群馬と新潟の県境にある谷川岳(標高1977メートル)の山小屋を、管理人として守ってきた2人の男性がいる。ひとりは元群馬県警の谷川岳警備隊長。もうひとりは元々は山の素人だった。「登山者が安心できる場所であり続けたい」という思いでつながっている。 ◇ 絶壁と深い谷。変幻自在の雲。ロープウェーの駅から天神尾根を2時間半ほど歩くと、頂の一つトマノ耳の直下の山小屋「肩ノ小屋」に着く。木造2階建てで、登山道が集まる要所に立つ。 2代目管理人の森下孝男さん(60)は毎朝、谷川岳の表情を撮影し、ツイッターで発信している。朝焼け、紅葉、吹雪……。これから登る人に最新の状況を伝え、登れない人にも四季や時間で移ろう姿を伝えたいと思う。「何度見ても同じ風景はないですね」 元は「山の素人」だった。地元の群馬県みなかみ町で生まれ育ったが、登ったのは数回ほどで周りの山の名も知らない。20代後半でガラス店に勤めていたころ、知人に誘われ、群馬県谷川岳登山指導センターの職員に転職したのが、山にかかわるきっかけだった。 軽い気持ちで引き受けたが… この記事は会員記事です。残り1255文字無料会員になると月5本までお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
出雲ナンバー4千台突破 記念に好きなナンバーの・・・
杉山匡史2021年12月3日 12時40分 ヤマタノオロチが描かれた出雲版ナンバープレートの交付が、昨年5月の開始から4千台を超えた。島根県出雲市と奥出雲、飯南両町などによる出雲ナンバー推進協議会(事務局・同市)は突破を記念し、ナンバー取得者か申込者を対象に、抽選で好きなナンバーのキーホルダーを贈る取り組みをしている。 出雲ナンバーは5月11日、3市町を対象地域に観光PRや地域振興などを期待して作った。5年間で3千台が目標だったが、今年2月に早々に達成。9月末で4039台(カラー2357、モノクロ1682)となり、同じ日に交付を始めた全国17地域の中では松戸(千葉)、飛鳥(奈良)に次ぐ多さという。 キーホルダーは、昨年も1260台(当て字で「いずも」)の突破記念で作った。第2弾の今回は、来年2月28日までが実施期間で、毎月抽選で50人に贈る。希望者は取得ナンバーの写真か領収書の写しを添え、所定用紙かインターネットで申し込む。 期間中、3市町の道の駅や温泉施設など計7カ所でデジタルスタンプラリーも実施する。巡った箇所数に応じて1千~5千円の特産品を抽選で贈る。会長を務める出雲市の飯塚俊之市長は「出雲の認知度を高める『走る広告塔』。多くの人につけてもらいたい」。 問い合わせは事務局の市縁結び定住課(0853・21・6771、平日午前9時~午後5時)へ。(杉山匡史) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
チンチン電車はゆくよ 阪堺の「日本最古」車両、美々しく運転再開
鈴木智之2021年12月3日 9時30分 「チンチン♪」 大阪市南部と堺市を結ぶ路面電車の阪堺(はんかい)電気軌道。大阪市住吉区の停留場で待っていたら、緑色の車体を揺らしながら、「モ161号」がやってきた。扉や窓枠などは木製だ。道路脇を歩いていた人が「えらい古いなあ」と声を上げた。 それもそのはず、阪堺によると、1928(昭和3)年製で、通常の営業運転をしている電車としては「国内最古」という。大規模修繕を終え、2日から営業運転に復帰した。 「モ161号」を含むモ161形は製造当時、2両連結した際、先頭の運転台から後ろの車両のモーターを動かすことができる最先端の制御装置を備えた。 車体は鉄板と木材を組み合わせた構造だが、頑丈に造られたため、今も4両が残っている。 中でもモ161号は阪堺線が開通100年を迎えた2011(平成23)年、内装にニスを塗るなど、約1千万円を投じて1965(昭和40)年ごろの姿に復元された。その後は正月の営業列車や、貸し切り列車で活躍してきたが、木製の扉や窓枠などが腐食してきたため、改めて大規模修繕をすることになった。 コロナ禍に伴う阪堺の業績悪化などもあり、修繕費用集めにはクラウドファンディングを活用した。当初の想定の2倍近い約1400万円が集まった。外装を塗り直し、扉なども交換した。 モ161号は2日、野太いモーター音を響かせながら大阪市内を中心に走った。沿線では鉄道ファンがカメラを構え、たまたま乗り合わせた乗客もニス塗りの車内に物珍しさを感じたのか、スマートフォンで写真を撮る光景が見られた。 阪堺営業課の松本圭晃さんは「昔の雰囲気を楽しんでほしい。100歳を目指すので乗って応援を」とアピールする。 当面の営業運転は来年2月末ごろまでを予定している。ダイヤは日替わりで、点検などによる運休もある。 電車の走行位置がわかる「南海アプリ」ではモ161号を含め、モ161形の位置が赤色で示される。(鈴木智之) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
和歌山・御坊で震度5弱、津波の心配なし 西日本の広い範囲で揺れ
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米軍機のタンク、2個目も一つ目の落下場所からわずかの距離だった
古庄暢2021年12月3日 9時54分 米軍三沢基地所属のF16戦闘機が燃料タンク2個を投棄した問題で、二つ目のタンクも深浦町内で見つかった。米軍は岩木山周辺に落ちたと説明していたが、一つ目の落下場所からわずか数百メートルしか離れていない山中だった。発見した米軍は3日も現地で回収作業にあたるとみられ、町は近くの空き地を待機場所として米軍に提供するという。 一方、一つ目が落下した現場では、県や町建設課の職員ら6人が2日、周辺を歩き、タンクの投棄によってできた破損や油漏れの被害について目視で確認した。町によると、町有地の柵が1カ所破損したほか、芝生にタンクから漏れ出た油が染み込み、張り替えが必要だという。民家への被害は確認されていない。 記者も2日午前、現場を訪ねた。タンクの投棄で破損したとみられる柵付近では、タンクが落下した地点とみられる幅1メートルほどの穴が芝生に残り、まだ油の臭いも漂っていた。 町は今後、被害総額をまとめて国や米軍への請求について検討していく。堀内崇史・町総務課長は「これまで経験したことがない事案。被害の請求先が米軍になるのか、防衛省になるのか県にも相談し、対応していきたい」と話した。(古庄暢) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「能力主義」は弊害か これからを生き抜くための才能を考える
イラスト・荻野史杜 先行きが不透明な現代社会。生き残れるかどうかは能力次第と語られますが、人間の能力は学力だけでは測れません。これからを生きるために必要な能力とは何なのか、を考えます。 大人の従来の能力観、子どもをつぶす恐れ 寺子屋ネット福岡代表取締役の鳥羽和久さん 昨今、グローバル社会で活躍するには、飛び抜けた能力を身につけなければならないという言説を目にします。私は福岡市で単位制高校と学習塾を経営しています。150人の小中高生が通っていますが子どもがその言説にリアリティーを感じているか、というと疑問です。 というのも、子どもたちの多くは新しい形の「成功」に魅力を感じているからです。既存の枠組みの中で突き抜けるのではなく、物事の新しい見せ方や楽しみ方を発明する。序列の中で成り上がるよりも環境や視点を変えて輝くといった「成功」です。最近、なりたい職業の上位にユーチューバーが入るようになったのは、こうした意識変化の表れではないでしょうか。 背景にあるのは、社会における「成功」のかたちの多様化です。最近の子どもはよく「ワンチャン(ワンチャンス)あるかも」という言葉を使います。私は偶然性の時代と呼んでいるのですが、わずかな条件の違いでどうにでもなってしまう不確実な現実を生きているからにほかなりません。どんな状況でも乗り越えられる卓越した能力を身につける、という感覚とは違います。 日本でも唱えられて久しい「能力主義」。鳥羽さんは、「能力と人間性の評価は別物」と強調します。後半ではアメリカ思想史研究者の会田弘継さんが、「能力主義」が先行するアメリカで起きていることを踏まえ、能力主義を続けることの危惧を指摘。ハーバード大に進学したバイオリニストの廣津留すみれさんが、自身の経験から感じた本当に必要な「能力」について」を語っています。 一方、大人は旧来の「成功」… この記事は有料会員記事です。残り3304文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
あおり運転でバイク転倒、6人けがの多重事故に 容疑の男を逮捕
吉村駿2021年12月3日 6時00分 あおり運転をして相手のバイクの男性ら6人にけがを負わせたとして、滋賀県警は2日、滋賀県湖南市の無職、駒形光太郎容疑者(33)を自動車運転死傷処罰法違反(危険運転致傷)の疑いで逮捕し、発表した。「事故を起こしたが、よく覚えていない」と供述しているという。 甲賀署によると、乗用車を運転していた駒形容疑者は8月11日午後6時40分ごろ、湖南市岩根の国道1号で、前を走っていた会社員男性(40)のバイクの通行を妨害する目的で接近。追突して転倒させ、胸部に重傷を負わせた疑いがある。約50メートルにわたってバイクを押し続けながら走行し、転倒させたという。 さらに駒形容疑者は、バイクに追突後、乗用車4台に次々と衝突や接触。最後に衝突された車両がはずみで別の車両とぶつかった。これらの事故で、運転席や助手席にいた20代から70代の男女5人にもけがを負わせた疑いがある。うち会社員の女性(28)は腰の骨が折れる重傷という。 駒形容疑者はバイクに追い越された後、速度を上げながらバイクに急接近したという。事故の目撃者が110番通報し、県警がドライブレコーダーの映像などから容疑を固めたという。駒形容疑者もけがをして搬送された。(吉村駿) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
山梨・大月で震度4の地震 東京と神奈川の一部で震度3を記録
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米軍、タンク2個目を山中で発見 「油圧低下し機体軽くするため」
横山蔵利、古庄暢、成沢解語2021年12月2日 19時21分 米軍三沢基地(青森県三沢市)所属のF16戦闘機が飛行中に燃料タンク2個を県内に投棄した問題で、米軍は2日午後2時ごろ、同県深浦町の山中で2個目のタンクを発見した。防衛省が発表した。1個目が見つかった地点から南東に約900メートル付近だという。深浦町には午後5時5分ごろ、東北防衛局から連絡があった。人的、物的被害はないという。 政府は1日、飛行の安全が確認されるまでF16戦闘機の飛行を行わないよう米側に求めたが、防衛省によると、米軍は2日、同機の飛行訓練を再開した。政府関係者は「再開の連絡はなかった。申し入れは一体何だったのか」と話した。 同省によると、2個のタンクはいずれも円筒形で長さ4・5メートル、直径1メートル、重さ210キロ。 2個が投棄されたのは11月30日午後6時すぎ。戦闘機が日本海側から三沢基地をめざして飛行中、エンジントラブルで青森空港に緊急着陸した。米軍は、地上の安全を確認して岩木山付近の人が住んでいない地域に投棄したと説明していたが、1個目は周辺に民家が点在する深浦町役場の付近で発見。2個目の発見場所も同町内の山中だった。 一方、基地のティモシー・マーフィー副司令官が1日、三沢市の小桧山吉紀市長らに「エンジンの油圧低下の警告音が鳴ったため、機体を軽くするためにタンクを投棄した」などと説明していたことも判明した。説明によると、警告音が鳴ったのは訓練に向かう途中で、パイロットはこのままでは飛行が困難になると判断。米軍のマニュアルにそって地上の状態を確認し、タンクを投棄したという。 米軍は原因究明のため、第三者を入れた事故調査委員会を立ち上げる方針。防衛省の幹部の一人は2日、「どのように安全確認したのかも含め調査で明らかになってほしい」と話した。(横山蔵利、古庄暢、成沢解語) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
災害で被災の消防署、イオンが拠点に 東日本大震災を教訓に初協定
岩田恵実2021年12月2日 19時51分 イオンと東京消防庁東久留米消防署(東京都東久留米市)が2日に協定を結び、災害で消防署が使えなくなった際にイオンが消防を支援することになった。消防署の機能を店に移し、救助活動に当たる消防職員に食料も提供するという。 きっかけは10年前の東日本大震災という。被災地では庁舎が被害を受け、十分に活動できなくなる消防署があった。イオン東久留米店の付近は地盤が固く、東久留米消防署が協力を求めた。イオンにとっては初めての取り組みという。 庁舎が被災した場合には消防車のほか、無線やモニターを東久留米店に運ぶ。店は駐車場や催事ホールを提供し、指揮拠点や資器材の保管場所、隊員の休憩・仮眠場所として使ってもらう。買い物客に防災意識を高めてもらえるように、普段から啓発活動に協力するという。 イオン東久留米店の進亨店長は2日、「地元の生活者のために貢献するのが我々の仕事。消防と連携し、万が一を想定して素早く動けるようにしたい」と話した。東久留米市の並木克巳市長は「消防のバックアップ態勢が取れれば、市民の安心、安全につながる。大変ありがたい」と語った。(岩田恵実) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル