2021年12月28日 14時11分 安倍晋三元首相の後援会が「桜を見る会」の前日に開いた夕食会の費用を安倍氏側が補塡(ほてん)した問題で、東京地検特捜部は28日、公職選挙法違反と政治資金規正法違反の疑いで告発された安倍氏について、再び不起訴処分とし発表した。検察審査会の「不起訴不当」の議決を受け捜査をやり直したが、十分な証拠が得られず改めて嫌疑不十分にしたとみられる。 検審の1度目の議決が「起訴相当」ではなかったため、検審の2度目の審査は行われず、安倍氏への捜査は終結した。 夕食会は政治団体「安倍晋三後援会」(山口県)の主催で都内のホテルで開催。1人あたりの会費は5千円だったが、不足分は安倍氏側が補塡していた。告発を受けた特捜部は昨年12月、2016~19年の後援会の政治資金収支報告書に夕食会の収支約3千万円を記載しなかったとして、後援会代表だった元公設第1秘書を規正法違反(不記載)の罪で略式起訴した。安倍氏は、全ての告発容疑で不起訴とした。 東京地検「参加者に寄付の認識なし」 だが、東京第一検察審査会は今年7月、夕食会の費用補塡が参加者に会費以上の利益を供与したという公選法違反(選挙区内の寄付)、安倍氏が代表の政治団体「晋和会」の会計責任者の選任・監督を怠ったという規正法違反の両容疑について不起訴は不当だと判断した。議決書では「一部の参加者の供述で参加者全体の認識の目安をつけるのは不十分だ」「メールなど客観証拠も入手して判断すべきだ」と捜査不足も言及した。 このため特捜部は、範囲を広げて参加者らを聴取したり資料を再精査したりしたが、寄付を受けた認識は参加者になかったなどと改めて判断した。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
ミシシッピワニをごしごし、背中きらり 熱川バナナワニ園で大掃除
岡田和彦2021年12月28日 10時30分 【動画】ワニをごしごし。熱川バナナワニ園で大掃除=岡田和彦撮影 静岡県東伊豆町の熱川バナナワニ園で27日、ワニの放流池(500平方メートル)の大掃除があった。池の水を抜き、ミシシッピワニなど4種10頭(体長2~3メートル)のワニの背中を飼育員らがブラッシングした。 年末の恒例行事で、水の中で暮らすワニの背中に付いた藻やコケを落とすと同時に皮膚が傷ついていないかなど一頭ずつ確認した。ホースで水をかけられながら気持ちよさそうにデッキブラシでこすってもらったワニは皆おとなしく、背中は黒光りした。 水から出た大きなワニを見られる絶好の機会で、来園者たちは飼育員らが至近距離でワニをブラッシングする様子を興味深そうに見物していた。(岡田和彦) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
兵庫・鳥取県境の氷ノ山で5人遭難か 「4人無事だが1人いない」
2021年12月28日 10時30分 兵庫県と鳥取県の県境にある氷ノ山(ひょうのせん)(標高1510メートル)で、30~70代の男性5人で登山をしていたグループが下山予定日になっても戻らず、27日に家族から兵庫県警に連絡があった。27日午後6時半ごろには、グループの1人から「遭難した。4人は無事だが1人いない」と119番通報があったという。県警や消防が捜索している。 県警や西はりま消防本部によると、5人は大阪市や大阪府高槻市、奈良市などに住む32歳から70歳。25日にキャンプのため入山し、26日に下山する予定だった。消防によると断続的に連絡は取れており、28日午前8時半ごろに4人で下山中だと連絡があったという。現場では25日から雪が降っていたという。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「被害者は見えず」と起訴内容を否認 猪苗代ボート事故の初公判
福島県会津若松市の猪苗代湖で昨年9月、小学生の男児ら3人がモーターボートに衝突され死傷した事故で、業務上過失致死傷の罪に問われたいわき市の会社社長佐藤剛被告(44)の初公判が27日、福島地裁(三浦隆昭裁判長)であった。佐藤被告は「私の運転するボートで事故を起こしたことは間違いありません。ただ、被害者が浮いているのは全く見えませんでした」と述べた。 被告代理人は「注意すれば事故を回避できたのかは疑問」と説明。被告は前後左右を正しく見張っていたとして起訴内容を否認し、無罪を求める姿勢を示した。 起訴状によると、佐藤被告は昨年9月6日午前11時ごろ、所有するボートで猪苗代湖西岸のマリーナから東北東に286メートル付近の湖面を時速約15~20キロで航行。前後左右を適切に見張らず安全確認も不十分のままで、ザップボードに乗るために湖面上に浮かんでいた千葉県野田市の小学3年生豊田瑛大(えいた)君(当時8)らに衝突して瑛大君を死亡させたほか、母親の両足を切断するなど2人に重傷を負わせたとされている。 検察側は冒頭陳述で、「同じ方向に航行していた被告の知人は100メートル以上前方にいた被害者らに気付き、かじを切ってよけた」と指摘。「被告は適切な見張りの義務を怠って被害者が浮いていた地点を航行、衝突させ、その後も気付かないまま航行を続けた」と主張した。(飯島啓史) ◇ 「かわいかった瑛大の姿が…」涙ぬぐう父 福島県会津若松市の猪苗代湖で昨年9月、男児ら3人がモーターボートに巻き込まれて死傷した事故で、業務上過失致死傷の罪に問われた佐藤剛被告(44)の裁判が27日始まった。 午後2時少し前。佐藤被告は… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
フェイスブック、拡散されやすくなった有害投稿 アルゴリズム変更で
SNS世界最大手の米フェイスブック(FB、現メタ)が2018年、表示する投稿の順番を決める「アルゴリズム」を変えたところ、誤情報など有害な投稿が拡散されやすくなっていたことが、朝日新聞が入手した同社の内部文書でわかった。欧州の政党やメディアからは、拡散を狙ってSNSの投稿がより過激になり、政治の分断をあおる一端を担ったとの指摘が出ていた。 FBは、「ニュースフィード」と呼ばれる画面上に表示される投稿の順番を決める「アルゴリズム(計算手順)」について大規模な変更を18年に公表した。友人や家族間での「シェア」(共有)やコメントなどのやりとりがより多く見込まれる投稿に高いスコアをつけて、「有意義な社会的交流」を生むため、と説明していた。 だが、FBの19年4月の内部文書は、同社が欧州で実施した調査に触れ、「欧州中の政党が、FBのアルゴリズムの変更は政治の性質を悪い方に変えたと訴えている」と指摘。「『シェアのされやすさ』を強調したことで、挑発的で質の低い投稿が優先されているという」としていた。 内部文書「我々のアルゴリズムは中立でない」 19年12月に社内で共有された文書は、「我々のアルゴリズムは中立ではない」と指摘。アルゴリズムの変更で、利用者にとって価値がありそうな投稿より、友人らを通じた先でより多くの反応を得られそうな投稿が優先されることがしばしばあったという。その結果、「調査では怒りや誤情報がより拡散されやすく、これらの機能を外せば誤情報やヘイト(投稿)の数字が改善すると示している」としていた。 20年1月の文書も、FBの変更後のアルゴリズムが「文脈やコンテンツの質についての重要な側面を欠いている」と指摘。友人どうしのやりとりを重視するとしつつ、投稿の質は考慮されていないとして、「シェア」などの反応の重みづけを見直すように提案していた。FB側も対応に苦慮する様子がうかがえる。 元FB従業員で内部告発者のフランシス・ホーゲン氏は21年10月、アルゴリズムの変更の狙いについて報道陣に「利用者をFB上にとどまらせることに最適化していた。(コンテンツの生産者である)利用者が投稿しなければ、消費されるコンテンツが生まれなくなる。実際の目標は、多くのコンテンツの生産ができるかどうかだった」と話した。 メタの広報担当者は朝日新聞の取材に対し、18年のアルゴリズムの変更について「家族や友人とのやりとりを促す投稿を優先することによって、利用者の体験を改善することを目標としている。目標を達成するための公式は、新しい調査や利用者からのフィードバックをもとに継続的に修正されている」と回答した。 内部文書はホーゲン氏の支援者によって米証券取引委員会(SEC)に開示され、一部を黒塗りにするなど修正したうえで米議会に提供された。議会向けに修正された文書を、朝日新聞を含む世界の報道機関が提供を受けた。 ポーランドの政党 あえてネガティブ投稿を増加 2018年に米フェイスブック(FB、現メタ)がアルゴリズムを変えた後、欧州の政党やメディアからは、拡散効果を狙ってSNSの投稿がより過激になっているとの声が寄せられていた。FBの内部文書からは、社内で問題を認識しながらも対応に苦慮する様子が浮かぶ。 「ポーランドでは、政党はネット上での政治議論を『ソーシャル内戦』と呼んでいる」。19年4月のFBの内部文書はそう指摘した。 ポーランドのある政党のSN… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
室温0.7度、凍える八ケ岳のマイホーム 家の「健康診断」結果は?
続・5A生活はもうやめた~エコハウスをつくろう② 地元の不動産屋に案内されて初めて山梨県北杜市の標高600メートルにあるこの家に来たとき、ここだ!という運命のようなものを……、まるで感じなかった。 70坪の敷地は、長く放っておかれて草ぼうぼう。築40年の平屋は古民家の味もなければ、モダンなデザインもない。 長く買い手がつかなかった家は草が生い茂っていた 北杜市は東京都心から車で2時間ほどでアクセスできるリゾートとして知られる。人口2万2千。バブルの時代、市北部の清里には観光客が殺到したときもあった。今は落ち着いた高原の雰囲気もあり、別荘地としてだけでなく移住者にも人気のある町だ。 目の前の家は、そんな町にあって2年近く買い手がつかず、忘れられた存在だった。室内はオール畳で、山にあるのに昭和の海の家を思い出させた。「憧れの別荘地ライフ」というにはほど遠い。 ただ、すべての欠点を覆すだけの長所が一つだけあった。この一点が僕の心をとらえて離さなかった。 眺めだ。 敷地からは南アルプスの絶景が広がっていた。中央右の高い頂は甲斐駒ケ岳 周囲から一段高くなっている敷地からは大パノラマが広がっていた。眼下には水をはった田んぼが青い空を映してキラキラと輝き、その向こうには鳳凰三山、甲斐駒ケ岳といった南アルプスの名だたる峰々が連なり、圧倒的な質量で迫ってくる。視線を右にやれば、八ケ岳連峰が緑の裾野をたおやかに広げている。 田んぼの向こう、何もさえぎるものなく八ケ岳をのぞむことができた これまでの節電生活で身をもって知ったのは、快適な暮らしを化石燃料に依存せず実現するためには、住む家の立地がとても重要になるということだ。晴天率の高い北杜市で、この場所ならば、太陽の光に恵まれながら暮らせるのではないか。家はどうにでもなるけれど、立地だけは後からどうあがいても変えられない。 この物件を案内してくれた地元の不動産屋の最大のアピールポイントは景色ではなく、「補修なしで、明日からでも住めます」ということだった。地元の人はこの神々しい景色を毎日見慣れすぎているのだ。 不動産屋の言う通りで、風呂、キッチンなどの水回りは新品にリフォームされ、畳やふすまもきれいな状態になっていた。 SDGsもカーボンニュートラルもじぶんごと。誰もが当たり前に使っている電力会社の電気やガス、灯油といったライフラインを自ら断って、太陽光、太陽熱、薪の再生可能エネルギーで暮らしを成り立たせたい。節電道に踏み入ってもうすぐ10年の記者が八ケ岳南麓で真剣に、楽しく、時にちょっと苦しみながら挑戦するエコハウス「ほくほく」プロジェクトの話です。次々降りかかる災いを、福に転じられるのか。本格的なリノベーションが始まりました。 暑いし寒い 東京に逃げ帰った苦い思い出 「確かにこのまま住めるかも… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「よそはよそ」はびこる日本 池澤夏樹さんが語る境界と差別の今
私たちの社会にはさまざまな「境界」が存在しています。問題解決には何が必要か、望ましい境界の未来を模索する連載企画「ボーダー2.0」を年末年始に掲載します。プロローグとして作家の池澤夏樹さん(76)に、日本の社会的課題を境界の側面から語ってもらいました。 境界と聞くと、まず「国境」を思い浮かべます。 これまで海外に計8年間住み、数十カ国を旅した経験からだと思います。 たとえば、トルコのアナトリア地方はシリアやイラクなどと国境を接している。延々と緩い丘がどこまでも続いて、そのどこかに国境線がある。この地形を見て、大陸で戦車がいかに脅威であるかを実感しました。 島国の日本にも、かつては樺太がありました。戦前、俳優の岡田嘉子が杉本良吉と樺太から旧ソ連へ渡り、亡命した。日本人はあれで初めて国境を意識したのではないでしょうか。 現在は陸地の国境線がないので、日本に暮らす市民の国境への意識は低いと思われます。 池澤夏樹(いけざわ・なつき) 1945年、北海道帯広市生まれ。小学校から東京育ち。作家、詩人。ギリシャや沖縄、フランスに住み、2009年から札幌市在住。エッセーも手がけ、時事問題をめぐる著作も多い。芥川賞を受賞した「スティル・ライフ」、明治初期に北海道に入植した和人の兄弟とアイヌの人々との繁栄と没落を描く「静かな大地」、本土復帰前の沖縄が舞台の「カデナ」など作品多数。朝日新聞朝刊で小説「また会う日まで」を連載中。 日本が難民に冷たい国なのは、そのせいかもしれません。欧米諸国が何万人と難民を受け入れる事態があっても日本は数人しか受け入れない、ということもあります。国や民族、宗教が違う人も、いざとなれば助けあうべき親戚です。その感覚が醸成されないまま、日本は近代国家になりました。 この国で最も問題のあるボーダーは「文化的な国境」、つまり「よそはよそ、うちはうち」という態度で差別を放置し、国際社会の中で遅れている現状です。 顕著なのがジェンダーです。世界経済フォーラムが今年まとめたランキングで、日本は156カ国中120位。先進国でこれほど後れをとっている国は他にありません。男性が女性の地位を抑え込み、国の力をそいでいます。9年前、あるコラムで日本を「今もって男性の、男性による、男性のための国」と書きましたが、今も状況は変わりません。 「うちは昔からこうでした… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
大阪・松島新地の飲食店で火災 2店舗焼ける
2021年12月27日 20時00分 【動画】大阪・松島新地で火災=読者提供 27日午前11時55分ごろ、大阪市西区九条1丁目の飲食店付近にいた通行人男性から「かなりの火の手、煙がある。火事です」と119番通報があった。大阪府警によると、隣接する二つの飲食店が全焼した。けが人はなかった。現場は歓楽街・松島新地にある。 西署によると、出火したとみられる飲食店の女性従業員は当時、店舗2階で掃除をしていたといい、「1階からボンと爆発音がした。下りてみると石油ファンヒーターと電気ストーブの辺りが燃えていた」と説明したという。 現場近くのマンションにいた男性(23)は「焦げ臭さを感じて窓を開けたら黒い煙や灰が入ってきた。先日北新地でも火災があったばかりなのでまたかと思い、恐怖を感じた」と話した。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
文科省元局長に実刑求刑 見返りに次男の医学部合格
原田悠自2021年12月27日 20時11分 文部科学省の私立大学支援事業で便宜を図る見返りに、東京医科大に次男を合格させてもらったとして、受託収賄の罪に問われた同省の元科学技術・学術政策局長・佐野太被告(62)ら4人の公判が27日、東京地裁であった。検察側は、佐野元局長に懲役2年6カ月を求刑し、「大学入試の信頼を損ね受験生に不公平感を与えた」と述べた。 また、贈賄罪に問われた同大前理事長の臼井正彦被告(80)に懲役1年6カ月、前学長の鈴木衛被告(72)に懲役1年、受託収賄幇助(ほうじょ)などの罪に問われたコンサル会社元役員の谷口浩司被告(50)に懲役2年をそれぞれ求刑した。 検察側は論告で、佐野元局長と臼井前理事長らの会話を記録した録音データをふまえ、補助金事業の計画書の助言を部下にさせると発言した佐野元局長について、「自らの名前が出ないよう大学側に口止めし、犯行への関与を秘匿した」と述べた。 そのうえで、見返りとして、2018年2月に受験した次男の得点を臼井前理事長や鈴木前学長に加点してもらい合格させたと指摘。一連の経緯を「次男の合格に向けた綿密な計画で、現金を受け取るよりも悪質だ」と非難した。 無罪を主張する佐野元局長ら4人の最終弁論は、来年2月に行われる。 今年7月には、事件の影響で不当に不合格になったとして受験料の返還などを求めた訴訟で、同大が約560人の受験生に計約6760万円を支払う和解が成立している。(原田悠自) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
所得に応じた奨学金返済、社会人の学び直し議論へ 政府の会議初会合
桑原紀彦2021年12月27日 20時30分 第2次安倍政権下で発足した教育再生実行会議の後継となる政府の「教育未来創造会議」(議長=岸田文雄首相)の初会合が27日、首相官邸であった。大学卒業後の所得に応じて返済額が変わる奨学金や、社会人の学び直しを促す仕組みづくりなどについて議論することを決めた。 大学のオンライン授業の修得単位上限(60単位)の緩和も議論する。大学生らへの支援をめぐっては、2020年度に低所得世帯向けの修学支援制度が開始。授業料の減免や返済不要の給付型奨学金を受けられるが、収入が比較的多い「中間層」は対象外となる。首相は今年10月の臨時国会の所信表明演説で「大学卒業後の所得に応じて『出世払い』を行う仕組み」などの支援策強化を表明していた。また、首相が立ち上げた「新しい資本主義実現会議」は、リカレント教育(社会人の学び直し)の整備を求めた。 会議は、来年の「経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)」に反映させるため、夏までに提言をまとめることをめざす。(桑原紀彦) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル