米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設計画をめぐり、設計変更を不承認とした県に対し、防衛省が国土交通相への不服審査請求で主張している内容が14日、関係者への取材でわかった。県の判断について「法令の趣旨や目的を逸脱して埋め立て事業を阻止する目的があることは明らか」「行政権の著しい乱用で極めて重大な違法」と反論している。 埋め立て予定海域で見つかった軟弱地盤の改良工事のため、防衛省は昨年4月に設計変更申請を県に提出。県は今年11月25日に申請を不承認とし、防衛省は国交相に不服審査請求した。防衛省は審査請求の内容を公表していない。 県は不承認の理由として、軟弱地盤に関連して重要な地点で調査が行われていないと指摘している。これに対して防衛省は、有識者会議「技術検討会」の意見などをもとに、指摘されている地点の調査がなくても、周辺3地点の調査結果で安全性は確保されていると反論している。 県は、ジュゴンに及ぼす影響について適切に情報が収集されていないなど環境保全対策が十分に行われていないことも不承認の理由に挙げた。防衛省は「適切な環境保全措置を示している」として、不承認の理由にはあたらないとの見解を示している。 防衛省は、県の審査が標準処理期間を超えているとして「殊更に処分を遅延させているとしかみえず、法令の趣旨・目的にのっとったものとはいえない」とも批判している。 行政不服審査請求は、本来は… この記事は会員記事です。残り244文字無料会員になると月5本までお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
日大前理事長「金もらったと妻に聞いた」 脱税容疑認める調書に署名
2021年12月14日 20時42分 日本大学前理事長の田中英寿容疑者(75)が脱税容疑で逮捕された事件で、前理事長が東京地検特捜部の調べに対し、リベート収入などの一部の受領と税務申告しなかったことを認める調書に署名したことが、関係者への取材で分かった。これまで現金受領を否定していたが、供述を変えた。 田中前理事長は妻と共謀し、2018年に1千万円、20年に1億840万円の計1億1840万円のリベート収入などを申告せず、計約5328万円を免れたとして所得税法違反容疑で逮捕された。妻は一部の現金を受け取り、前理事長の税務申告も担っていたとされる。 関係者によると、田中前理事長は最近になり、医療法人「錦秀会(きんしゅうかい)」前理事長・籔本雅巳被告(61)=背任罪で起訴=が18年12月に妻に渡したとされる1千万円について、「後で妻からお金をもらったと聞かされた」とし、過少申告の認識もあったと認める調書に署名したという。自身が受け取ったとされる分を含め、他の現金受領についても順次認める意向だという。 田中前理事長は11月29日に逮捕された。当初は自らや妻の現金受領を否定し、税務申告も「妻に任せていたので知らない」と供述していた。だが、妻が籔本被告の留守番電話に「たくさん頂いてありがとう」などと、現金提供のお礼とみられるメッセージを複数回残していたことが判明。前理事長は「妻が共謀で起訴されるようなら自分が全責任を負う」として容疑を認める考えに転じたという。妻は体調不良で入院中で、事情聴取は困難とみられる。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「加害者側も一緒に支えたい」 事件遺族らが支援団体立ち上げ
新屋絵理2021年12月14日 20時49分 被害者、加害者を問わず犯罪に巻き込まれた人を支えたい――。そうした思いを活動方針にした任意団体を、加害者側を支援する団体代表や被害者遺族らが共同で立ち上げた。「被害者と加害者の分断をあおらず、全ての人の支援を目指す」と訴え、14日に東京都内で会見した。 団体の共同代表は、加害者家族を支援するNPO法人「ワールド・オープン・ハート」代表の阿部恭子さん(43)、受刑者支援のNPO法人「マザーハウス」理事長の五十嵐弘志さん(57)、殺人事件遺族の原田正治さん(74)ら7人。被害者や加害者を支えてきた双方の体験をもとに、死刑制度の是非を問うシンポジウムや被害者と加害者の対話などを企画していく。団体名は今後決めるという。 共同代表の一人で、「被害者と司法を考える会」代表の片山徒有(ただあり)さん(65)はこの日の会見で、次男(当時8)をはねたダンプカー運転手に次男と同い年の息子がいるとわかったとき、「加害者との『見えない壁』が壊れた」と説明。加害者と対話することで「疑問が解けた」という被害者は多いと述べ、「適切な仲介があれば同じ人間と理解できる」と話した。(新屋絵理) 会見する団体の共同代表ら=2021年12月14日午後4時4分、東京・霞が関、新屋絵理撮影 会見する団体共同代表の阿部恭子氏。「被害者が、今後加害者にならない保証はない。被害者と加害者は分断できないはずだ」と語った=2021年12月14日午後4時4分、東京・霞が関、新屋絵理撮影 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
沖縄・辺野古の土砂投入3年 海で、陸で、移設反対の市民が抗議
【動画】土砂投入から3年を迎える辺野古基地建設現場沖でカヌー31艇含む約50人が抗議集会を行った=吉本美奈子撮影 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設計画で、政府が名護市辺野古沿岸部に土砂投入を始めて3年となった14日、移設に反対する市民らは、海上や工事車両が行き交う陸上で抗議の声を上げた。 海上では、工事が進む護岸付近で、カヌー31艇と抗議船に乗った約50人が反対集会を開き「STOP埋め立て」「沖縄の未来は沖縄が決める」と書かれたパネルを掲げた。 4年前から海上での抗議行動に加わる安里邦夫さん(49)は、沖縄が日本に復帰した1972年生まれで、普天間飛行場に隣接する普天間第二小の出身。名護に約10年住んでいたこともある。しかし、基地問題をめぐって声をあげるべきだと考えるようになったのは、子どもが生まれてからという。「辺野古移設は、口先だけ寄り添う日本政府の象徴。(抗議が)すぼんでしまったらいけない」 陸上でも、工事車両が出入りする米軍キャンプ・シュワブのゲート前で抗議集会が開かれ、約220人(主催者発表)が参加。約50キロ南の浦添市から駆けつけた石井祺宜さん(76)は「土砂の投入量はまだ1割にも満たない。政府のやり方に踊らされず、あきらめずに声を上げていきたい」と語った。集まった人たちは玉城デニー知事が政府の設計変更を不承認としたことを受け、「工事は中止すべきだ」「知事の判断を後押ししよう」などと訴えた。(吉本美奈子、福井万穂) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
ディズニーリゾート、お菓子「1商品1個」購入制限 「なにごと?」
東京ディズニーリゾートでお菓子が在庫不足となり、園内の店舗で買えなくなっている。14日からはアプリを使ったオンライン購入しかできず、買う点数も制限され、ファンからは悲鳴が上がる。 「7カ月ぶりにディズニー行けるのにパーク内でお菓子買えないとか何事www」 「アプリでしか買えないとなるとスマホ使えない人から苦情とか来ないかな?」 「お土産にチョコクランチ買えないってどうなの????」 お菓子と食品類の販売制限に関して、ツイッターではディズニーファンのつぶやきが相次いでいる。 月に2~3回ディズニーに行くという都内の専門学校生の男性(20)が取材に応じた。14日にディズニーランドに行くと、ふだんはお菓子が売られている店舗にまったくお菓子がなく、キャラクターのぬいぐるみなど雑貨しかなかったという。 男性がお気に入りだという「パスタスナック」もなかった。「お菓子が完全になくなっていて寂しいし、悲しい。アプリで買えると言われても、手にとって見られないのは不満です」 「ランド」と「シー」を運営するオリエンタルランド広報部によると、今月10日からは「1人1商品につき3個まで」としていた。 この制限が14日からはさらに厳しくなった。入園者によるアプリでの購入だけにしたうえ、「1商品につき1個まで」に制限し、後から宅配する仕組みだ。 専門学校生の男性は「ディズニーのおみやげといえばお菓子。オンラインで買うことで、友達や家族にすぐ渡せないとなると、もやもやする人は多いと思う。なんでこんなことになったのか不思議です」と話した。 なぜ在庫不足なのか。 オリエンタルランドによると… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
滋賀・彦根市のラーメン店に軽乗用車突っ込む 4人が救急搬送
安藤仙一朗2021年12月14日 22時10分 14日午後6時ごろ、滋賀県彦根市蓮台寺町のラーメン店に軽乗用車が突っ込んだ。彦根署と市消防本部によると、当時店内には店員と客が合わせて10人ほどおり、ガラス片が刺さるなどして4人が救急搬送された。4人とも搬送時は意識はあったという。 軽乗用車を運転していたのは20代の男性で、操作を誤ったとみられるという。店内にいた大学生の男性(23)は「車が店の真ん中ぐらいまで入り込み、カウンターで食事をしていたお客さんにガラス片が当たった」と話した。(安藤仙一朗) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
元ユーチューバー「へずまりゅう」控訴棄却 会計前の魚食べ有罪判決
2021年12月14日 21時00分 「へずまりゅう」を名乗りユーチューバーとして活動中、スーパーで会計前の魚の切り身を食べたなどとして窃盗などの罪に問われ、一審で有罪判決を言い渡されたフリーター原田将大被告(30)の控訴審が14日、名古屋高裁であった。鹿野伸二裁判長は「一審判決は不合理とはいえない」として控訴を棄却した。 一審・名古屋地裁岡崎支部は、昨年5月下旬に愛知県岡崎市のスーパーで魚の切り身1点(販売価格428円)を食べて盗んだなどとして、懲役1年6カ月保護観察付き執行猶予4年(求刑懲役1年6カ月)の判決を言い渡した。原田被告が不服として控訴していた。 控訴審で弁護側は、商業施設は魚の切り身を金に換えたいという意思があり、原田被告には対価の支払いを免れる意思はないとして、窃盗罪は成立しないなどと主張した。 鹿野裁判長は、商業施設が定める手順が守られなければ、多数の商品を管理できず、営業に重大な影響を及ぼすとして弁護側の主張を退け、「動画視聴者の興味を引くような面白い『絵になる』と考えて行為に及んだ」と述べた。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「男女の区別なくそう」生徒の声からジェンダーレス制服 宇部の中学
山口県宇部市立藤山中が来春、ブレザータイプの制服を導入する。スラックスとスカートの2種類から選ぶことができ、性差のない「ジェンダーレス制服」。宇部市内では初めての導入で、制服を変えるための議論は生徒たちから始まった。 今年6月の生徒総会であった校則を見直そうという議論の中で、一人の3年生が発言した。「男女の区別をなくしていこうと社会が変わりつつあるのに、学校の決まりはそうではない」。制服を変える提案に多くの生徒が賛成した。 学校側は7月、全校生徒325人にアンケートを実施。制服をジェンダーレス化することに86%の生徒が「良いと思う」と答えた。3%が「良くない」、残り11%は「分からない」だった。 「制服がジェンダーレス化された場合にどうしたいですか」という質問には、スカートをはきたいという男子生徒、ズボンをはきたいと答えた女子生徒がいた。生徒会役員の一人、島地更さん(3年)は「左利きの人がいるように、自分の好きなものを着たいと思う人が当たり前にいるんだなと思った」と振り返る。 学校側は卒業生や地域住民などによる検討委員会で話し合いを進め、10月中旬に正式に決めた。「生徒たちの声を尊重しよう」と反対意見は出なかった。在校生の保護者のほか、来年入学を予定している小学6年生の保護者にも説明した。 藤山中では生徒と教員が話し合い、校則の見直しを進めてきた。ジェンダーレス制服もその一環。白色だけだった靴下は黒色とグレーも可能になり、肌着の色も選択肢が増えた。風紀や秩序を乱さないため守られてきた校則が変わっても「雰囲気が悪くなることはなかった」と、生徒会長の堤悠佑大さん(3年)。「古い形式に縛られていることが多い。自分たちにあった形で見直していけたらいい」 森田成寿校長(57)は「子どもたちが考え勉強して、意見を言う姿に心を動かされた。教員もスピード感を持って変化を起こしていくことが大事だった」と話している。(太田原奈都乃) 山口県教育委員会によると… この記事は会員記事です。残り403文字無料会員になると月5本までお読みいただけます。 Think Gender 男女格差が先進7カ国で最下位の日本。生きにくさを感じているのは、女性だけではありません。だれもが「ありのままの自分」で生きられる社会をめざして。ジェンダーについて、一緒に考えませんか。[記事一覧へ] Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「利用者データ、どの国で保管」 SNSや検索サービス、公表義務に
杉山歩2021年12月14日 21時22分 総務省は14日、SNSや検索サービスの大手事業者に対し、利用者の情報をどの国で保管しているかなどについて公表を義務づける方針を示した。自分の情報がどう扱われているかを理解したうえで、利用者がサービスを選べる環境を整える。来年の通常国会に提出する電気通信事業法の改正案に盛り込む方向だ。 同日にあった有識者の検討会で説明した。各事業者に、利用者の情報を保管するサーバーをどこの国に置いているか、情報を扱う業務をどこの国の業者に委託しているかなどを含む情報の取り扱い方針を公表させる。 対象は国内の利用者(アカウント数など)が1千万人以上のサービスで、大手のSNSやグーグル、ヤフーなどの検索サービスのほか、携帯電話会社なども含む。国内の事業者によるサービスだけでなく、ツイッターやフェイスブックも対象とする。一方、検索サービスは分野横断的なものが対象で、旅行やグルメなど特定の分野に限定されたものは含めない。 LINEの問題受け対策検討 今春、対話アプリ「LINE」で利用者の情報を保管する国内のサーバーに中国企業からのアクセスが可能になっていた問題が発覚したことを受け、同省が対策の検討を進めていた。中国には企業に諜報(ちょうほう)活動への協力を義務づける「国家情報法」があり、LINEが利用者への説明を十分にしないまま、そうした状況を放置していたことが問題視されていた。 SNSや検索サイトを対象にするのは、SNSでの投稿が実質的にはメールのような通信サービスになり得る場合があることや、個人の思想や嗜好(しこう)にかかわる検索履歴の膨大な蓄積が広告などに使われている点を重視して判断した。違反には業務改善命令などの措置がとれるようにする。 個人情報の取り扱いをめぐっては、来年4月に全面施行される改正個人情報保護法でも規制が強化される見通しだ。外国の第三者に情報を提供する場合は、相手国の個人情報保護の制度などを説明し、利用者に同意を得ることなどを求める内容が盛り込まれている。(杉山歩) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
成田到着すぐ「関空へ」、振り回される帰国者 オミクロン株水際対策
新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」への対応で、政府は入国が認められている日本人らのうち、変異株が流行中の国・地域からの入国者に、国の確保した施設での待機を求めている。しかし、施設が不足しており、到着した空港から遠く離れた場所への移動を強いられるケースも相次いでいる。 「成田周辺に(待機用の)ホテルがないので、関西空港に行っていただきます」。欧州で日系企業に勤める50代の日本人女性は12日午前11時過ぎ、ヘルシンキ経由で成田空港に1人で到着した。他の乗客と共にいすに座ってPCR検査の結果を待っている時に、係員と思われる男性からそう説明を受けた。 「え? マジか……」 驚きのあまり、男性が名乗った肩書や名前は覚えていない。 他の乗客が「帰りはどうなるんですか?」と尋ねると、待機期間中の検査で陰性なら行きと同じく政府のチャーター便で関空から成田に戻る、という説明もあったという。 年末年始を東京の実家で過ごすための一時帰国だった。待機期間は6日間。空港内の待合室に通されたが、同じ便の約60人のうち20人以上が自分と同じ状況だと知った。「(感染防止のため)大声は出せない状況でしたが、みな『何が起こっているの?』と困惑していたと思います」 女性は実家の母親に、大阪行きをLINEで伝えた。母親は驚いていたという。 やがて別の便で到着した人も次々加わり、午後8時過ぎに90人ほどがチャーター便で関西空港へ。到着した時には、午後9時を回っていた。20人ほどと一緒にバスに乗ると、宿泊施設に移動するとだけ告げられた。 「施設に着いてから食べてく… この記事は会員記事です。残り879文字無料会員になると月5本までお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル