「顔を見て実体として相手を認識し、少し楽にはなった」 東京都の大学生、福田和香子さん(28)は2021年2月、東京地裁の証人尋問でその女性と初めて相対した。どうあっても自分の書き込みは正しかったと信じている様子に怖さを感じる一方、自分を敵視する存在を「実体」として見られたことに、少しは意味があったと思ったという。 その女性とは、ツイッターなどで福田さんに対し、おびただしい数の誹謗(ひぼう)中傷を匿名で書き続けた人物。福田さんは発信者情報の開示請求を経て、この女性に損害賠償を求める訴訟を起こしたが、証人尋問までは相手の顔が見えない状態が続き、精神的にもこたえていたという。「顔がわかるって、こんなにも大事なんだと思った」 福田さんは安全保障関連法制に反対した学生団体「SEALDs(シールズ)」の元メンバー。国会前デモやSNSでの発信などを強めた15年夏を中心に、他のメンバーとともに、ツイッターやまとめサイトなどで、すさまじい誹謗中傷を受けた。 当初は安保法制賛成派からの批判もあったが、次第に「女性メンバーの見た目をけなしたり褒めたりして性的に消費・嫌がらせをする書き込みや、『女が政治に口を出すな』『女にわかるわけがない』といった書き込みも増えた」。まるで、「すべての人が攻撃してくる」かのような錯覚も覚えるほどだったという。 誹謗中傷に苦しむ福田さんたちは、誰が投稿したのかを明らかにするための行動に出ます。その後、実際に誹謗中傷を投稿した人物と法廷で向き合いました。裁判の行方は…。そして被害者へのケアについて考えます。 開示請求、そして投稿者が判明 強まる誹謗中傷に耐えきれず… この記事は有料会員記事です。残り2093文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
横浜中華街で火災 土産物店内で見つかった男性1人死亡
大宮慎次朗、小寺陽一郎2022年2月11日 12時11分 【動画】横浜中華街で起きた火災=読者提供、大宮慎次朗撮影 11日午前10時半ごろ、横浜市中区山下町の横浜中華街で、3階建てビルの1階から黒煙が出ていると119番通報があった。神奈川県警加賀町署によると、ビル1階の土産物店「インポート西芳(さいほう)」付近から出火し、店内で高齢男性が見つかったが、間もなく死亡が確認された。 署によると、男性は、入り口から約5メートル中に入った付近で見つかったという。ほかにけが人の情報は入っていないという。 現場は中華料理店などが集まる横浜中華街の中心部。消防車両など35台以上が出動し、付近には規制線が張られ、騒然となった。(大宮慎次朗、小寺陽一郎) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
製菓工場で火災、4人心肺停止 ほかに2人と連絡取れず 新潟・村上
2022年2月12日 4時11分 11日午後11時50分ごろ、新潟県村上市長政の三幸製菓荒川工場から出火した。県警村上署によると、現場で4人が心肺停止状態で発見されたという。ほかに、1人が煙を吸い、病院に搬送された。また、村上市消防本部によると、このほかに少なくとも2人と連絡が取れていないという。現場では消火作業が続いている。 現場はJR平木田駅から北東に約1キロで、住宅街に近い田園地帯。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
大使館御用達の中東スイーツ店、なぜ埼玉に 五輪では100キロ受注
埼玉県狭山市に、トルコの伝統菓子「バクラヴァ」を売る店がある。日本人になじみの薄いスイーツだが、中東諸国の大使館御用達の隠れた人気店。ご多分に漏れず、店はコロナ禍の影響で売り上げが大幅に減ったが、日本人からの注文が増えているという。 店名は「HASEL FOODS(ハセルフーズ)」。西武新宿線新狭山駅から約1・5キロ離れた街道沿いで、茶畑の脇に立つ店の看板が目を引く。地中海東部のキプロス島から来日したヌリ・ハサンさん(58)が約9年前に輸入食品販売店として開業した。 バクラヴァは、何層も重なったミルフィーユのような生地にピスタチオやナッツを挟んで焼き、甘いシロップをからめた菓子。トルコをはじめ、中近東などで親しまれている。トルコのパンなど様々な食品を扱う同店でも、工房で作るバクラヴァは主力商品。ハサンさんは「私の知る限り、日本で一番古くからバクラヴァを作っている店」と胸を張る。 日本での取扱店が少ないため… この記事は有料会員記事です。残り1178文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
温泉掘ったのに、毎分2リットル… 危機打開した武蔵村山の「妙手」
東京都武蔵村山について調べていると、2002年4月の朝日新聞多摩版の記事が目についた。 《「かたくりの湯」でホッとして 武蔵村山 27日にオープン》 11億4千万円をかけ、街おこしのために市営温泉を作りましたという、短い記事だ。武蔵村山に温泉。そんなイメージはなかった。 市内に多く咲く紫の花から名前を取った温泉は、埼玉県所沢市と接する山のふもとの都立公園のすぐ近くにある。休日に訪れてみると、公園内のアスレチックで一汗かいて、そのまま温泉に向かう親子連れが多かった。170台を止められる駐車場には、多摩や八王子のほか、所沢や高崎といった都外のナンバーも目立っていた。 開業から20年ほどが経ち、すっかり街の憩いの場になったように見えるこの温泉。当時の関係者に話を聞いて驚いた。実は、掘削時に頓挫しかけていたというのだ。 目を付けた「大深度掘削」 観光資源にとぼしいとされる武蔵村山。悲願であるモノレール誘致のためにも、市の内外から人を呼び込める「目玉」を作りたい。そこで市が計画したのが、温泉掘削事業だった。 火山があるわけでもない武蔵村山で、なぜ温泉なのか。答えは温泉法にあった。温泉の条件として定められた基準は二つ。ひとつは、いわゆる「温泉成分」とされる特定の19項目の物質を一種類でも含んでいること。もうひとつは、源泉の温度が25度以上であること。どちらかを満たせばいい。 温泉は深さ数百メートルからくみ上げるのが一般的だが、近年の技術の進歩で、地中1千メートル以上まで掘る「大深度掘削」が増えていた。地球内部により近い「大深度」から水をくみ上げれば、「25度以上」を満たせるんじゃないか。そんな計算だった。 当時の市の建設課長として現場を仕切った比留間信男さん(75)の手元には、1997年に市が作成した「温泉補足探査委託報告書」がまだ残っている。掘削の場所を決めるためまとめた報告書には、こうある。「(温泉湧出(ゆうしゅつ)量は)周辺の掘削による温泉データから武蔵村山市の場合を推測すると、毎分80~150リットル程度と考えられる」 この推測が外れたのだ。地中… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
重さ60キロのカバーが落下か、日本貨物航空の貨物便 成田で判明
上沢博之2022年2月12日 0時13分 中国の上海浦東空港から成田空港に11日夜に到着した日本貨物航空の貨物便(B747―8型)の左主翼から、「フェアリング」と呼ばれる一部金属のプラスチック製カバー(重さ60キログラム)が欠落していたことがわかった。 国土交通省成田空港事務所が発表した。欠落したフェアリングは長さ4・4メートル、幅60センチ、高さ75センチ。翼のフラップの機械部分を覆っていた。上海浦東空港を離陸後に落下したとみられるが、カバーは見つかっておらず、被害は確認されていないという。 部品の欠落は、成田空港に同日午後9時ごろに着陸した後の点検で判明。成田国際空港会社は午後10時13分から約10分間、A滑走路を閉鎖して落下物の有無などを点検したが、異常は見つからなかった。国交省成田空港事務所は「大きな部品欠落の事案に該当する」としている。(上沢博之) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
おいを強盗殺人容疑で逮捕 6年前の高齢女性殺害 北海道・釧路
角拓哉2022年2月11日 14時30分 北海道釧路市の住宅で2016年1月、一人暮らしの田中弘子さん(当時80)が殺害された事件で、道警は11日、田中さんのおいの会社員田中治樹容疑者(49)=同市芦野1丁目=を強盗殺人の疑いで逮捕し、発表した。「私はやっていません」と容疑を否認しているという。 捜査1課によると、治樹容疑者は16年1月14日夕~深夜、同市愛国西2丁目の弘子さん宅で、弘子さんの頭部を鈍器のようなもので殴って殺害し、現金約20万円を奪った疑いがある。 弘子さんの死因は脳挫傷だった。治樹容疑者は弘子さんから借金があったという。 弘子さんは16年1月15日午後4時ごろ、自宅の居間で倒れているのを知人に発見された。遺体の頭部に袋がかぶせられており、玄関は無施錠だった。道警は殺人事件として釧路署に捜査本部を設置していた。(角拓哉) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
あおり運転後、現金奪い逃走 土下座させ殴打も 大阪の国道バイパス
2022年2月11日 17時26分 11日午前2時55分ごろ、堺市堺区京町通の国道26号バイパスで、同市の男子大学生(21)ら3人が乗ったワンボックス車から「車間を詰められている」と110番通報があった。 大阪府警によると、ワンボックス車は前方に割り込んだ車によって停車させられ、降りてきた男が大学生らを棒で殴り、現金約1万5千円と車の鍵を奪って逃げたという。堺署が強盗傷害容疑で捜査している。 署によると、バイパスは片側2車線。大学生らは約750メートルにわたり、前に割り込まれて速度を緩められたり、車線を変えても進路をふさがれたりしたと説明している。同乗の女性(21)が110番通報した。 近づいてきた男が「降りてこい」と怒鳴って大学生らを降車させ、腕などを棒で殴ったり、土下座させたりした。さらに「金を出せ」と脅し、3人から現金などを奪ったという。うち男子大学生2人が打撲などのけがをした。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
児相、内縁夫の「叱ったが反省」受け入れ 保護を解除 女児虐待
岡山市で5歳だった女児を鍋の中に長時間立たせる虐待をしたとして母親と内縁の夫が逮捕された事件で、市の児童相談所が2020年9月に女児を一時保護した際、内縁の夫が「叱ったが反省している」と児相に話していたことが分かった。児相はこの説明を受け入れて2週間で保護を解除したが、以降は一度も男に会えていなかった。 女児は保護解除の約1年後、虐待後に意識不明で搬送され、今年1月に死亡した。市は外部有識者の審議会で対応を検証する。 女児は西田真愛(まお)ちゃん。死亡時は6歳だった。岡山県警が強要容疑で逮捕したのは、実母の西田彩容疑者(34)と内装工の船橋誠二容疑者(38)。船橋容疑者は容疑を認め、西田容疑者は否認しているという。 市によると、20年9月に「真愛ちゃんが墓地に立たされ男に叱られている」との通報があり、県警が真愛ちゃんを保護し、市こども総合相談所(児相)に通告した。児相は同24日に真愛ちゃんを一時保護し、西田容疑者と3回、船橋容疑者と2回それぞれ面談した。男による虐待の疑いを伝える通告は19年4月からあったが、児相が船橋容疑者と会ったのはこの時が初めてだった。 児相によると、船橋容疑者は「(真愛ちゃんが)騒ぎ続けたので連れ出し叱った」と説明。過去にも墓地で2~3回、叱ったと話した。西田容疑者もこの行為を知っていたという。 その後、2人が「今後はしな… この記事は有料会員記事です。残り362文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
旭川女子中学生死亡、失踪1年 「同世代怖い」つらい思い届かず
北海道旭川市で、2021年2月、市立中学校2年だった広瀬爽彩(さあや)さん(当時14)が自宅から失踪し、13日で1年がたつ。広瀬さんは1カ月後に、市内の公園で遺体で見つかった。中1の時にいじめを受けていた疑いが強まり、市教育委員会の第三者委員会が調査を進めている。ネット上の投稿などから、広瀬さんが不登校となった後も苦しみ続けた様子が、浮かび上がっている。 遺族側によると、広瀬さんは19年、中1の1学期に、他の生徒たちにおごらされたり、自身の性的な写真や動画を求められたりするようになったという。6月にこれら生徒の前でパニックになって川に飛び込む自殺未遂をし、すぐに入院。夏休み中に市内の別の中学校に転校した。 ただ、転校先で広瀬さんは不登校になった。そのつらい思いについて20年5月、ツイッターに投稿していた。新しい学校に慣れようと努力したが「前みたくうまく話せなくなってました。同世代がとても怖かった」。ネットの世界に閉じこもるようになり、「勉強も今は遅れがひどくて何も分かりません。頑張らなきゃという気持ちだけが空回りしている」と訴えた。 「もういじめを受けてから1年たちそうなのに私は何もできません」。心の傷は癒えなかった。 母親によると、広瀬さんは新しい学校にほとんど通えず、登校しても過呼吸をおこしたり、吐いたりし、1時間くらいで帰ってきたという。家でもほとんど部屋に引きこもり、パソコンに向かっていたようだという。 ネットの番組に、切々と相談 母親によると、広瀬さんは家… この記事は有料会員記事です。残り2038文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル