大阪市北区の雑居ビル内のクリニックで起きた放火殺人事件を受け、全国の消防本部は雑居ビルの緊急立ち入り検査を行う。この雑居ビルには階段が一つしかなく、被害者が逃げ遅れる原因の一つになったとみられることから、類似の建物の階段や通路の維持管理状況を重点的に点検する。 金子恭之総務相は19日、クリニックが入っていた雑居ビルと同じような全国の建物約3万棟について、緊急立ち入り検査を実施するよう全国の消防本部に要請した。ビルに屋内階段が一つしかなく、不特定多数の人が利用する施設が3階以上にある「特定一階段等防火対象物」が対象だ。 大阪市消防局は金子総務相の要請に先立ち、放火殺人事件が起きた17日から立ち入り検査を開始した。対象は市内5480カ所の雑居ビルで、19日までに北区や中央区を中心に約1千カ所で実施した。 通路や階段などに避難の支障となる物が置かれていないか、防火戸の閉鎖を妨げる物はないかなどを点検する。消火器や誘導灯、自動火災報知機、スプリンクラーなど各建物に応じて設置が義務付けられている消防用設備の設置に不備がないかも確認する。消防法令違反がある場合は、改善指導する。同市消防局の担当者は「消防職員を総動員して年末までに対象の雑居ビルすべてへの立ち入り検査を行う」とする。 京都市消防局は20日朝、国からの立ち入り検査の要請を受けて緊急の消防署長会議を開催。具体的な点検項目や実施態勢などを確認した。市内の対象ビルは約1400件。このうち緊急性が高いと判断した約530件は20日~1月31日に検査を行う。 階段につながる扉 「開放しないで」 アニメ制作会社「京都アニメ… この記事は会員記事です。残り458文字無料会員になると月5本までお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
前沢友作さんが地球に帰還 「あっという間の12日間でした」
モスクワ=石橋亮介2021年12月20日 14時41分 国際宇宙ステーション(ISS)に滞在していた、衣料品通販サイト運営会社「ZOZO」の創業者で実業家の前沢友作さん(46)が20日午前(日本時間正午過ぎ)、ロシアのソユーズ宇宙船でカザフスタンの草原地帯に着陸した。日本の民間人として初めてISSに滞在し、12日ぶりの帰還となった。 前沢さんは日本時間の19日夜、「あっという間の宇宙での12日間でした。このあと宇宙服に着替えてソユーズ宇宙船に乗り込みます」とツイート。ソユーズ宇宙船はその後、同20日午前9時前にISSから切り離されて大気圏に突入し、最後はパラシュートで地上に着いた。 前沢さんは今月8日、自身の関連会社役員の平野陽三さん(36)と共にソユーズ宇宙船に搭乗し、カザフスタンのバイコヌール宇宙基地を出発。ISSに到着すると「宇宙なう」とツイートし、その後も、無重力での歯磨きやトイレの様子、宇宙飛行士とのバドミントンなどの様子をユーチューブで次々と公開した。19日には応募者全員に500円~100万円を配る「宇宙からのお金配り」も行い、ネット上のファンらを沸かせた。 今回の宇宙旅行に、前沢さんは平野さんの分と合わせて100億円前後の費用を自己負担していることを明らかにしている。米国では電気自動車のテスラを創業したイーロン・マスク氏が率いるスペースXや、アマゾン創業者のジェフ・ベゾス氏が立ち上げたブルーオリジンなどの宇宙企業が次々と富豪の宇宙旅行を実現させており、ロシアもライバル心を募らせている。 ロシアの宇宙機関ロスコスモスのロゴジン総裁は、前沢さんらを乗せたソユーズ宇宙船を打ち上げた8日、「(打ち上げ成功は)有人飛行に関するロシアの競争力の証明だ。ロスコスモスの資金の観点からも非常に重要だ」と述べ、今後の宇宙旅行ビジネスの拡大に期待を示した。(モスクワ=石橋亮介) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
二つの東京五輪の「緑のバトン」後世に 北海道の遠軽と江差に植樹
57年前の東京五輪の「レガシー(遺産)」を引き継ぐ樹木が、北海道東部の遠軽(えんがる)町と南部の江差町に植樹された。参加国から贈られた種子が大木に育ち、採取した種子がさらに「第2世代の苗木」になった。このほど子どもたちの手で植えられ、後世にバトンがつながれた。 1964(昭和39)年の東京大会の際、友好の証しとして、44の国・地域の選手団から272種の種子が寄せられた。林業試験場などで苗木に育てられ、気候にあわせて日本各地に配られた。 北海道内では遠軽町の児童自立支援施設「北海道家庭学校」に託され、広大な敷地内にある「展示林」で、フィンランドやカナダなどの寒冷地に適応したマツの仲間約160本が根づいた。 清沢満校長によると、同校の造林への取り組みが評価され、植えられることになったという。「子どもたちが半世紀以上にわたって、下草を刈ったり枝を払ったりしながら大切に育ててきました」 それらの樹木のうち約40本が、今夏の2020東京五輪・パラリンピックに向けて伐採された。64年大会ゆかりの木で五輪レガシーを伝える目的で、大会理念の発信拠点となる日本オリンピックミュージアム(東京・新宿)や、開会式に登場した五輪マークの木製オブジェに使われた。 北海道家庭学校では二つの東京五輪を未来へつなごうと、伐採した木から種子を採取した。その種が苗木に育ち、この秋に同校の子どもたちが再び展示林に約630本を植えた。 この第2世代の苗木は江差町の「江差ユネスコ協会」(会長・照井誉之介町長)が譲られ、町運動公園に整備した「レガシーの杜(もり)」などに植樹された。アイルランド産のマツ類や、カナダ産とブルガリア産のトウヒ類の計20本が育っている。 ユネスコ協会は、アイルラン… この記事は会員記事です。残り216文字無料会員になると月5本までお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
カキフライ揚げる21歳、客の悩みに優しく相づち 自分を思い出し
春待ち月 大阪の商店街の店でカキフライを揚げる21歳の女性はこの冬、孤独や不安を抱える客の悩み話に、優しく相づちを打ち続ける。少しだけ昔の自分自身を思い出しながら。 12月上旬の夜、大阪市福島区のカキフライ専門店「結笑和(ゆにわ)」。「友達が全然できないんですよね」。関東から大阪へ最近仕事で引っ越してきた20代の客が、寂しそうにそうつぶやいた。女性はカウンター越しに、大粒のカキフライを揚げながら聞き続けた。 11月下旬のランチタイムには、不登校の男子高校生がソフトドリンクを片手に将来への不安を打ち明けた。「俺、警察に補導されたことがあるんですよ」。一緒に来店した母親も「どうしたらいいんでしょうか」。再び登校するか、退学して働くか悩む親子に、女性は「自分が好きなようにやったらいいんじゃないかな」とだけ返した。 女性のほうからしゃべり続けることはない。客が欲しているのはきっと、アドバイスではなく、話を聞いてもらえる場所。女性は、かつて孤独にうちひしがれていた自分を思い出しながら、相づちを打つ。 女性は少年院を出て、この店… この記事は有料会員記事です。残り1050文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
マーチングにかけた青春 バラバラだった心、背中で感じた「笑顔だ」
ショーの終盤、隊列は力強い音を奏でながら、前進した。全員の歩幅は62.5センチ。横一線、乱れはない。一番の見せ場「カンパニーフロント」の演奏演技にさしかかった。78人全員が笑顔だった。 11月21日、愛知県立木曽川高校吹奏楽部はマーチングの聖地・大阪城ホールで、全日本マーチングコンテストにのぞんだ。昨年は新型コロナの影響で中止となり2年ぶりの大会だった。8大会連続25回目の全日本出場。伝統の「一糸乱れぬ隊列」をこの大会でも披露した。 出場上限が81人と、マーチングは他の吹奏楽の大会に比べ大人数だ。それでも、部員が多い強豪私学などでは出場者を選抜することが多い。一方、木曽川高校は例年、部員全員が大会に出場する。 高校でマーチングを始める部員が多く、吹奏楽の初心者が入部してくることもある。その木曽川高校が全員での出場にこだわるのには理由がある。 練習を通じた技術の向上が部に団結力を生む。「毎年、大会の前後で、音がまるっきり変わる。遠くまでとぶようになる」。赴任10年目の顧問の木本昌光教諭は、そう説明する。 今年4月、フルートを担当する小笠原幸花(さちか)部長(3年)は「今年度の練習は、なんだか大変になりそう」と思った。入部した1年生の半数近くが楽器未経験だったからだ。同じパートの上級生が、つきっきりで楽譜の読み方、音の出し方を教えた。 マーチング初挑戦の1年生がマスターすべきことは、演奏だけではない。 歩幅は62.5センチ。 隊列を組み、移動しながら演… この記事は有料会員記事です。残り2508文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
雑踏に消えた鬼舞辻無惨、駆けつけた警察官 現代も同じ場所に交番が
1924(大正13)年1月2日、多くの人でにぎわう浅草公園六区。前年の関東大震災で焼失したが、仮設の建物で復興し、活動写真館や芝居小屋が並んでいた=朝日新聞社撮影 「鬼滅の刃」で、炭治郎と禰豆子が向かった浅草。 江戸時代、浅草寺の北側は「奥山」と呼ばれ、浅草寺の参詣(さんけい)客が一休みする茶屋や土産物屋のほか、曲芸などの見せ物小屋がひしめく日本一の歓楽街だった。 実は、いま書いた一文は当初、「曲芸や珍獣の見せ物小屋などがひしめく」と書こうと思っていた。しかし、江戸東京博物館(東京都墨田区)の沓沢博行・学芸員が、「浅草寺で珍獣を見せ物にした、というのは異論があるかもしれません」と教えてくれた。 浅草からだと隅田川の対岸に位置する両国には、相撲興行などが行われていた寺院「回向院」がある。江戸時代に回向院でヒョウの見せ物があり、客からカネを取って生き餌を与えさせるなどしたことがある。このヒョウを浅草寺にも連れて行ったという資料を見つけ、「見せ物にした」と書こうと思っていた。ちなみに、当時はヒョウではなく「メスの虎」という触れ込みだった。 沓沢学芸員によると、確かにヒョウを浅草寺に持ち込んだそうだ。しかし、境内での殺生や肉食はタブー。客に生き餌を与えさせてカネを取る商売などは、当然ダメ。野菜しか与えないという約束で一度はヒョウを境内に入れたものの、すぐに禁じられたそうだ。 浅草寺近くにある奥山門=東京都台東区2丁目、吉田耕一郎撮影 江戸後期から明治初年にかけて奥山を取り締まっていたのが、町火消し「を組」の頭だった新門辰五郎。娘の芳は、江戸幕府最後の将軍・徳川慶喜の妾(めかけ)となる。辰五郎はNHKの大河ドラマなど、時代劇で繰り返し演じられており、ご存じの方もいるのではないだろうか。 この「奥山」のにぎわいをそっくり移転させたのが、「鬼滅の刃」にも登場する「浅草公園六区」だ。現在の「浅草ビューホテル」から道路を挟んだ東側一帯である。 明治時代に公園として整備されるまで、ここは田んぼだった。 江戸の町は、火災が多発した… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
抜本改革、遠い日大 いらだつ文科省がチラつかせる重大処分
前理事長の田中英寿容疑者(75)らが逮捕された日本大学で、「脱・田中体制」に向けた動きが出始めた。ただ、抜本改革にはほど遠く、文部科学省は行政処分をちらつかせながら改革を迫っている。 「前理事長派が巻き返しを図る可能性もある。油断できない」。ある日大職員はこう気をもむ。 田中前理事長は所得税法違反容疑で逮捕され、東京拘置所に勾留されている。脱税容疑を認めているとされ、勾留期限の20日以降に保釈される可能性もある。この職員は、保釈された前理事長が学内に及ぼす影響が不安だという。 日大は、一連の事件が表面化してから3カ月たった今月10日、ようやく記者会見を開き、加藤直人・新理事長が「田中前理事長と永久に決別する」と宣言。外部有識者を中心とする「再生会議」を来年1月にも発足させると説明した。 再生会議の主要テーマになりそうなのが、大学運営の中枢を担う理事の選任方法だ。今の理事会は「田中体制」のもとで就任したメンバーで構成されている。学内関係者ばかりで、女性は一人もいない。日大は3月末ごろに同会議から提言をもらい、新執行部をつくる方針という。 日大の規定では、理事は27… この記事は会員記事です。残り1016文字無料会員になると月5本までお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
上皇さま、米寿に 皇室20~26日
2021年12月20日 7時00分 天皇、皇后両陛下や皇族方の予定を毎週更新します。皇室の方々は様々な行事や式典、宮中祭祀(さいし)などで多忙な日々を送っています。紙面では掲載しきれない公務も紹介します。 宮内庁は20~26日の予定を発表した。上皇さまは23日、88歳の誕生日を迎える(表記は宮内庁発表に準じます。予定は変更されることがあります)。 天皇、皇后両陛下、愛子さま 12/21(火) 天皇陛下 宮殿(厚生労働大臣表彰の保健文化賞受賞者と面会) 皇嗣家(秋篠宮ご一家) 12/20(月) 秋篠宮ご夫妻 赤坂東邸(外務省国際法局長から説明) 12/24(金) 秋篠宮さま 日本科学未来館(第65回日本学生科学賞中央表彰式) 12/25(土) 秋篠宮さま、佳子さま 皇霊殿(大正天皇例祭の儀) 三笠宮家 12/24(金) 彬子さま 宮邸(日本ラグビーフットボール協会副会長らと面会) 12/25(土) 彬子さま、瑶子さま 皇霊殿(大正天皇例祭の儀) 12/26(日) 信子さま 講道館(令和3年全日本柔道選手権大会) 12/26、27(日、月) 信子さま 大阪府(日本3B体操協会創立50周年記念全国大会大阪城ホール大会) 高円宮家 12/20(月) 久子さま 宮邸(離任ウルグアイ大使夫妻と面会) 12/21(火) 久子さま ITOCHU SDGs STUDIO(国境なき子どもたち写真展) 12/23(木) 久子さま 宮邸(韓国文化院長らと面会) 12/25(土) 久子さま、承子さま 多摩陵(大正天皇山陵例祭の儀) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
福岡でもピーチが「旅くじ」 担当者「半分やけくそ」利用者ワクワク
山田佳奈2021年12月19日 17時30分 格安航空会社(LCC)のピーチ・アビエーションが「旅くじ」と名付けた「ガチャガチャ」を今月、福岡・天神の福岡パルコに設置した。福岡空港発着便の航空券が買えるチケットがカプセルに入っているが、指定された行き先は開けるまで分からず、ドキドキ感が評判を呼んでいる。 ガチャガチャは1回5千円。キャッシュレス決済のPayPay(ペイペイ)で支払う。カプセルの中のチケットには、行き先が書かれた航空券の購入に使えるポイントの交換コードが入っている。ポイントは6千円分か1万円分で投入額を上回る。 行き先は、ピーチの福岡空港発着便がある新千歳、成田、関西、那覇、石垣の各空港のいずれか。運賃は行き先や時期によって変動するが、往復運賃全てをポイントでまかなうこともできる価格設定になっているという。 今夏、大阪に設置したのを皮切りに東京、名古屋と展開し、福岡が4カ所目。今月上旬には全国の累計販売が1万個を超えるなど、各地で話題を呼んでいる。 チケットには旅先で楽しめる「ミッション」も書かれ、実行した様子をピーチのSNSに投稿するよう呼びかけている。 新千歳行きのミッションの一つは「きゅうり持参で『河童(かっぱ)』とツーショット写真撮ってきて!」。河童伝説のある北海道の温泉を想定してのミッション。飛行機にきゅうりを持って乗り込んだり、河童の像と並んだりした写真がSNSには投稿されている。 旅くじを企画したピーチの小笹俊太郎さんは、コロナ下で航空業界が苦戦する中、「半分やけくそでした」と笑う。お客さんも社員も楽しい気持ちになれるものを、と考えたという。「どこに行かされるか分からないドキドキとワクワクがある。実際に利用した人からは『思ってもみないところに行って、新しい発見がありました』との声をもらっています」。 福岡に設置された今月14日、パルコの開店に合わせて一番乗りした福岡市の大学生、小松己知斗(みちと)さん(21)は午前5時50分にパルコ前に到着した。「福岡でもやってほしいと思っていた。ワクワクが止まりません」。大学に入ってから主にヒッチハイクで旅を楽しんできた。コロナでそれも中断しているが、「どこに行けるか分からないのが面白い。早く旅を楽しめるようになってほしい」と話す。(山田佳奈) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
ボンネットに男性乗せ90歳が急発進、殺人未遂容疑 万引き疑われ
2021年12月19日 17時30分 万引きを疑い、引き留めようとした買い物客の男性を車から振り落としたり、引きずったりしたとして、岡山県警津山署は18日、岡山県美作市三倉田の自称農業、福島栄三郎容疑者(90)を殺人未遂容疑で緊急逮捕し、発表した。「振り切るために車を走らせただけ」と供述しているという。 署によると、福島容疑者は18日午後1時20分ごろ、津山市林田のスーパーの駐車場で、店での万引きを疑い発車を止めようとした同県勝央町の男性(38)がボンネットに乗っているのに軽乗用車を発進。急発進や急転回で振り落とした後、さらにサイドミラーにしがみついた男性を約280メートル引きずって、足に軽傷を負わせた疑いがある。 男性の110番通報を受け、津山署員がスーパーの北東約7キロの路上で福島容疑者を発見した。容疑者は「車のドアをたたかれ、『ドアを開けろ』と大声を出されたので怖くなった。殺そうとはしていません」と話しているという。津山署は万引きの疑いについても調べている。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル