大山稜2021年12月7日 13時09分 勤務先の会社が営業用に入手したプロ野球巨人戦のチケットを横領し、インターネット上で売ったとして、警視庁は元機械製造販売会社員で無職の田辺宏明容疑者(51)=埼玉県川越市田町=を業務上横領とチケット不正転売禁止法違反の疑いで逮捕し、7日発表した。2013年以降に254枚を売り、計547万円を得ていたとみている。 生活安全特別捜査隊によると、逮捕容疑は、東京都内の機械製造販売会社で課長をしていた3~4月、会社から巨人戦の年間指定席チケット4枚(定価計7万8124円)を着服し、ネットで都内の男性2人に計約9万5千円で転売したというもの。チケットは得意先への営業用で、田辺容疑者が管理を任されていた。容疑を認め、「生活費の蓄えにした」と話しているという。 巨人側が4月、年間指定席のネット上でのチケット転売について警視庁に相談していた。同隊が取引が行われているサイトを調べ、田辺容疑者の関与が浮上したという。虚偽の記録簿を作っており、勤務先は気づいていなかった。 プロ野球やアーティストのコンサートのチケットをめぐっては、ネットを介した高額転売が後を絶たず、警視庁が9月、日本野球機構や音楽団体など6団体と関連情報を共有する協定を結び、取り締まりを強めていた。同隊は10~11月にも、同じようにチケットを転売したとして、都内の50代の男2人をチケット不正転売禁止法違反容疑で書類送検していた。(大山稜) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
筑波大教授、20代女性の胸など触った疑いで逮捕 大学内で複数回か
2021年12月7日 13時41分 大学内で20代女性の胸などを触ったとして、茨城県警は7日、筑波大生命環境系教授の大澤良容疑者(61)=茨城県つくば市千現1丁目=を強制わいせつ容疑で逮捕し、発表した。大澤容疑者は「強制的にわいせつな行為をしたという認識はない」と容疑を否認しているという。 つくば署によると、大澤容疑者は、大学にある建物内で今年4月から9月にかけて複数回、県内に住む20代女性の胸などを無理やり触った疑いがある。11月18日に女性が署に相談に訪れていた。 筑波大のホームページによると、大澤教授の専門分野は遺伝育種科学と生物資源保全学という。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
判決ではない「本当の区切り」に いじめ自死、謝罪要望を拒む県教委
いじめを受け、2013年に自ら命を絶った熊本県立高校1年の女子生徒(当時15)の母親(54)が5日、これまでの8年間と現在の思いを支援者に伝える報告会を熊本市内で開いた。母親は、裁判で県の賠償責任が認められた後、学校関係者から謝罪はないと明かし、「ものすごく悲しい」と語った。 生徒は13年4月に県立高校に入学し、付属の寮に入った。そこで同級生から、脅迫的なLINE(ライン)のメッセージを送られるなどした。夏休みで帰省中の同年8月、実家で自殺した。 遺族は16年、元同級生1人と県に損害賠償を求めて熊本地裁に提訴。19年の地裁判決は元同級生にのみ支払いを命じた。20年の福岡高裁判決は「いじめへの不適切な対応で、生徒は精神的苦痛を受けた」などとして、県に220万円の支払いを命じ、確定した。 5日の報告会で、母親は「事実を明らかにするには裁判という形を取るしかなかった」と話した。裁判では県側が、家庭に問題があったなどの主張もしたといい、「勝手に娘の人物像を作り上げていたことが、あまりにもかわいそうで悲しかった」と振り返った。 判決の後、当時の担任や寮の舎監長、校長との面会を弁護士を通じて県教委に要望したが、かなっていないという。「娘に手を合わせる心で謝罪してもらうことが、本当の一つの区切りだと思っている。これではいじめも学校の対応も何も変わらない」と話した。そして、「失った娘はどんなことをしても取り戻せないが、謝罪は私たち家族にとって、とても大切なことだった。それができない理由を教えてください」と訴えた。 県教委「公務員個人の責任ではなく組織として対応」 一審で意見書を出した、いじめ問題に詳しい立命館大大学院の春日井敏之教授(臨床教育学)は報告会で、「本来なら助かる命が救えなかった。子どもたちのトラブルを丁寧に解きほぐして解決を図る努力をすべきなのに、逆に追いやってしまったことが無念でならない」と話した。 学校の不適切な対応は、いじめている子どもの指導や支援の機会を失することにもなると指摘。いじめの認知などは学校が組織として対応しなければいけないと強調した。また、再発防止策は教育委員会任せにせず、知事などの首長が率先して示すことも大事だと述べた。 県教委学校安全・安心推進課の坂本一博・審議員は取材に、遺族が望む学校側との面会がなされていないことについて、「公務員個人の責任ではなく学校組織としての対応の責任が問われたものと認識しているため、(遺族の要望には)県教委として対応したい」と説明した。当時の校長ら教員3人も、面会を辞退したい旨の意向を示したという。 二審判決後、当時の担任と舎監長には、現在所属する学校の校長を通じて判決文を渡し、校長が再発防止に向けた助言をしたという。定年退職した当時の校長にも口頭で内容を伝えたという。県教委として再発防止に向けた取り組みを進めているという。(堀越理菜) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
福岡空港の関係者用トイレで盗撮か、JALグループ会社の社員を逮捕
杉山あかり2021年12月7日 11時50分 福岡空港の関係者用トイレで盗撮したとして、福岡県警は6日、福岡県久留米市山川町、村木泰裕容疑者(37)を県迷惑行為防止条例違反(盗撮)の疑いで逮捕し、発表した。「女性が用を足すところを見たかった」と容疑を認めているという。日本航空によると、村木容疑者は同社のグループ会社「JALグランドサービス九州」の社員で、乗客の手荷物の積み込みなどの業務の担当という。 空港署によると、逮捕容疑は11月28日午前10時ごろ~29日午前8時40分ごろ、福岡空港の国内線旅客ターミナルビル内で、空港関係者専用の女子トイレの個室に小型カメラを設置し、利用者を盗撮したというもの。カメラはトイレットペーパーホルダーの隙間に両面テープで貼り付けてあったという。関係者専用のトイレは、許可証がないと入れない場所にあるという。 11月29日朝に清掃員が小型カメラに気づき、ビルの管理会社を通じて署に通報。このカメラで録画された動画には村木容疑者がカメラを設置する様子も映っていた。12月6日朝に村木容疑者が署に出頭したという。カメラには数十人の女性が映った動画が残されていたという。 日本航空広報部は「当該社員が逮捕されたのは大変遺憾。事実関係を調べた上で厳正に対処する」とコメントを発表した。(杉山あかり) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
真珠湾攻撃で魚雷放った103歳 暗闇の「銀色」に「訓練じゃない」
「戦いに選ばれた幸せ」と「生きて帰りたい」という願い。真珠湾攻撃に参加した男性は、103歳になった今も、出撃前に心が揺れたことを覚えている。あの日から80年になるが、強く思う。「戦争をしないで、もう少し腰を据えて外交交渉をしたらよかったんじゃないかな」 東京都足立区の吉岡政光さんは、20代で巻き込まれていった戦争を忘れることはない。 真珠湾攻撃を振り返る吉岡政光さん=2021年11月22日午後3時48分、東京都足立区、瀬戸口和秀撮影 1941年。日本は4年前に始めた中国との戦争が泥沼化。資源を求め東南アジア攻略を目指して南部仏印(ベトナム南部)へ軍を進めると、米国は石油の全面禁輸などに踏み切り、対米交渉は行き詰まった。天皇と重臣らによる御前会議は11月5日、対米交渉が打ち切られた場合、12月初旬の開戦を決断した。 11月下旬、千島列島の択捉(えとろふ)島にある単冠(ひとかっぷ)湾。日本海軍の空母「蒼龍(そうりゅう)」「赤城(あかぎ)」などが続々と集結していた。蒼龍の艦載機の搭乗員だった吉岡さんもその場にいた。 空母「蒼龍」に乗っていた頃の吉岡政光さん=本人提供 これからハワイに奇襲攻撃をかける――。 集結後まもなくのことだった。空母6隻などからなる機動部隊を率いる南雲忠一中将の訓示が読み上げられた。 日本よりも戦力があると思っていた米国に対する攻撃に、「これは俺の死に場所だな」と思った。 米国を憎いと思ったことはな… この記事は有料会員記事です。残り1393文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
同僚男性の鼻に練りガラシ 作業員の男2人を共同暴行容疑で逮捕
2021年12月7日 7時30分 大阪府高石市の工場内で、一緒に働いていた20代の男性に対し、鼻に練りガラシを入れるなどの暴行を加えたとして、大阪府警は6日、作業員の男2人を暴力行為等処罰法違反(共同暴行)容疑で逮捕した。捜査関係者への取材でわかった。 捜査関係者によると、逮捕されたのはいずれも大阪府岸和田市に住む作業員で、35歳の男と31歳の男。2人は容疑を認めているという。 2人の逮捕容疑は、高石市の化学メーカーの工場内で9月下旬、男性作業員の体を結束バンドで縛り、10月中旬には体を押さえつけて鼻に練りガラシを入れる暴行を加えたというもの。 府警が押収した2人の携帯電話から、男性が暴行される様子が撮影された画像や動画が見つかった。男性は府警に対し、「他にも暴行を受け、日常的に職場でいじめられていた」と話しているという。 容疑者の2人はそれぞれ別の土建会社の作業員で、男性も別会社に所属する作業員だが、3人は同じ化学メーカーの工場で一緒に働いていた。業務は工場設備の整備などだった。 捜査関係者によると、暴行は工場内の休憩スペースで行われていたとみられる。男性は現在、休職しているという。府警は男性から被害届を受け、11月中旬に工場内を家宅捜索し、捜査を進めていた。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
熱海土石流、県警が告訴受理 遺族「全部洗いざらいはっきりさせて」
【静岡】7月に熱海市で起きた土石流の犠牲者の遺族ら5人の刑事告訴が6日、熱海署に受理された。容疑は殺人。危険性を知りながら何もしなかったことが「不作為の殺人」にあたると主張する遺族。捜査の過程で何があって、何がなされなかったのか全容が解明されることを期待している。 「悲しみはあの日から変わらない。全部洗いざらいはっきりさせてほしい」 告訴人の一人で、受理後取材に応じた小磯洋子さん(71)は、時折言葉を詰まらせながらそう語った。 遺族が重視したのが、県と熱海市が10月に公表した調査結果だ。県と市は盛り土を造成した業者や現在の土地所有者に対し、複数回にわたって盛り土崩落の危険性を指摘し、造成の中断や安全対策を求めていたことが明らかになった。しかし、工事は行われることなく放置され、7月の土石流につながった。 遺族らはそこに「未必の故意」が成立すると主張する。弁護団共同代表の加藤博太郎弁護士は「崩落すれば住民に危険が及ぶことが繰り返し指摘されていたのに何の対策も取らなかった。住民が死んでもいいという未必の故意があったと言わざるを得ない」として、不作為の殺人罪が成立するとしている。 告訴人の一人で、夫の徹さん… この記事は会員記事です。残り262文字無料会員になると月5本までお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「漁師縁組」で漁業の技教えます 後継者確保へ、移住する若者を募集
青森県佐井村は、経験豊富な村の漁師と村外から移住を希望する若者を引き合わせ、漁業の技を伝授する「漁師縁組」の参加者募集を11月、1年半ぶりに再開した。コロナ禍を受けて募集を中断していた。後継者不足を解消するため全国から若者を募り、移住から5年以内での独立を後押しする。 村総合戦略課によると、事業は2016年度にスタートした。津軽海峡に面する同村では、イカやタコ、ウニ、マグロ、タラなど様々な魚介類がとれる。一方、村漁業協同組合に加入する184人の漁師の平均年齢は60代半ばに達しており、同課の担当者は「村の基幹産業といえる漁業の後継者不足は深刻で、十数年先は産業としての存続が危ぶまれている」と話す。 応募対象者は18歳からおおむね30歳まで。最長5年にわたって生活費が支給されるほか、家賃補助を受けられたり、操船免許や漁船の取得をサポートしてもらえたりする。最初の3年で定置網や一本釣り、養殖などの技術を基礎から学び、残り2年で漁協組合員になって漁業権を取得し、漁師として独立してもらうことが狙いだ。 これまで応募してきたのは大… この記事は会員記事です。残り276文字無料会員になると月5本までお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
パナで工場社員自殺 「持ち帰り残業」含む長時間労働、責任認め和解
電機大手パナソニックで働いていた富山県の男性(当時43)が2019年に自殺した。同社は、過大な仕事量や「持ち帰り残業」を含む長時間労働を正さずにいた結果、男性がうつ病を発症して死に至ったとして遺族に謝罪し、解決金を支払うことなどで6日、和解が成立した。 労働基準監督署は自宅に持ち帰った仕事を会社の指示と認めなかったが、同社は独自調査で会社の責任を認めた。企業が裁判を経ず、持ち帰り残業を労働時間と認めるのは異例という。 遺族や代理人の松丸正弁護士(大阪弁護士会)によると、亡くなった男性は死亡当時、パナソニックの半導体事業を担うインダストリアルソリューションズ社の富山工場(富山県砺波市)で技術部の課長代理を務めていた。 男性は03年から工場で派遣社員として勤務し、09年に正社員になった。19年4月に製造部から技術部に異動し、係長から課長代理に昇格。仕事内容が大きく変わって業務量も増え、職場では仕事を終わらせることができず、業務用パソコンを自宅に持ち帰って仕事をしていたという。男性は19年10月、自宅で死亡した。 砺波労基署(砺波市)は21年3月、遺族側の請求に基づき、配置転換や仕事内容の変化・増大により男性が強い精神的負荷を受け、うつ病を発症したとして労災を認定。一方、持ち帰り残業について「会社からの業務命令によるものではなく、黙示の指示があったとする実態も認められない」などと指摘し、労働時間に該当しないと判断した。 「余儀なく持ち帰り、なら労働時間」 厚労省ガイドライン 厚生労働省は17年、労働時間の認定にあたっては、労働者の行為が客観的にみて会社や上司の指揮命令下にあったといえるかどうかなどで判断するとしたガイドラインを作った。持ち帰り残業について同省は「仕事を持ち帰って行うことを義務付けられていたか、余儀なくされていたことが確認された場合に労働時間と評価する」と説明する。 パナソニックは、男性が自宅に持ち帰っていた業務用パソコンのログなどを独自に調査。自宅での作業についても、業務上、余儀なくされていたものだったと認定し、労基署の判断よりも踏み込んだ形で会社の責任を認めた。過大な仕事内容・仕事量に加え、持ち帰り残業を含む長時間労働を是正するなどの安全配慮義務を会社が怠った結果、男性が亡くなったと認め、遺族に謝罪した。 同社は和解にあたり、持ち帰り残業を含む労働時間の正確な把握のほか、業務量の適正化や社員間でのコミュニケーションの見直し、研修・面談などの対策をとる考えを示した。 遺族側代理人の松丸弁護士は和解内容を「過労死問題に対する社会の厳しい視線を反映した判断といえる」と評価。「国が採用している労働時間の考え方が、働く現場の実態を反映しきれていないことが浮き彫りになった。当事者企業の対応が国の対応を追い越したケースだ」と話す。 パナソニックでは16年にも砺波市の工場で当時40代の男性社員が自殺し、長時間労働が原因として労災認定されている。同社は18年、労使協定を超える違法な時間外労働をさせたとする労働基準法違反の罪で略式起訴された。 同社は取材に「亡くなられた社員に謹んで哀悼の意を表すると共に、ご遺族の皆様に衷心よりおわび申し上げます。弊社として再発防止に向けた取り組みを徹底して推進してまいります」とするコメントを出した。(野田佑介、阪本輝昭) ■悩みのある人の主な相談先■ よりそいホットライン(24時間) 0120・279・338(※岩手、宮城、福島の3県は、0120・279・226) いのちの電話(毎日午後4時~午後9時、毎月10日は午前8時~翌午前8時) 0120・783・556 #いのちSOS(月、木曜は午前0時~翌午前2時、それ以外は午前8時~翌午前0時) 0120・061・338 こころの健康相談統一ダイヤル(対応時間・曜日は都道府県により異なる) 0570・064・556 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
日大、10日に会見へ 家宅捜索から3カ月、一連の事件で初めて
2021年12月7日 6時00分 前理事長らが逮捕された日本大学が、10日に記者会見を開く方向で調整していることが関係者への取材でわかった。日大は本部や前理事長宅が家宅捜索を受けた9月以降、一連の事件について一度も記者会見で説明しておらず、学内外で批判が高まっていた。 日大では10月以降、元理事の井ノ口忠男被告(64)が背任罪で逮捕・起訴された。11月には、計約1億2千万円の所得を隠し、約5300万円を脱税したとして前理事長の田中英寿容疑者(75)が逮捕され、12月3日に理事を解任された。 日大は逮捕や起訴のたびに「誠に遺憾」などとする見解を大学のホームページで公表してきたが、会見は開いていない。こうした姿勢をめぐり、末松信介文部科学相が「会見は社会に対する責任」と述べるなど、批判が相次いでいた。 日大では2018年にアメフト部で悪質タックル問題が起き、学長が記者会見を開いた。当時、田中容疑者は理事長だったが、書面で声明を発表するだけで、会見は開かなかった。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル