新型コロナウイルスの国内感染者は27日、午後7時半現在で新たに214人が確認された。亡くなった人はいなかった。変異株「オミクロン株」の感染が広がり、静岡、滋賀、広島、富山の各県で初めて感染者が発表された。広島と富山の感染者はいずれも海外渡航歴がなく、感染経路が不明の市中感染だった。 オミクロン株の市中感染は27日までに、東京、大阪、京都、福岡、愛知に広島と富山を加えた計7都府県で確認された。朝日新聞の集計によると、オミクロン株の感染者は27日午後7時半現在、少なくとも17都府県で確認されている。 全国で新たな感染者が最も多かったのは東京の35人。前週の月曜日(20日)より24人多かった。27日までの1週間平均の感染者数は38・6人で、前週の154・4%だった。次いで神奈川が26人、埼玉13人、北海道と大阪が11人だった。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「1分後に充満、数分で致死量」 CO拡大の想定実験 大阪ビル放火
会員記事 武田肇、堀之内健史2021年12月27日 21時00分 大阪市北区の雑居ビルで17日発生し、25人が死亡した放火殺人事件で、現場となったクリニック内での一酸化炭素(CO)の広がり方を専門家がシミュレーションした結果、「1分後には室内に充満した」とする結果が出た。専門家は避難は困難だったとみている。 大阪府警によると、事件で亡くなった25人の死因は全員がCO中毒だった。 火災に詳しい山田常圭(ときよし)・元東京大特任教授(火災安全工学)は、事件の状況について、3次元シミュレーターを使って想定実験をした。 現場となったクリニックと同じ面積、構造の部屋で、窓や出入り口は受付や待合室側しかない室内にガソリンがまかれたと想定し、CO濃度の上昇や煙の流れ、温度変化を調べた。 その結果、エレベーター付近からの出火によって発生したCOは、熱せられた煙とともに天井近くにたまったが、20秒後には待合室全体に充満。1分後には奥の診療室まで到達した。 この時のCO濃度は、一定時間吸うと激しい頭痛や嘔吐(おうと)を起こす500ppm程度とみられる。山田さんは「これまで判明した状況を前提にすると、火災の拡大で数分後には致死量の数千ppmまで上昇したと推測される。黒煙で室内は停電したように光が届かず、床に倒れた被害者は煙を吸って死に至ったとみられる」と話した。 CO濃度は床に近いほど低く… この記事は会員記事です。残り739文字無料会員になると月5本までお読みいただけます。 【1/24まで】2つの記事読み放題コースが今なら2カ月間無料!詳しくはこちら Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
大阪府と読売新聞大阪本社が包括連携協定 情報発信など8分野
2021年12月27日 21時00分 大阪府と読売新聞大阪本社は27日、情報発信や教育・人材育成、子ども・福祉、地域活性化、環境など8分野についての包括連携協定を結んだ。府によると、府が報道機関と同様の協定を結ぶのは初めて。吉村洋文知事と読売新聞大阪本社の柴田岳社長が同日、府庁で協定書に署名した。 情報発信分野では、朝刊に折り込みで配布される生活情報誌や同社のSNSで、府関係のイベントなどの情報を告知することを想定しているという。ほかの分野では、児童福祉施設への新聞の寄贈や、2025年の大阪・関西万博に向けた協力も盛り込まれた。 協定書には「取材、報道、それらに付随する活動に一切の制限が生じないこと」と、府の同社に対する「優先的な取り扱いがないこと」を確認する内容が明記された。 柴田社長は署名後に記者団の取材に応じ、「これまで通り事実に基づいた公正な報道と、責任ある論評を通じて是々非々で府の行政を監視していく。報道で何か協力していくということではまったくない」と説明した。吉村知事は「取材の権利、自由があり、行政は監視される立場にあることはみじんも変わらない」と語った。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
コンピューター関連会社長を鈍器で殴る 傷害致死罪で男を起訴
2021年12月27日 21時30分 会社社長の男性を殺害したとして大阪府警に殺人容疑で逮捕された、住所不詳、会社員金歓喜(キムファンヒ)容疑者(65)について、大阪地検は27日、社長を死なせた傷害致死罪で起訴したと明らかにした。同日付。地検は「捜査の結果、証拠の内容を評価した」としている。 起訴状などによると、金容疑者は9月29日、大阪市中央区のマンションで、コンピューター関連会社長の八ツ田(やつだ)和夫さん(当時67)の頭部を鈍器で殴るなどして出血性ショックで死亡させたとされる。10月2日、八ツ田さんがマンションで死亡しているのを見つけたとして金容疑者が第一発見者になっていた。金容疑者は、八ツ田さんにけがを負わせた傷害容疑2件で逮捕、起訴されたほか、別の傷害容疑計9件で追送検され、8件について暴行罪で起訴されていた。金容疑者と八ツ田さんは40年来の知人関係という。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「人間の尊厳無視」 ウィシュマさんの映像、参院で開示
スリランカ人のウィシュマ・サンダマリさんが収容中に死亡した問題で、出入国在留管理庁は27日、生前のウィシュマさんを映した監視カメラ映像を参院法務委員会の議員らに開示した。映像を見た野党筆頭理事の有田芳生氏(立憲民主党)が記者団の取材に「聞きしにまさる異様なビデオだった。入管が人間の尊厳を無視し肉体を破壊する様子をまざまざと見た」と語った。 開示は24日の衆院法務委に続くもの。データが残る2月22日から亡くなった3月6日当日までの13日分295時間の映像を約6時間半に編集した。 有田氏によると、ウィシュマさんは倒れたまま起き上がれず、少なくとも18回「看守さん」と呼びかけたが、職員はなかなか近寄ってこなかった。亡くなる2日前の3月4日、首もすわらずぐったりするウィシュマさんを、職員2人が見下ろしたまま何もしない場面もあったという。 有田氏は「普通の人間なら危ないと思うはずの状況。職員はどう報告したのか。国会で集中審議を開き、看守日誌などの公開を求めたい」と語った。 入管庁側から聞き取った有田氏によると、2007年以降、入管施設で17人が死亡したが、報告書が作成されたのは5件。自殺者については「心理の流れがわからない」という理由で作っていないという。政府が再提出をめざす入管法改正案について有田氏は「ウィシュマさんの死因もいまだに不明のままだ。原因を解明し、入管のあり方を抜本的に解決しないのに改正案を認めていいのか。徹底的に吟味しなければならない」と語った。(編集委員・北野隆一) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
所得3割減った世帯に現金給付を検討 大阪市独自で
新谷千布美2021年12月27日 22時00分 大阪市の松井一郎市長は27日、コロナ禍で2020年の所得が前年より3割以上減った世帯に対する市独自の現金給付を検討していると明らかにした。政府は18歳以下の子どもへの10万円給付と住民税非課税世帯への10万円給付を進めるが、両方の対象外となる世帯を市独自の給付の対象とする方針だ。市議会会派との会談で伝えた。 市は来年2月開会の定例市議会に関連議案を提出し、来春の給付を目指す。市幹部によると、給付額を10万円とする案も出ているという。 松井市長はこれまで、18歳以下への10万円給付について「コロナで苦しいのは子どもがいる家庭も、いない家庭も同じだ」などと批判していた。(新谷千布美) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
中3刺殺事件で市の第三者委初会議 在校生への聞き取り、見送る方針
2021年12月27日 19時30分 愛知県弥富市の市立中学校で3年生の生徒が刺殺され、同学年の少年が殺人と銃刀法違反の非行内容で家裁に送致された事件で、市は27日、第三者による「市いじめ問題専門委員会」の初会議を開いた。 冒頭、委員らは1分間黙禱(もくとう)。会議は非公開で、会議後、委員長の福谷朋子弁護士が会見した。 委員会として当事者生徒への聞き取りが不可能なため、被害者遺族の意向も踏まえ、事件の事実関係の調査ではなく、事前事後の学校対応の検証や再発防止策を主に話し合う。現時点では、在校生への聞き取りはしない方針という。 委員会の呼称は「弥富市立中学校重大事案検証及び再発防止検討委員会」とし、弁護士、小児科医、臨床心理士、主任児童委員、学識経験者の5人で構成。必要があれば新たな有識者の追加も検討する。 今後、教職員らへの聞き取りや、学校が定期的に実施していた学校満足度などを測る心理テスト結果など追加資料の提供を求め、検証を進める。次回は来年1月12日に非公開で開催予定。 ◇ 名古屋家裁は27日、送致された少年の観護措置を取り消した。理由は明らかにしていないが、関係者によると、3月10日までの鑑定留置とすることが決まったという。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
JR東海「落ち度なかった」 リニア工事、2人死傷事故で
リニア中央新幹線の瀬戸トンネル(岐阜県中津川市)の工事で2人が死傷した事故をめぐり、JR東海は27日、再発防止策を発表した。作業手順書の記載が明確でなく、国のガイドラインへの対応が不十分だったと結論づけた。工事の発注者としては「落ち度がなかった」と説明した。 工事は奥村組など3社でつくる共同企業体(奥村組JV)が担当し、その下請け業者が作業していた。事故は10月27日夜に発生。トンネル先端の発破後、現場で規定する「立ち入り禁止範囲」に作業員が入り、2人に岩石が直撃した。 国のガイドラインでは、崩落事故を防ぐために「手順を明らかにした作業手順書を作成すること」と指示している。現場では口頭で「立ち入り禁止範囲」を規定していたが、手順書に明確に書いていなかった。手順書などをもとに現場で常時監視するはずの監視責任者も対応が不十分だった。 一方、手順書は奥村組JVが作成するもので、JR東海には「落ち度はなかった」(同社担当者)と説明。その理由を「監督業務として現地の確認や打ち合わせは適切に進めていた。奥村組JVの対応が不十分だった」と述べた。 再発防止策には、防護マットの設置などの安全対策のほか、現場監視の強化をあげた。今後はJR東海と工事業者からなる中央新幹線安全推進協議会で、対策を共有するという。 今回の崩落は「切羽(きりは)」と呼ばれるトンネルの先端部で発生。切羽は土砂や岩盤が崩れる「肌落ち」による労働災害が起きやすい。厚生労働省は2016年に山岳トンネル工事で切羽での肌落ち防止のためのガイドラインを策定し、18年に改正している。 ガイドラインでは、▽切羽への立ち入りは原則禁止で真に必要な場合のみ▽切羽での作業中に切羽を常時監視する「切羽監視責任者」を置くこと▽監視や退避方法を含め肌落ち防止のための計画や手順書を作成すること――などを求めている。 発破のための装薬作業など切羽に近づいて作業せざるを得ない場合もあるが、そうした作業も遠隔化や機械化を進めるよう求めている。 ガイドラインは切羽を「掘削の最先端をいい、地山が露出している領域全体」などと定義。JR東海の「切羽直下には立ち入っていない」という説明に、厚労省は「調査中なのでコメントできない」としている。 ガイドラインは違反した場合の罰則はないが改善措置や再発防止を講じるよう求めるなど、行政指導の対象となる可能性はある。(今泉奏、磯部征紀) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
パンダのタンタン、返還を来年末まで延期 病気やコロナを考慮
鈴木春香2021年12月27日 19時38分 神戸市立王子動物園(同市灘区)のジャイアントパンダ「タンタン(旦旦)」について、今月末だった中国への返還期限が1年延長されることになった。27日、園が発表した。タンタンの心臓疾患の病状や新型コロナウイルスの状況などを踏まえて判断し、中国側と合意したという。 タンタンは26歳のメスで人間なら70代後半。3月に心臓疾患が判明し、強心薬などの投薬治療を続けてきた。腹部にたまった水を抜いたり、寝室の酸素濃度を上げたりする措置も受けている。園によると、タンタンの病状は安定しているが、運動量が減ったり食欲が衰えたりする様子は続いているという。 加古裕二郎園長は「来年も神戸で正月を迎えてくれるのは良かった。健康を少しでも回復し穏やかにすごしてもらいたい」と話す。市によると、状況が変化し協議が調えば途中で返還する可能性もあるという。 タンタンは2000年に繁殖研究目的で中国から来園。昨年7月に飼育期間の満了を迎えたが、新型コロナウイルスの影響で随行する職員らの行き来が難しくなったことなどから暫定的に今月末まで返還期日が延長されていた。 タンタンの観覧は検査や治療のため一時中止していたが、12月中旬から再開。現在は午前11時~午後2時ごろに見られるという。(鈴木春香) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
年末年始、困窮時の相談先は…「女性ブース」「チャット」対応も
自治体の窓口が閉まる年末年始。厳しい寒さのなかで住まいや仕事を失った人を支えるため、食料提供や生活・医療相談などの緊急支援が各地で実施される。女性や若者からのSOSが増えるなか、女性スタッフ限定の支援、チャット相談などの取り組みもある。 東京都内では31日と来月1日の2日間、「年越し支援・コロナ被害相談村」が前年に続き新宿区立大久保公園で開催される。主催は労働組合や弁護士らでつくる実行委員会。女性スタッフが対応する「女性ブース」も設置する。前年の年末年始は3日間で340件を超す相談があり、2割近くが女性だったという。1月8日、9日には同じ大久保公園で、「女性による女性のための相談会」が実施される。 29日~3日の期間は、NPO法人TENOHASIの炊き出し(豊島区の東池袋中央公園)、新型コロナ災害緊急アクションの「年越し大人食堂2022」(千代田区の聖イグナチオ教会)など、複数の支援団体が、都内各所で相談や食料提供を予定している。 自立生活サポートセンター・もやいは、団体のホームページ(https://www.npomoyai.or.jp/)上のチャットで、緊急相談を受け付ける。緊急を要する相談で、都内か東京近郊であれば相談者がいる場所にスタッフがかけつけて対応する予定だ。チャット&かけつけ支援を実施するのは、30日と1月2日の午後3時から午後9時まで。 そのほか各地で実施される民間団体による年末年始の支援情報は、厚生労働省のウェブサイト「年末年始の生活に関する支援活動のご案内」(https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_22854.html)に掲載されている。 【年末年始の支援】 〇TENOHASI炊き出し 29日、31日、1月2日。東池袋中央公園(豊島区)。各種相談(午後5時~午後6時半受け付け終了)、食料配布(午後6時~なくなり次第終了)。※29日のみ衣類提供(午後3時45分~)。TENOHASI主催。 〇年越し支援・コロナ被害相談村 31日、1月1日。大久保公園(新宿区)。31日午前11時~午後5時、1日午前10時~午後4時。各種相談、食料提供。女性ブースあり。労働組合や弁護士らでつくる実行委員会が主催。 〇年越し大人食堂2022 30日、1月3日の正午~午後5時半。聖イグナチオ教会(千代田区)。各種相談、食料、衣類提供。新型コロナ災害緊急アクションなどの共催。 〇チャット相談・かけつけ支援 自立生活サポートセンター・もやい。30日、1月2日の午後3時~午後9時。ホームページ(https://www.npomoyai.or.jp/)のチャットで相談を受け、急を要する場合は相談者のいる場所にかけつける(かけつけ支援は都内・東京近郊限定)。1月1日午後2時~午後3時は、東京都庁前(新宿区)で各種相談、食料提供。 〇女性による女性のための相談会 1月8日・9日、大久保公園(新宿区)。8日午前11時~午後4時半、9日午前10時~午後4時。スタッフはみな女性。食料、生理用品など提供。 ○TOKYOチャレンジネット 一時宿泊場所(ビジネスホテル)を東京都が提供。東京都健康プラザハイジア3F(新宿区)。年末年始は29日、30日、1月2日(午前10時~午後5時)に開所。0120・874・225、0120・874・505(女性専用ダイヤル) 〇ワンファミリー仙台(仙台市)緊急相談 29日~1月3日も、電話(022・398・9854)、ホームページ(https://www.onefamily-sendai.jp/)のフォームで緊急相談を受け付ける(午前9時~午後6時)。 ○名古屋越冬活動 29日~1月3日、昼食(参加者と『協働炊事』)と夕食(炊き出し)の提供。各種相談、衣類提供も。名古屋市の大津橋小園。名古屋越冬実行委員会。 〇新型コロナ・住まいとくらし緊急サポートプロジェクトOSAKA 30日~1月3日午前10時~午後3時。各種相談、食料提供、緊急宿泊支援。東田ろーじ(大阪市西成区)。ホームページ(https://peraichi.com/landing_pages/view/coronasoudan/)の相談フォームからも受け付ける。釜ケ崎支援機構が協力団体と実施。連絡先080・1400・5088。 〇ホームレス支援・福岡おにぎりの会 30日、31日の午前10時~午後5時。美野島司牧センター(福岡市)内。電話相談(092・431・5785)、および来所による相談支援や食料支援。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル