朝日新聞デジタルに掲載の記事・写真の無断転載を禁じます。すべての内容は日本の著作権法並びに国際条約により保護されています。Copyright © The Asahi Shimbun Company. All rights reserved. No reproduction or republication without written permission. Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
女川原発の避難訓練、住民不参加 コロナ拡大、地元が懸念
関根慎一、川村剛志2022年2月4日 19時45分 山口壮原子力防災担当相は4日、今年の原子力総合防災訓練を東北電力女川原発(宮城県)で10~12日に行うと発表した。新型コロナの感染拡大を受け、住民は参加せず、関係機関の職員のみ約2270人で行う。昨年度はコロナ禍で開催を見送っていた。コロナ対策との両立が求められる初の国主催の原発避難訓練となる。 国が避難や屋内退避の対象とする原発30キロ圏の7市町には、約20万人が住む。当初は約400人の住民が参加を予定していたが、感染拡大を心配する地元の意向を尊重し、急きょ不参加が決まった。 住民の「代役」は県職員らが務める。バスや船、ヘリに乗って避難訓練を行う。山口氏は4日の会見で、「コロナが収まれば、住民が参加する訓練もいずれして頂ければいい」と釈明した。 国は2020年に公表したガイドラインで、避難前の検温や間隔を取って避難するといったコロナ対策を示した。宮城県を含む全国9原発の周辺地域が、緊急時対応にコロナ対策を追加したという。 放射能漏れなどの深刻事故が起きた場合、国の方針では、被曝(ひばく)を避けるため原発30キロ圏の避難所や医療機関では原則として換気をしないようにする。換気が必要な場合は、放射性物質の放出状況によって30分に1回、数分間に限るという。訓練では、職員による住民の「代役」がこうした方針に従いつつ、移動中の車内や避難所などで「3密」回避に配慮しながら避難する。 現地での訓練参加者は事前にPCR検査を受検。その後も毎日、抗原検査を実施し、避難対応の拠点となる「オフサイトセンター」に入る人数も半数に絞る。 女川原発2号機は、原子力規制委員会の審査で安全対策の基本方針が認可され、再稼働に必要な「地元同意」も得たが、住民の避難道の整備などが課題になっている。 住民の不参加について、地元の「原発問題住民運動県連絡センター」世話人の中嶋廉さんは「コロナの流行時に事故が起きたらどうするのか。避難計画はコロナにも弱いと示された」と話す。女川町は「住民に負担を掛けたくないと判断した」(同町企画課)と説明している。 東京大学大学院情報学環総合防災情報研究センターの関谷直也准教授は「自然災害とは異なり、原発事故の避難では感染と被曝リスクの比較考量が必要になり対策が複雑。感染が収束した段階で、改めて住民も参加した訓練を行うべきだ」と指摘する。(関根慎一、川村剛志) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
国内初の「内密出産」へ 「覚悟」の前に立ちはだかる壁 慈恵病院
国内初の「内密出産」に踏み切る熊本市の慈恵病院。匿名での出産を望む女性の意向と赤ちゃんの安全を最優先した上での判断だったと説明する院長の口ぶりには、強い覚悟がにじんだ。違法性を問われないか、赤ちゃんの戸籍をどう作るか、出自をどう伝えるのか――。今後の手続きには様々な壁が待ち受ける。 4日朝、病院の一室で開かれた記者会見。内密出産に踏み切る理由を問われた蓮田健院長は「赤ちゃんの遺棄や殺人をなくしたいというのが目標。そもそもの目的に立ち返って、社会の皆さんにもご理解頂きたい」と訴えた。 病院は14年前、日本で初めて「こうのとりのゆりかご(赤ちゃんポスト)」を設置した。親が育てられない赤ちゃんを匿名で預かる仕組みだが、蓮田院長は「ゆりかごでは、自宅で一人で出産するケースを手当てできない残念な思いがあった。内密出産は病院の中で無事に出産し、保護できる」と語り、母子の安全確保の観点から「内密出産は素晴らしいと私は思っている」と言い切った。 蓮田院長は昨年から赤ちゃんの殺人や遺棄の裁判に関わり、死に至る状況や母親の置かれた厳しい環境を目の当たりにしてきた。内密出産について「安易な育児放棄を助長するという批判はあるかもしれないが、まずは赤ちゃんには罪も責任もないという所から始めなければ」とし、安全な出生と保護を最優先すべきだとの考えを繰り返した。 女性は病院に対し、「特別養子縁組の意向は変わらない」と説明。自らインターネットで調べ、「自分が育てるよりも、養親が育てた方が幸せになる」と決断の理由を伝えたという。 匿名での出産にこだわった理由について、蓮田真琴新生児相談室長は「親による過干渉で支配されているような感じだった」と説明。「中絶という選択肢もあったと言われると思うが、妊娠したと(親に)伝えることができなかった」として、女性の置かれた状況に理解を示した。 内密出産は、女性が病院の担当者だけに身元を明かし、後に子どもが望めば出自を知ることができる仕組みで、女性は「18歳もしくは20歳くらいで開示したい」との意向を示したという。蓮田院長は「大事なことはお母さんとつながり続けること。赤ちゃんが大きくなって、いつ何を希望されるのかまだ分からない」として、女性との関係を継続する考えを示した。 病院は月内にも出生届を出す方針だが、課題は山積みだ。蓮田院長は「内密出産は試行錯誤の状態だが、立ち止まるわけにはいかない。発生する問題を一つ一つ解決していくしかない」と表情を引き締める。 戸籍法は、親の名前を記さずに出生届を出すケースを想定していない。内密出産では、病院の担当者が母親の身元情報を把握しているのが前提で、院長が名前を「空欄」のまま出生届を出した場合、刑法の公正証書原本不実記載罪に当たるおそれがないか法務局に照会している。 また、父母が出生届を出さない場合、出産に立ち会った医師が出すことを求めるが、出さなくても罰則を科されるとは考えにくい。それでも、蓮田院長は「赤ちゃんを無戸籍状態にするということで、私も含めて社会が見放したということになる。私の良心からもそれはない」と断言し、母親を匿名にしたまま出生届の提出に踏み切る考えだ。 母親名が無記名の出生届が出されれば、熊本市が受理して戸籍を作るかが次の課題となる。病院は親が分からない「棄児」の場合に準じて赤ちゃん単独の戸籍を作ることを想定するが、行政は前例がない中で判断を迫られることになる。 女性は赤ちゃんが18~20… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
京都・滋賀・奈良・富山で過去最多 新型コロナウイルス感染確認
京都 2878人 京都府と京都市は4日、新型コロナウイルスに新たに2878人(府965人、市1913人)が感染し、3人が死亡した、と発表した。1日あたりの新規感染者としては2日の2777人を上回り、過去最多となった。累計の感染者数は再陽性を含めて延べ7万5352人。死者は307人となった。 滋賀 1129人 滋賀県は4日、新たに1129人の新型コロナウイルス感染者を確認したと発表した。1月28日の977人を上回り、過去最多となった。県内で確認された感染者の総計は2万6644人となった。 奈良 1017人 奈良県は4日、新たに1017人が新型コロナウイルスに感染したと発表した。1日あたりの新規感染者としては1月28日の1004人を超え、過去最多。県内の感染者は延べ2万9900人。90代女性(田原本町)の死亡が確認され、県内の死者は160人になった。 富山 341人 富山県は4日、新たに341人が新型コロナウイルスに感染したと発表した。1日当たりの感染者数としては、3日連続で過去最多になった。県内の累計感染者数は8255人。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
勾留中の女性にわいせつか 大垣署の巡査長を逮捕 留置場で複数回
警察署の留置室内で勾留中の女性にわいせつな行為をしたとして、岐阜県警は4日、大垣署留置管理課の巡査長杉山泰弘容疑者(31)=同県各務原市那加門前町=を特別公務員暴行陵虐容疑で逮捕し、発表した。 県警監察課によると、杉山容疑者は昨年12月23日~1月4日、留置施設で1人勤務になる時間帯に、勾留中だった30代の女性に複数回、わいせつな行為をした疑いがある。動機について調べている。杉山容疑者は「相手の方に迷惑をかけて申し訳ない」と話し、容疑を認めているという。 女性の釈放後の1月21日に女性の関係者から監察課に「大垣署の警察官が女性に連絡をしてきている」との電話があり、発覚した。 留置室の鍵は、昼間は留置管… この記事は有料会員記事です。残り145文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
日弁連の新会長に小林元治氏 元東京弁護士会長
3人の弁護士が立候補した日本弁護士連合会(約4万3千人)の会長選が4日投開票され、小林元治(もとじ)氏(70)=東京弁護士会=が選出された。14日の選挙管理委員会で正式に決まる。任期は4月1日から2年間。 小林氏は岡山県出身で、中央大法学部卒。東京弁護士会長や日弁連民事司法改革総合推進本部長代行などを歴任した。 当選後の会見で、「資力の乏… この記事は有料会員記事です。残り201文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「キラーコンテンツ」ぐんまちゃん、予算1億円増 広報番組はカット
群馬県は4日、新年度の一般会計当初予算案(総額8187億600万円)を公表した。159件の事業を見直し、約8億7千万円を削減。緊縮が目立つ中、21年度比で1億円増やした事業がある。 それは、県のマスコットキャラクター「ぐんまちゃん」のブランド化(4億3184万円)だ。 「ぐんまちゃんは、群馬県最大のキラーコンテンツと言っても過言ではない」 4日の記者会見でこう力説したのが、山本一太知事だ。昨秋から年末にかけて13回放送したテレビアニメで「続編を来年度も制作する」と表明。ツイッターでのトレンド(流行)入りなどを根拠に「ぐんまちゃんは、ブランド戦略の中核の一つ。十分な投資効果がある」と述べた。 一方、群馬テレビ(群テレ)で1971年4月の開局から続いていた県の広報番組は打ち切り、8683万円を削減した。 現在放送中の広報番組は、毎… この記事は有料会員記事です。残り730文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
スターフライヤーで乗客が骨折、先月16日 運輸安全委が調査
国土交通省は、先月に羽田発北九州行きのスターフライヤー機(エアバスA320―214型、乗客乗員56人)が飛行中に揺れた際、はずみで乗客1人が肋骨(ろっこつ)を折るけがをしたと、4日発表した。 事故は1月16日午後7時5… この記事は有料会員記事です。残り110文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
救急車のAEDバッテリー切れ 70代女性、搬送先で死亡 成田
上沢博之2022年2月4日 22時17分 千葉県成田市で4日、心肺停止状態になった同市内の70代女性に救急隊が救命措置を行った際、救急車に載せていた自動体外式除細動器(AED)がバッテリー切れで作動しなかったことがわかった。女性は搬送先の病院で死亡した。市消防本部は、女性の死因や、AEDが使えなかったことと死亡との因果関係を調べているという。 同本部の発表によると、4日午後1時20分ごろ、女性の具合が悪く、手のひらから出血していると、近くの住民から119番通報があった。救急隊が女性宅に到着した時、女性に意識はあったが、心肺停止状態となったため救急車のAEDを使おうとしたものの作動しなかったという。 同本部はバッテリー切れについて「AEDの日常点検を怠ったため」と説明。「このような事案を二度と発生させないよう再発防止の徹底を図り、市民の信頼回復に努めてまいります」とのコメントを出した。(上沢博之) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
値上げで給食にも影響、鶏もも肉→むね肉に スーパーで高騰の野菜は
給食のメニューをより安いものに見直し、スーパーでは好きな食材を控える――。食品や調味料などの値上げが相次ぐ中、様々な現場で工夫と我慢が続く。 東京都府中市の33の市立小中学校に給食を届ける学校給食センター。大木忠厚副所長は「給食費の値上げが現実的に難しいなかで、使う食材を見直して栄養バランスや量を保つしかない」と頭を悩ます。油類や小麦粉に加え、トマトケチャップなど調味料の仕入れ値が上がっているという。 サケはサバに、パンはスライス そこで、たとえば、鶏もも肉… この記事は有料会員記事です。残り1480文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル