インターネット上の誹謗(ひぼう)中傷問題が連日報道される。しかし、インターネットが注目されるあまり、既存メディアがこのような問題で果たしている負の役割に目が向けられていないことに、筆者は強い危機感を抱いている。 山口真一(やまぐち・しんいち)さん 1986年生まれ。国際大学GLOCOM准教授(計量経済学)。近著に「正義を振りかざす『極端な人』の正体」。 ◇ 10月26日、秋篠宮家の長女眞子さんと小室圭さんが結婚した。しかし、2人の結婚をめぐっては、インターネット上で激しい非難・誹謗中傷が巻き起こり、眞子さんが複雑性PTSDの診断を受けたことを宮内庁が発表する事態となった。 だが経緯を点検すると、既存メディアの動きが事態に大きな影響を与えていたことが見えてくる。小室家の金銭トラブルについてある雑誌がスクープしたことを機に、様々な雑誌が「疑惑」と否定的な記事を大量に発表していった。さらにテレビも情報番組などで、ことあるごとに疑惑や批判を紹介した。結婚直前も、カメラが小室さんにしつこく張り付き、取材を無視されたことに対する批判や、髪形がおかしいといったコメントを連発していた。 ここで起こったのが、既存メディアとインターネットの共振現象だ。インターネット上の批判的な声を踏まえて既存メディアがネガティブな報道をし、既存メディアを見てそれを知った人がまたインターネット上に投稿し――と繰り返すことで相乗効果が起きて、かつてない規模の誹謗中傷や悪意ある噂(うわさ)が広がっていったのである。 帝京大の吉野ヒロ子准教授が、ネット炎上(インターネット上に批判や誹謗中傷が殺到する現象)の認知経路について、興味深い研究を発表している。1118人を対象としたアンケートの結果、ネット炎上を見聞きした媒体として、ツイッターと答えた人が23・2%であったのに対し、テレビのバラエティー番組が58・8%だったのである。ネット炎上とはいうが、それを広げているのは既存メディアなのだ。 振り返ると、既存メディアとインターネットの相乗効果が破壊的なパワーを発揮してしまうことに、既存メディアが気付くチャンスは何度もあった。 例えば、新型コロナに感染し… この記事は会員記事です。残り1325文字無料会員になると月5本までお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
武蔵野市の外国人も住民投票案、10年前の伏線 「標的に…」
東京都武蔵野市が市議会に提案した住民投票条例案への反対運動が激しさを増している。多様な声を市政に反映したいとして、外国籍の住民の参加を認める内容だ。反対派は「外国人参政権の代替になり得る」と主張する。同様な条例が既にある中、なぜ過熱するのか。 市役所周辺で大音量の街宣車 「民意そのものがゆがみかねない」。同市を含む選挙区が地盤の長島昭久・衆院議員(自民)が9日朝、JR吉祥寺駅前でこう訴えた。自民系会派の市議も条例案への反対を訴えた。自民系会派代表の小美濃安弘市議は「条例案を出し直させたい」と話す。 条例案はその都度、条例を定める「個別型」でなく、投票資格者の4分の1の署名があれば議会の可決なしに実施できる「常設型」。市長・議会の「二元代表制」を補完する意義がある。13日の市議会総務委員会で採決される。 反対派が問題視するのは、18歳以上で市の住民基本台帳に3カ月以上続けて登録されている者という参加要件に外国籍住民が含まれている点だ。市長選などでの参政権がないのに住民投票に参加を認めれば、民意がゆがむというのだ。 長島氏は「外国籍の住民は少なくとも3年以上、市内に住む人という要件は必要」と訴える。議論が不十分だとして「拙速だ」とも批判している。 松下玲子市長は「条例案は多様性を認める社会につながる」と意義を強調する。「拙速」との批判には市は数年前から議論を重ねていると反論する。今年3月のアンケートでは外国籍の住民を投票資格者に含めることに73・2%が賛成だった。 保守色の強い自民党国会議員らでつくる団体は9日、「外国人参政権の代替になり得る」として反対する声明を発表した。 さらに、市役所周辺では街宣車が大音量で反対を訴え、排外主義的な団体も「自治体乗っ取り条例」などと声を張り上げてきた。一方、賛成派は愛敬浩二・早稲田大教授や上野千鶴子・東大名誉教授らが名を連ねた声明を11月に発表し、「威圧的な宣伝や脅迫まがいの行動が跋扈(ばっこ)している」と指摘。外国籍住民の声が反映されれば「地方自治を深化・発展させる」と強調している。 市内の男性(35)は「こういう制度がなければ外国籍の方が意見表明する場はない。むしろ必要な制度」と話す。パート勤務の女性(64)は「長く住まないと地域のことは分からない」と反対だった。(宮野拓也、井上恵一朗) ■類似条例は約40自治体、同… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
運転手の勤務先を家宅捜索 小牧市の多重事故 愛知県警
高絢実2021年12月11日 16時16分 愛知県小牧市の国道41号で車24台がからんだ多重事故で、愛知県警は11日、発端となる追突事故を起こしたトレーラーの運転手が勤務する運送会社を自動車運転死傷処罰法違反(過失運転致傷)の疑いで家宅捜索した。県警は、事故に至る経緯を特定するため勤務実態などを調べる。 捜索を受けたのは愛知県飛島村にある運送会社の営業所。同日午前11時ごろ、県警の捜査員4人が入った。営業所長は取材に、勤務状況や運行記録のわかる日報などの書類が押収されたといい、「コメントは控えたい」と話した。 10日朝に起きた事故では、トレーラーが渋滞中の車列に突っ込み、12人がけがをした。県警は同日、トレーラーを運転していた野村勝也容疑者(54)=名古屋市港区=を同法違反の疑いで逮捕した。(高絢実) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
水俣、写真家たちが記録してきた20万点を保存へ 「後世に残す」
水俣病患者の暮らしや表情、救済を求める運動などを記録してきた写真家たちが、作品を保存・活用する「水俣・写真家の眼(め)プロジェクト」に共同して取り組むことになった。水俣病公式確認から66年となる来年5月1日にも一般社団法人を発足させ、これまで撮ってきた膨大な作品群の保存・活用を本格化させる。 プロジェクトに名を連ねる写真家は芥川仁さん、石川武志さん、北岡秀郎さん、桑原史成さん、小柴一良さん、塩田武史さん(故人)、アイリーン・美緒子・スミスさん、田中史子さん、宮本成美さんの9人。小柴さんと同プロジェクト事務局の吉永利夫さん(水俣病を語り継ぐ会理事)が9日、熊本県水俣市で記者会見し、発表した。 1960年に撮影を始めた桑… この記事は会員記事です。残り294文字無料会員になると月5本までお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
離婚と再婚、3年おきに繰り返す2人 「普通」問い直した夫の選択
ペーパー離婚しました 自分の名前で生きたい 東京都八王子市のある夫婦は、3年おきに離婚届と婚姻届を出すと決めている。 同じ相手と同じことを繰り返す。手間がかかりそうなのに、なぜ? 尋ねると、お互いの名前をめぐる切実な困りごとと話し合いの歴史があった。 夫は公務員(32)、妻は会社員(32)。2人は、付き合い始めた頃の大げんかを鮮明に覚えている。 渋谷駅近くの喫茶店。 女性が「結婚したら名字はどうする? 私は名字、変えたくないんだよね」と口火を切った。驚いた男性は「自分んち(実家)もそうだったし、普通は夫の名字でしょ」と応じた。 「なんで私があなたに合わせるって決まってるの?」 「だって普通は……」 当時は大学生だったが、ゆくゆくは結婚するつもりで付き合っていた。東急東横線の改札に着いてからも言い合いは続き、そのまま駅で別れた。 男性はぼうぜんとしながら、女性は泣きながら帰った。 男性は、茨城県の地方都市で、会社員の父と専業主婦の母のもとで育った。女性が結婚して名字を変えないという例を聞いたことがなかった。「そんな発想、あるんだ」と、固まってしまった。 一方、女性は、横浜市の共働きの両親のもとで育った。小学生の時から、結婚して名字を変えるのは嫌だった。ある同級生が、好きな人の名字に自分の名前を書いて「ドキドキしちゃう」と話していた。「かわいいけど、自分はわからないな」と思っていた。 ケンカの翌日。気まずくなるのが嫌で、お互い、つい名字の話題を避けてしまった。たまに話題にのぼっても、平行線だった。 卒業し、就職して1年目。そろそろ結婚という雰囲気になった。女性は、結婚後も自分のままの名前でいたいという気持ちを再び打ち明けた。それに対する彼の答えに、女性はとても驚いた。 「お互い、自分の名字は変えたくないよね。じゃあ、どうしようか」 ここから続き 結婚したいのに、このままで… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
料理研究家・藤野真紀子さん 娘の言葉で気づいた「心傾ける」大切さ
50冊を超える著作を世に出し、女性誌の表紙を飾ったり料理番組やCMに次々出演したり。一時は「カリスマ主婦」と呼ばれ、衆院議員にもなった藤野真紀子さん(72)。振り返れば働く女性として突っ走る日々でしたが、仕事が軌道に乗り始めた頃に娘から投げかけられた言葉が今も胸に残っていると言います。 1949年、東京生まれ。パリで「エコール・リッツ・エスコフィエ」などに学び、帰国後の92年に「マキコフーズ・ステュディオ」開設。2005年から衆院議員を1期務め、近年は動物愛護活動に取り組む。 聖心女子大を卒業した翌年、1973年に旧運輸省の官僚と結婚。74年に長女、76年に次女が誕生した。「私たちの時代の典型的な主婦でした」と振り返る。 「父親が大黒柱で母親が家を守る人という、当時の典型的な家庭。我が子を心身ともに健康に育て、社会に送り出すのが自分の役割だと信じていました」 母子が密接にかかわっていた、そんな環境が激変する。きっかけは夫の転勤にともなう、通算6年の海外生活。最初はニューヨーク、次はパリへ。パリでは「エコール・リッツ・エスコフィエ」などにも通い、精力的に料理の勉強をした。パリから帰国してすぐ、初めての著作『パリに行って、習ったお菓子』を出し、大きな話題になる。このとき41歳。翌年には東京都内に料理教室を立ち上げた。一方、子ども2人は中高生で、思春期まっただなか。「ママの劇的な変化」が、家族を不安定にしていく。 火曜から土曜まで料理教室を差配するかたわら、NHKの料理番組「きょうの料理」に出演。雑誌の撮影などで翌早朝に帰宅することも珍しくなかった。子どもの世話は祖母に「丸投げ」状態になった。「仕事の歯車が回り始めて、面白くて仕方ない時期でした」 そうした生活が数年続いたあ… この記事は会員記事です。残り483文字無料会員になると月5本までお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「レアカード」、なぜ見る角度で画が変わるの?
「カードの絵はなぜ見る角度で変わるの?」 京都府・藤木凛さん(小4)の質問 ののちゃんのDo科学 ののちゃんは、朝日新聞に連載されている漫画の主人公で、小学3年生。学級担任の藤原先生を相手に、身の回りの不思議を質問します。聞いてほしい疑問はこちらへ。science@asahi.com ののちゃん やったあ、レアカードだ。 藤原先生 どうしたの? のの お菓子に好きなアニメのカードがついてくるんだけど、角度を変えて見ると違う絵になるレアものだったんだよ。 先生 そう、良かったね。どういうしくみで絵が変わるか知ってる? のの うーん、知らないなあ。カードがざらざらしているのと関係あるかな? 先生 いいところに気づいた。カードをよく見ると、こまかな線がたくさん見えるでしょう。じつは、かまぼこのような形をしたレンズが並んでいる。「レンチキュラーレンズ」って名前で、ペットボトルと同じ材料でできているの。 のの そうなんだ… この記事は会員記事です。残り871文字無料会員になると月5本までお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
各地で広がる「田んぼダム」の仕組みとは ゆっくり流し、農業支える
「田んぼダム」が全国各地で広がりをみせている。豪雨時の雨水を水田で受け止め、ゆっくり川へ流れるようにして水害を軽減する取り組みだ。本物のダムのように水位を上げ下げする実験まで始まった。すぐに効果を得やすい治水対策だが、下流に恩恵がある一方、ただ装置を取り付けるだけだと農家にはあまりメリットがない。同時に農業も支える仕組みづくりが普及のかぎになる。 スマート化で事前放流も? 一枚一枚の水田ごとに、太陽電池のついた筒状の装置がずらりと並んでいた。兵庫県たつの市で進む「スマート田んぼダム」の実証事業。自動的に給水や排水をする装置を取り付け、スマホの画面で遠隔操作する。 豪雨が近づくとゲートを順番に開けて水を抜き、貯水容量を増やす。雨の間はふだんより水位を高く保ち、ピークを過ぎてから排水する。まるで本物のダムのようだ。農家にとっても水管理を省力化でき、農業用水の無駄遣いを減らせる利点があるという。 ふだんの水管理は、それなりに手間がかかる。兼業の場合、朝に給水バルブを開けると夕方まで閉めに行けず、規定の水位に達しても「かけ流し」のままになってしまう。 「水管理の手間が省けるのは大きく、収量増にもつなげたい。これで災害も減らせるなら」。この水田で耕作する「たつのアグリ」の岸野昇社長はこう話した。 実証事業は農林水産省が今年度、全国8地区で取り組む。普通の田んぼダムや何もしない水田と比較し、手引づくりにつなげる。メーカーのクボタによると、装置本体は1基約12万円(取り付け費用を除く)で、1区画に給水用と排水用を設置。ほかに水位計、通信設備などが要る。農作業を自動化するスマート農業への流れから開発されたシステムという。 もっとも、スマート田んぼダムとしての効果やコストはまだ検証段階。本物のダムのように操作するなら、事前放流のタイミング、放流で被害が増したときの責任も詰めないといけない。急な豪雨には対処しきれず、事前放流が空振りになることも考えられる。 一般タイプはシンプル 20年近い歴史 一方、一般的な田んぼダムはもっとシンプルで安価だ。機械を使わず、自律的に機能を発揮するため操作もいらない。 ふだんより10センチほど高… この記事は会員記事です。残り1346文字無料会員になると月5本までお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
ブラサカ界の「レジェンド」、20年の集大成 24日に引退試合へ
5人制サッカー(ブラインドサッカー)で、長らく日本代表の中心選手として活躍した落合啓士さん(44)が今月24日、横浜武道館(横浜市)で引退試合を開く。やりたいことを貫いてきた人生。その背中が障害のある子どもたちの希望になることを願い、選手として最後の舞台に立つ。 子どものころ漫画「キャプテン翼」に憧れ、サッカー選手を目指した。18歳の時にほとんどの視力を失い、25歳でブラサカと出会った。日本視覚障がい者サッカー協会(現・日本ブラインドサッカー協会)が発足した時期とほぼ重なる。日本代表では代表発足(2002年)の翌年からエースとして活躍し、60試合以上に出場した「レジェンド」だ。 視覚障害のあるフィールドプレーヤー4人と、弱視または視覚障害のないゴールキーパー1人の計5人でプレーするブラサカ。フィールドプレーヤーはアイマスクを着け、転がると音が鳴るボールを蹴ってゴールを目指す。落合さんはブラサカを始めて「すごい」「なんでこんなことができるの」と言われることが増えたという。 「街中だと『白杖(はくじょう)の人』とひとまとめにされてしまうが、ブラサカでは一人の選手としてみられ、承認された感じがした」。日常生活では白杖が頼りだが、グラウンド上は前後左右と自由に全力で動き回れる。その楽しさにもはまった。 ケガもあり10年に一度、代… この記事は会員記事です。残り607文字無料会員になると月5本までお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
Ski acrobatique | Six Canadiens en finale des bosses à Idre Fjäll | La Presse – LaPresse.ca
Seuls le Japonais Ikuma Horishima (83,58) et le Français Benjamin Cavet (82,57) ont devancé le double champion … Sports d'hiver En continu. Pour en savoir plus : Source