起訴された18、19歳の実名報道を可能にする改正少年法が4月に施行されるのに伴い、法務・検察当局が裁判員裁判の対象事件に限って起訴時に被告の実名を広報する方向で検討していることが分かった。近く全国の高検、地検に、基本的な運用方針として文書で通知する。同法の付帯決議が事件広報について更生を妨げない「十分な配慮」を求める中、裁判員事件は公共性が高い重大事件だとして線引きする考えだ。 現行法は少年時に犯した事件について実名や顔写真の報道を禁じ、警察や検察もこれを踏まえて匿名で広報してきた。だが4月に成人年齢が20歳から18歳に引き下げられることを受け、改正法は18、19歳を「特定少年」と規定。18、19歳時の事件で正式起訴されれば実名報道を可能とした。罰金などを科す略式起訴は除かれる。 改正法は特定少年について、家裁が起訴が相当と判断し、原則として検察官送致(逆送)する対象も拡大。「故意の行為で人を死亡させた罪」に「死刑、無期懲役、法定刑の下限が1年以上の懲役・禁錮にあたる罪」を加えた。これまでは対象外だった現住建造物等放火、強盗、強制性交、組織的詐欺などの罪でも原則逆送され、起訴された段階で実名報道できるようになる。 こうした改正内容について昨… この記事は有料会員記事です。残り658文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「残業続く先生にカップ麺を」 業者の差し入れは、利益供与なのか
公立中学校の教職員が、取引業者からの差し入れのカップ麺を受け取ることは公務員としての倫理要綱に抵触するのか――。愛知県岡崎市でこんな問題が浮上している。市立中学校が昨年12月、授業で使うテキストを購入している教材販売会社から、カップラーメンなどの食品を受け取っていたことがわかった。市教育委員会は経緯を調べている。 段ボール箱に入ったカップ麺を学校に配ったという市内の教材販売会社の社長が取材に応じた。 年末のあいさつで、取引がある中学校を訪ねた際、段ボール箱に入ったカップ麺(1箱約千円)を2箱ずつ、約10校に配ったという。一部の学校からは受け取りを断られた。 取引で関係が深い中学校に対し10年以上前から慣習的に配ってきたという。 「入試のシーズンを前に、残業が続く先生たちをねぎらいたかった。学校を訪れるたびにコーヒーを出して応対してもらうことに、お返ししたいという思いもあった」と社長は話す。 配るカップ麺は、ドラッグス… この記事は有料会員記事です。残り914文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
札幌の小学校建築現場で作業員1人死亡 積雪で仮設屋根が倒壊か
2022年1月19日 20時15分 19日午後1時40分ごろ、札幌市豊平区平岸4条11丁目の市立東山小学校で、「建築中の建物の天井や足場が崩れ、男性1人が下敷きになった」と119番通報があった。札幌豊平署によると、同市東区北23条東18丁目の土木作業員、宮本文義さん(70)の死亡がその場で確認された。 札幌市などによると、新校舎建築のためグラウンドに設置された仮設の屋根が崩れた。新校舎は2023年2月に完成予定で、基礎工事が行われていた。雪の重みで仮設の屋根が崩れた可能性があるという。同校は19日から新学期だったが、児童の被害はなかったという。署が詳しい事故原因を調べている。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
甲状腺がんの6人、東電提訴へ 「原発事故の被曝が原因」
村上友里2022年1月19日 20時16分 東京電力福島第一原発事故に伴う放射性物質の影響で甲状腺がんになったとして、17~27歳の男女6人が東電に計6億1600万円の損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こす。27日に提訴する予定。原告側弁護団によると、住民が甲状腺がん発症による事故被害を東電に訴えるのは初めてという。 原告は2011年の原発事故時に6~16歳で、福島県内に住んでいた。県の調査などで甲状腺がんと診断され、2人は甲状腺の片側を切除、4人は再発によって全摘したという。 弁護団は19日に会見し、原告は遺伝性のがんではないと主張。がん発症で進学を諦めた原告もいて、「東電は事故との因果関係を認め、補償制度をつくるべきだ」と訴えた。子どもの甲状腺がんが事故後に県内で多発しているとも指摘した。 東電は提訴について「誠実に対応する」とコメントした。 県の調査によると、事故当時18歳以下だった県民38万人のうち、約260人が甲状腺がんかその疑いがあると診断された。ただ、県の専門委員会は15年に公表した中間報告で、事故による被曝(ひばく)とがんとの因果関係は「現時点で認められない」としている。(村上友里) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
米澤穂信さんに直木賞、バイト先の書店「なぞなぞ解くの速かった」
山下周平2022年1月19日 20時30分 166回芥川賞・直木賞の選考会が19日、東京都内で開かれ、直木賞は今村翔吾さん(37)の「塞王の楯」(集英社)と米澤穂信さん(43)の「黒牢城」(KADOKAWA)に決まった。 米澤穂信さんが生まれ育った岐阜県飛驒地方では、直木賞受賞に喜びの声が上がった。 米澤さんが作家デビュー当時にアルバイトをしていた高山市の「三洋堂書店高山店」には受賞を知らせるポップをあしらった特設棚を設けた。 当時、一緒に働いたパート店員の林崎尚子さん(49)は受賞を知り、涙が出たという。デビューするまで作家志望だとは知らされておらず、驚いたという。「バイトの合間にも執筆をしていた。よく行くファミレスが24時間営業にならないかなと漏らしていた」と当時を思い出す。 作品に登場する場面のやりとりが自身との雑談に似ているといい、「雑談ではなく、米澤君にとっては取材だったのかな」と林崎さんは笑う。 「なぞなぞを解くのも速くて、当時からミステリー作家の片鱗(へんりん)があった。かわいい後輩が大作家になって自慢です」(山下周平) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
北海道もまん延防止適用要請を検討 感染過去最多で医療逼迫に危機感
北海道内では19日、新型コロナウイルスの感染者が新たに1170人確認された。初めて1千人を超え、昨年5月21日の727人を大幅に上回り過去最多となった。感染力が強い変異株「オミクロン株」への置き換わりが進み、感染拡大が止まらない。こうした状況から、鈴木直道知事は国に「まん延防止等重点措置」の適用要請を検討する考えを表明。21日の対策本部会議で判断する。 鈴木知事は19日夕、記者団の取材に応じ、「経験のない非常に速いスピードで感染者が増加している」とし、「21日の対策本部会議で警戒レベルの(1から)2への移行とまん延防止等重点措置の移行について判断したい」と述べた。 道の新規感染者数は過去最多、札幌市も650人で最多だった昨年5月13日の499人を超えた。函館市も46人と最多を更新した。 全道の人口10万人あたりの直近1週間の新規感染者数は89・8人(19日現在)で、重点措置要請を検討する「レベル2」移行基準の「15人」を大幅に上回る。他の指標も病床使用率は15・8%と移行基準の「20%超」に近づき、鈴木知事は「今のペースでは今週末から来週初めに20%を超える」と危機感を示した。 感染急増の背景にあるのがオミクロン株の拡大だ。道が8~14日に感染者の抽出検査で調べた検体のうち、オミクロン株疑いは81%。昨年12月24~30日は1%で、「道内はほぼオミクロン株に置き換わった」(担当者)という。 道は21日の対策本部会議で国への重点措置の適用要請を決める方向だ。昨年は感染が多かった札幌市などが措置区域とされ、飲食店の時短や酒類提供自粛などの強い措置が取られた。ただ今回は全道で感染者が急増している。鈴木知事は「今まで感染確認が少なかった地域でも結構感染者が出ている。全道に感染が広がっている状況も踏まえて(適用)区域を判断したい」と述べた。 飲食店の時短や酒類提供自粛要請の対象についても、認証店以外か、認証店も含めるかが議論になる。鈴木知事は「他県の状況も踏まえて判断する」とした。 道内では新たなクラスター(感染者集団)発生が続いている、19日は9件を確認。札幌市では道警察学校で学生16人、サービス付き高齢者住宅で9人が感染。小樽市の潮見台中で5人、旭川実業高の部活動で13人、石狩振興局管内のグループホームで8人、喜茂別町の保育施設で26人、苫小牧市のスポーツクラブで20人、利尻富士町の特別養護老人ホームで7人、帯広市の啓北小で7人が感染した。(中野龍三、榧場勇太) 北海道の感染ピークはいつ? 北海道で新型コロナウイルスの新規感染者数が初めて1千人を超えた。猛威をふるう変異株「オミクロン株」はいつまで広がるのか。札幌医科大の横田伸一教授(微生物学)に聞いた。 ◇… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
北海道警察学校でクラスター 機動隊など含め286人が自宅待機に
北海道警は19日、警察学校や機動隊などで、新型コロナウイルス感染者が新たに27人確認されたと発表した。警察学校の感染者は累計16人となり、クラスター(感染者集団)に認定された。 新規感染が確認されたのは、▽警察学校14人▽機動隊9人▽警務部1人▽札幌南署1人▽札幌北署1人▽千歳署1人。警察学校では学校外も含めて飲酒会合の機会はなかったという。 接触した疑いがある人は、警察学校211人や機動隊52人など計286人。自宅などで待機させるが、道警は「通常業務に支障はない」としている。警察学校と機動隊で計8人が発熱を訴えているという。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
死産の双子遺棄、技能実習生に再び猶予付き判決 被告が会見
熊本県芦北町の自宅で死産した双子の遺体を放置したとして死体遺棄罪に問われた、ベトナム国籍の技能実習生レー・ティ・トゥイ・リン被告(22)の控訴審判決が19日、福岡高裁であった。辻川靖夫裁判長は一審・熊本地裁判決(懲役8カ月執行猶予3年)を破棄し、懲役3カ月執行猶予2年の有罪判決を言い渡した。被告側は無罪を主張し、上告する方針。 判決によると、リン被告は2020年11月15日ごろ、芦北町の自宅で死産した男児2人の遺体を段ボール箱に入れて粘着テープで封をし、自室の棚の上に置いて遺棄したとされる。 控訴審判決では、リン被告が遺体を放置したとされる期間が約33時間だった点について、「通常の葬祭もその程度の期間が経過することはありうる」と指摘。「葬儀の義務を履行するべき相当の時間を過ぎていたとはいえない」とし、葬儀の準備期間としては一定程度の時間が経過していた、とした一審判決の認定には法令適用の誤りがあるとして破棄した。 また、リン被告が遺体を丁寧にタオルで包み、段ボール箱に入れて保管した行為から「死を悲しみわびる心情があった」とする一方、「死体を隠す意思や他者が発見することを困難にする行為があった」として死体遺棄罪の成立は認めた。 量刑については「周囲に相談する機会が十分にあった」と指摘する一方、「被告は妊娠により実習ができなくなり、家賃などを支払えず帰国させられると考えていた。妊娠、出産を隠そうと犯行に及んだことには、一定程度酌むことのできる事情がある。下限に近い刑にした上で執行猶予とするのが相当」とした。 ◇ 控訴審判決を受けた、リン被告のコメントは以下の通り。 私の無罪の主張のため、皆が支援してくださって、心より感謝申し上げます。私の無罪の主張が認められず、大変残念です。 私は、子どもの遺体を捨てたり、隠したりしていません。この判決には納得できないので、最高裁判所へ上告して、無罪を実現したいと思います。これからも応援よろしくお願いします。 「私の無罪の主張が認められず、大変残念です。この判決には納得できない」。判決後、福岡市内で記者会見したリン被告は手元のメモを読みながら、日本語で語った。 公判を通じてリン被告は、妊… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
国に220万円支払い命令 陸自パワハラ自殺めぐる訴訟 熊本地裁
大木理恵子2022年1月19日 21時28分 自殺した陸上自衛官の遺族が、教官の指導が自殺の原因だったとして、国と当時の教官2人に計約8100万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が19日、熊本地裁であった。中辻雄一朗裁判長は違法な指導があったと認め、国に計220万円の支払いを命じた。 判決は一方、教官の指導は2日間のみで自殺の予見はできなかったとした。教官2人への請求については、公務員の職務上の行為だったとして退けた。 判決後に会見した原告側の板井俊介弁護士は「死亡に対する責任を否定した判決。原告としてはその点を絶対に許すことができない」と話し、控訴する意向を示した。被告側の陸自西部方面総監部広報室は「判決内容を精査しているため、回答は差し控える。判決を受け止め、パワーハラスメントなど同種事案の再発防止に努めていく」とコメントした。 自殺したのは陸上自衛隊西部方面隊に所属した男性陸士長(当時22)。2015年10月、陸曹に昇進するため教育隊に入隊し、約3カ月間教育を受けることになった。入隊から間もない同月7日に自殺。両親が19年7月に提訴していた。教官2人は既に停職の懲戒処分を受け、自殺は公務災害に認定されている。 判決によると、男性教官の一人は15年10月6日夕、男性の胸ぐらをつかんだ。別の男性教官はそれを知りながら放置し、同日夜に男性に対し「お前のようなやつは殺してやりたいくらい」と発言した。 判決はこれらの言動を「違法な指導」とし、この指導が「一つの要因として適応障害を発症し、自殺に至った」と認めた。その上で、国は安全配慮義務に違反したとして、慰謝料など計220万円を支払うよう命じた。 男性の両親は「(判決は)被告から指導を受けたのが2日間だけで、1日のうちに短時間に行われたものだからという理由で、学生が自死してしまうことがわからなかったといいます。弱い立場の者を精神的に追い込んで追い詰めれば、当然、死んでしまうことはあり得ることを軽視した本日の判決は、とても受け入れられません」とのコメントを出した。(大木理恵子) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「SL冬の湿原号」蒸気機関車が故障 ディーゼル機関車で代用へ
佐野楓2022年1月19日 21時30分 冬の風物詩として釧網線の釧路―標茶間で運行する「SL冬の湿原号」について、JR北海道は19日、使用している蒸気機関車(C11―171号機)の1月の運行(22、23、28、29、30日)を、故障のためディーゼル機関車に置き換えると発表した。 JR北によると、試運転のため15日に蒸気機関車を車両基地から釧路駅まで走行させた際、車両前方の蒸気室から不規則な排気音が出た。運転を中止し調べたところ、蒸気を動力に変える部品が破損し、蒸気が漏れ出ていた。部品は昨年の検査で交換したもので、詳しい原因を調べている。 JR北は2月以降の運転日の指定券発売は見合わせており、今後の運転計画や指定券発売日は決まり次第発表する。 ディーゼル機関車への置き換えに伴い、座席指定料金は1680円から530円へ引き下げる。購入済みの指定券で旅行する場合は、旅行終了後に差額を払い戻す。蒸気機関車の運転中止を理由に旅行を中止する場合は、手数料なしで料金を払い戻す。 運転区間や時刻、座席位置や社内サービスに変更はない。(佐野楓) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル