鹿児島県出水市で2019年、同居する4歳の女児を風呂場で水死させたとして、県警は22日、同市明神町、建設業の日渡駿容疑者(24)=別の監禁などの罪で起訴=を傷害致死容疑で逮捕し、発表した。日渡容疑者は同年8月、女児への暴行容疑で逮捕されたが、処分保留で釈放されていた。県警は認否を明らかにしていない。 発表によると、日渡容疑者は19年8月28日午後7時40分~9時20分ごろ、自宅で、当時交際中の女性の長女、大塚璃愛來(りあら)ちゃんの頭に何らかの暴行を加えて、くも膜下出血のけがをさせるなどし、浴室で水死させた疑いがある。 当時は3人暮らし。女性は外出中で日渡容疑者と璃愛來ちゃんは一緒に風呂に入っていたという。日渡容疑者が市内の病院に連れて行き、29日午前0時すぎ、病院から「風呂場でおぼれたと連れてこられた女児が死亡した」と警察に通報があった。 県警は解剖医や小児科医、脳… この記事は有料会員記事です。残り293文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
贈収賄罪で起訴の医師ら無罪判決 大阪地裁、わいろと認めず
2022年2月22日 20時31分 大阪府の岸和田市民病院との共同研究をめぐり、贈賄罪に問われた一般社団法人「医療健康資源開発研究所」(東京)代表理事の小嶋純被告(65)に対し、大阪地裁(矢野直邦裁判長)は22日、無罪(求刑・懲役8カ月)を言い渡した。 また、収賄や詐欺罪などに問われた同病院の医師で元呼吸器センター長の加藤元一被告(64)も収賄罪を無罪とする一方、別の詐欺罪などは認め、懲役1年執行猶予3年(求刑・懲役2年、追徴金20万円)とした。 両被告は2019年、同病院での花粉症の共同研究の契約締結をめぐり、現金20万円のわいろを授受したとして起訴された。 公判では、この現金がわいろにあたるかが争われ、両被告は医学専門家としての助言に対する正当な対価だと主張。矢野裁判長は「呼吸器の専門医として具体的な提言をしていた経過が認められる。契約締結に有利な取り計らいがされた事情は見当たらない」とし、贈収賄罪は成立しないと判断した。 小嶋被告は判決後、「正当な評価にほっとしている。有罪と判断されれば、臨床研究について国公立の医師からの医学的アドバイスを受けることを躊躇(ちゅうちょ)する結果となり、我が国の臨床研究全体に大きな打撃を与えるところだった」などとするコメントを出した。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
たばこ痕の猫が変えた人生 給料6分の1でも「この子たちのために」
飼い主が亡くなったり、飼えなくなったりした猫を引き取る小さな保護施設「Reef Knot(リーフノット)」が、大阪府箕面市にある。立ち上げたのは、行き場を失った猫が処分される現実を知り、この世界に飛び込んだ飛田俊さん(40)だ。活動は山あり谷ありだが、「少しでもつらい思いをする猫を減らしたい」という思いが活動を支える。 元々、大手の企業に勤めていた飛田さん。チームを率いて、責任ある仕事も任されていた。そんなとき、テレビ番組で動物の殺処分についての特集をみた。「自分でもなにかできるのでは」と心がざわついた。 民間の保護施設があると聞いて、見にいった。たばこを押し付けられた猫、大きなけがの痕のある猫を見て、心が締めつけられた。 Reef Knotで引き取られた猫=大阪府箕面市西小路2丁目、染田屋竜太撮影 思い返すと、今の仕事は十分な収入があっても、「やりがい」は満たされていなかった。 本当にやりたいことが見つかった気がした。退職を決め、2014年、33歳で動物保護の世界にとびこんだ。 施設では保護された数十匹の犬や猫の世話をした。体はへとへと。給料は6分の1になった。それでも、「この子たちのために汗を流せている」、と気持ちは充実していた。だが次第に会社員時代の経験を買われ、人事などの管理部門を任され始めた。 仕事で保健所に行くと、殺処分される猫たちを目にした。施設の仕事も大事だが、自らの手で猫たちを助ける活動をしたい。 Reef Knotを運営する飛田俊さん=大阪府箕面市西小路2丁目、染田屋竜太撮影 「Reef Knot」を18年に立ち上げた。阪急箕面駅からほど近いビルの2階に部屋を借りた。団体名の意味は「固結び」。飼い主と動物との強い絆をイメージした。 保健所などから猫を引き取り、新しい飼い主を募集する。施設内には猫の遊具もあり、のびのびと過ごせるようにつくっている。 環境省によると、全国の保健所などの猫の引き取り数は、89年度の約34万1千匹から減少傾向を続け、20年度は約4万5千匹だった。 新しい飼い主を待つ猫を見つめる飛田俊さん=大阪府箕面市西小路2丁目のReef Knot 猫の殺処分率は10年度まで9割超だったが、新しい飼い主への譲渡も増え、20年度の殺処分率は4割ほどに下がった。それでも約2万匹が処分される。飛田さんは「いまでも多くの動物が人間の身勝手で命を失っている」と憤る。 Reef Knotでは、これまで60匹の猫を新しい飼い主に渡した。 その一人、井渕有希さん(2… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
強制不妊で国に初の賠償命令 除斥期間の適用制限 大阪高裁判決
旧優生保護法(1948~96年、旧法)の下で不妊手術を強いられたとして、近畿地方に住む知的障害や聴覚障害のある3人が、国に計5500万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が22日、大阪高裁であった。太田晃詳(てるよし)裁判長は、請求を棄却した一審・大阪地裁判決を変更し、国に計2750万円の賠償を命じた。一連の訴訟で国の賠償責任を認めたのは初めて。 太田裁判長は、旧法による人権侵害が強度だったことなどに照らし、20年を過ぎると損害賠償を求める権利が消える除斥期間の適用について「そのまま認めることは著しく正義・公平の理念に反する」とし、適用を制限すべきだとする判断を示した。旧法を巡り、全国9地裁・支部に起こされた同種訴訟に影響する可能性がある。 高裁判決は、旧法の規定について、特定の障害や疾患がある人を一律に「不良」と断定するもので、子を産み育てる自己決定権を保障した憲法13条や、法の下の平等を定めた憲法14条に反すると判断した。 さらに原告らが社会的な差別や偏見の下、相談機会や情報へのアクセスが難しく、長期にわたって提訴できなかったと指摘。同種訴訟の提起を知ってから6カ月以内に提訴しており、損害賠償を求める権利は消えていないと結論づけた。 後藤茂之・厚生労働相は記者団に「大変厳しい判決であると受け止めております。今後の対応については判決の内容を精査して関係省庁と協議した上で適切に対応してまいりたいと思います」と述べた。(米田優人) 除斥期間 法律上の権利を行使しないままでいると、自動的にその権利が消えるとされる期間。不法行為をめぐる損害賠償の請求権は、行為の時から20年を経過したときに消えると解釈されてきた。時効期間とは異なり、当事者の事情に関係なく進み、中断することはないとされる。 判決要旨 旧優生保護法を巡り、除斥期間の適用を制限し、国に損害賠償を命じた22日の大阪高裁判決の要旨は次の通り。 【旧法の違憲性】… この記事は有料会員記事です。残り897文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
天皇陛下が62歳に 眞子さんの結婚「心配かけたこと心苦しく思う」
【動画】62歳の誕生日を迎えた天皇陛下と、三の丸尚蔵館の所蔵品について話す皇后雅子さま=宮内庁提供 天皇陛下は23日、62歳の誕生日を迎え、これに先立ち皇居・宮殿で記者会見を開いた。コロナ禍で困難な状況が続いているとして、「誰もがお互いを思いやりながら、痛みを分かち合い、支え合う努力を続ける」ことで「この厳しい現状を忍耐強く乗り越えていくことができるものと固く信じております」と語った。 秋篠宮家の長女小室眞子さんの結婚をめぐっては、「多くの方に心配をお掛けすることになったことを心苦しく思っています」と言及。バッシングともとれる週刊誌報道やインターネット上の書き込みが問題となったが、陛下は一般論と前置きしたうえで、「他者の置かれた状況にも想像力を働かせ、異なる立場にあったり、異なる考えを持つ人々にも配慮し、尊重し合える寛容な社会が築かれていくことを願っております」と述べた。 また、陛下は「皇室に関する情報をきちんと伝えていくことも大事」と強調した。皇室関連の報道をめぐっては、秋篠宮さまが昨年11月の会見で、事実と異なる内容に反論するうえで、「一定の基準」づくりをしていく必要があるとの考えを示しており、陛下の発言が注目されていた。 復帰50年の沖縄「心を寄せていきたい」 会見は21日午後5時から皇… この記事は有料会員記事です。残り10597文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
【写真まとめ】天皇陛下、62歳に 即位後の歩みを振り返る
2022年2月23日 0時00分 天皇陛下が23日、62歳の誕生日を迎えました。「国民に寄り添いながら、憲法にのっとり、日本国及び日本国民統合の象徴としてのつとめを果たす」。2019年10月。代替わりを象徴する調度品「高御座(たかみくら)」に立ち、天皇陛下が即位を宣言しました。令和の皇室が本格的に始動した瞬間でした。それから約2年4カ月。コロナ禍が続き、象徴天皇として国内外に足を運ぶことがままならないなかでも、「国民の幸せを願い、コロナの収束を強く願っているご様子」(側近)といいます。即位後の歩みを写真で振り返ります。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「正義に反する」と大阪高裁 「20年の壁」越えた強制不妊訴訟
有料会員記事 浪間新太、新屋絵理、平岡春人、岩本修弥 米田優人2022年2月22日 21時33分 非人道的で差別的な旧優生保護法の下で不妊手術を受けた人の訴えに対し、法律上の解釈を画一的に当てはめるべきではない――。22日の大阪高裁判決は、そんな判断を示し、原告側の逆転勝訴を導いた。「著しく正義・公平の理念に反する」として除斥期間の適用を制限した判決に、当事者から喜びの声が上がった。 「向き合ってくれる裁判官がいた」 大阪高裁の判決を、原告で共に聴覚障害がある70代女性と80代男性の夫婦は、手話通訳を介して聞いた。 「長い闘いだった。本当にうれしい」。判決後に記者会見した夫婦は手話でこう話し、笑顔も見せた。ただ、女性は「痛みは今も癒えない。悲しみは続いている」とも訴えた。 女性は生まれつき耳が聞こえない。1970年に結婚し、4年後に帝王切開で出産した際、何も知らされないまま不妊手術を受けさせられていた。赤ちゃんもまもなく亡くなった。 一審の大阪地裁では「除斥期… この記事は有料会員記事です。残り1518文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
ノーベル賞・本庶氏運転の車とバスが衝突、軽傷か 京都市の交差点
2022年2月22日 21時41分 22日午後1時45分ごろ、京都市中京区の府道交差点で、乗用車とバスが衝突した。捜査関係者によると、乗用車を運転していたのは、ノーベル医学生理学賞を2018年に受賞した本庶佑・京都大特別教授(80)で、病院に搬送されたが軽傷とみられるという。 バスは京都大学の送迎用で、学生ら十数人が乗車していた。乗客の20代女性も病院に搬送され、軽傷という。 現場は、京都市中心部を東西に走る御池通と、南北に走る堺町通の交差点。 事故直後に記者が現場に駆けつけると、黒っぽい乗用車のフロント部分がつぶれているのが見え、救急隊員十数人が救出活動に取りかかっていた。バスの中にも何人かの乗客が座っていた。 周辺はオフィス街。消防署の車両も複数駆けつけるなどしており、通行人が足を止めて心配そうに様子を見守っていた。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
月223時間の時間外労働 うつ病発症、通販会社に賠償命令
村上友里2022年2月22日 21時45分 東京都内のインターネット通販会社の物流センターで働いていた40代男性が長時間労働でうつ病になったとして、会社側に約6800万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が22日、東京地裁であった。小田正二裁判長は、月約223時間にわたる時間外労働とうつ病発症の因果関係を認め、会社側に計約2400万円の損害賠償を命じた。 判決によると、男性は商品の発送や管理の業務にあたり、2014年にうつ病と診断された。 判決はうつ病発症前の労働状況について、13年11月から業務が大幅に増え、同月の時間外労働が約147時間、翌12月が約223時間だったと認定した。 男性の代理人弁護士「企業の抑止力に」 そのうえで、12月はクリスマス商戦で商品の出荷量が増えることから、同社は男性の業務量の増加を予想できたと指摘。「男性の健康を損なわないような対策を怠った」として同社の安全配慮義務違反を認めた。 現在も睡眠障害に悩まされ治療を続けているという男性は判決後の会見で、「長時間労働に悩む人が泣き寝入りをしなくて済むような指針になってほしい」と語った。男性の代理人の梶山孝史弁護士は判決について、「企業が長時間労働を野放しにすれば、法的責任が問われることを示した。企業に対する抑止力になるだろう」と評価した。(村上友里) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
吹雪の新千歳空港は全便欠航 札幌からバスで6時間、戻るに戻れず
志田修二2022年2月22日 18時20分 新千歳空港は吹雪のため滑走路の除雪が間に合わず、22日に運航を予定していた228便全便が欠航した。日本航空、全日空、エア・ドゥの各社によると、23日も一部の便で欠航が決まっているという。 発達した低気圧の影響で北海道内は強い冬型の気圧配置となり、日本海側南部と太平洋側西部では活発な雪雲が流れ込み局地的に大雪となった。 気象台によると、午後3時現在で、恵庭市では積雪が最大で133センチ、千歳市では119センチとなり、それぞれの地点で統計開始以来、最も多くなった。札幌市内でも断続的に雪が降り続き、時折強い吹雪にも見舞われた。 新千歳空港を運営する北海道エアポートは22日未明から滑走路の除雪を開始し、日中も2本の滑走路を閉鎖して除雪を進めたが、激しい雪に追いつかず、同日午後に航空各社がすべての便の欠航を決めた。 大阪便で帰る予定だった岡山県の金田純治さん(57)は、札幌からバスで6時間かけて空港に到着。全便欠航に「できれば札幌に戻りたいのだが、ホテルがあるのかどうか。大学が北海道でそれ以来の北海道旅行が大変なことになった。でも、なかなかない経験ですね」と話した。 母親(68)と東京の武道館で行われるケミストリーのライブに行く計画をしていた札幌市の女性(45)は、21日の便が欠航になりこの日に振り替えた。だが2日連続での欠航に、「明日は夕方の便しか取れてないのでライブに間に合わない。最悪、空港に泊まって朝からキャンセル待ちに並ぼうかと思っています」。 東京から札幌市に出張で訪れた会社員男性(61)は、札幌からタクシーで3時間かけて空港に着いた。「明日、新型コロナワクチンの接種がありなんとか間に合うように帰りたいのだが」。札幌行きの臨時バスが運行するというアナウンスを聞いて、乗り場に向かった。(志田修二) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル