笠原真2021年12月2日 12時00分 東京都江東区の豊洲市場で2日、マグロの競りを間近で見られるデッキからの見学が約1年ぶりに再開された。新型コロナウイルスの感染拡大で昨年12月末から休止されていたが、定員を120人から27人に絞り、マスク着用や検温、消毒といった感染対策を講じて、再開することにした。 2日早朝、市場内の水産卸売場棟のフロアに国内外でとれた計1千本以上のマグロが並んだ。この日は事前に予約した21人が見学。売買人のかけ声が場内に響き渡る中、見学者たちは数メートル先の競りの様子を食い入るように見て、写真や動画に収めていた。魚好きの長女(4)と訪れた港区の30代の女性は「競りに躍動感があり、目の前で見られてありがたかった。密を気にせずに、安心して見学できた」と話した。 都は昨年11月2日にデッキからの見学をいったん再開したが、コロナの感染再拡大に伴い、翌12月26日から再び休止していた。見学は事前予約制で、都中央卸売市場のホームページ(https://pia.jp/v/toyosushijou19/)から申し込める。(笠原真) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
コロナ時代を住まう 都市か地方かより「誰とどう生きるか」の選択肢
コラム「地方季評」 ローカルジャーナリスト 田中輝美さん 「やっぱりこれからは都市よりも地方でしょうか?」。新型コロナウイルスが感染拡大した昨春以降、地域専門のローカルジャーナリストとして活動する私のもとには、何度となくこんな問いが投げられてきた。都市か、地方か――。 田中輝美(たなか・てるみ)さん ローカルジャーナリスト。島根県立大学准教授。同県の地元紙「山陰中央新報」の記者を経て独立。著書に「関係人口をつくる」「ローカル鉄道という希望」など。 実際、都市の代表的存在である東京から転出する人は増えている。一極集中と言われてきた東京都は2020年5月、転出超過に転じた。統計的に比較可能な13年7月以降で初めての事態だ。その後は、転出超過の傾向が基本的に続いている。戦後の日本では高度成長期以降、地方から都市へという一方通行的な人口移動だった。それが転換したのだ。コロナ禍が与えたインパクトは大きいと言えるだろう。 ただ、埼玉・千葉・神奈川の3県を含む「東京圏」で見ると、直近のデータは1022人の転入超過。総体としては「東京から地方」というよりも、「東京から近郊」に転出しているのが現状のようだ。 転出・転入とは言っても、そのままそこで暮らし続けるとは限らない。転勤や進学をはじめとして、一定の期間が過ぎれば離れるパターンも存在している。そこで、私が暮らす島根県では、より正確な実態を把握しようと、転入してきた人のうち、5年以上島根県で暮らすと答えた人を移住者としてカウントしている。そのデータによると、近年の移住者はだいたい年間4千人程度。講演会でこの数字を紹介すると、会場ではどよめきが起こる。100人くらいと予想していた人がとても多く、驚きをもって受け止められるのだ。ちなみに、20年度は首都圏からのIターン者が過去最高の284人となった。 地方に暮らす身としては、数字よりも大きなインパクトを感じることがある。人口をめぐる価値観の一種の「逆転」だ。 島根県のお隣、鳥取県の智頭… この記事は会員記事です。残り1282文字無料会員になると月5本までお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
突然の病、励みになったのは… お友達が選んだ我が家・私の流行語
東京五輪や総選挙、新型コロナウイルスの感染拡大にワクチン接種――。いろんなことがあった今年も残すところ1カ月。SNSで意見を募って取材する「#ニュース4U」は、LINE公式アカウントに登録している友だちに質問した。あなたの今年1年を反映した「流行語」は何ですか? 「副反応なかった?」合言葉に 2021年は、新型コロナ感染の「第3波」と共に迎えた。 「私の流行語は出社日。去年から在宅勤務が続く私にとって、特別な日だからです」。東京都内の会社に勤務する千葉県の吉田尚子さん(50)は言う。 コロナ禍以前は約1時間かけて毎日電車通勤していたが、今も出社日は週1日ほど。「こもりがちになるからこそ出社日は、あえて会社に行く楽しみを作ってメリハリをつけています」 2月。ワクチン接種が始まったが、間もなく感染の「第4波」が訪れた。大阪府の塾講師・熱川英明さん(71)は「買い物に出かけた先でも道端でも、友だちと会った時は合言葉のように『副反応なかった?』と声をかけ合った」と振り返る。 接種は進んだものの夏には「第5波」が全国に広がり、自粛ムードが続いた。1日の感染者数が最多を更新し、緊急事態宣言が多くの地域に広がった。 何度も繰り返すうち、子どもも口癖になった「あの」言葉。明るい気持ちになれたあの選手の活躍ーー。記事の最後では、つらい病に向き合い続ける女性が人生を取り戻す「きっかけ」となったという言葉とエピソードを紹介しています。 遊びに行きたがる長男に言い続け…… 埼玉県の主婦(40)は「祖… この記事は会員記事です。残り1388文字無料会員になると月5本までお読みいただけます。 #ニュース4U 「#N4U」取材班が読者の皆さんから身近な疑問や困りごとを募集し、SNSで情報交換しながら深掘り取材します。[記事一覧へ] Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
日本の筆記具、実は輸出産業 高品質の秘密は独自の文字文化にあり?
数字は語る 海外で受けている「日本のモノ」の一つに筆記具がある。業界の主力となっているボールペンの輸出数量は2020年、8億6963万7千本(財務省貿易統計)だった。これは販売(出荷)数量の約6割にあたる。筆記具は輸出産業の側面が大きい。 「筆記具についていうと、欧米ではたいして新しいものをつくりません。当然のようにいろいろと工夫して新製品を出しているのは、日本ぐらいなんです」と、日本筆記具工業会の吉田栄専務理事(64)。 品質や性能を追求し続ける日本のメーカーは世界をリードしている。日常がアルファベットだけの欧米と異なり、日本は漢字に、かな、アルファベットも書く。この多様さが筆記具にこだわる理由ではないか、というのが一つの見方だ。 大ヒットの消せるボールペン「フリクション」(パイロットコーポレーション)は06年、フランスを中心に欧州で先行販売され、たちまち評判になった。 欧州では子どものころから万… この記事は会員記事です。残り495文字無料会員になると月5本までお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
旭川医大次期学長「現学長の影響力排除し再生」 大学運営見直しへ
井上潜、本田大次郎2021年12月1日 21時30分 国立の旭川医科大学(北海道旭川市)の次期学長に選任された西川祐司副学長(61)=病理学講座(腫瘍(しゅよう)病理分野)教授=が1日記者会見し、今後の大学運営方針を示した。同大では6月、不祥事が続いた吉田晃敏学長の解任を学長選考会議が文部科学相に申し出た。選考会議は11月、西川氏を次期学長に決定。西川氏は会見で「大学の再生は吉田氏の影響力を完全に排除した上でのみ可能となる」と語った。 西川氏は吉田氏が設置した学長政策推進室について、「学長と学長政策推進室による独善的・恣意(しい)的な大学運営につながった」として廃止する意向を示した。大学運営会議の構成員は「学長にも建設的な批判的意見を述べる方にお願いする」とした。「看護学科は重要な部門」とも指摘し、これまで大学運営への参加機会が限られていた看護学科長を同会議に加える考えも明らかにした。 西川氏は吉田氏の下で副学長を務めてきた。吉田氏の大学運営に意見を言えなかったのか問われ、「学長の独裁的な体制の中で、一副学長として正すことができなかった」と語った。 旭川医大では昨年末以降、吉田学長のパワーハラスメントや不適正支出などの問題が噴出し、学長選考会議が6月22日、文科相に解任を申し出た。吉田学長は直前の同17日に辞表を提出。選考会議は11月、投票で西川氏を次期学長に選んだ。文科相が吉田氏の辞任か解任を決めれば、西川氏が正式に学長に就く。 西川氏は「文科相による学長任命がいつになるか見通せず、市民の方たちが大学の行く末を心配している」と、就任前に会見した理由を説明した。 また同大の付属病院では1月、吉田氏と対立した院長が解任され、その後院長不在が続いている。西川氏は「できるだけ早くリーダーの下で積極的な病院運営を回復させなければならない。病院長の判断を尊重しつつ民主的な運営をしたい」と述べた。(井上潜、本田大次郎) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「あの説明は何だったのか」 学生らに残る不信感 日大理事長辞任
脱税の疑いで逮捕された日本大学の田中英寿理事長の辞任が1日、了承された。関係者はどう受け止めたのか。 日大職員の一人は「これまでは理事長や『取り巻き』への忖度(そんたく)や、私情を交えた人事ばかりが横行し、本来するべき業務や人事が放置されていた」と指摘。「学内はずいぶん変わるのでは。逆に、いま信頼される組織に変われなければ、大学として生き残れない。良識的な教職員たちは危機感をもっている」と話す。 ある元理事は「学生や保護者、卒業生への謝罪や説明はないままだ。理事会は辞任を認めるのではなく解任すべきだった。でなければ自浄能力を発揮したとはいえない」と批判する。 コロナ禍を受けて昨秋、学費減免を求める約800人分の署名を大学に提出した日大文理学部3年の男子学生は、大学側から「学費は適切に使われており、減免はできない」と説明されたという。今回の一連の騒動を受け、「あの『適切に使われている』という説明は何だったのか」と憤る。「理事長の辞任で済む問題ではない。不正を許した仕組みそのものを見直し、信頼される大学に立て直してほしい」 付属校の関係者は事件の影響… この記事は会員記事です。残り572文字無料会員になると月5本までお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
田中理事長の退職慰労金を保留 日大理事会、「損害」の被害届提出へ
2021年12月2日 5時00分 脱税の疑いで逮捕された日本大学理事長の田中英寿容疑者(74)が、理事長を辞任する意向を大学側に伝え、1日の臨時理事会で了承された。大学トップの田中理事長は容疑を否認しているが、側近に続いて自らも逮捕される事態となり、辞任は不可避と判断したとみられる。 関係者によると、臨時理事会では、加藤直人学長の理事長兼務を決め、約30人いる加藤氏以外の理事は全員辞任届を出した。田中理事長への賞与や退職慰労金の支給は保留するとした。 理事30人も辞任届 学長が理事長兼務に 日大元理事・井ノ口忠男(64)、医療法人「錦秀会(きんしゅうかい)」(大阪市)前理事長・籔本雅巳(61)の両被告が背任罪で起訴された二つの事件について、大学が被害届を提出することも決めた。損害賠償を求める訴訟も検討するという。 両被告は日大板橋病院をめぐり、①建て替え工事の設計業者選定②医療機器などの調達で、日大資金を籔本被告側の会社に不当に流すなどし、日大に計約4億2千万円の損害を与えたとされる。田中理事長は逮捕前、「損害は出ていない」などと被害届の提出を拒んでいたという。 田中理事長は両被告や他の取引業者から2018年と20年に受け取った計約1億2千万円のリベート収入などを税務申告せず、約5300万円を脱税したとして、11月29日に所得税法違反の疑いで逮捕された。隠したとされる所得には①をめぐる謝礼や理事長再任の祝い金などが含まれているが、田中理事長は受領を否定しているという。 田中理事長は日大相撲部で学生横綱になり、アマチュア相撲の第一人者として活躍。日大職員から理事、常務理事と昇格した。08年に理事長に就くと、権限の集約と側近の重用で5期13年の長期政権を築いていた。18年のアメフト部の悪質タックル問題では会見を開かず、今回も9月に自宅や理事長室が家宅捜索されて以降、一度も公の場で説明しないまま逮捕された。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
島根沖で貨物船が沈没か 救命用ボートにベトナム国籍の17人
2021年12月2日 0時40分 1日午前9時ごろ、島根県隠岐の島町の北西約340キロの海上で、パナマ船籍の貨物船「HOUEI CRYSTAL」(乗組員18人、5762トン)から、乗組員1人が海に転落したという遭難信号が発信された。第8管区海上保安本部(京都府舞鶴市)によると、近くにいたロシアの船の情報として、貨物船はその後、沈没し、17人が救命用ボートに乗っているという。海保の巡視船えちぜんなどが現場に向かっている。 海保によると、乗組員は全員がベトナム国籍。午前8時半ごろ、甲板で作業していた1人が波にさらわれて海に転落。船が浸水し、傾いているが、差し迫った危険はないと連絡があった。だが、午後4時半ごろ、新たな遭難信号が発信され、連絡が途絶えた。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
北海道内各地で強風、十勝では6千戸超停電 2日は猛吹雪も
2021年12月2日 1時00分 北海道内では1日、発達した低気圧の影響で各地で強風となり、えりも岬では最大瞬間風速36・6メートルを記録。北見市では午前8時ごろから風雨が強まり、最大瞬間風速24・2メートルを記録。北見北斗高校では高さ20メートルほどのトドマツが折れ、テニスコートのフェンスが壊れた。北見地区消防本部によると、住宅や車庫の屋根のトタンなどがはがれたり、物置や看板が倒れたりする被害通報が6件あった。 北海道電力によると、1日午後7時現在で十勝地方を中心に6130戸が停電し、復旧したものも含めると延べ1万4920戸に達した。北電は非常災害対策本部を設置。帯広市と更別村は避難所を開設した。 道のまとめでは、留萌市で80代男性が風にあおられ転倒するなど2件の人的被害が出た。いずれも軽傷。岩見沢市、釧路市、網走市、厚岸町などで住宅や物置の屋根が飛ばされるなどの物的被害も計19件出た。 JR北海道によると、1日午後8時時点で、札幌―旭川と札幌―釧路、札幌―帯広間の特急15本と、函館線や釧網線、花咲線の快速・普通37本の計52本が運休した。札幌―帯広間の特急は3時間以上の遅れが出た。2日も強風と大雨の影響で設備点検が必要になるため、花咲線と釧網線の快速と普通計11本の運休が決まっている。また、降雪で留萌線と函館線の普通計8本を運休する。 道教育委員会によると、道内の公立学校では胆振地方や道東などを中心に206校が臨時休校となったほか、28校が登校時間繰り下げ、19校が下校時間繰り上げの措置を取った。胆振地方では小中学校計29校が2日の臨時休校を決めた。 札幌管区気象台によると、2日昼前にかけて日本海側の石狩、後志地方で猛吹雪のおそれがあり、石狩北部、空知、後志の各地で2日午後6時までに40センチの24時間降雪量が予想される。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
大阪・摂津で火災 けが人の情報、爆発音も
2021年12月2日 2時00分 2日午前0時40分ごろ、大阪府摂津市千里丘2丁目で、付近の建物から爆発音が聞こえ、炎上していると、近くに住む人から119番通報があった。 摂津市消防本部によると、火は約1時間後にほぼ消し止められたが、女性1人が負傷し、病院に搬送された。 近くに住む女性(74)は、「何度か『ボーン』という大きな音がして、女の人の『助けて』という声が聞こえた。あんなに大きな炎を見たのは初めてで、体が震えた」と話した。 現場はJR京都線千里丘駅の南西約300メートルの商店や住宅が立ち並ぶ一角。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル