地図好きにはたまらない部屋が、1年間の期間限定でJR九州ステーションホテル小倉(北九州市)の1室に登場する。3月1日から宿泊でき、現在予約を受け付けている。 北九州市に本社がある地図大手「ゼンリン」とコラボし、「地図さんぽの部屋」と名付けられた。 部屋の西側の壁には、ゼンリンが所有する1959(昭和34)年の北九州5市観光イラストマップと、1715年に西洋で作られた貴重な日本の古地図のレプリカを掲示。東側の壁には、部屋の窓から見える景色の地図を柄にした壁紙を貼った。北側の壁には、関門海峡を望む立体3D地図を飾っている。地図の柄のマグカップや北九州の地図の関連書籍も客室に備える。 壁紙の地図にはあえて、地名や建物名などの詳細は記していない。ゼンリンの担当者は「地図好きな人は、『みなまで言うな』と調べるのが好きな人が多い。あそこに見えるのは何かなと探究心が刺激され、街へ散歩に出たくなる部屋になれば」と期待する。 鉄道ファンと地図ファンは重… この記事は有料会員記事です。残り219文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「医療現場のリアル」中高生に 学校図書室の司書が選ぶイチオシ本は
本をお薦めしてくれたり、授業に役立つ資料を探してくれたり。多くの学校の図書室では、司書とも呼ばれる本選びの職員が働いている。そんな彼ら「イチオシ」の本が、ランキング形式でまとめられた。生徒だけでなく幅広い年代に本を提案しつつ、学校で働く司書のことを知ってもらう企画だ。 企画は「中高生におすすめする司書のイチオシ本」。京都府内の私立中学や高校で働く司書らに、発売された新刊本のなかから生徒に読んでほしい本はどれかについてアンケートを取り、上位13作品までのランキングにまとめた。 アンケート上位13作品を紹介 主催したのは、府内の私立中高40校でつくる府私立学校図書館協議会・司書部会。このうち28校で働く司書ら48人がアンケートに参加した。 府では、司書はすべての公立高校と多くの私立高校の図書館にいる。本の貸し出し作業に加えて、本を読み手に紹介することが主な仕事だ。 公立図書館などで働く司書が一般的に知られているが、学校図書館の司書はディベートの授業で使うために賛成と反対の立場で書かれた本を用意したり、教員用の教材を準備したりと、授業のサポートもしている。 本にまつわる仕事だけではない。「居場所づくりも大切な役割です」。京都聖母学院中高(京都市伏見区)の図書室に約30年間勤める末次雅子司書教諭は、そう話す。 悩み相談も仕事 日々、「お母さんとけんかした」などの生徒の悩みに耳を傾けたり、食事や睡眠がとれているか聞いたり。必要に応じて、担任や保護者とも連携する。 「先生と生徒という関係ではない、気軽に話せる大人がいることが大切です」と末次さん。 そんな学校の司書の仕事を知ってもらいつつ、司書の提案力によって生徒だけでなく幅広い年代にも良本を紹介しようというのが、企画の狙い。2018年に始まった。 同様の企画は、神奈川県と埼玉県で10年以上、また岡山県でも行われているという。 末次さんは昨年度の同企画に事務局メンバーとして関わった。「司書や図書館スタッフは、学校という閉じられた場所で働きます。この企画で司書やスタッフ同士で交流し、生徒や卒業生、外の人から感想をもらえることがうれしいです」と話す。 さて、今回の1位。 選ばれたのは、新型コロナウ… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
日本年金機構に公取委が改善要請へ 談合情報を通報せず 強く問題視
ねんきん定期便のはがきや封書=田中恭太撮影 日本年金機構(東京)が年金加入者に送る「ねんきん定期便」などの入札をめぐる談合事件で、機構が事前に談合情報を得ながらも通報していなかったとして、公正取引委員会が近く機構に対し、速やかな通報など対応の改善を求める方針を固めた。談合防止を図るべき発注機関の対応として、不適切だったと強く問題視しているという。関係者への取材でわかった。 この事件では、印刷業者26社が、ねんきん定期便などの印刷や発送の準備業務の入札や見積もり合わせで受注調整をしていた疑いが持たれている。公取委は近く、各社に排除措置命令や計約14億円の課徴金納付命令を出す方針を固めている。 機構や複数の関係者によると、機構は2016年1月、談合があるとの情報を入手。急きょ、月内に予定していた入札を取りやめ、業者に聞き取りをした。だが各社は談合を否定。機構は談合を疑わせる事実は確認できないとして、公取委に通報せず、追って入札を再開し、談合が行われた。 公取委もこうした経緯を把握。再発防止には業者の行政処分だけでなく、機構に対応改善を申し入れる必要もあると判断した模様だ。 朝日新聞が入手した機構の内… この記事は有料会員記事です。残り256文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「生きていてよかったじゃないか」 ときどき自分に語りかける
ノンフィクション作家・井口隆史さん つらいことが重なって、「いっそ死んでしまいたい」とか、「死んだほうがましだ」とか思うのは、よくあることだろう。だが、身動きがとれず、自死の方法もないというのが、ALSの行き着く先だ。 舌を嚙(か)み切って死ぬという話があるが、あれは眉つばものである。私はこの病気のせいかどうかは分からないが、近ごろ誤って、よく舌をかむことが多い。死ぬかと思うほどの痛さだ。でも、切れて腫れることはあっても、ほとんど出血はない。舌を嚙み切る苦痛をこらえられる人なら、生きるためのどんな苦痛にも耐えられるはずである。 自死の選択肢がないとなれば、私などはかえって邪念がなくなる。どうあっても、生きるしかないからだ。生きていて申し訳ない、と思う場面に遭遇したって、生きるしか方法がない。 2020年7月、SNSで「… この記事は有料会員記事です。残り1240文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
宇宙に行ける時代、中川翔子さん「夢は無限」 朝日宇宙フォーラム
【動画】有人宇宙活動について考えるシンポジウム「朝日宇宙フォーラム」が開催された 将来の月探査や宇宙での健康管理などを語り合う「朝日宇宙フォーラム2022」(主催・朝日新聞社、後援・宇宙航空研究開発機構〈JAXA〉、協賛・ヤクルト本社、協力・ANAホールディングス、BASE Q)が1月、東京都千代田区で開かれた。油井亀美也飛行士が「宇宙開発と人類の未来」をテーマに講演したほか、13年ぶりに始まったJAXAの飛行士募集などを語り合った。 油井飛行士 「ISSはホワイトな職場」 私は国際宇宙ステーション(ISS)で142日間滞在しました。飛行士はテレビで見るとぐるぐる回ったり、食事をしたりと楽しそうですが、実は分刻みのスケジュールで朝から晩まで仕事をしています。ただし、仕事は約8時間。地上のお医者さんが私たちの健康状態を管理していて、残業をする時は許可を得ないといけない。ホワイトなすばらしい職場です。 宇宙は無重力ですから、少ない力で移動できてしまいます。快適で楽ですが、そのままでは筋肉は地上の2倍、骨は10倍の速さで弱くなっていくことが分かっています。それを防ぐため、毎日2時間の運動が必須でした。 地上にいると、私たちの血液や体液は重力で足のほうへ引かれますが、宇宙ではそれがなくなり、体液が体に均等に行き渡るようになります。その結果、地上で177センチだった私の身長は、宇宙で測ると夢の180センチ超えになりました。体重もちょっと減ります。ウエストがすごく細くて、足も細くなっていた。スタイルがむちゃくちゃ良くなってびっくりしました。 昨年、実業家の前沢友作さんがソユーズ宇宙船でバイコヌール宇宙基地から飛び立ちましたが、私も同じ場所から宇宙へ飛び立ちました。ロシアの宇宙船なので当然、会話はロシア語です。宇宙ステーションに着くまでは6時間。米国に行くよりも短い時間でISSに着いてしまいます。 ISSでは毎日、実験をしていました。高品質たんぱく結晶の実験は、地上で役立つ薬を作る実験です。植物がどう重力を感じているのかという実験もしていました。日本の実験は非常に進んでいると思います。 私のミッションのハイライトは、日本の補給船「こうのとり」をロボットアームでつかまえることでした。その前に米国やロシアの補給船の失敗が続き、ISSは物不足になっていましたが、日本の補給船がしっかりと物資を届けてくれたのです。よく子供たちから「ロボットアームの操作とクレーンゲームとどちらが難しいですか」と言われますが、私はたくさん訓練しているので、ロボットアームでつかまえるほうが楽だと思います。 宇宙にいた142日はあっという間 142日はあっという間に過ぎ、帰る前の会見で「帰りたくないです」と言ったのを妻が聞いていて、後で「帰ってきなさい」ととても怒られました。帰ってくる時は本当に寂しかったです。でも、宇宙から富士山を見た時は日本が恋しくなって帰りたくなりましたね。やっぱり富士山は、日本人にとって特別かもしれません。 現在、月を回る軌道に宇宙ステーションをつくって、月面探査をしようという米国主導の「アルテミス計画」があり、日本も参加を表明しています。ここから10年、20年、30年で月に基地ができ、たくさんの人が月から地球を眺める時代がくると思っています。JAXAはその先駆けとなる、月を目指す飛行士を募集しています。我こそは月で活躍してやろうという人に、後輩になっていただけたらと思います。 宇宙開発の歴史や飛行士募集… 登壇者らが討論 ――昨年は実業家の前沢友作さんがISSを訪問するなど、宇宙旅行が本格化しました。そのISSでは星出彰彦飛行士が船長も務めました。 川崎 人類の宇宙開発の歴史を振り返ると、約20年ごとに節目があります。1960年に旧ソ連(ロシア)の「ボストーク1号」で飛行士が初めて宇宙に行き、80年代には米国のスペースシャトルが初飛行し、ロシアが宇宙ステーション「ミール」を建設し始めました。ISSの建設は2000年ごろに始まり、20年代には日本人飛行士が月に行こうとしています。その先は火星に向かうという話にもなっています。 油井 昨年、地質学の訓練を始めました。なぜ地質学の訓練が必要かというと、月に降り立った飛行士が地質学を知らないと、転がっている石から意味のある物を見分けて、持って帰ることができないからです。訓練は結構実践的で、ほかの惑星の写真を見せられて「これを地質学的に説明しなさい」みたいなものもありました。 ――ISSのほか、月や火星探査となると、長期滞在によって筋力が弱り、地球に帰還した後はリハビリが必要です。今回、そのリハビリを中川さんに体験いただきました。 中川 やっぱり体幹が重要で、いろんな筋肉を普段から鍛えておかないといけないんだと思いました。宇宙にいきなり行ったら、体力も筋力もかなり奪われると分かったので、体験後、バランス感覚を鍛える器具を買いました。 油井 宇宙でも運動をしていれば筋力は維持できるのですが、バランス感覚はどんどん衰えてしまいます。私も帰還して宇宙服を脱ごうとした時、頭の重みを完全に忘れていて、前につんのめって頭を地面にぶつけそうになりました。 川崎 短期間の宇宙旅行であれば、これほどのリハビリは必要ないと思うのですが、「宇宙酔い」という言葉があるように、行って3日間くらいは体調がどんどん変わります。どう対応すればいいのかはわかっているので、私たちの知見を活用していきたいです。 ――13年ぶりに始まった飛行士の募集では、要件が大幅に緩和されました。例えば、これまでは身長158~190センチの人しか応募できなかったのが、149・5~190・5センチに広がりました。 中川 実は私、157センチで、これまでの募集では1センチ足りなかったんですが、「これは来た」と。本当に今、書類を書いています。 川崎 身長の制限は、ロシアの宇宙船の大きさで決まっていたんですが、米国の宇宙船が新しく開発されたことで、緩和できるようになりました。 応募条件は文理、学歴が不問に ――学歴も理系の大学を卒業していなければいけませんでしたが、ほとんど不問になりました。 油井 訓練についていければ、文系でも大丈夫と思います。社会人としてどれだけ理系の考え方を身に付けてきたのかとか、理系の素養を持っている人がターゲットになります。 川崎 文系の大学だったとか学歴がないとか、そういうところで諦めていた人の中に、本当に飛行士に向いている人がいるかもしれない。油井さんも最初は、自分は資格がないような感じで、受験しながら「落ちた」と毎回言っていたらしいですが、その中で素晴らしい人がいるんです。入り口で制約を設けるのはおかしいということになり、文系や理系、そして学歴も関係なしに募集することになりました。 ――油井さんの選考はどんな感じでしたか。 油井 いろんな背景を持った人たちが集まって、試験を受けていくうちに非常に絆が強くなりました。最終試験に残ったファイナリストの10人とは長時間をともに過ごし、最後は「結果はどうでもいいや」と思えるくらいになりました。一生の友達ができたのが一番の思い出です。 中川 宇宙に行くには覚悟も必要とは思いますが、宇宙は人類にとって最大の夢の一つだと思います。今回の応募条件の緩和は、「夢は誰でも持つ資格があるんだよ」と言ってくれているように思いました。チャンスがある人は応募すべきじゃないかと思います。 ――どういう人物を求めていますか。 川崎 まだ人類が行っていない場所に立って、どんな感情を持つのか。感じたことを地球上に持ち帰って、私たちに共有してほしい。これを「発信力」と呼んでいます。その方法は言葉だけでなく、いろいろあるでしょう。中川さんなら漫画や音楽かもしれない。 中川 見た景色や気持ちを歌にしたいし、ライブもしたいし、油絵で描いてもみたいです。チャンスが広がっている。すごく夢をいただきました。 油井 目標を成し遂げるのは大変で、努力の継続が重要です。そこで大事なのは「好き」という気持ちです。好きなことは、どんなに大変でも続けることができる。子どもたちには、好きという気持ちを大切にしてほしい。そして、一人でも多くの方が宇宙に興味を持って、飛行士を目指してほしいと願っています。(構成・小川詩織) 飛行士の体調維持へ ヤクルトとJAXAが実験 実業家の前沢友作さんが昨年、2週間ほどISSに滞在したように、多くの人が宇宙へ旅行する時代が近づいている。JAXAの小川志保・きぼう利用センター長と、ヤクルト本社の長南治・中央研究所研究管理センター所長が最新の医学研究について解説した。 宇宙で長期滞在すると、骨や筋肉が減ったり、尿路結石になったり、免疫機能が低下したりといった問題が出てくる。閉鎖環境でのストレスによる精神心理的な課題、宇宙放射線による被曝(ひばく)といった問題もある。長南さんは「飛行士のミッション遂行のためには、ベストな体調を維持することが必須。地上から直接の医療支援が行えない状況で、体の悪い変化を未然に防ぐことが重要だ」と話す。 乳酸菌で腸内環境を改善することで、免疫機能を維持できるという地上での研究結果があることから、長南さんらは「宇宙でも乳酸菌が有効ではないか」と考えた。飛行士に乳酸菌を飲んでもらう実験を、2017年からJAXAと共同で始めた。 現在も、ISSに滞在している飛行士に乳酸菌を飲んでもらい、免疫機能への効果を検証している。小川さんは「宇宙での成果を地上で暮らす皆さんに届けていきたい」と話した。 なかがわ・しょうこ タレント・歌手。小学生の時に見たヘール・ボップ彗星(すいせい)に感動して宇宙好きに。深海調査船で日本海溝に潜ったことがあり、次は宇宙に行きたいという希望を持つ。自身のユーチューブチャンネル「中川翔子の『ヲ』」は登録者80万人超。 ゆい・きみや 防衛大学校理工学専攻卒、航空自衛隊に入隊。2008年の募集で飛行士候補に選抜。11年に基礎訓練を終了。15年に国際宇宙ステーションに長期滞在し、日本人で初めて無人補給船「こうのとり」をロボットアームでつかまえた。16年からJAXA宇宙飛行士グループ長。 かわさき・かずよし 1987年、宇宙開発事業団入社。国際宇宙ステーションの開発や月惑星探査計画などに携わる。2015年に宇宙探査イノベーションハブを立ち上げ、異分野との連携を推進。20年からは事業推進部長として、飛行士募集などを担当。 ◇パネル討論のコーディネーターは科学医療部の東山正宜次長、司会はフリーアナウンサーの田村あゆちさんが担当しました。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
奈良県三郷町で住宅全焼、4人の遺体見つかる 住人と連絡取れず
2022年2月27日 23時23分 27日午後6時10分ごろ、奈良県三郷(さんごう)町夕陽ケ丘で「家が燃えている」と119番通報があった。県広域消防組合や県警西和署によると、火は約4時間後に消し止められたが、木造2階建て住宅がほぼ全焼した。焼け跡から性別不明の4人の遺体が見つかった。遺体は1階から3人、2階から1人見つかった。 署によると、焼けた住宅は妹尾(せのお)忠彦さん(84)方で、住人と連絡が取れていないという。署が遺体の身元の確認を進めている。現場は近鉄生駒線の勢野北口駅から東に約600メートルの住宅街。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
なぜ福島に原発が? ヒロシマとのつながり交えアニメで描く
どうして福島に原発が造られなくてはならなかったのか? 原爆を投下された広島との意外なつながりを交え、その歴史的背景を被災者の視点から追ったアニメ「ふくしま原発はじまり物語『峠』」(57分)を、紙芝居作家いくまさ鉄平として活動する福本英伸さん(65)=広島市=が作った。繰り返された放射能の惨禍が訴えるものはなにか。作品は問うている。 物語の主人公は、東日本大震災に伴う東京電力福島第一原発事故で故郷を追われ避難生活を送る60代の男性だ。1949年に、後に原発ができる大熊町で生まれた。日本が戦後の貧しさを脱し豊かになっていく高度経済成長期に東京の大学に入学し、学生生活を謳歌(おうか)する。 しかし物語は、日本が豊かさを享受する中、原子力をめぐって起きていく大きな変化を浮かび上がらせる。 原子力の平和利用を訴えたアイゼンハワー米大統領の国連演説(53年)と、その後広島など各地で開かれた原子力平和利用博覧会、米国の水爆実験による第五福竜丸の被曝(ひばく)事件(54年)、福島県の原発立地調査(60年)などが、男性の半生に重ねて描かれる。 広島の原爆病院の場面では、ベッドで横たわる母親に少女が原子力平和利用博覧会に、「元気になって連れて行って」と頼み、福島では職を求めて若者が故郷を離れ、原発誘致をめぐって様々な思いが交錯する。大学生となった男性が帰省すると、原発の巨大な建物はすでにそびえ立ち、言葉を失う。そして、映像は時を超え2011年に――。 物語の最後、避難生活のなかで男性は語る。「核の平和利用の名のもと、広島の原爆被害さえも取り込み、世界の大きなうねりの中で原発は広まっていったんだべ。おれたち一介の庶民にはどうしようもなかったんだなあ」 「広島に原発」の話 アニメ制作のきっかけ 福島の人々からの聞き取りや公表資料などから脚本・作画を手がけたという福本さん。制作のきっかけは、「広島に原発を造ろうという話があったらしい」という、被災者から聞いた信じられないような話だった。 福本さんは地元・広島市で地… この記事は有料会員記事です。残り2374文字有料会員になると続きをお読みいただけます。 Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
JR旭川駅でベトナム人男性刺され死亡 逃走していた男の身柄を確保
井上潜、本田大次郎2022年2月27日 20時43分 27日午後4時38分ごろ、北海道旭川市のJR旭川駅構内で、「男性が刺されている」などと110番通報があった。北海道警旭川中央署によると、刺されたのは在留カードから市内在住のベトナム人の男性(35)とみられ、約1時間後に搬送先の病院で死亡が確認された。犯人は刃物を持って逃走し、約3時間後に容疑者の男が市内で警察官に発見され、身柄を確保された。 署によると、男は在留カードから市内在住の20代のベトナム人とみられる。被害者の男性とは知り合いとみられるという。道警は男を殺人容疑で逮捕する方針。 署によると、男は旭川駅1階のトイレ前で男性の上半身などを刺した後、駅北口から逃走していた。犯行直前に男性と口論になっていたとの目撃情報があるという。 現場は旭川駅の北側コンコース。バスやタクシー乗り場に面し、窓際の座席で列車やバスを待つ人たちも多い。 事件発生後、コンコースには規制線が張られ、約100メートルの区間が通行できなくなった。日曜日の夕方で人通りは多くなかったが、駅前にパトカーがとまり、ものものしい雰囲気になった。バスを利用するため、毎日コンコースを利用するという女性(48)は「いつも歩く駅構内で事件が起きるなんて、とても怖い」と話していた。(井上潜、本田大次郎) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
「核のごみ」調査の北海道神恵内村長選、現職6選 36年ぶり選挙戦
「核のごみ」(原発から出る高レベル放射性廃棄物)の最終処分場選定に向けた文献調査が進む北海道神恵内村の村長選が27日、投開票された。現職で調査を受け入れた高橋昌幸氏(71)=無所属=が、脱原発の市民団体副代表で新顔の瀬尾英幸氏(79)=同=を破り、6選を果たした。同村長選は1986年以来、36年ぶり。投票率は89・24%(86年=97・67%)。当日有権者数は706人。 得票数は高橋氏が559票、瀬尾氏が48票。無効票は23票 当選を決めた高橋氏は、支持者らを前に「私の政策をご理解いただいた」と述べ、最終処分場選定については「まず文献調査の結果を見て、議会や村民の意見をどう集約すればいいか考えたい。住民投票はひとつの方策だ」と語った。 神恵内村は2020年10月に国の文献調査を受け入れ、同11月から、原子力発電環境整備機構(NUMO)による調査が約2年間の日程で行われている。 高橋氏は昨年12月に立候補を表明。「調査を受諾した責任を全うしなければならない」とし、今秋にも終わる文献調査の次の段階の「概要調査」(4年間)については、「(進むかどうかは)村民の意思を十分確認してから決断する」と主張した。5期20年の実績や水産業振興や福祉、教育の充実も訴えた。 瀬尾氏は1月に立候補を表明。当初は「核のごみを争点にしない」としたが、告示前には文献調査は容認したうえで、概要調査反対を主張した。ただ隣接する泊村在住だったこともあり、支持を広げられなかった。瀬尾氏は記者団に「力不足で申し訳ない。核のごみ問題に対する国のあり方や、それを受け入れる高橋氏の村政に異議を申し立てることに意義があり、かろうじてくさびをうちこむことはできた」と語った。 村長選は、20年秋に核のごみの問題が村内で浮上して以来、初めて村民の意思を示す機会だった。高橋氏が大差で勝利し、村民が文献調査には一定の理解を示した形になった。 今後は概要調査前にどんな意思決定をするかが焦点となる。高橋氏は村民の意思を尊重する具体例として住民投票を挙げたが、村に概要調査前の住民投票実施を定めた条例はない。 同時に文献調査が行われている寿都町では、昨年10月に調査推進の片岡春雄氏が反対派を破り6選。町では概要調査前に住民投票が行われる。 一連の調査を巡り、鈴木直道知事は反対の姿勢だ。概要調査前には地元自治体に加え、都道府県知事の同意も得ることになっており、知事の対応も注目される。 「分断」おそれた村民、村長は丁寧に説明を 文献調査が行われている神恵… Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
市役所から電話なのに番号は 「出しゃばり」男性が抱いた違和感
武井風花2022年2月27日 11時00分 還付金詐欺の被害を未然に防いだとして、宮城県警泉署は7日、仙台市泉区のアルバイト木村和信さん(70)に感謝状を贈った。 木村さんは1月上旬、区内の郵便局でATMの順番待ちをしていて、女性が電話で話しながらATMを操作しているのを見た。違和感を抱いて「どちらと電話されていますか」と声をかけたところ、女性は「(市役所の)職員と電話しているんです」。携帯画面を見せてもらうと、電話番号は東京を示す「03」から始まるものだった。 木村さんは「これは詐欺だ」と感づき、伝えた。女性はその場で電話を切って操作を止め、一緒に近くの交番に出向いた。 署によると、女性は区内の60代女性。「市役所から介護保険の還付金があるので郵便局で手続きしてほしい」という電話を受け、還付に必要な手数料だと言われて数万円を振り込もうとしていたという。 木村さんは自分を「ついつい出しゃばる」タイプだと言う。親切心から他人に話しかけてにらまれたこともあるが、今回は「声をかけて良かった」。感謝状を手渡した渡辺勇治署長は「木村さんの声かけで被害を防げた」と感謝した。(武井風花) Source : 社会 – 朝日新聞デジタル