東京都は14日、性的マイノリティーのカップルの関係を公的に認知する「都パートナーシップ宣誓制度」の素案を公表した。手続きはオンラインで済ませることができ、子どもの名前も証明書に記載できる案となっている。来月31日までパブリックコメントを募集。6月議会に条例改正案を出し、今秋の制度導入を目指す考えだ。 対象は双方、またはいずれかが性的マイノリティーで、互いを人生のパートナーとして人権を尊重し、継続的に協力し合うことを約束した成人の2人。少なくともどちらかが都内在住、在勤、在学していれば申し込める。都は都人権尊重条例を一部改正し、仕組みを導入する。 希望者は戸籍抄本や住民票などを都に提出し、都が確認のうえ受理証明書をオンラインで発行する。証明書には交付番号や2人の氏名、生年月日などを記載し、希望に応じて「通称名」や「子の名前」も入れることが可能だ。証明書をもつ人たちに対しては都が年1回程度、定期的にメールで連絡。施策の情報提供や困りごとの把握につなげるという。 証明書は、医療や住宅に関する契約の場面での活用が想定されている。手術の同意や、賃貸申し込みの際、2人の関係性を示すことができるためだ。ただ、都はそれを受け取る側の「民間事業者の理解が大切」としており、今後、都民向けの啓発などにも力を入れていくとしている。 オンライン発行を可能としたのは、性的マイノリティーの当事者たちが手続きのため窓口に訪れた際、意図せず第三者に伝わることなどへの不安の声にこたえるものだという。申し出があれば、最新の日付を記載した証明書もオンラインで発行する。 都によると、都内では現在、渋谷区や世田谷区、府中市や小金井市など計13区市で同様の制度を導入。都道府県レベルでは茨城、大阪、群馬、佐賀、三重、青森の6府県が導入しているという。(釆沢嘉高) 東京都パートナーシップ宣誓制度の素案 ・都内在住、在勤、在学の成人が対象 ・証明書はオンラインで発行 ・「通称名」「子の名前」の補記が可能 ・関係解消などの際は変更届を提出 ・最新日付の証明書もオンラインで発行 ・都がメールで関連施策などを情報提供 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「ファーストクラスのスムーズさ」 公明・遠山元議員の共犯者が供述
コロナ対策で日本政策金融公庫が行った計約37億円の融資を違法に仲介したとして、貸金業法違反の罪で在宅起訴された元衆院議員の遠山清彦被告(52)=公明党除名=が14日、東京地裁の初公判で起訴内容を認め、「政治不信を招き深く反省している」と謝罪した。 検察側の冒頭陳述によると、遠山元議員は公庫が2020年3月に始めたコロナ対策融資で、太陽光関連会社「テクノシステム」の元顧問で政治ブローカーの牧厚被告(74)=同罪で在宅起訴=と共謀するなどして計111件(約37億円)の融資仲介を無登録で行ったとされる。 遠山元議員は16年ごろに知り合った牧被告からさまざまな依頼を受けるようになり、牧被告から「たびたび数十万から100万円の現金の提供を受けていた」という。 検察側は、議員辞職した21年2月以降も仲介を続けたとも主張。手数料として受け取ったとされる計約1千万円は「投資信託の購入費や生活費に充てていた」と説明した。 「円滑かつ迅速な調査を行い、紹介者に配慮した丁寧な対応をしていた」――。公判では公庫職員の供述調書が朗読されるなどし、議員らが紹介者となった場合の「特別対応」(公庫職員)が明かされた。 議員ら「紹介案件」は「特別対応」 調書や関係者の話によると、公庫では、国会議員、地方議員、公庫を所管する財務省や経済産業省の職員、公庫役員らが紹介者となった案件を「紹介案件」や「紹介口」と位置づけ、紹介者に配慮して通常とは異なる対応をしてきた。課長以上が対応し、融資を断る場合は紹介者に理由を説明するなどという特別な取り扱いで、対応マニュアルも作成。国会議員や秘書の場合は本店の担当部門に対応を集約していた。マニュアルには「紹介の有無に関わらず、企業内容を適切に判断する」と記されているという。 一方、コロナ融資では、希望者が殺到して都内の支店では2時間待ちの行列ができる中、「紹介案件」の事業者らは担当課長と直接電話で助言を受けることができた。融資相談の面談を審査の面談として扱ってもらうこともあった。公庫職員は紹介案件ゆえの「メリット」だと認識していたという。 遠山元議員の共犯とされたテクノ社の牧元顧問は、紹介案件の審査は「スムーズに進んだ」と供述し、「ファーストクラスの客が先に飛行機に乗り込むイメージ」と例えたという。 社長らが融資金の詐欺罪で起… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
大雪運休、国交省がJR北に原因究明要求 札幌発着は通常ダイヤに
大雪で運休や遅れが相次いだJR札幌駅発着の列車は14日から、通常ダイヤでの運転を再開した。JR北海道は6日の札幌周辺での大雪後に除雪に手間取り、7日は札幌発着の全列車を運休する異例の事態となった。その後除雪を進め、徐々に運転する列車を増やしてきた。国土交通省の北海道運輸局は14日、JR北の島田修社長を呼び、大幅な運休の原因を究明して報告するよう要求。島田社長は第三者も交えた検証を行う方針を示した。(榧場勇太、佐藤亜季) 札幌市では6日、過去最多の降雪となるなど記録的な大雪となり、JR北の列車は相次いで駅や線路で足止めされた。停止列車が除雪の妨げとなり、運休が長期化。7日は札幌発着の全列車が運休する異例の事態となった。小樽や千歳を結ぶ基幹路線の運休で、新千歳空港へ向かう人や通勤・通学に大きな影響が出た。 14日午後、JR北の島田社長は道庁と北海道運輸局を相次いで訪れ、鈴木直道知事と岩城宏幸・北海道運輸局長と面談した。 岩城局長は島田社長に対し、「記録的な大雪で長期間の運休が発生し、札幌圏の輸送サービスが提供できない極めて異例な事態が発生した。長期にわたり運休に至ったことは深刻に受け止めなければならない」と指摘。大雪の対応への検証と改善策を3月16日までに報告するよう指示した。 具体的に報告を求める点として、降雪状況の確認と運転規制・計画運休のあり方▽災害レベルの大雪に対する除雪体制▽利用客への情報提供▽降雪に対応する鉄道施設のあり方の4点を挙げた。 これに対し島田社長は「大変なご迷惑をおかけし、公共交通機関としての使命が果たせず大変申し訳ない。早急に改善策を取りまとめて報告したい」と述べた。その後記者団に対し、同社の安全アドバイザー会議のメンバーなど社外有識者の意見も聴き、報告をまとめる意向を示した。 この前に面会した鈴木知事は… この記事は有料会員記事です。残り559文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
談合を町議が追及、町長全否定 南富良野町 官製談合疑い
有料会員記事 井上潜、平岡春人、川村さくら、角拓哉2022年2月14日 21時03分 北海道南富良野町で町長6期目の池部彰容疑者(72)が、道の駅「南ふらの」の機械設備工事をめぐり逮捕された。容疑は入札参加業者に工事価格をもらしたというもの。不正に関する情報は入札前、町に寄せられていた。町は調査委員会を設けたが、「問題はない」と判断。町議会の一般質問での追及に池部町長は関与を否定していた。 道警は14日、池部町長を官製談合防止法違反と公契約関係競売入札妨害の疑いで逮捕。工事価格を漏洩(ろうえい)させて工事を落札したとして、上富良野町西町2丁目、会社役員有我充人(54)、南富良野町下金山、会社役員秋山隆(70)の両容疑者も公契約関係競売入札妨害の疑いで逮捕した。道警は町役場など関係先を家宅捜索した。捜査に支障があるとして認否を明らかにしていない。 漏洩があったとされるのは、道の駅「南ふらの」の再編整備事業に関する機械設備工事の入札情報。町によると、旭川市以南の上川地域6市町村内に本店がある業者に参加を限定する「地域限定型一般競争入札」で、昨年6月18日に実施した。 四つの特定建設工事共同企業体(JV)が参加し、有我容疑者が代表会社社長を務めるJVが落札。予定価格は1億2290万円(税抜き)で、落札率は98%だったという。 捜査2課によると、池部町長は昨年5月中旬ごろ、秋山容疑者を通じ、有我容疑者に予定価格を算出するもとになる工事価格を漏らした疑いがある。 池部町長は町財税課長を経て2000年4月に初当選し、現在6期目。6選を決めた20年4月の町長選を含めて過去4回で無投票当選していた。 入札の不正情報の端緒をつか… この記事は有料会員記事です。残り531文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
大阪ビル放火の遺族「無職と算定、弊害大きい」 補償充実、国に訴え
大阪市北区の雑居ビル内にあるクリニックで25人が犠牲になった放火殺人事件を受け、一般社団法人「犯罪被害補償を求める会」(神戸市)が14日、遺族らへの補償を充実するよう求める要請文を岸田文雄首相宛てに送った。 国の犯罪被害者等給付金の金額は、事件当時の被害者の収入や年齢などに応じて算定される。 要請文は、今回の事件の被害者の多くは無職だったとみられ、さまざまな理由で診療の必要が生じ、やむなく解雇されたり、退職したりしていたと説明。給付額が、死亡事故の被害者に最高3千万円が賠償される自動車損害賠償責任保険(自賠責)の「3分の1程度」になる恐れもあるとし、自賠責と同等の補償を求めた。 府警は今年度内にも、殺人などの疑いで谷本盛雄容疑者(61)を、容疑者死亡のまま書類送検する方針。(米田優人、山本逸生) 犯罪被害者への補償充実を求める要請に合わせ、大阪市北区の放火殺人事件で家族を失った遺族2人がコメントを出し、「『無職』と算定される弊害はあまりに大きい」などと訴えた。 子どもを残して亡くなった男… この記事は有料会員記事です。残り478文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
マンションで男女が意識不明 宅配業者装い押し入ったか 大阪・高槻
2022年2月14日 23時02分 14日午後6時5分ごろ、大阪府高槻市登美の里町のマンションで、「近所の人から家に泥棒がいると伝えられた」と110番通報があった。府警によると、3階建てマンションの2階通路で男女が血を流して倒れており、2人は意識不明の重体で病院に搬送された。いずれも外傷があり、府警が事件とみて調べている。 高槻署によると、倒れていたのはこのマンション2階に住む職業不詳の女性(40)と、20代くらいの男性。女性の頭には打撲痕が、男性の胸には刃物による傷があったという。 女性と同居する娘は同署に対し、「男が宅配業者を装って室内に押し入ってきた」と話したという。娘は事件発生時に家にいて外に逃げて助けを求め、その後に部屋近くの通路で母親と男性が倒れているのを見つけた。倒れていたのは家に入ってきた男性とみられるという。 近所の女性によると、午後6時過ぎに近くで女性の悲鳴を家族が聞き、パトカーや救急車が来た。「何が起きたのかわからないが、とにかく怖い」と話した。 現場は阪急京都線富田駅から南東に約700メートルの住宅街。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
福岡・嘉麻市の5人死亡火災 通報後10分で住宅のみ込んだ炎
有料会員記事 加治隼人、板倉大地、徳山徹、杉山あかり2022年2月14日 21時40分 福岡県嘉麻市の住宅で家族5人が死亡した火災は、14日で発生から1週間が経った。出火からごく短時間で建物全体が激しく燃えた、当時の様子を消防隊員が証言した。専門家は、出火後に煙が階段を通じて2階に広がり、家族が逃げ遅れて被害が拡大した可能性を指摘する。 通報から10分弱、火の手はすでに住宅全体をのみ込んでいた 「他の火災と比較はできないが、通報から早い段階で家全体に火が回ったと感じ、驚いた」。消火活動を指揮した、飯塚消防署の北代英治副署長はこう振り返った。署に最初の119番通報が入ったのは、7日午前6時52分。北代副署長も隊員と約7キロ離れた現場へ急いだ。その4分後には「逃げ遅れ4人の模様」との情報が入った。 着いたのは、午前7時1分。先着した別の隊が放水を始めていたが、通報から10分弱にもかかわらず、火の手は住宅全体をのみ込み、火柱が上がっていた。窓から火が噴き出し、2階の一部はすでに焼け落ちた状態だった。消防車や救急車計15台が出動し、鎮火したのは出火から約3時間半後だった。 この火災では、会社員坂本憲… この記事は有料会員記事です。残り839文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
神社でも放火の疑い 女性死亡の火災で起訴された男を追送致
板倉大地2022年2月14日 21時52分 昨年3月に北九州市八幡西区の住宅兼酒店が全焼し、住人の女性(当時82)が死亡した火災で、現住建造物等放火罪などで起訴された男が、同市小倉北区の貴布禰(きふね)神社などにも火をつけたとして、福岡県警は14日までに、男を非現住建造物等放火などの容疑で福岡地検小倉支部に追送致し、捜査を終えたと発表した。いずれの容疑についても黙秘しているという。 男は住居不定、無職の森本晴政容疑者(49)。県警捜査1課によると、2020年11月~21年1月、小倉北区長浜町の貴布禰神社や同区のマンションのゴミ置き場、八幡西区のマンション駐輪場の自転車に何らかの方法で火をつけ、社殿やゴミ、自転車などを焼損させた疑いがある。いずれも近くの防犯カメラの映像などから特定したという。 森本容疑者はこのほか、八幡西区の住宅兼酒店を全焼させたとされる事件など、21年2~3月に起きた4事件について起訴されている。(板倉大地) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「国民の皆様へ」 国大協が異例の談話 「鎖国」めぐり大学に危機感
新型コロナウイルスの水際対策をめぐって岸田文雄首相が緩和の検討を表明し、海外から「鎖国」とも言われている状態に変化の兆しが出てきた。外国人留学生の受け入れが激減していただけに、国内の大学関係者の間では歓迎の声が出ているが、同時に不安の声も漏れる。 留学生を含む外国人の入国制限は昨年11月に緩和されたが、オミクロン株の拡大で再び強化された。現在も1日あたりの入国者を3500人に制限し、外国人の新規の入国は原則停止の状態が続いている。 岸田首相は「G7で最も厳しい水準」とする入国制限を続けてきたが、今月12日に「緩和の方向で検討していきたい」と表明。現時点では、留学生やビジネス関係者を対象に、1日の入国者数の上限を段階的に5千人まで広げる案が浮上しているという。 「キャンパスにまた留学生が戻ってくる光景を想像すると期待が大きい。ただ、具体的な手順やスケジュールが示されていないので不安もかなり大きい」。東京外国語大学の長田広介・留学生課長補佐はそう話す。 米国の有力大も…… 同大学では受け入れ予定の留… この記事は有料会員記事です。残り1857文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
旭川中2女子死亡、失踪から1年 弁護団「遺族は不安抱いたまま」
北海道旭川市の市立中学校2年だった広瀬爽彩(さあや)さん(当時14)が、2021年2月13日に自宅から失踪して1年が過ぎた。広瀬さんは同3月に遺体で見つかった。遺族側の弁護団が15日、記者会見し、いじめの有無を調べている市教育委員会の第三者委員会に一刻も早い報告を求めた。 会見には石田達也弁護士(大津市)が出席。「2月13日を迎えて」という弁護団コメントを読み上げた。コメントはまず学校に対し、第三者委員会による報告を待たず、学校としていじめを認めることこそが、信頼回復に向けた第一歩になるはずだと訴えた。第三者委に対して、いじめ有無について2月13日までの報告を求めたが、まだ報告はない。「3月末までというのではなく、一刻も早く報告していただきたい」と求めた。 石田弁護士によると、母親は13日に会った際に「報告はなかったんですね」と沈痛な表情をみせていたという。石田弁護士は「遺族はいつ、どういう形で調査が終わるか分からず、不安を抱いたままだ」と説明している。(本田大次郎) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル