大阪府は7日、新型コロナウイルス対策本部会議を急きょ開き、府の独自基準「大阪モデル」に基づき警戒を呼びかける黄色信号を8日から点灯することを決めた。数日中に「直近1週間の人口10万人あたりの新規感染者数が35人以上」という指標に達する見込みとなったため判断した。医療提供体制の逼迫(ひっぱく)に備えて「入院・療養の考え方」も決定した。 府内の7日の新規感染者は676人にのぼった。600人を超えるのは、666人だった昨年9月18日以来。府の分析によると、変異株「オミクロン株」への置き換わりは8割程度まで進んだ可能性があるという。新規感染者が15日に1千人、21日に3千人、25日に5千人を超え、過去最多になるとの試算も示した。 吉村洋文知事は「オミクロン株の感染者の重症化率は低いのではないかという結果も出てきている」としたうえで、「適切な医療資源の配分が重要」と強調。医師らの同意を得た「入院・療養の考え方」では、入院は中等症以上、65歳以上で重症化リスクと症状がある場合などに限るとした。 一方、吉村知事は医療提供体制は逼迫していないとして、現時点でまん延防止等重点措置や緊急事態宣言を政府に要請する必要はないとの考えを改めて示した。大阪を含む近畿5府県の人が大阪に旅行した場合の代金を助成する「大阪いらっしゃいキャンペーン2021」は、12日から新規予約の受け付けを停止する。(久保田侑暉) 大阪府の入院・療養の考え方 【入院】 ・中等症Ⅰ・Ⅱ以上 ・65歳以上で重症化リスクがあり、発熱が続くなどの症状がある人 ・中等度以上の基礎疾患・合併症により入院が必要な人 【宿泊療養】 ・40歳以上で入院の必要がない人 ・40歳未満については、重症化リスクがある人や自宅で適切な感染対策が取れない人 【自宅療養】 ・原則40歳未満で重症化リスクがない人 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
大阪IRの計画案、初の住民説明会 費用負担や依存症などに不安の声
大阪府と大阪市は7日、誘致を目指すカジノを含む統合型リゾート(IR)の計画案をめぐって、住民を対象にした初の説明会を開いた。予定地の人工島・夢洲(大阪市此花区)は、液状化対策などに市が約790億円を負担する必要があることが明らかになっており、参加者からは「790億円のリスクをどう考えるか」といった質問も出た。 府と市は昨年末、2029年秋~冬を開業時期とする区域整備計画案を策定。初期投資額は1兆800億円で、事業者に選ばれた米MGMリゾーツ・インターナショナルとオリックスを中心に、パナソニックやサントリー、JR西日本など20社が出資に加わる。年間1兆1400億円の経済波及効果を見込む。 この日、大阪市内で開かれた説明会には約80人が参加した。府と市の共同部署IR推進局の職員が区域整備計画案の概要を説明し、市民からの質問に答えた。 参加者が「土壌改良の790億円のリスクをどう考えるか」とただしたのに対し、府・市側は「土地の所有者の責任に加え、国際観光拠点など政策的観点も踏まえ、市が負担する。港営事業会計の収支見込みを算出し、資金不足は生じない」と答えた。 別の参加者からの「支出の市民合意がない」との意見には、「議会にはかり、審議をお願いする」と理解を求めた。 ギャンブル依存症についての質問には、府・市側が「しっかり対策すれば、カジノ設置で依存症が増えることは一定抑制できる」と回答。これに対して「増えることは認めるということか」と追加の質問が上がる場面もあった。府・市側は「見解を申し上げる立場にない」としつつ、シンガポールのIRを例に「国を挙げて対策することで、オープン後に依存症の割合は減っているというデータもある」と答えた。 ほかにも「観光需要が回復しない場合のリスクはどの程度か」「パブリックコメント実施についてもっと広く知らせてほしい」といった発言があった。 一方で、賛成する立場の参加者から「事業効果をもっと説明すべきだ」との意見もあった。質疑応答は9人が発言したところで、40分ほどで打ち切られた。 府と市の市民向け説明会は2月14日までに計11回開催される。このほか、住民らが区域整備計画案に意見を述べる公聴会も今月23~29日に計4回予定されている。IRは長崎県と和歌山県も誘致を目指しているが、いずれも公聴会などの予定は決まっていないという。(浅沼愛、箱谷真司、西岡矩毅) 和歌山県が誘致を進めるカジノを含む統合型リゾート(IR)について、建設予定地・和歌山市の市民団体が7日、尾花正啓市長に住民投票条例の制定を直接請求した。市長は今月下旬までに市議会を招集し、条例案を提出する。 市民団体は「カジノ誘致の是非を問う和歌山市民の会」。直接請求に必要な署名数6162筆(有権者の50分の1)の3倍以上となる約2万筆を集め、昨年12月に市選挙管理委員会に提出した。市選管が2万39筆を有効と確定したのを受け、同団体が直接請求した。 地方自治法に基づき、市長は20日以内に市議会を招集し、自らの意見を付けて条例案を提出する。県はIR事業の整備計画を4月28日までに国に提出する予定だが、和歌山市の同意を得る必要がある。仮に住民投票が実施されれば、計画に影響を与えることになる。請求代表者の島久美子さんは「市議のみなさんに深く受け止めていただき、判断してもらいたい」と話した。 県議会の特別委員会では、資金調達などについて、県や運営事業者の説明に不透明な部分が多いとして批判が相次いだ。県は昨年11月から予定していた県民への説明会やパブリックコメントの募集を延期している。県は今月中にIR運営を担う特別目的会社(SPC)の構成や資金調達について説明するとしている。 一方、県内の経済団体はIRに期待を寄せている。県内五つの経済団体が集まった6日の会合で、勝本僖一・県商工会議所連合会長は「雇用も含めて計り知れない経済効果が期待される。IRの実現を強く願う」と話した。(西岡矩毅) 大阪府と大阪市が誘致を目指すIRの整備計画について初めての住民向け説明会が開かれた=2022年1月7日、大阪市中央区、浅沼愛撮影 住民説明会の会場前でIR誘致反対の署名運動をする人たち=2022年1月7日、大阪市中央区、浅沼愛撮影 IRの賛否を問う住民投票条例の制定を求める2万39筆の署名を提出した市民団体=2022年1月7日、和歌山市七番丁、西岡矩毅撮影 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
上野動物園の双子のパンダ、3日間限定で公開 抽選348倍を考慮
2022年1月7日 22時21分 東京都は11日から、都立施設についてもスポーツ施設、図書館、都立公園などを除き原則休館とする。上野動物園も原則、休園とするが、12日から予定していた双子のジャイアントパンダの公開は12、13、14日の3日間、事前抽選で当選した約3千人に限って、観覧を実施する。15日以降の公開は中止する。 都によると、この3日間についてはすでに当選者へ連絡済みで、倍率が348倍と高かったことなどを考慮して限定的に公開することにした。小池百合子知事は7日夜の会見で「観覧を楽しみにされているかと思いますけれども、この感染拡大を何としてでもみんなでまず抑え込んでいくということで進めていきたい」と述べた。 3日間限定となったことについて、10年以上、園に通ってパンダの写真を撮り続けているさいたま市の高氏貴博さん(43)は「これからいっぱい抽選を当てるぞと意気込んでいたので残念」。今回の抽選で自身は外れたが、一緒に行く約束をしていた友人が当選し、12日に見に行く予定だという。「欲を言わない。パンダが寝ていても、お尻だけでも見られたらそれでいいです」と話した。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
大雪影響の救急搬送、都内で525人に 60代男女が重傷
2022年1月7日 22時45分 東京都内では7日、前日の大雪の影響で凍結した路上で足を滑らせたり、自転車のハンドルを取られたりして転ぶ事故が多発した。 東京消防庁によると、管内(稲城市と島部を除く)では午後9時までに381人が医療機関に運ばれた。6日には144人が搬送されており、雪に絡んで救急搬送された人は計525人に上った。0~100歳で、大半は軽傷だが60代の男女2人が重傷という。 首都圏では交通事故も相次いだ。警視庁によると、都内では雪の降り始めから7日午前8時半までに人身事故が77件あった。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
首都圏4知事が共同メッセージ 3連休控え、感染対策の徹底呼びかけ
オミクロン株の感染が急拡大する中、東京、埼玉、千葉、神奈川の首都圏4都県の知事は7日、成人の日を含む3連休に、基本的な感染対策の徹底を呼びかける共同メッセージを出した。元日に4都県で126人だった新規感染者はわずか6日で12倍の1558人まで急増し、「コロナ対応は新たなフェーズに突入した」として、オミクロン株への警戒を求めている。 3連休は各地で人出が増えると懸念され、具体的な対策として、外出は混雑時間・場所を避ける▽会食は少人数・短時間で▽会話は大声を出さず、マスクを着用▽寒くてもこまめな換気を、と呼びかけている。 7日に開いたテレビ会議で、東京都の小池百合子知事は「医療提供体制の逼迫(ひっぱく)はもとより、社会活動の基盤すら揺らぎかねない」と発言。埼玉県の大野元裕知事は「このままだとさらに強い要請を行わないといけない」と懸念を表明した。千葉県の熊谷俊人知事は「オミクロン株の陽性者が急激に増える景色を想像し、早めにルールを変えていくことが重要だ」と訴えた。神奈川県の黒岩祐治知事は、これまでの対策はデルタ株を想定してきた対策だったとして、「このままでオミクロン株にも対応できるのかが焦点となる」と述べた。 また、4都県は政府への共同要望も新たに取りまとめた。オミクロン株の特性を踏まえた政府の今後の対応方針を早急に明らかにすることなどを求めている。(笠原真) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「金融庁に疑われている」など電話 札幌の女性3400万円詐欺被害
2022年1月7日 21時30分 北海道警札幌白石署は7日、札幌市白石区在住の80代女性が特殊詐欺事件で約3400万円をだまし取られたと発表した。 署によると2019年11月中旬、女性に防犯協会職員を名乗る男から「(あなたは)ボランティアに登録されている」「大阪の人が代わりにやってくれることになった」などと電話があった。続けて災害支援団体職員を名乗る男から「大阪の人が不正融資で金融庁に疑われている」、金融庁職員を名乗る男から「あなたも共犯。拘束されないためにお金を払って」などと言われたという。 女性は金融機関で数百万円ずつ現金を引き出し、指定された東京の住所に2回にわたり現金計3400万円を宅配便で送った。金融庁職員を名乗る男からはその後も定期的に連絡があったが、昨年12月10日ごろを最後に連絡が途絶え、署に相談し被害が発覚した。署が特殊詐欺事件として調べている。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「またか」「一律は理不尽」広島の飲食店、時短と酒自粛にため息
新型コロナウイルスへの感染対策を強化する「まん延防止等重点措置」が9日から広島県で適用される。対象地域は当初の5市町から13市町に拡大されることに。時短営業や酒類の提供自粛を求められる飲食店からはため息が漏れ、医療現場は感染者の急増ぶりに危機感を募らせている。 広島県では西部の広島市や廿日市市のほか、東部の福山市や尾道市なども含む13市町が重点措置の対象になった。 県内では7日、過去最多の429人の感染が確認された。前日の1・6倍だ。県の試算では、2日で2倍のペースで感染者が増えた場合、今月16、17日には感染者が8千人に近づく。 7日に記者会見した湯崎英彦知事は「異常な速さで感染が拡大し、医療逼迫(ひっぱく)の恐れが高まってくる。感染状況次第で(重点措置対象市町の)追加や緊急事態宣言はありえる」と語った。 対象地域では飲食店に午後8時までの営業時間短縮と酒類の提供停止を求め、応じた店には協力支援金を支給する。県民には外出の半減や出勤者の削減を求める。対象区域以外も含め、県内で11日以降に予定されるイベントには最大2万人の人数上限を設ける。 広島市中心部にある西日本有数の繁華街・流川。「またか」。ハイボールバーの店長山口隆太さん(38)は肩を落とした。1日の新規感染者ゼロが3週間続いた昨年12月は県外からの客もいて、満席になる日も多かったという。「(感染拡大が)思ったよりずっと速かった。酒がメインなので難しい。休業するしかない」と話した。 沖縄料理屋を営む男性(45)は「数日前から客の流れがピタッと止まった。(感染者の)人数が増えたからだと思う」と語った。営業しても売り上げは協力金の額に届かないとみて、自主的に休業を決めた。 居酒屋を営む男性(43)は感染対策を講じ、県の認証も取っていた。「営業が(一律に)制限されるのは理不尽だ」と憤る。ただ、常連客の大半は高齢といい、「店を開けても来ないから閉めた方がいいよね。葛藤はある」 医療現場は警戒を強める。広島県によると、6日時点で即応できる入院病床(483床)の使用率は26・7%。無症状や軽症の人を受け入れる宿泊療養施設(1566室)の使用率は22・5%だ。 ただ、県医師会でコロナ対策を担当する西野繁樹理事は「これまでのやり方はオミクロン株には通用しない。急速にベッドが埋まり、確実に医療崩壊が起きる」と強い危機感を示す。 これまでオミクロン株の感染者は県の指定病院の専用病床で対応してきた。西野さんは「軽症の人は自宅療養に回ってもらうなど、これまでとは異なるトリアージ(優先順位の選別)が必要だ。基礎疾患がある人や高齢者など、本当に入院が必要な人のベッドを確保しなければ」と話す。 医療従事者が医療現場で感染するリスクに加え、生活の中で感染する可能性も高まっている。沖縄ではすでに多数の医療従事者が感染し、現場への影響が懸念されている。広島市立舟入市民病院の髙蓋(たかふた)寿朗院長は「気をつけていても感染が今までより起こりやすいので、(医療従事者が)休まざるを得ない場合が出てくる」と指摘する。 広島県内では7日、多くの公立学校が授業を再開した。広島市などでは、教室をオンラインでつないだ全校集会も行われた。今後の感染状況により、休校も検討するとしている。 広島市など少なくとも13市町が8日からの3連休に予定していた成人式の延期を決めた。(宮城奈々、松尾葉奈、福冨旅史) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
米駆逐艦の小樽寄港、北海道知事「再考を」 乗員のコロナ対策に不安
米海軍のミサイル駆逐艦「ストックデール」が2月6~11日に小樽港(北海道小樽市)への寄港を打診をしていることについて、北海道の鈴木直道知事は7日の会見で、「地元の不安を払拭(ふっしょく)できない」と述べ、寄港しないよう求める考えを明らかにした。沖縄や山口など在日米軍基地がある地域で新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」の感染が広がっているためで、小樽市もすでに寄港見合わせを求める考えを示している。 鈴木知事によると、外務省や厚生労働省を通じ米軍側に寄港時の水際対策などの情報提供を求めたが、現時点で回答がないという。鈴木知事は「米国では1日100万人の感染者が出ており、不安を払拭できない。速やかに寄港を再考してくれと言わなければいけない」と述べた。道は小樽市とともに早急に米側に伝えたい意向だ。 小樽市によると、寄港時は1日あたり最大で乗組員240人が上陸する見込み。2月5~12日には「さっぽろ雪まつり」が開かれており、小樽市は札幌市とも連名で寄港の見合わせを求めたいとしている。(中野龍三) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
和歌山県でオミクロン株を初確認 市中感染の可能性
和歌山県は7日、新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」の感染者を県内で初めて確認したと発表した。5、6日に発表した感染者のうち、40代の男女と10代女性の計3人。ゲノム解析で判明したという。 県によると、40代女性はすでに新型コロナの陽性が判明している女子大学生の家族。女子大学生は年末年始に京都府から帰省していた。10代女性も陽性者が出た大阪府でのスポーツ大会に参加していたという。 40代男性は感染経路をつかめておらず、和歌山県内での市中感染の可能性があるという。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
福岡市営地下鉄の七隈線延伸 来年3月開通 陥没事故で2年遅れ
松沢拓樹2022年1月7日 19時01分 福岡市は7日、市営地下鉄七隈線の延伸工事(天神南―博多)が来年3月に完了し、全線開通すると発表した。延伸をめぐっては2016年に、博多駅近くの掘削工事現場で大規模な道路陥没事故が起き、開業予定が遅れていた。 市交通局によると、昨年12月にトンネルの掘削工事が完了し、工期のめどがたったという。今後は延伸区間の中間地点に設ける新駅「櫛田神社前駅」などをつくる。高島宗一郎市長は7日の記者会見で「博多駅と天神の南、城南区、西区までがつながり、交通ネットワークが強固になると期待している」と話した。 七隈線は当初、20年に全線開業予定だったが、陥没事故で2年遅れ、事業費も450億円から587億円に膨らんだ。延伸区間は1・6キロ。この区間では1日約8万2千人の利用を見込んでいる。(松沢拓樹) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル