榧場勇太、志田修二、芳垣文子、佐藤亜季2022年1月12日 19時30分 発達中の低気圧が接近した影響で、北海道内各地では11日から12日にかけて大雪となった。札幌管区気象台によると、13日夜から14日にかけて再び雪や風が強まる見通しだという。 11日午後からの24時間降雪量は札幌市南区・小金湯で40センチ、帯広で59センチ、音威子府で66センチを観測した。また、稚内で24・6メートル、根室市・納沙布で26・5メートルの最大風速を観測し、いずれも1月の観測史上最大だった。 道によると、浜中町で倉庫の屋根が破損するなどの被害が2件確認された。北海道電力によると、道内約6200戸で停電した。 JR北海道によると、午後6時までに特急88本を含む計635本が運休した。このうちJR千歳線は札幌―新千歳空港・苫小牧間で終日運転を見合わせた。また、青森での強風の影響で、東京発の北海道新幹線が新青森―新函館北斗間で運休した。 新千歳空港は11日夜の降り始めから32センチの降雪を観測した。除雪作業が間に合わず、12日朝から正午近くまで滑走路を2本とも閉鎖した。再開後も欠航が相次ぎ、北海道エアポートによると午後6時までに計198便が欠航した。JR千歳線が運休した影響で、新千歳空港から札幌方面に向かう高速バスの受付カウンターには長い列ができていた。 道教育委員会のまとめによると、道内の公立学校では空知地方の中学校と十勝地方の高校各1校が臨時休校になった。 札幌市中央区の住宅街には人の背丈を超える雪山がいくつもできており、住民らは朝から除雪作業に追われた。自宅近くで雪かきをしていた男性(81)は「1月にしては珍しい湿った雪で、重くて大変だ」と話していた。(榧場勇太、志田修二、芳垣文子、佐藤亜季) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
著名作家の偽版画、発覚恐れ100枚超焼却か 元画商に懲役3年求刑
新屋絵理2022年1月12日 20時21分 著名な日本画家らの偽版画を制作・販売したとして、著作権法違反の罪に問われた画廊「かとう美術」(大阪市)の元代表・加藤雄三被告(53)の初公判が12日、東京地裁(小林謙介裁判長)であった。加藤被告は起訴内容を認め、検察側は「作品の価値を低下させ版画業界の信頼を失墜させた」として懲役3年、罰金200万円を求刑した。この日で結審し、判決は3月9日の予定。 検察側の冒頭陳述によると、加藤被告は奈良県で工房を営む版画作家の北畑雅史被告(67)=同罪で起訴=に2008年から計46点の複製品を作らせて、画商らが参加するオークションで本物と偽って販売し約3200万円の利益を得た。工房の経営が悪化していた北畑被告は、遺族らの承諾の有無を確認せず加藤被告の依頼を受け、1作品あたり数十万円~100万円の報酬を受け取ったという。 検察側は、加藤被告らが売った版画が違法な偽物と疑われた際、「被告らが100枚超の偽版画を焼却して証拠隠滅を図った」とも指摘した。 加藤被告は被告人質問などで、偽版画とばれないように流通させる数を調整したと説明したうえで、「著作権者をはじめ美術業界や購入者に多大な迷惑をかけた」と述べた。 弁護側は、売り上げは遊興費に使っておらず購入者への賠償を進めていることから執行猶予付きの判決を求めた。(新屋絵理) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
馬毛島の計画「決定」、防衛省が地元西之表市に伝達「不同意」届かず
馬毛島(鹿児島県西之表市)への米軍訓練移転に伴う自衛隊基地整備を計画する防衛省は12日、日米両政府の合意事項として、馬毛島への整備計画を「決定した」と同市の八板俊輔市長に伝えた。「不同意」を訴えてきた八板氏の頭越しで進む国の計画に、地元の亀裂と動揺は広がっている。 防衛省地方協力局の担当者はこの日、同市役所を訪れ、八板氏と面会。「政府として馬毛島は候補地の段階でなく自衛隊基地の建設場として決定した」と通告した。 馬毛島で進む環境影響評価(アセス)を念頭に八板氏は「(基地を)造るかどうかを判断するためのアセスと受け止めていた。説明が唐突」と困惑を隠さなかったが、担当者は「安全保障は時間との勝負。我が国の防衛、日米同盟の強化のために一刻も早く馬毛島に自衛隊施設を整備することが必要と考えている」と淡々と語った。 八板氏は「今度、市民の受け止めを把握したい」と応じ、面会は30分足らずで終わった。 岸田政権は昨年末、「馬毛島基地」の施設整備費として3183億円(後年度負担を含む)を盛り込んだ2022年度政府予算案を閣議決定した。今月7日の日米外務・防衛担当閣僚会合(2プラス2)では、岸信夫防衛相が「早期の整備に向けて政府全体として努力していく」と表明。米側も歓迎する意向を示すと、11年の2プラス2で米艦載機の陸上離着陸訓練(FCLP)移転の「候補地」としてきた馬毛島の位置付けを正式な整備地と変更することを両国で確認した。 防衛省はこれまで「地元の理解と協力が重要」と繰り返す一方、「計画に同意できない。いったん立ち止まってほしい」と求める八板氏の訴えに耳を貸さず、アセスと並行して事業を着々と進めてきた。 昨年11月には、馬毛島でコンクリートを製造するプラント工事の入札を公告。アセスの完了を急ぎ、23年夏までにプラントを完成させたい意向だ。馬毛島の外周道路の整備工事も「アセスの対象外」と位置付けることで今月着手した。 整備に向けた既成事実化が進… この記事は会員記事です。残り534文字無料会員になると月5本までお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
重点措置の拡大を検討 「オンライン診療」強化も 感染急拡大の広島
新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」を中心とした感染が急拡大する広島県では、12日も過去2番目に多い652人の感染が確認された。地域医療体制の再整備や保健所の対応の変更などに追われている。 湯崎英彦知事は12日、広島市や福山市など13市町を対象に適用している「まん延防止等重点措置」について、他の市町にも拡大する方向で政府と調整していることを明らかにした。この日午後にあったオンラインの全国知事会の会合後、記者団の質問に答えた。「何日もかけるということはない」と述べ、早急な対応を検討しているとした。 県は年齢が若く、基礎疾患がないなど重症化リスクの低い軽症や無症状の人について、ホテル療養を基本としてきた。しかし、感染者数の急増を受けて、自宅療養を基本とする方針に転換した。 県によると、自宅療養と入院… この記事は会員記事です。残り844文字無料会員になると月5本までお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
ネットで高級腕時計販売と偽り160万円詐欺容疑 北海道警が逮捕
2022年1月12日 21時30分 インターネットで高級腕時計を販売すると偽り現金をだまし取ったとして、北海道警富良野署は12日、北海道旭川市永山4条9丁目、無職黒沢圭祐容疑者(28)を詐欺の疑いで逮捕し、発表した。署によると、同容疑者を名乗る人物から高級腕時計を販売するとして現金をだましとられたという相談が複数寄せられているといい、余罪を調べている。 署によると、黒沢容疑者は昨年6月14日、ネットオークションサイトに高級腕時計を出品。サイト内でメールアドレスを交換した堺市内の会社員男性(51)にこの腕時計を売ると偽り、現金160万円を振り込ませてだまし取った疑いがある。 現金を振り込んだ後も商品が送られてこないことから、男性が署に相談。黒沢容疑者が男性に示していた身分証明書の画像などから、容疑が明らかになったという。 高級腕時計をめぐっては近年、「資産性」が注目され一部ブランド品の価格が高騰。定価を超える値段で売買され、入手が困難になっている。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
胸元や尻が強調されていなくても「盗撮」 東京高裁が逆転有罪判決
新屋絵理2022年1月12日 22時14分 胸や尻をクローズアップしていなくても「盗撮」にあたり、一審の無罪判決を取り消す――。20代女性のスカートの中を撮影しようとしたとして東京都迷惑防止条例違反罪(卑猥(ひわい)な言動)に問われた被告の男(51)の控訴審判決が12日、東京高裁であった。伊藤雅人裁判長は、女性を背後から映した動画は卑猥といえないとして無罪とした一審判決を破棄して、懲役8カ月(求刑・懲役10カ月)の実刑判決を言い渡した。 判決によると、被告は2020年、東京都内のアニメグッズ店で小型カメラを持ち、客の女性を至近距離で背後から撮影したほか、スカートの裾と同じ高さでカメラを構えるなどした。撮影に気づいた女性が「撮ってましたよね」と被告に声をかけ、事件が発覚した。 高裁判決 「動画内容ではなく、撮影行動から判断すべき」 昨年1月の東京地裁立川支部の一審判決は、撮影された女性の後ろ姿の動画内容について「尻や太ももを強調して撮影されていない」と述べ、条例が禁止する「人を著しく羞恥(しゅうち)させ、不安を覚えさせる行為」や「公共の場所での卑猥な言動」にはあたらないと判断して無罪を言い渡した。 だが、12日の控訴審判決は、条例違反かどうかについて「(一審が判断した)動画の内容ではなく、被告の撮影行動が下品でみだらな行為で、被害者が不安になるかなどから判断すべきだ」と指摘。その上で被告の行動を改めて検討し、①被告がカメラを覆い隠すように持ってレンズを女性の下半身に向けていた②動画を撮る前に女性の胸も撮影しようとしていた③この店でほかの女性も繰り返し盗撮し画像データを保存していた――ことなどから一審の判決を覆して条例に違反すると認定した。 執行猶予付きの判決ではなく実刑にした理由については、被告が同様の事件を過去に起こしたことを考慮し、「犯行は巧妙で、強い非難に値する」と説明した。(新屋絵理) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
早々と対応決めた大学も 「共通テストなしで合否判定を」の通知受け
前田伸也、安井健悟、上野創2022年1月12日 22時40分 新型コロナウイルスの影響で大学入学共通テストの本試験も追試験も欠席せざるをえなかった受験生について、文部科学省が11日、各大学に対して個別試験での合否判定を求めたことを受け、早くも対応を表明する大学が出始めた。ただ、対応を決めかねている大学も少なくない。 福岡大は12日、3月の後期入試(医学部医学科以外)に振り替える方針を明らかにした。 2月の前期入試の中で、共通テストを利用した「単独型」と「併用型」の入試を実施する。共通テストを受けられないと受験できなくなるが、コロナの影響の場合は特例措置として、前期の受験料を充てる形で後期試験を受けられるようにするという。後期の受験料が安い場合は差額分を返金する。また、振り替え受験をせずに福大の受験を断念した場合は受験料の返金に応じる。 文科省は11日に各大学に発出した通知で、個別試験の再追試を新たに設けることも求めたが、福岡大の担当者は「今の時期から追試向けに、公正に判定できる適切な入試問題を用意するのは難しい」と説明した。 昨年の一般入試で約13万6千人が出願した近畿大では、共通テストを利用した方式を全15学部で実施している。入試担当者は「国公立大学の入試は共通テストがなければ成立しないが、我々は個別試験だけで判定できる」。今年の一般入試は8日間の日程を設けており、12日、発熱の症状などで個別試験を受けられなかった受験生らに受験日の振り替えや検定料の返還に応じると、ホームページで発表した。こうした対応によって「受験の機会は十分に確保できている」という。 一方、東北大や早稲田大などは12日の取材に、「通知を受け、対応を検討中」と答えた。大阪教育大の担当者は「準備が何もできておらず、正直戸惑っている」。文科省が個別試験の再追試を設けるよう求めていることについては「様々な選択肢を検討するしかない」と語った。(前田伸也、安井健悟、上野創) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
共通テストなしの合否判定、公平性めぐり文科省が見解公表
新型コロナウイルスの影響で大学入学共通テストの本試験も追試験も欠席せざるをえなかった受験生について、文部科学省が各大学に個別試験での合否判定を求めた11日付の通知をめぐり、同省は12日、「各大学が慎重かつ厳格に(合否)判定するものと考えられる」とし、一定の公平性は保たれるとの見解を示した。共通テストなしでの合否判定をめぐり、受験生や大学に、公平性確保の観点から懸念が広がっていた。 多くの国立大は共通テストと個別試験の結果で合否判定しているが、文科省は11日に出した通知で、追試を含め共通テストをすべて欠席した受験生について、個別試験のみで合否判定するよう要請。個別試験についても、追試だけでなく、面接などによる再追試の機会を設けるよう求めた。 文科省が12日に公表した見解では、共通テストの追試が本試験の2週間後にあることなどから、個別試験のみで判定される対象者は「極めて限定的」とした。また、対象者はコロナ感染の診断書などを大学側へ出す必要があるとし、「意図的に共通テストを受験しない方法を選択できるものではない」と説明した。 さらに、共通テストを受けなかった受験生の合否は「各大学が決定する」とした上で「共通テストの受験生と比較して、十分にそれを上回る能力を有するかどうかを慎重かつ厳格に判定すると考えられる」と説明した。文科省は12日、見解をホームページ(https://www.mext.go.jp/content/20220112-mxt_ope01-000004520_1.pdf)で公表した。(三浦淳) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
3歳児死亡前、担当職員らが「一度に変更となる事態」 摂津市報告書
茶井祐輝2022年1月12日 23時00分 大阪府摂津市で昨年8月に3歳男児が全身やけどを負って死亡し、母親の交際相手が殺人罪で起訴された事件で、市が12日、一連の対応などをまとめた報告書を発表した。事件前、担当職員らが異動などで「一度に変更となる事態」になったとし、「避けるべきだった」と指摘した。 死亡したのは新村桜利斗(おりと)ちゃん(当時3)。高温の湯を浴びせ続けて死亡させたとして、母親の交際相手で同居していた無職松原拓海被告(24)が殺人罪で起訴された。この事件では、大阪府も有識者部会で検証しており、市は今回の報告書で「死亡が防げなかった原因、事案の詳細な検証については、大阪府に委ねる」としている。 市の報告書によると、事件前の昨年4月から、このケースを担当していた職員や保育士ら3人が一度にかわった。「保護者としても行政側としても、信頼関係を再度構築する必要が生じた」と指摘。「このようなことは出来うる限り避けるべき」とした上で、今後について「人事異動があったとしてもチーム内でカバーができる体制づくりが必要」とした。 この事件では担当職員らがかわった昨年4月以降、同6月には母親の知人らが「虐待がある」と市役所に連絡したことなどがわかっている。 市の報告書はさらに、同じ府北部の他市と比べ職員1人が担当する虐待案件が突出して多いとして、「少なくとも3名の職員の増員をすべき」とした。 また、報告書は①顔や頭部に外傷があった②外傷が複数あった③保育所から通報が複数回あった④交際相手の存在を把握した⑤交際相手による暴力があった⑥第三者から通告があった――の6点を市が把握していたことから、「起こりうる事象を想像するための面談や内部協議が必要だった」とも指摘した。(茶井祐輝) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
在沖米軍、1週間にわたり所属情報明かさず 関係者の感染は3千人に
沖縄の米軍関係者に新型コロナウイルス感染が拡大している問題で、今月6日以降、米軍から沖縄県に報告があった2千人以上の感染者の所属基地が一切明らかにされていないことが12日、県への取材でわかった。従来は基地ごとに感染者数が報告されていた。米軍からは理由の説明はないという。 県によると、12日は米軍から新たに295人の感染報告があった。米海兵隊キャンプ・ハンセン(金武町など)で大規模感染が判明した昨年12月中旬以降、米軍関係の感染者数は9基地で計3217人に達した。このうち直近1週間の感染者2219人の所属基地はすべて「確認中」か「不明」という。県担当者は「感染が急増して対応が追いつかないのかもしれないが、それも含めて説明はない」と話す。 米軍関係者の感染をめぐり、日米地位協定の運用について議論する日米合同委員会は米軍からの情報提供のあり方について覚書を交わしている。それに基づき、米軍から沖縄県には原則日曜を除き毎日、基地ごとの感染者数の連絡があった。感染が急拡大してからは日曜も年末年始も報告があった。ただ、従来も陽性者の住所や発症日などが含まれず、内容の薄さが指摘されていた。この1週間はさらに少なく、数字だけとなっていることになる。(木村司) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル