「息子さんのことを心配し、かわいがり、愛している優しいお父さんでした」。大阪市北区の放火殺人事件で犠牲になった24人の中に、幼い息子を残して亡くなった男性がいた。 知人女性は事件から1日経った18日夜、現場近くに一輪の白いトルコキキョウを供えて頭を下げ、目を閉じて手を合わせた。 女性によると男性は、2歳くらいの息子を保育園に預けていたという。 「よく送り迎えをしていました。お母さんも仕事が忙しく、お父さん(男性)は在宅ワークすることが多かったようでした」 息子は初めのうち園に慣れていないのか、男性に抱っこされながら「パパー!」と言ってよく泣いている姿を見かけたという。最近は泣かなくなった様子で、「そんな姿を、お父さんは、はにかんだような笑顔で見ていました。安心する一方で、少し寂しげにも見えました」。 優しく、控えめな感じの男性の表情が、いまでも脳裏に浮かぶという。 事件後も息子を見かける機会があったという。「まだ何も分からず、無邪気にニコニコしていました。笑顔の息子さんを見られたのは救いですが」。献花を終え、女性は沈痛な表情で語った。 「優しいお父さんだったことを伝えたいと思って取材を受けました。これから息子さんのかわいい姿が、どんどん見られただろうに。どれほど無念だっただろうか。信じられない気持ちと無念な気持ちです」(加藤あず佐) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
M-1 敗者復活を遂げたのはハライチ 10組で決勝戦う
土井恵里奈2021年12月19日 20時00分 決勝への最後の切符を手にしたのはハライチ(ワタナベエンターテインメント)だった。 漫才日本一を決める「M―1グランプリ2021」の敗者復活戦が12月19日、東京・六本木のテレビ朝日で開かれた。視聴者投票でハライチ(ワタナベエンターテインメント)が決勝進出を決めた。準決勝を突破した9組と戦う。 これにより、決勝を争うのは、インディアンス(吉本興業)、真空ジェシカ(プロダクション人力舎)、モグライダー(マセキ芸能社)、ゆにばーす(吉本興業)、ロングコートダディ(吉本興業)、オズワルド(吉本興業)、錦鯉(にしきごい)(SMA)、もも(吉本興業)、ランジャタイ(グレープカンパニー)、ハライチ(ワタナベエンターテインメント)の10組。2回の審査をへて、午後10時すぎに王者が決まる。(土井恵里奈) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
現場ビル前に容疑者が使った自転車か 前かごにポリ袋、府警押収
【動画】北新地のビル火災で、容疑者が現場前に乗り捨てたとみられる自転車を回収する大阪府警の捜査員=加藤あず佐撮影 大阪市北区の雑居ビルで起きた放火殺人事件で、大阪府警は18日深夜、放火されたビル入り口のほぼ正面の歩道脇にとめられていた銀色の自転車を押収した。谷本盛雄容疑者(61)が所有する大阪市西淀川区の住宅から乗ってきたものとみて捜査している。 押収の状況は現場にいた記者も目撃した。午後11時すぎ、府警の捜査員がワゴン車で到着。自転車の防犯登録番号などを確認し、複数の角度から写真を撮影した後、車に積み込んだ。自転車の前かごにはポリ袋が残されていた。 府警によると、西淀川区の住宅では、放火事件の約30分前の17日午前9時45分ごろ、ぼや騒ぎがあった。付近の防犯カメラの映像をリレー方式で調べたところ、谷本容疑者とみられる男がこの住宅付近から、現場のビルまで自転車で移動したとみられることが判明した。西淀川区の住宅から現場までは約3・5キロあり、自転車では20分ほどかかる。 ビルから西へ1キロ余りの大阪市福島区の防犯カメラには、谷本容疑者とみられる男が自転車で走る姿が映っていた。荷台に大きな紙袋を積み、落ちないようロープで押さえていた。(加藤あず佐、久保田侑暉) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
腕利き板金工だった放火事件の容疑者 離婚後に「ひとりきりの悩み」
【動画】ビル火災発生の約30分前、現場から1キロあまり離れた場所を自転車で走る容疑者とみられる男=大阪市福島区内の店舗提供 大阪市北区の雑居ビルで起きた放火殺人事件に関わった疑いがあるとして、大阪府警が19日に氏名を公表した住所・職業不詳の谷本盛雄容疑者(61)。職や住まいを転々としていたとみられるが、腕利きの板金工として仕事に打ち込んでいた時期もあったといい、知人らは「信じられない。胸が痛い」と語った。 谷本容疑者は2010年秋ごろまで、大阪市内の板金工場で、断続的に7、8年間働いていた。 社長の妻(76)によると、もともと谷本容疑者の父親が営む板金工場で修業していたが、大きなけがや家庭の事情などが重なり、家業は継がなかった、と話していたという。 1級建築板金技能士の国家資格を持ち、職人としての腕は確かだった。「すぐどんな腕かわかりますもん。日当はどんどん上げていった」。最初は8千円。数カ月でアルバイトから正社員になり、1万2千円の日当を月払いするようになった。社長(78)は「彼の仕事は見ただけで、彼がやったと分かるくらい群を抜いていた」と振り返る。 作業で指摘をすると「なんでや」とカッとなることはあった。ただ、ちゃんと話せばすぐに落ち着いて後に引きずらなかった。社長の妻も「自分にも厳しいし、後から入ってきた人にもびしっと厳しく教える。若い子への面倒見もよかった」と話す。 谷本容疑者には妻と2人の息子がいたが、08年に離婚した。離婚の話が出たころから急に休むことが増えたという。社長の妻は「ひとりぼっちになって悩みもあったようだ。はき出すところがなかったのか出勤したとき、夫(社長)に聞いてもらう感じだった」と言う。最後にいなくなった時は事前の連絡もなく、社長からの電話にも出なかった。 約35年前に新築の家、気づくと引っ越し、数カ月前に再び 「おとなしくて根はいい人」… この記事は会員記事です。残り303文字無料会員になると月5本までお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
南極観測船しらせ、昭和基地に到着、物資輸送が本格化
2021年12月19日 22時00分 【昭和基地=南極観測隊同行記者】南極観測船しらせ(酒井憲艦長)は19日、昭和基地に接岸した。第63次南極地域観測隊(牛尾収輝(しゅうき)隊長)を乗せて日本を出発後、40日目で到着。基地への物資氷上輸送や燃料輸送を本格化させる。 しらせは午前11時11分(日本時間午後5時11分)、東オングル島にある昭和基地沖約350メートルの定着氷に到着。接岸場所を見渡せる岩の上に62次越冬隊員と63次隊員計20人が集まり、往路の航行を終えた船に大きく手を振った。 62次越冬隊員の杉山玄己(はるき)さん(25)=北海道大大学院、長野市出身=は「もう1年たったのかという感じ。引き継ぎや残りの仕事をしっかりこなしたい」とオレンジ色の船体を見つめた。 しらせは11月10日、神奈川・横須賀を出港。オーストラリアで補給し、海洋観測を行いながら昭和基地を目指した。往路の定着氷で行った砕氷航行「ラミング」は計610回。昨年は391回だった。 今後は雪上車を使った氷上輸送のほか、ホースでの燃料輸送を展開。観測隊の野外での設営作業や観測も本格化する。しらせは同基地を来年離れ、62次越冬隊と63次夏隊を乗せて、3月に日本に戻る予定。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
中年コンビの錦鯉、初優勝 M―1グランプリ2021
土井恵里奈2021年12月19日 22時10分 漫才日本一を決めるM―1グランプリ2021の決勝が12月19日、東京・六本木のテレビ朝日で開かれ、錦鯉(にしきごい)(ソニー・ミュージックアーティスツ)が最年長で優勝した。賞金は1千万円。史上最多6千組超が競った大会の頂点に立った。 北海道出身の長谷川雅紀さん(50)と東京都出身の渡辺隆さん(43)が2012年に結成。昨年に続く2度目の決勝で栄冠をつかんだ。 1970年代生まれの元気な中年コンビ。スキンヘッドの長谷川さんはとにかくハイテンションで、でかい声と無駄な動きでぼけ、渡辺さんが頭をはたいてクールに突っ込む。技術より何より、その場のノリと勢いで観客を巻き込み、大舞台に花を咲かせた。(土井恵里奈) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
クリニック院長ら8人の身元を新たに確認 大阪のビル放火殺人事件
大阪市北区の雑居ビル内のクリニックで17日、24人が死亡した放火殺人事件で、大阪府警は19日、西沢弘太郎院長(49)を含む亡くなった8人の身元を新たに確認したと発表した。8人は大阪府、奈良県、兵庫県の20~50代の男女。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
国交相、JR東海に異例の指導へ リニア工事「地元に真摯な対応を」
会員記事 磯部征紀、今泉奏、高木真也2021年12月19日 18時40分 未着工のリニア中央新幹線静岡工区をめぐり、科学者らでつくる国の有識者会議は19日、静岡県が懸念する大井川の流量の減少について、十分な対策をとれば中下流域への影響は抑えられるなどとする中間報告をまとめた。報告を受け、国土交通省は近くJR東海に対し、地元と丁寧に協議を進めるよう行政指導する方針だ。法令違反などがない中で異例の指導となる。 JR東海は品川―名古屋間の2027年の開業を目指していたが、静岡県は、トンネル工事で湧き出た地下水が流出することで、生活を支える大井川の水が減ることを懸念し、県内での着工を認めていない。JR東海は、工事やその後の試験などに7年半ほどかかるとしている。 報告では、工事で出た湧き水を導水路ですべて川に戻せば、中下流域の流量は維持されると結論づけた。静岡県は工事中に湧き水の一部が山梨県側に流出することを懸念していたが、有識者会議は、山にたまっている豊富な地下水に補われると分析した。 一方、大井川流域の住民が水不足で苦労した歴史や、これまでのJR東海の説明では地元の納得を得られなかった経緯もふまえ、「地域の不安や懸念が払拭(ふっしょく)されるよう、真摯(しんし)な対応を継続すべきだ」と指摘。流出した湧き水を大井川にすべて戻すための具体的な方策について、JR東海が静岡県や関係市町と協議するべきだとした。 また、解析には不確実性があ… この記事は会員記事です。残り766文字無料会員になると月5本までお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
黒煙を目にし「誰かいますか」 仕事帰りの2人が現場へ…女性を救助
外尾誠2021年12月19日 19時00分 火災現場から高齢女性を助け出したとして、福岡県柳川市消防本部は17日、佐賀県小城市の交通安全施設整備会社員山下勝則さん(61)と、同僚で佐賀市の大里孝浩さん(43)に感謝状を贈った。 火災は10月16日朝に柳川市筑紫町の民家で発生し、木造2階建て約160平方メートルが全焼した。 2人は市内での仕事帰りに火災に気づき、民家に向かって「誰か、いますか」と声をかけた。台所から声が聞こえたため、山下さんが掃き出し窓から室内へ。黒煙が立ちこめる中、洗面器の水で消火しようとしていた女性(77)を「無理だ、逃げよう」と説得して外に連れ出した。大里さんは119番通報し、女性の救助も手伝ったという。 女性は病院に運ばれたが、その日のうちに退院した。 同本部によると、消防隊員らが現場に着いた時には燃え広がっていた。17日の感謝状贈呈式で、松藤敏彦消防長は「2人の勇気で人命が救われた。建物内に人が残されていないかを確認した対応が素晴らしい」。代表で感謝状を受け取った山下さんは「必死だったので、怖さを感じる暇もなかった。女性が助かってよかった」と話した。(外尾誠) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
出火後、逃げずに火に向かった容疑者 ポケットには催涙スプレーも
大阪市北区の雑居ビル内のクリニックで17日、24人が死亡した放火殺人事件で、事件後にクリニック内でライターが見つかったことが捜査関係者への取材で分かった。大阪府警は、侵入した男がガソリンのような可燃性の高い液体をまき、ライターで火をつけたとみて調べている。 府警は19日、男を住所、職業不詳の谷本盛雄容疑者(61)と発表した。殺人と現住建造物等放火の疑いで調べている。谷本容疑者は重度の一酸化炭素(CO)中毒などで重篤という。 火災は雑居ビル4階で発生。火元はクリニック入り口の受付近くとみられているが、捜査関係者によると、事件後に燃え残ったライターが出火元近くで見つかった。府警は谷本容疑者のものとみている。容疑者は搬送された際に着火器具を身につけておらず、ポケットには催涙スプレー2本が入っていた。 捜査1課は18日、クリニック内の防犯カメラの映像を調べ、谷本容疑者とみられる男が両手に紙袋を持って来院した姿を確認。男は受け付けをした後に紙袋を床に置いて蹴飛ばし、漏れ出した液体に向かってしゃがみ込み、手を動かす様子が映っていた。直後に出火したという。府警はこの際にライターを使って火をつけたとみている。 男は出火後、逃げるようなそぶりはなく、火に向かっていくような動きを見せていた。液体のそばには暖房器具があったが、出火元には向いておらず、関係が薄いと判明した。 家から容疑者が書いたとみられるメモ見つかる 府警によると、ビル火災の3… この記事は会員記事です。残り486文字無料会員になると月5本までお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル