福岡県春日市の春日署で、交通課の来客用窓口に1月から虎のフェルト人形が飾られている。署員が交通事故の撲滅を願い、手づくりしたものだ。その思いを強めたきっかけは、昨年に管内で起きた死亡事故だった。 人形は立体的なデザイン。はがきサイズの台紙から、フェルト生地でつくられた虎が元気よく紙を突き破って上半身を出している。台紙には、今年の年号「2022」とともに、「交通事故を0にしタイガー」とのメッセージが書かれている。 つくったのは、署で車両整備士として働く論手(ろんて)真樹さん(47)。自動車販売会社に勤めていたが、警察官だった父の影響で、28歳で県警の行政職員になった。 論手さんは、警察車両の不具合によって事故が起きないよう、日々の整備に力を入れている。警察車両が事故に絡むと、修理でしばらく使えなくなり、補充はない。パトロールにも支障が出るので、重要な仕事だ。 署では今年、年賀状の代わりに署員からはがきサイズの紙に書いた新年の抱負を募り、会議室に飾る企画を始めた。 趣味で絵を描いたり、フェルト人形をつくったりしていた論手さんは、今年の年男。イラストではなく、干支(えと)の人形をつくろうと思いついた。「自分が整備したパトカーが、事故に遭うことがないように」との願いとともに、別の特別な思いも込めた。 昨年11月24日、春日市内… この記事は有料会員記事です。残り561文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「森友学園」の交渉記録不開示、国の賠償責任が確定 最高裁
阿部峻介2022年2月25日 18時30分 学校法人森友学園(大阪市)への国有地売却をめぐる公文書の開示を請求した大学教授が、不開示とした国の対応は違法だと訴えた裁判で、情報隠しを認め国に33万円の賠償を命じた一審・大阪地裁、二審・大阪高裁判決が確定した。最高裁第三小法廷(戸倉三郎裁判長)が教授の上告を退けた。22日付の決定。国は上告していなかった。 原告の上脇博之(ひろし)神戸学院大教授は、近畿財務局と学園との交渉記録を開示しなかったのは違法だと訴えた。地裁は、学園と安倍晋三・元首相の妻・昭恵氏の関係や売却手続きに疑問を示す報道が2017年に出てから、追及を避けるため国が交渉記録を存在しないことにしたと指摘。「意図的に不開示にしており相当に悪質」と違法性を認定し、適切な開示を受ける「人格的な利益」を傷つけたとして賠償も認めた。高裁も支持した。上脇教授は一部の認定をめぐり上告していた。(阿部峻介) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
連合赤軍、凄惨なリンチ殺人 「死刑にしたくない」取り調べた検事は
連合赤軍事件から50年になる。1972年2月、「共産主義革命」を目指した若者たちが「あさま山荘」に立てこもり、その後、同志のリンチ殺人も発覚した。弁護士の古畑恒雄さんは当時、検事としてメンバーを取り調べ、いまも無期懲役が確定した元幹部の身元引受人を務める。連合赤軍事件とは何だったのか。古畑さんに聞いた。 ふるはた・つねお 1933年長野県生まれ。更生保護法人理事長。高卒後、代用教員を経て大学に進み、検事に。法務省保護局長、最高検公判部長などを歴任。 「総括」の名の下に12人が殺害された ――50年前、あさま山荘事件の現場に行かれていますね。 「1972年2月19日の午後でした。当時、私は39歳で、長野地検で公安担当の検事をしていました。その日は土曜で、スキーに出かけようと板を車に積み込んでいると、妻から『検察庁から電話』と呼ばれました。『怪しい男女2組の4人が軽井沢駅で捕まった。連合赤軍のメンバーかもしれない』という連絡でした。すぐに検察庁の車で軽井沢署に向かいました。署にはこうこうと電気がつき、多くの人が右往左往していました」 「軽井沢署に到着後、連合赤軍のメンバー5人があさま山荘にライフルを持って立てこもっていると聞かされました。現場を見ておいた方がいいと思い、真っ暗な中を検察車両で山荘の近くまで行きました。沿道にはすでに警視庁の機動隊がいて、現場ではヒューンというライフル銃の音がしていました」 「翌20日、私は駅で逮捕された4人に、直後の言い分を聞く弁解録取をすることになりました。最初に向き合った男性に職業を尋ねると、彼は私をじっと見て『革命戦士です』と答えました。事実関係は『黙秘します』でしたが、落ち着いていて、礼儀正しかった。その後、私はこの男性の担当になり、勾留期間の20日間、取り調べをすることになります」 ――取り調べはどのようなものだったのですか。 「当初は男性がリンチ殺人をしているとは、想像もしていませんでした。医学部の大学生で、父親が田舎から面会に来たときも、『お父さん、(行方不明だった息子さんの行方がわかって)よかったですね。遠からず帰っていくので大学に戻してください』と言ったぐらいです。父親は、母親と祖母の手作りのぼた餅を持参して男性を説得したのですが、彼は『お前は俺の父親じゃない。早く帰れ』と言い返し、父親は肩を落として帰って行きました」 「男性と私は、少しずつ話をするようになりました。男性からドストエフスキーの『カラマーゾフの兄弟』を読んだことがあるかと問われ、途中で投げ出したと答えると、『一度読んでください』と言われました。長い検事生活で被疑者から読書を勧められたのはこのときだけです。彼が『また読みたい』というので、書店で上・中・下の文庫本3冊を買って差し入れました。接見禁止がついていて、だれからも差し入れが入らない状態でしたからね。取り調べの合間に人生論議もするようになり、互いに通じ合うものが生まれていったように感じました」 取り調べを進める中、男性は自白。その一連の犯行に驚いた古畑さんは、それでも「この男性を死刑にしたくない」と思ったと話します。その理由は何だったのでしょうか。記事後半では「寄り添い弁護士」として活動する古畑さんが、仮釈放をめぐる問題について語ります。 ――その後、事態が変わるのですね。 「2月28日にあさま山荘が… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
内密出産「違法でない」と見解 法整備には慎重姿勢 参院予算委
熊本市の慈恵病院が国内初の実施を表明した「内密出産」をめぐり、25日の参院予算委員会で質疑がかわされた。後藤茂之厚生労働相は「慈恵病院が採用している方法であれば現行制度下で対応可能。違法ではない」との認識を示した。一方、病院や熊本市が求めている法整備は「現時点で対応が可能であることを踏まえ、今すぐ法制度の検討を行うかどうかは検討がいる」と述べ、慎重な姿勢をにじませた。 国民民主党の伊藤孝恵氏の質問に答えた。岸田文雄首相も答弁に立ち、子どもの出自を知る権利▽未成年が内密出産を希望する場合の支援のあり方などの課題を挙げ、「法整備となると課題を一つ一つ乗り越えながら、慎重に議論を深める必要がある」と述べた。 古川禎久法相は、出生届がなくても、首長職権で赤ちゃんの戸籍がつくれると説明し、現行法で対応可能との認識を強調した。生まれた子の親が自らの意思で出生届を出さなかった場合、出産に立ち会った病院の医師が届を出さないことで過料を科されることはないとの見解も示した。 現行法下で内密出産をする場… この記事は有料会員記事です。残り475文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
福岡県の新型コロナの死者20人 過去最多、全員70代以上
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空自のF15墜落事故、事故の記録残る?部品を回収 防衛省が発表
2022年2月25日 20時03分 航空自衛隊小松基地(石川県小松市)所属のF15戦闘機が海に墜落した事故で、防衛省は25日、機体の状況を記録するフライトデータレコーダーを周辺の海底で見つけ、回収したと発表した。事故当時の記録が残っている可能性がある。記録が確認できれば、事故原因の調査が進みそうだ。 同省によると、この装置は飛行時の高度や速度、機首方位、エンジン出力などを記録するもの。記録の解析は通常なら1週間ほどで可能だが、破損状況によってはさらに時間がかかるという。この日はエンジン二つも回収した。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
覚醒剤やコカイン、民泊拠点に密売か 男女9人を逮捕
民泊施設などで覚醒剤を所持していたとして、福岡県警は大阪市住吉区苅田8丁目の無職、仲西健二容疑者(50)ら男女計9人を覚醒剤取締法違反(営利目的共同所持)などの疑いで逮捕し、25日発表した。 9人は大阪市、京都府、福岡県在住。県警は、9人のうち仲西容疑者ら4人が2020年11月以降、福岡県内の客を中心にのべ約100回、違法薬物を販売したとみている。宿泊時に厳密な身分確認がない複数の民泊を知人名義で借りて、拠点として密売を繰り返していたとみている。 県警によると、4人は共謀し… この記事は有料会員記事です。残り269文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
元作業員1人の訴え認め会社側に賠償命令 下関じん肺第2次訴訟判決
水田道雄、前田健汰2022年2月25日 21時14分 三菱重工業下関造船所(山口県下関市)の健康被害をめぐる損害賠償請求訴訟の判決が25日、山口地裁下関支部であった。種村好子裁判長は、下請けや孫請け会社の元作業員2人のうち、1人は会社側の責任を認め、遺族に1430万円の賠償を命じた。もう1人は請求を棄却した。 元作業員2人は1957~2009年、船内で電気溶接をするなどし、作業中に粉じんを吸い込んだとして国からじん肺認定を受けた。17年4月に三菱重工に計約7千万円の損害賠償を求めて提訴。その後2人は死亡し、遺族が訴訟を引き継いだ。 種村裁判長は判決で、元作業員1人について「粉じん対策は不十分で、安全配慮義務違反があった」として会社側の責任を認めた。もう1人については、長期間粉じんに曝露(ばくろ)されたか明確ではなく、喫煙の習慣もあり、別の理由で肺疾患になった可能性があるとして、「じん肺に罹患(りかん)しているとは認められない」とした。原告らは控訴を検討している。 請求が棄却された元作業員の長女は「晩年、父が苦しんでいた姿を思うと、判決が残念。しっかりと認めてくれるまで戦う」。賠償を認められた元作業員の次女の桶谷睦子さん(55)は「すべての請求が認められたわけではない。父のことを思うと納得はできない」と話した。 三菱重工は取材に対し「今後の対応は判決文を精査してから検討したい」とのコメントを出した。 今回は、下関造船所でのじん肺被害をめぐる第2次訴訟。第1次訴訟では2015年、元従業員と遺族6人に計約8千万円の支払いを三菱重工に命じた二審判決が確定している。(水田道雄、前田健汰) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
ノーマスク市議、法廷でも着用せず 大分地裁は弁論の入廷拒まず
大分県臼杵市の若林純一市議(62)が、議場などでマスクを着用しなかったりマスクから鼻を出したりしたのを理由に、市議会が議場での発言を禁止したのは表現の自由を侵害するなどとして、市議会に処分の取り消しなどを求めた訴訟の第1回口頭弁論が25日、大分地裁(石村智裁判長)であった。 若林市議と代理人はマスクを着用せずに出廷。若林市議の考えを支持する人たちもマスクを着用せずに傍聴した。大分地裁は事前にマスクの着用を求めたが、未着用での入廷を拒むことはなかった。 若林市議は意見陳述で「正当な理由もなくあいまいなルールに基づいて(発言を)制限することは、憲法上の権利を踏みにじる行為だ」と訴えた。 市と市議会は、議会の係争は司法審査の対象とならず、発言の禁止は議会の自律的な措置であり行政処分にはあたらないなどとして、請求却下を求めた。 若林市議は口頭弁論の後に開… この記事は有料会員記事です。残り434文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
日本最北端の小島にトド大集結 出迎えたのは大量の死んだイワシ
【動画】弁天島のそばで海面に漂うイワシを次々と食べるトド=道立総合研究機構稚内水産試験場提供 日本最北端・北海道稚内(わっかない)市の宗谷岬の沖に浮かぶ弁天島に、今冬もトドが大群できている。今年に入ってイワシの大量死が続き、道立総合研究機構稚内水産試験場は海面に漂うイワシを食べまくる様子も動画に収めた。 稚内水試によると、今冬のトドのまとまった上陸は昨年11月28日で、約10頭が観察された。12月は多くても60頭程度だったが、1月に入って500~800頭に急増。2月はさらに増え、19日のドローン調査では約1500~1700頭にのぼった。 宗谷地域一帯の海岸では1月… この記事は有料会員記事です。残り345文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル