1972年2月、長野県軽井沢町の保養施設に猟銃などを持った過激派グループが立てこもり、民間人1人と警視庁の機動隊員2人を殺害した「あさま山荘事件」から50年となるのを前に、同庁幹部が15日、現場近くの慰霊碑に献花した。都内約3千人の機動隊員を指揮する高山祐輔警備1課長は取材に「お二方の遺志を我々が受け継いでいく」と述べた。 事件が起きたのは72年2月19日。暴力による革命で日本の共産主義化をもくろんだ「連合赤軍」のメンバー5人が雪深い山中にあるあさま山荘に侵入し、管理人の妻を人質にとって立てこもった。 対応を任された長野県警と警視庁は投降するよう説得したが、5人が応じないため、施設に放水したり壁を鉄球で壊したりし、9日後に突入して人質を救出した。一連の攻防で3人が殺害され、27人が重軽傷を負った。 「治安の礎」と名付けられた… この記事は有料会員記事です。残り504文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
国民的議論は成立するか 誰が何を…あいまいな役割分担が分断を招く
有料会員記事 聞き手・小村田義之 聞き手・富田洸平 聞き手・刀祢館正明2022年2月16日 5時00分 核のごみや原発事故、新型コロナ……。大問題が起きるたびに求められる「国民的議論」。ただ、実現したとはあまり聞かない。多くの意見をまとめあげる難しさと大切さを考える。 原発事故、新型コロナ…社会が分断しないために 伊藤浩志さん(科学ライター) 2011年の東京電力福島第一原子力発電所事故の後、「安全」と「安心」の違いが強調されるようになりました。安全は科学の問題で、安心は心の問題。そう思われがちです。 この安全・安心二元論が、被災地のみならず日本全体の分断を招き、安全について冷静な国民的議論をできなくしているように思います。 科学には白黒つけられない不確かな部分があるのに、「安全」を語る時、科学は主張を正当化する権威づけの道具に使われています。 国は、正しい科学知識を身につければ、不安は解消できると説明します。被災者は被災者なりに科学を学び、「安心できた」派と「被曝(ひばく)の影響が気になる」派に分かれていきました。それぞれが、自分に都合のいい科学データをつまみ食いしているので、議論は一向にかみあいません。 結局、放射線への不安は心の問題として「安全」を巡る科学的議論から排除されました。その結果、被災者は、不安を口にすることができなくなり、社会は分断しました。 国民的議論を阻む国と地方の関係とは。国民的議論が成り立つ国は日本と何が違うのか。記事後半では、「核のごみ」問題に向き合った元高知県知事の橋本大二郎さん、デンマーク在住の文化翻訳者ニールセン北村朋子さんが論じます。 分断の解消に必要なのは、心… この記事は有料会員記事です。残り3086文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
20年間「神隠し」されてた映画の半券 母になった私がいま思うこと
実家で見つけた、懐かしい肩掛けバッグ。 おみかんさんが中学生の時に買ってもらったもので、高校を卒業するまで使っていた。 母が片付け中に見つけたそうで、捨てるために出しておいたらしい。 「どうせ捨てるなら、自分でもうちょっと使ってからにしよう」 そう思ったおみかんさんは、自宅に持ち帰ることにした。 自宅でバッグの中身を探ってみると、中から3枚の紙切れが出てきた。 文字は薄れていたが、こんな文字が書かれていた。 「千と千尋の神隠し」「01年08月02日」「16:35の回」 それは20年以上前に見た映画の半券だった。 かなり昔の話だが、タイトルを見てすぐに当時の記憶がよみがえった。 3枚あったのは、当時高校生… この記事は有料会員記事です。残り1301文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
小学生にして「孤高」でもあの人に憧れて… 最年少メダルの村瀬心椛
北京冬季五輪のスノーボード・ビッグエアで15日、高校2年生の村瀬心椛(ここも)選手(17)が銅メダルを獲得。冬季五輪の日本女子メダリストの最年少記録を更新した。この種目で日本勢がメダルを取るのも初めてだ。幼いころから「勝負の世界」に身を置いてきた村瀬選手には、近くにいるとリラックスできるある人の存在があった。 「中学生の時から、ストイックで『カッコイイ』にこだわっている子でした」 海外遠征でジュニア選手を引率し、小学生の頃から村瀬選手を知る日本スノーボード協会の石原繁国際委員長(58)はそう語る。 今大会でも村瀬選手は試合前のインタビューで「カッコイイ滑りで表彰台に」と話していた。 両親も妹の由徠(ゆら)選手もスノーボーダーだ。小学生時代にプロ宣言し、2016年から、18歳以下が参加できる大会「ワールドルーキーツアー」に参加していた。 石原さんの印象に残っているのは、遠征中にリフトに乗るときも、村瀬選手は一人が多かったことだ。 「練習中も集中していて、冗談をかわしたりしない。子どもながらに孤高な印象があった。自分がなりたい姿に近づくために必死だったのだと思う」 海外の大会に慣れていない子どもたちは、入国審査などで大人を頼りがちだが、村瀬選手はホテル名、審査書類の書き方、すべて自分で調べ、英語も積極的に話そうとしていたという。 そんな村瀬選手が慕い、いつも後ろをついて回っていた人がいた。 「麗楽(れいら)ちゃんの技を自分もやりたい」 「麗楽ちゃんと同じボードのセッティングをしてみたい」 「麗楽ちゃんと同じゴーグルを着けたい」 「洋服も一緒にしたい」 今大会、縦3回転の超大技トリプルコークで勝負に出たが転倒し、4位となった岩渕麗楽選手(20)だ。 中学時代から難度の高い技をやっていた岩渕選手に憧れ「何でもまねしたい時期があった」と石原さんは笑う。 石原さんは「心椛にとっては初めての五輪。麗楽と一緒に出られて、リラックスできたことがいい結果に結びついたと思う」と喜んだ。(江戸川夏樹) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
コロナ、オミクロン引いて2019円 函館のホテルが助けてプラン
新型コロナウイルスの影響で宿泊客が激減した北海道函館市若松町の「ホテルシャロームイン2」が、1泊2019円の格安プランを売り出した。題して「限界価格コロナ、オミクロン、イヤイヤお願い助けてプラン」だ。 なぜ2019円なのか。「コロナの負のイメージを拭い去りたい」という願いを込めて、通常の素泊まり料金4800円から、コロナ(567円)、オミクロン(396円)、イヤイヤ(1818円)を差し引いた。通常価格の半額以下で、2泊まで利用できる。 同ホテルでは、客室の稼働率が昨秋から減少の一途をたどり、年明けの1月には6割まで減った。2月はさらに落ち込む見通しという。小笠原久郎支配人は「シティーホテルも価格を下げて苦境に対応している。私たちビジネスホテルはさらに低価格なプランを提供し、稼働率を増やすしか生き残る道はない」と切実だ。 このプランはオミクロン株に… この記事は有料会員記事です。残り142文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
情報配信サイトの中傷被害「なすすべなく」 勝訴の男性会見で
インターネットの情報配信サイト「netgeek(ネットギーク)」の複数の記事で名誉を傷つけられたとして、大学教授ら5人がサイト運営会社と運営する男性に計1650万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が15日、東京地裁であった。武部知子裁判長は「社会的評価を低下させ、真実とも認められない」として原告の主張をおおむね認め、運営側に計121万円の支払いを命じた。 ネットギークは2013年に開設。SNS上の投稿などを引用し、意見を加えて記事を配信している。原告側によると、同サイトの月間アクセス数は一時、約200万件あったという。 「モンスタークレーマー」の表現も名誉毀損と認定、東京地裁の判決 判決によると、同サイトは17年、非正規社員としてテレビで紹介され困窮体験を語った原告の40代の男性について、番組で映った顔や男性のSNSを引用しながら「正社員になれないのは偏屈な人格に原因がある」と記載。判決は「人格攻撃で侮辱にあたる」と認定した。 また、原告の一人で武蔵大学の千田有紀教授を「モンスタークレーマー」、同様にブロガーを「口八丁のインチキコンサルタント」などと書いた記事も名誉毀損(きそん)にあたると判断した。 一方で判決は、ネットギークについて、ネットで原告が「炎上目的だ」と書いた記事で名誉を傷つけられたとする運営側の訴えも一部認め、原告側に計33万円の賠償を命じた。 会見した原告「今も思い出すと泣いてしまう」 判決後には、原告らの会見が… この記事は有料会員記事です。残り351文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
インサイダー取引で数千万円の利益か 元社長ら2人を起訴 大阪地検
2022年2月15日 20時45分 東証2部上場の住宅設備メーカー「アサヒ衛陶」(大阪市中央区)をめぐるインサイダー取引事件で、金融商品取引法違反容疑で逮捕された同社元社長ら2人が、他社との提携が公表された直後に株を売却し、計数千万円の利益を得ていたことが捜査関係者への取材でわかった。証券取引等監視委員会の告発を受け、大阪地検は15日、2人を同法違反罪で起訴した。 起訴されたのは同社元社長の町元孝二容疑者(61)と投資関連会社長の上中康司容疑者(59)。上中容疑者が経営に関わる2社も同法違反罪で起訴した。捜査関係者によると、いずれも起訴内容を認めている模様だ。 アサヒ衛陶は2017年11月にヤマダ電機(現ヤマダHD)との提携を公表した。捜査関係者によると、2人は同月末までに全株を売却。提携公表に伴う株価上昇で、町元容疑者は数百万円、上中容疑者は数千万円の利益を得たという。 起訴状などによると、2人は共謀し、提携が公表される前の同年8月にアサヒ衛陶の5万株を約580万円で購入したほか、上中容疑者は同年8~11月、65万株を約8600万円で購入したとされる。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
スタンガン、警棒、手錠 男子高生が宅配業者装い襲撃か 大阪・高槻
大阪府高槻市のマンションで14日夜、男女が意識不明で倒れているのが見つかった事件で、現場から特殊警棒やスタンガンなど多くの凶器が見つかったことが捜査関係者への取材でわかった。男性は府内の私立高校の生徒(17)で、府警は高校生が襲撃の準備をし、住民の女性(40)宅に押し入ったとみて15日、高校生の自宅を殺人未遂容疑で家宅捜索した。 高校生が宅配会社のロゴが入った段ボール箱を持ち込み、そこに女性の名字が書かれた伝票が付いていたことも判明。府警は宅配業者を装った可能性があるとみている。 府警高槻署によると、女性はマンション2階に10代後半の娘と住んでいる。高校生は女性の部屋の玄関付近に、女性は玄関から離れた通路に倒れていた。 捜査関係者によると女性の頭には殴られたような痕があり、頭蓋骨(ずがいこつ)が折れていた。高校生の胸には刃物による傷があった。2人とも重篤な状態という。 女性の娘は同署に「宅配業者を装った男が室内に押し入ってきた」と話したという。娘は、女性と高校生がもみ合っている間に部屋を出て助けを求めた。府警が高校生の身元を特定して伝えると、娘は「中学時代の同級生で、以前の交際相手」という趣旨の話をしたという。 捜査関係者によると、段ボー… この記事は有料会員記事です。残り235文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
東大、4人を個別試験のみで合否判定へ コロナで共通テスト受けず
東京大学は15日、新型コロナウイルスの影響で1月の大学入学共通テストを受けられなかった受験生のうち4人について、2次試験にあたる個別試験のみで合否判定すると表明した。 文部科学省が1月、コロナで共通テストの本試験も追試験も受けられなかった受験生について、個別試験のみで合否判定するよう各大学に要請していた。東大は、こうした受験生のうち何人が同大に出願したかは「公表しない」としている。感染者や濃厚接触者になったことを示す客観的な証拠を提出したのが4人だったという。通常の定員とは別枠で合否を判定する。個別試験は25日から。受験生が感染者や濃厚接触者になった場合の対応は試験後に公表するという。 東大は、共通テスト受験者を… この記事は有料会員記事です。残り475文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
那覇軍港での米軍訓練 沖縄県が抗議「復帰して一度もなかった」
米軍那覇軍港(那覇市)で、地元が中止を求めるなか大型輸送機オスプレイなどを使った訓練が実施されたことについて、沖縄県の謝花喜一郎副知事は15日、橋本尚文・外務省沖縄担当大使と小野功雄・防衛省沖縄防衛局長を県庁に呼び、抗議した。謝花氏は「復帰して50年、一度も無かった訓練がなぜ行われたのか。基地負担が増えているという実感が正直な気持ちだ」と伝えた。 米軍は8日からオスプレイなどを使用し、非戦闘員避難などを想定した訓練を実施。基地の使用条件などについて取り決めた日米の合意で、那覇軍港の使用主目的が「港湾施設及び貯油所」と記されていることをふまえ、県や市は「目的外使用」と主張していた。 県の抗議に対し、橋本氏は… この記事は有料会員記事です。残り296文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル