン対決 「ユルさ」も魅力
バックギャモンのボードと森内俊之さん=2021年11月16日午後、東京都渋谷区、内田光撮影 将棋の森内俊之九段(51)が、息子で高校1年の森内貴之さんと「ガチンコ親子対決」する動画が注目を集めています。将棋で競い合うのかと思いきや、勝負はボードゲームの「バックギャモン」。しかもこのバックギャモンボードは、自身が推薦人となって発売されたボードとのこと。将棋界のレジェンドが、なぜそこまで他のボードゲームにハマってしまったのでしょうか。 ◇ ――今回のインタビューに、火曜日の夜の、このお店(東京・代官山の「カフェ・ミケランジェロ」)を指定した理由は? この店では昔から、毎週火曜の夜にバックギャモンが好きな人たちによる毎週火曜の「バックギャモンナイト」というイベントが開かれていて、お酒を飲み、食事をしながら対面でのゲームが楽しまれています。またこうやって、みんなで集まれるのはうれしいですね。 ――いまもワインを飲みながら、息子の貴之さんと対戦中です。すごく楽しそうですね。 そうなんです。 (※息子さんに向かって)え? 君のゲームなんだから、君が自分で決めればいいんだよ。対戦相手に意見を求めるなんて、どうなの(笑)。 息子とのバックギャモンは、いつもこんな感じです。 バックギャモンのボードを手にする森内俊之さん=2021年11月16日午後、東京都渋谷区、内田光撮影 ――なぜバックギャモンで親子対決を? 私がユーチューバーになって、ユーチューブに「森内チャンネル」を開設して1年半が経ちました。将棋はもちろん、クイズ、チェス、トランプなど色んなテーマで動画配信をしてきましたが、反響が大きかった一つがバックギャモンでした。そういうこともあって、日頃からお世話になっている幻冬舎さんから、今回のバックギャモンボードの推薦の依頼があったんです。 バックギャモンは、二つのサイコロをふって、15個のコマを戦略的にゴールへと進める、すごろくのようなボードゲームです。「世界4大ゲーム」の一つに数えられ、日本ではあまり広く知られていませんが、世界の競技人口は3億人とも言われています。 私自身、世界選手権で4位に入賞したことがあるのですが、息子も、私と家でバックギャモンを遊んできたことが影響したのか、19年に世界選手権のジュニアの部で優勝して、それで声を掛けていただきました。 ――森内さんご自身は、いつごろから、どんなきっかけで関心を持ったのですか。 出会いは20代前半の頃でし… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル