菊地洋行2022年1月9日 11時04分 三重県松阪市飯南町下仁柿の国道368号沿いに、七福神の一人、布袋さんの稲わら巨大モニュメントがお目見えした。地域活性化の目玉にと、仁柿住民自治協議会が2016年から稲わらで造形制作を始めて6体目。コロナ禍で痛んだ経済が上向いて欲しいとの願いが込められている。 布袋さんは高さ約6メートル、胴回りは最大約11メートル。木材の骨組みを竹で覆い、腹や顔の曲線を表現した。直径3センチの束にした稲わら約7千束を使っているという。昨年10月末から、中心メンバーら8人が週末に作業を重ねて、今月5日に完成した。 協議会はこれまでにイノシシ、フクロウなどの縁起物や悪疫退散を願うアマビエなどを制作。布袋さんにはこうした従来作品より約2割多い稲わらを使い、制作リーダーの水本秀之さん(64)が「丁寧に造りすぎた」というほどの出来栄えになった。5月中旬まで展示する予定という。(菊地洋行) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
手元に残った寂聴さん未発表原稿 「いい戦争などはない」原点つづる
瀬戸内寂聴さんが生前に発表しなかった、ひとつの原稿がある。2016年夏、朝日新聞の連載に寄せられた直筆エッセーだ。タイトルは『いい戦争などはない』。「非戦を通すことが、日本人の正しい生き方である」と結んでいる。昨年11月に99歳で亡くなるまで記者の手元に残されていた。最期まで書き続けた寂聴さんだが、秘書によると、未発表原稿はほかに見つかっていないという。(岡田匠) 寂聴さんは15年6月から亡くなる1カ月前の昨年10月まで全76回、朝日新聞朝刊文化・文芸面に「寂聴 残された日々」を連載した。秘書によると、寂聴さんは10月にいったん退院し、第76回の原稿を書いた後、再び入院して息を引き取った。最終回となった第76回が人生最後の原稿になったという。 未発表原稿は原稿用紙3枚。16年8月の連載第15回に向け、記者が「戦争について書いてほしい」と依頼した。「よろこんで書くわよ」と応じてくれ、ファクスで原稿が寄せられた。 だが数日後、寂聴さんから「ふるさと徳島の阿波踊りを書きたくなった」と連絡があった。『平和だからこそ阿波踊り』と題した原稿が届き、掲載した。徳島で開いていた文学塾「寂聴塾」の塾生たちと阿波踊りに参加した思い出を振り返り、「今年はぜひ踊りにきませんか」と塾生から誘われたことを記している。 当時94歳。80代後半になっても阿波踊りに参加した寂聴さんだが、92歳のときには背骨の圧迫骨折や胆囊(たんのう)がんの手術を受けた。遠出するときには車いすが多くなった。それでも、阿波踊りの8月が近づくと、「今年こそ行きたい。最後になるかもしれないから。でも、この足がねえ」と話していた。連載第15回の前に塾生から誘われ、戦争中は中止になった阿波踊りに、行きたいけれども行けない胸の内を書きたくなったのだろう。 未発表となった原稿には、戦時中の体験や中国からの引き揚げ、そして平和への思いがつづられている。生原稿は、瀬戸内寂聴記念室のある徳島県立文学書道館(徳島市)、ファクスで届いた原稿は朝日新聞が保管している。寂庵(じゃくあん)の了承を得て掲載した。 徳島県立文学書道館の学芸員の竹内紀子さんは「戦時中の多くの思い出をコンパクトにまとめた原稿は非常に珍しい。日本人の生き方を説いた最後の一文は、まさに寂聴さんの遺言といえる」と話している。 未発表原稿の全文 連日のように知友の死が報じ… この記事は有料会員記事です。残り1221文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
たき火が呼び起こすあの日の思い出 25年前に交わした約束
星空の広がる東京都檜原村のキャンプ場。昨年末、坪田俊介さん(53)は妻美恵子さん(53)と赤々と燃えるたき火を見つめていた。周囲から聞こえるのは川のせせらぎと、薪に残ったわずかな水分がシューと蒸発する音だけだ。 「そろそろいいんじゃない」。美恵子さんが持つ鍋から、甘い香りが漂う。白い息を吐き、ホットワインを飲む。どうしてかな、昔話がしたくなった。 「肝試しの帰りじゃなかったか?」「今日みたいに寒い日で、確か元日だったよ」 40年近く前、岡山県倉敷市。2人は中学の同級生だった。 仲良しグループで計画を立てた。大みそかに神社で季節外れの肝試しをして、そのまま初詣に行こう。 「ドキドキしたのを覚えてる」「俺は別の理由でドキドキしてたよ」 俊介さんは、この日にかけていた。初詣から帰宅した美恵子さんの目に入るよう、余裕を持って年賀状を書いた。はがきには交際を申し込む言葉と、「迷惑だったら忘れてください」と一文を添えた。 後日、美恵子さんから返事が… この記事は会員記事です。残り1086文字無料会員になると月5本までお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「温暖化でうまくなった」と言われた北海道の米 迫る作物の境界
「温暖化したおかげで北海道の米はうまくなった」 衆院選のさなかの昨年10月、北海道小樽市。自民党副総裁の麻生太郎氏が街頭で応援演説をしていた。麻生氏は北海道産米が「やっかいどう米」と呼ばれていたことに触れると、こう続けた。 「お米の花が実に変わる、あのころの温度が2度上がった。それだけで売れるようになった」 麻生氏の発言が伝わると、野党や道内の農業団体から「温暖化を肯定するような発言は耳を疑う」「品種改良や農家の努力を無視している」と批判の声があがった。 昨年公表された国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の第6次報告書では、地球温暖化はさらに進み、豪雨、干ばつ、熱帯低気圧に影響していることが報告された。北海道でも21年7月の平均気温は平年より2・8度高く、記録のある1946年以降最も暑い夏となった。 食料自給率200%を誇り、全国の農地の2割以上が集まる日本の食料基地は気候変動によって作物に異変が起きている。 北海道南西部、日本海側の蘭越(らんこし)町。品質の高いコメは「蘭越米」として道産米の中でも人気が高い。 コメ農家「坂野農場」の坂野幸夫さん(55)は農家の3代目。20ヘクタールほどの田で年間100トン近いコメを生産している。麻生氏の発言について、「確かに近年は温暖化によって冷害は減ったが、複雑な気持ち。米の味はどれだけ手をかけたかで決まると思ってきたから」と不満げだ。 父から経営を引き継いだばかりの93年、冷害に見舞われほとんど収穫できなかった。それまで道外の米を食べたことはなかったが、初めて本州の親戚から米を送ってもらった。「うまかった」 その後も数年に一度、冷害に… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
大阪府の新規感染891人 800人超は昨年9月以来 死者1人
【動画】黄色にライトアップされた通天閣や太陽の塔=西田堅一、朝日放送テレビ撮影 大阪府は8日、新たに891人が新型コロナウイルスに感染していることを確認したと発表した。新規感染者数が800人を超えるのは、858人だった昨年9月16日以来。また、新たに90代女性の死亡が確認された。死者が確認されたのは、昨年11月26日の発表以来だった。府内の感染者数は延べ20万6497人、死者は3065人になった。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
新型コロナ、北海道で132人感染 100人超は4カ月ぶり
北海道内では8日、新型コロナウイルスの新規感染者が132人確認された。前日の94人から大きく増えた。死者の発表はなかった。100人を超えるのは緊急事態宣言中だった昨年9月15日(110人)以来。年代が公表された123人のうち41人が20代で、33%を占めた。 クラスター(感染者集団)は新たに2件発生し、空知総合振興局管内の飲食店で従業員5人、江別市内の飲食店で利用客14人の感染がわかった。既存のクラスターでは空知管内の障害者支援施設が計25人、旭川明成高校でも計9人になった。 札幌市は、新たに3人の変異株「オミクロン株」の感染を確認したと発表した。3人とも感染経路が不明で、市中感染の可能性があるという。 3人のうち年齢・性別非公表の1人は、昨年12月28日に関西方面から帰省し、道内に滞在していた。このほか、40代男性と50代女性は札幌市在住で、道外との往来歴がないことから、市内での市中感染の可能性があるという。3人はいずれも軽症で入院中という。 会見した札幌市の山口亮・感染症担当部長は「オミクロン株は感染力が強いとされ、市中に広まった場合は感染拡大が懸念される。感染防止対策を徹底してほしい」と呼びかけた。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
阪神大震災、希望の灯りの分灯始まる 今年も各地の追悼行事に
遠藤美波2022年1月8日 20時30分 阪神・淡路大震災の犠牲者を悼み、神戸市中央区の東遊園地にともされているガス灯「1・17希望の灯(あか)り」の分灯が8日、始まった。分灯は17日まで続き、全国各地の追悼行事でともされる。 灯りを管理するNPO法人「阪神淡路大震災1・17希望の灯り」によると、今年は約30団体から申し込みがあった。新型コロナウイルスの影響で、例年の半分程度にとどまった昨年と同水準。この日は兵庫県内の中学校や市民団体など約10団体が東遊園地を訪れ、火をランタンに移し、持ち帰った。 学校の追悼行事でともすために参加した加古川市立氷丘中学校2年の糀谷優さん(14)は「人の心の明かりがぽっと消えてしまったのが震災だと思う。分灯することで、色々な人の心に再び明かりがともる。人のつながりを感じます」と話した。(遠藤美波) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
USJで1年遅れの成人式、2回延期し開催 「日常の大切さ知った」
大阪市は8日、1年前に開催するはずだった2020年度の成人式を同市此花区のユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)で開いた。新型コロナの影響で2回延期したが、年明けの感染再拡大を受けて対策を徹底しての開催となった。 20年度の新成人は約2万5千人。市とUSJは「思い出になるように」と、8日と15日の2回に分けてUSJに招待。密を避けるために事前申し込み制とし、8日は約1300人が成人式に出席した。松井一郎市長は「20代はがむしゃらにスキルをアップし、生き抜く力を身につけてほしい」とあいさつした。 参加者を代表して、いずれも大学生の阿部和純さん(20)と西山陸太さん(21)が「新型コロナの流行で生活様式ががらりと変わったが、日常の大切さを知ることができたのも事実。成人の自覚と責任を持ち、大阪がより豊かに発展できるように努力する」と誓いの言葉を述べた。 阿部さんは式典後、記者団に「コロナで成人式の開催は厳しいと思っていたので、開催されて本当にうれしい。コロナ禍で自分を見つめ直し、中学の英語から勉強し直した」と語った。小学校の教員を目指しているという。 21年度の成人式は今月、各区ごとに区民センターなどで行う。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
焼き肉店で男が人質とって立てこもりか 「刃物持っている」と通報
2022年1月8日 22時40分 動画】焼き肉店に男が一時立てこもった=角詠之、増山祐史撮影 8日午後9時ごろ、東京都渋谷区代々木1丁目の焼き肉店「焼肉牛星代々木店」から「刃物を持った男が立てこもり、『爆弾を所持している』と言っている」という趣旨の110番通報があった。 捜査関係者によると、店の関係者が人質になっている可能性があるという。警視庁が外に出てくるよう男を説得するとともに、状況の把握を進めている。東京消防庁によると、午後10時現在、けが人の情報はないという。 店はビルの地下1階に入っており、客やほかのテナントの関係者らは避難した。警視庁によると、立てこもった男の要求などは不明だという。 店で直前まで友人と食事をしていたという20代女性によると、店内で目立ったトラブルなどはなく、家族連れや1人客でにぎわっていたという。女性は「突然こんな事件が起きて驚いた。何があったのか」と話した。 現場はJR代々木駅からすぐの場所で、近くには明治神宮や新宿御苑がある。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
焼き肉店の立てこもり、男を監禁容疑で逮捕 人質の店長にけがなし
2022年1月9日 0時31分 動画】焼き肉店に男が一時立てこもった=角詠之、増山祐史撮影 8日午後9時ごろ、東京都渋谷区代々木1丁目の焼き肉店「焼肉牛星代々木店」で、刃物のようなものを持った男が男性店長を人質に立てこもった。警視庁は9日午前0時過ぎ、店内に捜査員を突入させ、住所不定、無職の荒木秋冬(あきと)容疑者(28)を逮捕監禁の疑いで現行犯逮捕した。店長にけがはなかった。荒木容疑者は客で、店長と面識はないとみられるという。同庁が動機や経緯を調べている。 捜査1課などによると、荒木容疑者は刃物のようなものを持っており、捜査員に「俺の人生を終わらせてやる」と話していた。店はビルの地下1階に入っており、客やほかのテナントの関係者らは避難。警視庁は店外に出るよう荒木容疑者を説得するとともに、状況の把握を進めていた。 店で直前まで友人と食事をしていた20代女性によると、店内で目立ったトラブルなどはなく、家族連れや1人客でにぎわっていたという。女性は「突然こんな事件が起きて驚いた。何があったのか」と話した。 近くの店にいたという男性会社員(34)は、多くの警察車両が集まっているのを見て事件の発生を知った。現場の店では何度か食事したことがあり、立てこもりと聞いて驚いたという。現場近くで様子を見守っていた男性は、容疑者の身柄確保を知り「良かった。めったにない事件なので、経緯を知りたい」と話した。 10年ほど前から近くに住み、現場前を通勤ルートにしている飲食店従業員の男性(44)は「普段はすごく静かで、これまで住んでいてこんな物騒な事件はなかった。不安なので、どうしてこんなことが起こったのか解明してほしい」と話した。 現場はJR代々木駅からすぐの場所で、近くには明治神宮や新宿御苑がある。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル