東京都は12日、新型コロナウイルスの感染者を新たに13人確認したと発表した。前週の日曜日(5日)より7人減った。12日までの1週間平均の感染者数は17・4人で、前週の106・7%だった。新たな死者の発表はなかった。 「人工呼吸器か体外式膜型人工肺(ECMO(エクモ))を使用」とする都の基準による重症者数は、前日と同じ3人だった。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
高専いじめ自殺、当時の校長らを処分 公表は1カ月半後
川本裕司2021年12月12日 20時22分 2016年5月に大島商船高専(山口県周防大島町)1年の男子学生(当時15)がいじめを受けて自殺した問題で、同高専が12日に記者会見し、当時の校長ら複数の関係者が「適切な対応を怠った」として、今年10月28日付で処分を受けていたことを明らかにした。 いずれも訓告や厳重注意などで懲戒処分にあたらず、公表基準に該当しないとして、処分の内容や対象人数を発表していなかった。 また、高専側は加害学生9人が9月24日に卒業したと述べていたが、古荘雅生校長は12日、「何人が卒業したかはいえない」と修正した。(川本裕司) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
オミクロン株感染の濃厚接触者、福岡でも初確認 関空到着便に同乗
福岡県は12日、新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」の感染者の濃厚接触者が、県内で初めて確認されたと発表した。同日から県内の宿泊療養施設に入所し、県は19日まで健康観察や定期的なPCR検査を続ける。 県によると、この濃厚接触者は、5日に海外から関西空港(大阪府)に到着し、10日に陽性が判明した40代男性と同じ飛行機に乗っていた。入国時の検査では陰性で、3日間の施設での待機後、8日から県内の自宅で過ごしていた。自宅から外出はしておらず、現在も症状はないという。 また県は12日から、福岡市内の宿泊療養施設1カ所を入国者向けの待機施設として政府に貸し出すことも明らかにした。関東や関西の施設は不足する見通しで、7日に後藤茂之厚生労働相から服部誠太郎知事に依頼があった。県は別の1施設の貸し出しも検討している。 県はこれまでに宿泊療養施設を11カ所(2234室)確保したが、感染状況の落ち着きから、施設での療養者数は19人(11日時点)にとどまっている。(神野勇人) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
宮城県の養豚場で豚熱、1万1900頭を殺処分へ 東北で2例目
近藤咲子2021年12月12日 21時01分 宮城県は12日、大河原町の養豚場で、豚熱(CSF)が発生したと発表した。県は家畜伝染病予防法に基づき、この養豚場で飼育されている豚と、直近10日以内に出荷された豚計1万1900頭を殺処分することを決め、同日夜から作業を始めた。 2018年、国内では26年ぶりにCSFが確認されて以来、東北地方での感染確認は山形県に続いて2例目。 宮城県によると11日午前、養豚場から大河原家畜保健衛生所に「豚に異状がある」と通報があった。生後約3カ月の子豚7頭に発育不良や血液循環不良による皮膚の青黒い変色(チアノーゼ)などの症状があり、うち1頭は死亡していた。3頭を検体として仙台家畜保健衛生所がPCR検査を実施したところ、12日未明に陽性と判明。検体を東京都小平市にある国の専門研究機関に送り、農林水産省が同日夕、感染を確認した。 県内で飼育されている豚約17万頭はワクチン接種を受けており、今回の感染による移動・搬出制限は設けないという。今回感染が判明した3頭も、11月に接種を終えていた。 県によると、生後まもない子豚は、接種の時期によっては効き目が持続せず、ウイルスに対する免疫が低くなる可能性があるという。遠藤信哉副知事は「発生を重く受け止め、速やかに処理を進めたい」と話した。 12日の県の対策本部で村井嘉浩知事は「市場に出回る豚は全て安全ですので、安心していただきたい」と述べた。CSFは豚やイノシシに特有の病気で人には感染しない。また、感染した豚の肉を食べても人には感染しないという。 東北農政局は同日、消費者や生産者向けの相談窓口を設けた。平日午前9時から午後6時まで。電話022・221・6093。(近藤咲子) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「男なのに女々しい」歩んだ半世紀 19歳で「保母」になった男性
男が、この仕事をしてもいいのだろうか。 ちらっとかすめた葛藤は、あっという間に吹き飛んだ。子どもたちといられるのがうれしくて、毎日わくわくした。 リヤカーを改造した「お散歩カー」に1歳児を数人乗せて、池や空き地を散歩した。一緒に虫をつかまえ、赤や黄に色づいた葉っぱを拾った。食事の世話、抱っこ、おむつ替えは、何の違和感もなく自然とできた。 保育士がまだ「保母」と呼ばれ、男性が資格を取れなかった1973年の秋。当時19歳だった入舩益夫(いりふねますお)さん(67)は、東京都内の保育園の先生になった。 「保母に準ずる」 新聞の求人に載っていた「保母募集」の案内を見つけて勧めてくれたのは、母だった。男性でも面接が受けられるか電話で尋ねると、「いいですよ」と言われたのだという。 新潟県内の高校を卒業して都内の大手電機メーカーに就職したが、なじめずに半年で退職。両親と暮らしながら、早く自立したいと焦る半面、やりたいことが見つからずに悩んでいた時だった。 思い返せば、子どもの頃は、正月やお盆に年下のいとこが7人ほど集まり、朝から晩まで一緒に遊び、世話をした。いとこが帰る時は、いつもさみしくて離れがたかった。母はそんな自分をよく理解してくれていたのだと思う。 面接では、女性の主任ら数人と向き合う形で座った。緊張して何を話したかはもう覚えていない。他にも面接を受けに来ていた女性はいたと後で聞いたが、採用されたのは入舩さんだけ。約20人いた職員のうち、男性は1人だった。 いまだに男性比率が3%台という保育の現場で半世紀近くを過ごしてきた入舩さんは、「子どもたちには深く感謝している」といいます。背景には「大人の嫌な世界」に心を痛めてきた幼少期の記憶がありました。 更衣室やトイレは女性用しか… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
体重525キロの牛が一時逃走 逃げる時に転んだ女児ら3人軽いけが
2021年12月12日 18時31分 12日午前10時20分ごろ、神奈川県厚木市酒井で、トラックの荷台から牛1頭が逃げ出した。約1時間後に捕獲されたが、牛から逃げる時に転倒するなどして男女3人が軽傷を負った。 神奈川県警厚木署によると、「神奈川食肉センター」近くの川沿いの路上で、北海道からトラックで運ばれてきた肉用牛13頭を、県内の農場に運ぶために別のトラックに移し替える作業をしていた。荷台の後部同士をくっつけ、側面の隙間を板でふさいでいたが、体重約525キロのメス牛1頭が暴れ、隙間から逃げ出したという。 牛は倉庫街などを逃走し、同日午前11時15分ごろ、約800メートル離れた路上で捕獲された。移し替える作業をしていた畜産業者の70代男性が転倒したほか、牛から逃げようとして転んだ女児(5)、牛とぶつかったとみられる女性(70)がけがを負った。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
多忙な「金八先生」をはっとさせた 「神様」山田洋次監督のひと言
「金八先生」で知られる歌手・俳優の武田鉄矢さん(72)。歴史や文学など豊富な知識を生かした著作も多い武田さんですが、生涯を通じて学ぶ姿勢を意識するきっかけになったのは、映画監督の山田洋次さん(90)の一言だったと言います。 武田鉄矢さん=倉田貴志撮影 1949年、福岡県生まれ、72年にフォークグループ「海援隊」でデビュー。映画「刑事物語」やテレビドラマ「101回目のプロポーズ」など代表作多数。『人生の教養を高める読書法』など著作も多い。 熱血教師を演じたテレビドラマ「3年B組金八先生」(1979年放送開始)で、武田さんの名は一気にお茶の間に知れ渡った。 きつい現場だったという。「リハーサルが何度も繰り返され、撮影は早朝から深夜まで。台本を覚える余裕もなかったぐらい」と振り返る。 リハーサルを終え、クタクタになって東京・赤坂の喫茶店で休憩をしていた時のことだった。山田監督が偶然、入ってきた。 山田監督は、武田さんにとって神様のような存在だ。俳優デビュー作となる「幸福の黄色いハンカチ」(77年)で物語のキーとなる青年役に抜擢(ばってき)したのが監督だ。物語のコメディーリリーフを担い、主演の高倉健さんを相手に独特の存在感を見せた。デビュー作で日本アカデミー賞最優秀助演男優賞を受賞する快挙を成し遂げた。2作目も山田監督の「男はつらいよ」。第21作「寅次郎わが道をゆく」(78年)では寅次郎(渥美清)を師匠とあおぐ失恋青年を好演。渥美さんと息の合った共演ぶりだった。 男はつらいよ21作「寅次郎わが道をゆく」のロケ風景。(右から)武田鉄矢、倍賞千恵子、渥美清、山田監督=1978年5月 武田「ご無沙汰しております」 山田「忙しいかい?」 そんなとりとめのない会話を交わした後、疲れ切った姿を見透かしたように山田監督が別れ際にひとこと声をかけた。 「人間というのは、忙しいと… この記事は有料会員記事です。残り562文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
就活生を探るSNS調査、どう思いますか? 賛成2割、反対5割
SNSの「裏アカ」調査の流れ 就職活動中の学生らが匿名で使うSNSアカウント(裏アカ)を特定し、その投稿を調べる企業が増えています。投稿内容によっては不採用にすることも。法律的な問題はないのか、就活生側はどうすればよいのか。裏アカ調査について考えます。 朝日新聞は裏アカを調査する会社や就活生らを取材した。 東京・飯田橋にある調査会社は、コロナ下の採用ではオンラインの面接が主流となり、人柄が把握しにくくなった現状を受けて昨年9月、裏アカを特定するサービスを始めた。 閲覧するのはネット上に公開されたもの。履歴書をもとに出身地や出身校、誕生日などが一致する匿名のアカウントを探す。実名アカウントの写真、フォローしている友人、投稿内容のくせなども加味して絞り込み、特定していく。 差別的な投稿や、機密情報の漏洩(ろうえい)なども見つかるという。多くの場合、完全に問題なしの「A」から採用を控えたほうがいい「D」までの4段階で評価し、企業に報告する。 別の調査会社は、これまで担った3万人近い調査対象者のうち3割弱で、中傷やデマといった問題のあるネット上の言動を確認したという。依頼する企業数は年々増え、延べ400社近くになった。 2020年度は前年度比で2・5倍の依頼があったという。従業員の投稿が炎上を招き、企業に多大な損害を与えるケースが増えた。さらに、対面の採用活動が難しいコロナ下が拍車をかけた。同社は「企業側が、志望者らの見えない側面をより気にするようになっている」と説明する。 いまの就活生は「SNSネイティブ」とも称される世代だ。学生らは「投稿は公開されているとはいえ、プライバシー。勝手に裏まで見ないで」と反発。企業側は、応募時に調査への同意の署名などを得ていると説明するが、「そんな文章はよく読まないし、受けたい企業だったら同意せざるをえない」と話す。 就活を所管する厚生労働省は「本人の適性・能力に関係のない情報が把握されかねず、採用に影響する懸念があるため、望ましくない」との考えを示す。 フォーラムアンケートで裏アカ調査について聞くと、20代を中心に10~80代の270人が回答。賛成17・4%、反対48・5%、どちらとも言えない34・1%。こうした調査を知っていたのは6割だった。 賛成では、就活生は匿名での発信であっても内容に責任を持つべきで、企業としては将来のリスクを考えて調査する必要があるとの意見が目立った。反対では、裏アカまで調べるのはプライバシーの侵害という声が多かった。 朝日新聞デジタルのアンケート 寄せられた主な意見はこちらです。 ●なりすましの恐れ 特定したアカウントが本当にその就活生のものである保証がない。なりすましや誤解により人生を大きく左右した場合、誰に責任があるのかあいまい。採用活動に採り入れるのは無責任。(千葉県 20代女性) ●ネットリテラシーがある人を採用したい 元採用面接官です。勤務先は膨大な個人情報、機密を扱うので、用心深く、ネットリテラシーが身についている人を採用したい。いったん採用したら解雇は困難で、調査はやむをえない。(東京都 60代女性) ●過去の投稿で判断、意味がない 昔からSNSを使っている人の過去の投稿内容は、現在の自分と人柄が異なるため、そこで判断されてもあまり意味がない。(岩手県 20代女性) ●発言には責任を 世の中に発信された時点で、匿名であってもオフィシャルと考えるべきだ。プライバシーを守りたいのならば非公開にすればよい。発言には責任を持つ覚悟が必要。(東京都 60代男性) ●優秀なら本音と建前使い分ける ツイッターで愚痴くらい言っても許される社会であってほしい。調査が常態化したら、心の吐き出し口をなくす人が増えるのではないか。「社会はクソ」と言いつつ結果を出している人なんてごまんといる。本音と建前を使い分けられるのも優秀さの一つ。(北海道 20代男性) ●陰湿な攻撃している人は・・・ 医療関係者です。能力以上に、人柄のよい方を職場に迎え入れたい。SNSは本音が出る。陰湿な攻撃などをやっている人は、いじめのリスクがある。SNS調査はきちんとした人が評価される一要素としてポジティブにとらえてよい。(海外 40代女性) ●採用のやり方、変革を 学生の内面的な部分を知りたいなら、面接や採用行事の変革などやり方はたくさんある。むやみに調査を行うべきではない。(岩手県 10代男性) ●「監視の目」が秩序に 企業が判断材料にするのはあり。そのような監視の目があればSNSにも秩序が生まれると思う。(岩手県 20代女性) ●批判と中傷の区別あいまい 中傷や内密な情報を垂れ流すのはだめだと思う。しかし、批判と中傷の区別があいまいになっている今、不安を感じる。(東京都 10代女性) ●状況を作ったのは若者 調査をしなければならない状況を作ったのは我々若者。間違った自己表現(バカッターなど)によって会社が損害を受けてしまう可能性を防ぐ方法の一つと考える。私が採用権のある側ならやる。(沖縄県 20代男性) 担当記者は30代後半と40代後半。SNSを駆使した現代の就活は見聞きしていましたが、採用企業が調査会社に依頼してまで裏アカ調査をしているのを知ったのは最近でした。この現状を特集「探られた 裏アカ」で報じました。 形は違えど、僕らが学生時代に飲み会で愚痴っていた光景と、匿名アカウントでのつぶやきは重なるように思います。飲み会での私的な話を企業に調べられたら嫌なのと同じく、今の学生からしたら閲覧者を限定する「鍵」はかけていなくても、私的につぶやいた内容を調べられるのは不快でしょう。 一方で、「身元調査」に当たる恐れがあるとは言え、採用後のリスクを考えて調べたくなる企業の気持ちも分からないではありません。SNS時代に合った何らかのルール作りが必要だと思います。(市原研吾、矢島大輔) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
大学発の災害調査ロボット、400万円余りで実用化 その実力は
がれきを乗り越えて負傷者を見つけたり、災害現場のデータを集めたり。そんな災害用ロボットを長年研究してきた愛知工業大工学部の奥川雅之教授(50)の調査ロボットが、インフラや工場の監視点検を想定して実用化され、販売が始まった。 実用機は、コンピューターシステム会社サンリツオートメイション(東京都)の「監視点検用クローラロボット」(全長80センチ、幅46センチ、高さ32センチ、重さ24キロ)。奥川教授が2010年から研究してきた災害調査用ロボット「スコット」の技術を初めて実用化し、昨年4月に400万円余りで販売を始めた。 仕組みは重機と似ている。駆動輪にあたるクローラー四つで走り、悪路で姿勢を安定させるサブ(補助)クローラーも四つある。カメラやセンサー、連続駆動1時間半のバッテリーなどを搭載している。 最高時速は2・7キロ。高さ… この記事は会員記事です。残り502文字無料会員になると月5本までお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
炭治郎と禰豆子が向かった「六区」 信仰と娯楽が築いた最大の繁華街
大正時代の浅草・雷門通り(絵はがき)。現在の雷門周辺から西側をのぞむ。左後方は東本願寺。右後方は浅草公園六区の映画街周辺=江戸東京博物館所蔵 「鬼滅の刃」の主人公である竈門炭治郎が、妹の禰豆子とともに向かった「浅草公園六区」。 その話の前に、簡単に浅草の歴史を振り返りたい。といっても、縄文時代までさかのぼる。 東京都台東区浅草――。 台東区の西部は、「武蔵野台地」の東の端にあたる。 東京の「山の手」と「下町」の境を縫うように、南北に走る京浜東北線。上野から日暮里をへて王子あたりまで、京浜東北線が崖の脇を走っているのを思い出す人もいるだろう。特に、山手線と並走する日暮里や西日暮里は、駅のホームのすぐそこが崖になっている。 縄文時代はいまよりはるかに温暖で、海水面は高く、東京の下町は海の底だった。この崖は、縄文時代の海岸線だ。当時は海沿いだった現在の崖の上で、縄文人が暮らしていた。その痕跡である貝塚が、崖の上のあちこちから発掘されている。 JR上野駅から上野公園に向かうと、そこにも崖がある。崖の上を「上野台」という。上野「台」と、その「東」の低地を合わせた地域――ということで1947(昭和22)年に名付けられたのが「台東区」だ。 さて。 鬼が出入りする「鬼門」に浅草寺、家康が庇護 大正時代、多くの人でにぎわう浅草仲見世(絵はがき)。関東大震災の前で、れんが造りの建物が並んでいた=江戸東京博物館所蔵 隅田川の右岸沿いの低地に位置する台東区浅草は、江戸初期から戦後まで300年以上、国内最大の繁華街であり続けた。その浅草の隆盛の起点をつくったのは、徳川家康だ。 いまいる場所から北東(丑寅… この記事は有料会員記事です。残り1763文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル